おはようございます。9月30日今朝7時の東京・小平の気温は16℃、天気はくもりです。まだ9月なのに本格的に寒いです。
本日は、先日の記事の続きで、コンビニの棚管理調査結果をお話しします。
18軒のコンビニを短時間で回り、売れ筋の新商品サッポロラガー缶が売場でどのように扱われているかを調べました。
調べてみると、コンビニチェーンによって、またお店によって大分扱いが違うということがわかりました。棚内で商品の顔が見える数=フェイス数の違い、350と500ミリリットル缶の扱いの違い、前だし(一番手前の見えやすい位置に寄せる作業)の有無などの各店の違いが、一つの商品を通して見えてきました。
サッポロラガー缶の売場にみる各コンビニ(9月27日土曜日19:30~21:10調査)
表をみると、まず目に付くのがSEの戦略性です。350サイズに特化して、まとまったフェイス数で横に並べて目立たせることで、伸び盛りの新製品を売り込みます。
配置する場所もゴールデンゾーン です
※ショーケース内でその商品のターゲット顧客が一番取りやすい高さ
それに対して、他のコンビニチェーンは、こんな感じです。
せっかく4フェイス使っているのにバラバラに置くため目立たない
売れ筋で増産が決まった新製品なのに目立たず取りにくい位置
果ては補充無し、前出し無しで機会損失確定ですね
今回調べてみて、マーチャンダイジング、オペレーション共に、各コンビニチェーン本部間の力の差を強く感じました。
しかし、違いはそれだけでしょうか?今回私は本部の差と同時に店舗の違いを強く感じました。従業員の態度、店の雰囲気、顧客の表情など店自体のレベルの差を感じました。
カウンターに積み上げられた段ボール
SE以外のコンビニオーナーの方へ
お忙しいとは思いますがもうすこし、自店でできることを探ってみてはいかがでしょうか。店の管理はもちろん、本部が指示しなくともPOSデータ、世の中の話題、ニュースなどから読みとれることはたくさんあります。
SEの売場を毎日見に行っても良いじゃないですか。できることはたくさんあります。折に触れて、従業員と一緒にSEを見に行き、「こういう店にしたい」という意思表示をするだけでも店は変わるものです。
そして、これらはオーナーにしかできないことであり、優先順位をあげて取り組んで欲しいことです。つまり、従業員でもできる仕事のためにこれらを怠ってはならないと言うことです。
ついつい、熱くなってしまいました。ごめんなさい。でも、これが私の本音です。
※関連記事
コンビニ棚管理比較(1):戦略商品サッポロラガー缶
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おはようございます。
9月28日日曜日、今朝9時の東京・小平の気温は18℃、天気は曇りです。
昨日は、多摩地区(日野・国立・国分寺・東大和・武蔵村山・昭島)商工会主催の創業塾にうかがいました。
その帰りに寄り道をして、都内の18軒のコンビニを調査しました。今日は、好きなビールとコンビニのフェイス管理(棚の配置、割付数など)の話です。
私の好きなサッポロラガービールは、知る人ぞ知る今時珍しい熱処理をしたビールです。赤星なんて呼ばれ方でこだわりのある飲食店に置かれています。主に業務用に出荷されてきたようで、スーパーやコンビニでは見かけないビールでした。
生」という言葉のイメージの良さからか、世の日本製ビールのほとんどが、昔は当たり前だった熱処理ビールから、「生」ビールに変わってしまいました。そうなった今では、熱処理済のサッポロラガーは、逆に差別化された商品になってしまったようです。
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ここで余談ですが、上のパラグラフでなぜ生に「」をつけたかというと、ほとんどの日本製「生ビール」は、本当のドラフト(=生)ビールとは言えないからです。本来、ドラフトビールは、酵母が瓶の中で生きているビールのことです。酵母を熱処理で殺さず酵母が生きているビールなのです。
そうなのにもかかわらず、1967年酵母を濾過した非熱処理のビールに、某サントリーが「生」という名前を付けて販売開始しました。
酵母が入っていないビールの「生」という呼称に最初は批判的であった他のビールメーカーも、公正取引委員会が「生ビール=非熱処理ビール」という解釈を示したため、やがてサントリーに追随して「生」ビールを販売するにいたりました。
また近年になってチルド配送網の整備が進んだこともあり、「ザ・プレミアム・無濾過<リッチテイスト>」など本来の生ビールもコンビニなどの流通に乗って広域で販売されるようになりました。
こうした経緯は、wikipedia先生に詳しく書いてあります。
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さて話は、熱処理済サッポロラガービールにもどります。このサッポロラガーの缶ビールが、9月10日からコンビニ限定で販売されています。売れ行きも好調なようで、サッポロは、9月18日に販売目標を上方修正しました。
上の写真は、昨日9月27日19:30の某SEコンビニチェーン某店の冷蔵ケースです。商品の顔が見える数=フェイス数が20あります。
私はこのような光景を前にも見たことがあります。1991年のカルピスウオーター販売開始時のSEチェーンのケース内は、こんな感じでした。
SEは、新製品の戦略的な割付とPOSデータの登り口で反応してフェイス数を増やすことにより機会損失を最小限に抑え、販売数量のピークを前に早じまいすることで在庫をかかえないという単品管理の常套手段を持ちます。
POSデータは、後で日経MJ誌から拾っていけると思いますが、SEがこの写真のような割付をすると言うことは、この商品は販売数のピーク直前を迎えていると考えられます。
そこで、各コンビニチェーンの棚管理を比較するために、同じ9月27日夜の店舗を回り、SEの他店、他のチェーンが、この商品をどのように扱っているかを、調べてみようと考えました。
APチェーン某店:2フェイスだけで補充や前だし(一番手前の見えやすい位置に寄せる作業)もできていない
同じ店:他の商品も同様のひどさ
FMチェーン某店:新商品、しかも増産が決まった商品がケースの一番下にある
というかんじで、コンビニといっても相当に違うということが、18のコンビニをまわるとわかります。また、同じチェーンでも棚の作り方が大きく違っていたり、店の雰囲気の善し悪しと、棚の状態とが符合していたりと、多くの気付きを得ました。
大分長くなってしまったので、フェイス数の調査結果と分析などは、次回にお話しします。
※関連記事
コンビニ棚管理比較(2):戦略商品サッポロラガー缶
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写真は電車内の広告です。遠目で見て「世界のビールをビアホールで3,500円で飲める!」と読めたのですが、近づいてみると「ワールドビールフェア」「ビアホール」は別の店のイベントのようです。
この広告を初見でこのように誤解する人は私だけではないはずです。また、私のようなビール好きの人(=この2つのイベントのターゲット客)が、最初の「世界のビールをビアホールで3,500円で飲める!」という期待を裏切られてしまうと、もう「ワールドビールフェア」や「ビアホール」にはまったく興味がもてなくなるものです。
広告は、その商品サービスを買ってほしい人の欲求にストレートに答えるわかりやすさが必要です。たとえば、下の例はいかがでしょうか。
本当かどうかはさておき、「低金利で借りたい」というこの企業が想定する顧客の欲求にストレートに答えを投げかけています。
「ワールドビールフェア」「ビアホール」の広告は、商業ビル内2店の広告原稿をそのまま載せてしまった結果、全体としても、何をアピールしたいのかが不明確になってしまっています。
そうならないために、広告は一目見て一瞬で何を言いたいのかが伝わることが重要です。たとえば、下の広告は、顧客に訴えるポイントを絞ったインパクトのあるコピーが使われているように感じます。
まあ、別の見方をすると、昨今のマンション業界の切なさを感じるコピーでもありますね。しかし、広告としてのインパクトはあると思います。時にはこのように、泥臭い表現を使う手もあるのです。
大事なことは、顧客になりうる人たちにどう見えるかをよく考えて作ることです。あまり、多くを盛り込まず、ポイントを絞って、絞りこむことでインパクトをもつコピーを目立たせ引き立てることが必要です。

