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プーチンの真の狙いはNATOの機能不全もしくはNATO解体

2022-05-23 00:22:35 | 政治
世界には様々な分析記事が存在しますが、ウクライナ問題は実は米露による覇権戦争であり、ウクライナはアメリカの道具に過ぎない
というのが、よく戦況を分析している専門家の、一致した意見なのではないでしょうか?
多分、覇権戦争を仕掛けているのは、一方的にアメリカ側であり、経済力で大きく劣るロシア側に、その意図はないでしょう
ロシア側は、アメリカによって仕掛けれられる覇権戦争、「ロシア潰し」に、どう対処するかを長年考え続けていたはずです

ここからは、ある経済学者のテレビインタビューをもとに、ロシアの戦略について、私なりの意見をまじえて、語ってみたいと思います
ある経済学者とは、マイケル・ハドソン氏です

ここからは、ロシアテレビのニュース番組に出演したハドソン氏のインタビューを要約してお伝えします


インタビュアー:いま、EUの立ち位置はどうなってますか?
ハドソン:EUは経済的に圧力を受けている。エネルギー、資源、食料を調達するために、余分な外国為替(外貨)を支払わなければならなくなったため、対ドルレートでユーロは弱くなり、1ドル=1ユーロに近づいている(現在は1ドル=0.95ユーロ)。
他の経済も縮小している。


インタビュアー:たとえばEUと中国などの大国との関係はどうなっていくでしょうか?
ハドソン:20年前のEUの計画では、ロシアへの投資、中国への投資、双方交流によって強い経済を作ることが目標であったが、ウクライナ問題によって、EUはアメリカの衛星国として取り込まれ、ロシア、中国との交流を断つ方向へ決断した。
今回のウクライナ問題は、EUのロシア・中国との取り引きを停止させるための、アメリカによる経済戦争である。


インタビュアー:アメリカがロシア・中国とEUの貿易関係を断ち切ろうとしているとおっしゃいました。その結論はどの程度正確ですか?
ハドソン;アメリカはナンバー1の敵国は中国だと言っています。
EUはアメリカに従順に従っていますので、中国に対して貿易や相互関係を増やすとは思えません。


インタビュアー:現在の状況は、確かに中露が接近していますが、今後5~10年先、これはどうなると思いますか?
ハドソン:現在の戦争は、世界を2極に分けている。一方はアメリカを中心としたEUとドルエリア。
もう一方は、ロシア、中国を一つのグループとして、アフリカ、ラテンアメリカ、その他のアジア諸国が、中露経済圏に引き込まれる可能性がある。


インタビュアー:NATOがこれまでにないほど一列に整列しているが、これに対してどう思うか?
ハドソン:このEU・ヨーロッパの米国圏への統合は、”新しいベルリンの壁”のようなもので、アメリカを他の国々から隔絶している。
アメリカの戦略家たちは、すでにアメリカが”負けている”ことを自覚しており、アメリカが他国から得られなくなった収入をEUから得るため、躍起になってEU・ヨーロッパの囲い込みを行うだろう。


インタビュアー:EUがロシアのエネルギー依存から脱却し、アメリカがその穴をシェールガスによって埋めようとしているように見えます。逆に、ロシアはインドと中国に石油を販売しています。
ハドソン:重要なことは、石油がインドにルーブルで販売されているという事。
すでに石油取引全体が非ドル化されていて、ルーブル、人民元、その他の通貨で価格表示されている。
取引からドルが除外されたため、ドルの帝国主義的支配は終了した。ベネズエラやアフガニスタン、そして今はロシアという国々の外貨準備金を(制裁という手段を使って)強制的に取り上げたことによって、ドルの取引の安全性を棄損させ、アメリカは自分で孤立の道を選んだ。



