本日はメインデッシュの一皿をご紹介します。
鶉の五穀米詰めロースト カレー風味のソースです。
鶉に詰め物をする仕立て方は、フランス料理ではとてもポピュラーです。
特に白身で淡白な味わいの鶉には、今回の様に香りを付けたお米等がボリューム感も出てピッタリだと思います。
グリンツィングでは、香り高く健康的にも優れた五穀米を中に詰めています。
種類は、白米に加えて黒米、赤米、蕎麦の実、アワ、キビです。
自分でブレンドしていますが、それぞれの食感や味わいが混ざり合ってとても美味しいです。
お米やご飯と聞くとフランス料理よりも和食の感じがしますが、水で炊いた白米とは違い、バターやブイヨンの旨みとコクをたっぷりと吸い込み、素材の香りも際立った一つの野菜料理のイメージで作っています。
鶉もフランス アンジュ産の良質でフレッシュな物を使っています。
肉厚で柔らかくとても美味しい食材で、冷凍の物や他の国の物とは同じ鶉でも味わいが全く違います。
個人的に鶉や鴨、鳩等のお肉は、やはりフランス産が一番美味しいと思います。
そしてソースは、スパイシーで食欲をそそる香りのカレー風味にしてみました。
ニンニクとエシャロット、カレー粉をバターで炒めたところに、白ワインビネガーと白ポルト酒を加えて煮詰め、そこに鶉のダシを合わせて更に煮詰めてから、バターとパセリの微塵切りを入れて仕上げています。
カレーの中でもチキンカレーが美味しい事から、同じ鶏系の鶉もきっと相性が良いと思い、この組み合わせにしています。
付け合せも色々な野菜を試してみましたが、特別な癖が無くて旨みの濃いほうれん草に落ち着きました。
既に詰め物にご飯を入れていますので、その他の付け合せはいらない位ですが、ほうれん草のソテーが間に入る事で軽いアクセントが付き、とても良い一皿になりました。
一人で鶉を一羽丸ごと食べる事の出来る満足感や達成感は、フランス料理ならではの美味しさです。
せっかくの美味しい料理ですので一口だけとは言わずに、美味しいワインと共に、ゆっくりと沢山味わっていただきたいと思っています。