シューアイスの製造ラインを持つ会社にとって、「犬用」製品を市場に出すことは、「犬に食べさせる」「犬と一緒に食べる」というシューアイスの新しい用途を開発したということです。
従来と変わらないかほとんど変わらない製品を、従来と違う切り口の市場セグメントを開発し他社に先駆けて販売すると先行者としてその市場において有利にシェアを取ることができます。
たとえば、缶コーヒーに「朝専用」とネーミングしたり、緑茶ペットボトル飲料にカテキンを増量したものに健康のイメージをつけたりすることにより、それだけのことで、従来の同じような製品のシェアが小さいまたはシェアを持たない企業が新しい市場をつくり、その市場を席巻しました。
「差別化」というと、今いる市場内での差別化を思い浮かべがちですが、現在の市場内での差別化は結局は他社との性能競争につながり、コスト的に合わなくなるケースが多いのではないでしょうか。
たとえばあなたが、「人間用の何か」を製品・商品としている業界で他社との差別化に悩まれているとするならばならば、その「人間用の何か」についての「犬用」(ペット用)製品・商品市場を新たにつくるのはいかがでしょう。
飼い主は、ペットに自分たちと同じことをさせたがるようです。たとえば、人間が暑いときにアイスが美味しいと思うので、ペットもそうだろうというわけで、アイスを食べさせるわけです。この発想で、我々人間の日常生活の場面でペットと飼い主が同時にできるものを探し、「犬用」製品・商品を探って見て下さい。
経営者の皆さん、頭を柔らかくして考えましょう。業界内での差別化ではなく、自社の製品・商品・サービスを他の分野で売ったらどうなるのか?という発想を持って考えてみて下さい。きっとほかにも自社で扱う製品・商品・サービスが売れる市場があるはずです。

