10月20日(日)待望の「山の辺の道Part-2」も生憎の雨で参加者が普段の半数となりました。
それでもこの雨の中を参加いただいた皆さんには感謝に感謝。
この日は天理市内を約2キロ東に歩き、起点となる石上神宮(いそのかみじんぐう)から南へ約6キロ、栁本までPart-2を歩きました。
初参加の前本勲さん(大和郡山市60代)は、「石上神宮を見たくて今日は雨の中、奈良郡山から来ました。想像通り秋雨のなか神秘的な森と朱塗りの社殿に心が和みました」。
静寂が漂う杉木立の中、日本最古の拝殿の一つといわれる社殿が鎮座し神鶏もあちらこちらに。
飛鳥時代には豪族、物部氏の本拠地として、万葉の歌にも詠まれたプナやクヌギが茂る布留(ふる)の森を抜け一路南へ。
緩やかな丘陵に柿畑やみかん畑が続きのどかな風景が広がり「初めて歩く天理。柿やみかん畑を見て味覚の秋を感じました」(20代女性、東大阪市)。
後半は見どころの竹之内環濠集落跡、袋田陵、柿本人居の歌碑、長岳寺へ。
衾田陵を下りて田中の道を南へ進むと、田園の一角がきれいに整備され、万葉学者・故犬養孝氏の揮毫による柿本人麻呂の歌碑が・・・。
衾道を 引手の山に 妹を置きて山道を行けば 生けりともなし
柿本人麻呂が亡き妻を背負いその亡がらを龍王山に埋葬し、茫然自失のままに山路を戻る心情を表した慟哭の歌。
雨に濡れた石碑も涙しているようだ・・・と、話すと皆さんもじっと聞いておられました。
「今日は雨ですれ違う人もなく静かな古代の道を満喫できてよかつた。とくに柿本人麿の歌碑の説明を興味深く聞きました」姉紅葉さん(50代、女性、長岡京市)。