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東京グリンツィング シェフブログ

フレンチレストランのシェフが紹介する季節の料理と食材

海の幸と春野菜のゼリー寄せ 香草風味 トマトソースと共に

2007年03月21日 | 前菜

本日は、彩りも鮮やかな春の前菜をご紹介します。

海の幸と春野菜のゼリー寄せ 香草風味 トマトソースと共にです。

軽くマリネにした帆立貝やサーモン、真鯛、車海老等の魚介と、歯ごたえを残し、香りをとじこめるように湯がいたチリメンキャベツやインゲン、京人参、ヤングコーン、椎茸、アスパラガス、ホワイトアスパラガス、黄カブ、赤ピーマン、菜の花等の野菜を、地鶏の腿肉で作ったコンソメを使いゼリー寄せにしています。

ソースは生のトマトをミキサーでピューレにした物に、赤ワインビネガー、シェリービネガー、オリーブオイル、タバスコ、塩を加えています。

付け合せは、グリーンカール、チコリ、トレビス、水菜、セルバチコ、マーシュ、アマランス、デトロイト等の葉野菜に、セルフィーユ、イタリアンパセリ、エストラゴン、シブレット、アネット、等のハーブを合わせたサラダです。

この一皿の中には今書いた様に、とても沢山の食材が使われていますので、同時に色々な味を楽しんでいただけると思います。

色鮮やかな魚介と野菜のモザイク模様と、春の自然を思わせる香草の緑を見ながら、一口ごとに違う食感や香り、味わいを感じることの出来るとても華やかな前菜になりました。

今回はお皿もガラスの物を使い、より春らしい見た目も意識してみました。

いつも、良い料理とは何かを考えています。

シンプルに考えれば、「美味しい」が答えになる様に思います。

では美味しいとは何かを考えると、単純に舌で感じる味わいだけでもなく、空いたお腹を満たす事だけでもなく、希少で高価な物と頭で考えながら満足する事だけでも無い気がします。

きっと、舌、腹、頭以外にも、良い香りを鼻で感じ、鮮やかな色を目で感じ、その温度を皮膚で感じ、その食感を歯や喉で感じながら等、結局はすべての感覚で美味しさを感じているのではないのでしょうか。

見た目だけ綺麗なら良い、味だけ良ければ、高級食材なら良い、と言う料理では、本当の美味しさをお客様に感じていただけないと思います。

とても難しい事ですし、自分自身にもいたらない部分は沢山有りますが、今は少しでも良い物を作りたい気持ちを忘れない様に、毎日を頑張りたいと思っています。

 

 

 


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