ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

砂漠の旅人(6)

2007-05-05 | TeamABCの策略/ 砂漠の旅人
その旅人が、また砂漠を旅していました。

準備万端、支度をして、旅を始めましたが、
どこをどう間違えたのか、道に迷ってしまいました。

旅人は、次の町を目指して、旅を続けましたが、
ついに、たのみの水がなくなってしまいました。
このままでは、砂漠で行き倒れになってしまいます。

旅人は、必死になって、泉を捜しました。

けれども、場所は、広大な砂漠のど真ん中です。
そう簡単に、泉が見つかるわけもありません。

もう、力尽きた、と思ったそのときに、
古井戸を見つけました。

最後の望みをかけて、旅人は、古井戸に近づきました。
その古井戸には、古い手押しポンプが付いていました。
旅人は、無我夢中で、そのポンプを押し始めました。

しかし、出てくるのは、空気ばかりです。

旅人は、命が尽き果てたような思いで、バタンと倒れました。

気が遠くなりかけていく、その中で、
手が何かに当たっていることに気がつきました。

なんだろうと思って、
見ると、

なんと、空のペットボトルでした。

そのペットボトルは、こうメッセージがついていました。

「このペットボトルの水を、手押しポンプの上部にある穴に注いで、
それから、ポンプを押してください。
この水が呼び水となり、井戸から水を汲み上げることができます。
あなたが水を補給したら、
次の人のために、必ず、このペットボトルにも水を入れてください。
グッド・ラック!」


(週末は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります。)