皐月の2日目、松島へ行く。
桜の散った仙台から、利府街道を通って行くと、利府では梨の花が満開だった。
秋には、旨い利府梨を、また食べたいと楽しみに思う。
梨の花と、所々に代掻きのなされた田んぼに、コサギが来ていたのを眺めながら、東へと進んだ。
やがて、坂道を上り詰めると、道の向こうに松島の海が見えてくる。
町営駐車場に車を停め、松島の海を眺めながら坂道を下っていくと、松島水族館の前に出た。
水族館では、ペンギンの赤ちゃんが津波にも負けず、ちゃんと生まれ育っていたというし、先日はマンボウも運ばれ、水族館にマンボウが帰って来たという話もある。
まさに、公共広告の『あいさつの魔法』に出てくる「ただいマンボウ」だ。
水族館を前に、後ろは松島駅で、そこを左へ道なりに進むと瑞巌寺の入り口を通り、やがて五大堂へとたどり着く。
(五大堂向かい側辺り。店舗のシャッターが津波でひしゃげている。間の柱の下部で、茶色が少し剥げたように白っぽくなっているのが浸水した痕。松島の商店街も、至る処でこうした破損や修復中の姿が見られた。)
五大堂の向かいには、昨年に出来たばかりの干支記念館と松島観光物産館がある。
松島観光物産館の2階は、「浪漫亭」という食事処となっている。
ここも、営業を再開したというので寄ってみた。
昼餉は、浪漫亭で松島湾を眺めながら海鮮丼を食べる。
自分はミニ3色丼を味わった。
やはり旨い。
アナゴは、とろけるように柔らかであった。
津波で、再開も大変だったろう、今の営業も何かと大変で疲れもあるだろうと察せられる。
けれども、声を掛けると、お店の方は笑顔を見せて応じてくれ、あったかく穏やかな空気が流れた。
満腹で満足して階下へと降り、みやげ物を見て回る。
そこで見つけて、最も気に入ったのは、やはり松島の海苔である。
東松島の矢本地区は、「皇室献上海苔」として知られる、良質の海苔の産地だった。
3・11大地震の津波被災で、海苔の養殖や生産に必要な機材が流され、当面の生産は困難と思われる。
しかし、海苔の生産を地元の人々は諦めてはいない。
いつかきっと、皇室献上海苔を復活させると心に決めていることが、東松島町の広報誌に記されていた。
その松島の海苔を、気軽に食べやすく加工した味海苔もある。
この味を、しっかりと記憶し、復活へと踏ん張る生産者の気持ちを共有したい。