インタビュアー:ロシアに科せられた西側の制裁は、逆に制裁を科した国にどのような影響を与えましたか?
ハドソン:リトアニアのチーズの対ロシア輸出禁止の例を見ても、その制裁はロシアにとってポジティブなものになった。
例えば、ロシアはリトアニアのチーズに代わって、ロシア産チーズの生産を奨励することができた。
このように、ロシアには資源があるため、自国産業を奨励することで制裁を自国産業を盛んにすることでまかなうことができる。
逆に、制裁を科した国々は、いまだにロシアの資源に依存している。
西側はロシアの天然ガスを禁止すると言うが、それを可能にするための天然ガスの輸入港などどこにもない。
西側は港を作るあいだ、何年も天然ガスなしで過ごさなければならないことになる。
いま現在、すでにドイツの肥料工場の一部が操業停止している。代替の安い天然ガスなしに農業生産が持続できるとは思えない。


インタビュアー:アメリカではインフレが加速していて、バイデンはそれをロシアの責任と主張しています。アメリカ人はその説を信用していますか?
ハドソン:ロシアは広報戦が得意ではないので、多くのアメリカ人がその説を信じていると思う。
しかし実際には、ウクライナ自身が機雷を使って南部の黒海を海上封鎖しようとしているため、貿易船の保険を引き受ける保険会社がないのが現実。
確かにロシアは非難を受けるが、機雷の設置はロシアではなくウクライナが行ったものである。
アメリカは”我ら対彼ら”の構図が好きで、誰かを敵対視して戦争をする。今はロシアが”彼ら”になっている。


インタビュアー:西側のロシア制裁で3000億ドルの資産を没収したことは物議をかもしている。モスクワはそれを盗難と呼んでいるが、その制裁の影響についてどう思うか?
ハドソン:アメリカ経済には全く影響はないが、制裁はロシアに有利に働く。
ロシアやベネズエラ、アフガニスタンらの資産を凍結・没収したことは、アメリカに対する不信感を世界各国に抱かせた。
過去75年間、アメリカに貸し付けられた米国債は世界で一番安全な投資だったが、それが今や一番危険な投資になっている。
これにより、アメリカはアジア経済から切り離され、南アメリカ、アフリカからも切り離された。
しかし、アメリカは完全自給国ではなく、貿易では中国やアジア諸国に依存し、ヘリウム、チタン、イリジウム、パラジウムなどの輸入資源の多くはロシアに依存しているのが現実。
ロシアは制裁で負けたように見えるが、その実、経済と貿易において勝利しており、経済が安定に向かっている。




まだ続きはあるのですが、インタビューはこの辺にして、私自身の見解を入れておきたいと思います

マイケル・ハドソン氏は、ロシアが経済制裁を逆手にとって、自国産業の育成に力を注ぎ始めた、と言っていますが、私も同感です
これは姿を変えたグローバル経済から反グローバル経済への移行であり
国内産業の育成を妨げていた外国からの輸入品をストップさせられたことで
逆に自国の製造業を強くし、自国経済が強くなれる可能性を示唆しています
この見解は、今の日本にとって、とても参考になるものではないかと、私は思っています

もう一点、ロシアに関してですが
プーチン大統領はいま、忍耐に忍耐を重ね、アメリカの度重なる挑発に乗ることなく、ひたすらに淡々と事を進めているように見えます
これは、時間を置くほど、EU諸国が対ロシア制裁に付き合わされることに「耐えられなくなる」と見ているのではないかと思います
プーチン氏は、「アメリカが嫌になったら、いつでもロシアは貴国を歓迎しますよ」と、メッセージを送っているのではないでしょうか?
つまり、西側諸国、EUのほとんどは、アメリカの圧力に嫌々付き合っているだけで
状況が変われば、あっという間にアメリカを見限り、逆にアメリカが孤立することも考えられるわけです

おそらく、ロシアの狙いは、横暴なアメリカとイギリスの孤立化であり、アメリカの影響力の喪失。。。が狙いでしょう
私はそう見ています
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