ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

ウサギの国の危機(6)ウンチク前編

2008-11-29 | 王子と靴磨き少年/ ウサギの国の危機
ウサギのお話、とくれば、「ピーター・ラビット」が、まず私の頭に浮かんできます。愛嬌があって、いたずらで、じっとしていない、それでいて憎めないイメージがあります。また、狼もいろいろなお話の中によく登場するのですが、たいていは悪役で、最後はとっちめられたり、痛い目にあったり、ちょっと気の毒な役回りですね。今回のストーリ-でも、そのまんまのイメージで登場してもらいました。

さて、今回考えたいポイントは、ウサギたちが動物王国に再び戻るところです。

ウサギたちは、ライオンが止めるのを振り切って、自分たちから動物王国を出て行きました。動物王国から出たウサギたちは、狼たちに狙われ、危険になります。そこへ、ライオンから手紙が届いて、再び動物王国に戻ることにするわけです。

動物王国に住むには、王様であるライオンの許しが必要でした。ウサギたちは自分から出ていたわけですから、ただ「ただいま~」というわけにはいきません。で、どうすればライオンがゆるしてくれるか、自分なりにウサギたちにがいました。ニンジンを持って行ったり、踊って見せたり、速く走れることをアッピールしたり。でも、どれも大変な失敗に終わりました。

この失敗、案外、私たちもやっているのではないでしょうか。ゆるしてもらうために、自分なりにあれこれと手を考えるわけです。「自分だったら、これで機嫌を直すかな」、そう思うことをやってみます。それがどんなにいい考えのように思えても、それは所詮自分の考えでしかありません。ゆるす人の考えではないのです。ゆるす人の考えに合わなければ、すべては無駄、かえって問題を大きくすることにもなりかねませんね。

(次回は、解決の糸口をウンチクります。)