「記者から見た中国進出の現状と課題」というセミナーに、参加してきました。セミナーは2002年から、中国で中国語で日本の繊維業界紙を発行しているダイセンの鈴木康弘氏による講演です。ダイセン社は、日本での業界紙の発行、イベント・展示会コーナーの企画、運営などをおこなうなかで、中国進出をめざす日本企業のサポートビジネスに業務を広げてきました。
講演では、日本の繊維業界の現状から、中国市場の現状を示し、中国進出の具体(失敗)例を挙げ、繊維業界に限らない企業の中国進出、特に輸出のためのアドバイスが語られました。特に印象に残った内容を以下に示します。
国際感覚が欠如している
世界中がねらう中国市場は、中国国内企業を含め各国の競争の場です。比較的(いままでは)国内市場で食べていけた日本企業は、他国企業と比べて「ぬるい」。また、韓国などは政府をあげて援助を加えており有利にビジネスを進めていることを知る必要がある。
経営者の覚悟が必要
あたりまえだが中国相手にコスト競争を仕掛けることはできない。いかに差別化された製品を提供するかが重要である。差別化の一つのやり方は、中国の市場にあわせず日本から文化を持ち込むことである。たとえば、ウエディングドレスの桂由美さんは、20年掛けて白いウエディングドレス(中国では白は喪服のいろであり婚礼衣装としてあり得なかった)の市場をつくった。
文化を持ち込むということは、長く時間が掛かることである。短期的な利益で判断せず、繰り返し継続していく事が大切である。生半可な覚悟ではだめである。
インバウンド市場もあり
日本国内での中国人観光客の決済手段として、銀聯(ぎんれん)カードが注目されている。このカードは中国版のデビットカードである。これを使用して、大量にブランドものを買い漁る観光客が増加している。(在京百貨店4店への鈴木氏取材による)
中国国内でブランド価値を高めるマーケティングを行い、日本で観光客向けに販売する方法もあるのではないか。
今回は、中小機構の虎ノ門セミナーの企画でした。私は今回初めて参加しました。毎回、興味深い企画があるようです。興味がある方は、リンクをたどって下さい。

帰りには金比羅さんで一休みしてきました。
ここでは、スーパーマーケットの例で考えてみることにする。

たとえば、上の図では、苺(いちご・青果)の平台にカテゴリーが異なるコンデンスミルク(食品)を置くことによって、苺にコンデンスミルクをかけて食べるという提案をして、関連した買い物をしてもらうことを狙っています。

また、「鍋もの」に使う野菜類を集めて、その近くに鍋用スープの素を置くのも同様です。

さらに、上図のように、通路を挟んで「鍋もの」に関連する商品を置くことで、顧客が献立をよりイメージしやすくする方法もとられています。
セルフ業態であり、人による説明販売ができないスーパーマーケットでは、人以外の商品のレイアウト、POPなどを使って、顧客がいかにメニュー提案に気付いてもらうかが重要である。
本来のカテゴリー分けでは離れたところにある商品も、メニューや食べ方の提案のためには、近くに集めることによって顧客にその提案のイメージをうまく伝える。そして、関連した商品を同時にかごに入れられるようにしなければ、その提案は受け入れてもらいにくい。
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大まかに言うと以下の通りです。
NB(ナショナルブランド)=(特に大手)メーカーが自社製品として売るときのブランド(例:キッコーマンしょうゆ)

PB(プライベートブランド)=卸や小売など流通業者が独自に付けるブランド(例:7プレミアムしょうゆ)

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