本日は、季節の食材を使ったメインデッシュをご紹介します。
高座豚バラ肉とセップ茸の煮込み マデラ酒風味です。
秋の食材としてキノコを使った一皿を考えてみました。フランス産のセップ茸と、脂身と肉の部分のバランスが良い高座豚のバラ肉を、たっぷりのマデラ酒でとても軟らかく煮込んでいます。
セップ茸は、高級食材の一つですが、茸の王様と言われるだけに味、香り、ボリューム感共に素晴らしいです。お値段の方も安くはありませんが、この時期にはどうしても使いたくなります。
フランス修行中も、秋になるとセップ茸だけでなく、色々なキノコがレストランのキッチンに届きます。あまりに量が多くて、スタッフみんなで掃除(洗う)した記憶があります。当時はうんざりしていましたが、今ではこの時期になりフランスからキノコが届くと、懐かしさと共に思い出しています。
今回は、セップ茸と相性の良い豚肉と組み合わせています。キノコの土の香りと豚肉の素朴な風味がピッタリだと思います。そこにマデラ酒のあまい香りを加えると、どこか懐かしい味わいになります。
付け合わせには、ジャガ芋のピューレを添えてボリューム感をだし、イタリアンパセリでアクセントをつけています。
セップ茸、豚肉、ジャガ芋、パセリと相性の良いものばかりを集めた一皿になりました。
以前は、メインデッシュのお肉料理はローストした物ばかりでしたが、最近は煮込み料理にも惹かれます。手間が掛かる分、味に説得力が有りフランス料理の基本的な素晴らしさを感じる様になりました。
歳をとり経験を重ねる事によって、いろいろな事が解ってきたり見えてくると、ますますフランス料理が好きになっていきます。