本朝徒然噺

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一葉桜まつり&花魁道中・ショー

2006年04月08日 | お江戸案内
浅草観音の裏、浅草花柳界の見番を通りすぎたあたりに、小松橋通りという通りがあります。
この通りを越えたあたりには、かつて吉原遊郭がありました。

小松橋通りの両側には、「一葉桜」と呼ばれる桜が植えられています。

一葉桜
↑一葉桜

サトザクラの一種のようですが、樋口一葉がこの花を愛したことからこう呼ばれているそうです。
樋口一葉は、この近くにある「竜泉」という地で小間物店を営んでいたことがありました。

この桜が見ごろを迎えた4月8日、小松橋通り界隈で「一葉桜まつり」が開催されました。
まつりの一環として花魁道中・ショーも行われ、にぎわっていました。

花魁道中・ショーをとりしきるのは、その昔、吉原遊郭の大店で、遊郭が廃止されてからは料亭として近年まで営業を続けていた老舗「松葉屋」です。
料亭として営業されていた時、松葉屋の花魁ショーは「はとバス」のコースにもなっていたのです。
今では、それもなくなってしまったので、こうしたショーを見られる機会も希少になってしまいました。

この日は、一時的に激しい雨が降る不安定な天気でしたが、花魁道中が始まる前には雨もやみ、天気も回復して幸いでした。

花魁道中では、あでやかな衣装を着て3本歯の高下駄を履いた花魁(太夫)が「外八文字」をふみながらゆっくりと歩きます。
花魁の名前の入った提灯を持ったり、花魁に傘をさしかけたりする男衆さん、禿(かむろ:花魁の身の回りの世話をする少女)、振袖新造(ふりそでしんぞう:花魁の妹分の遊女見習い)などが花魁に付き従い、圧巻です。

花魁道中
↑花魁道中(後ろから見たところ)。花魁の後に、大勢の振袖新造が付き従います。


花魁ショーでは、吉原遊郭におけるお座敷の流れやしきたりなどを、解説を交えて紹介してくれました。花魁や禿、振袖新造などの踊りも披露され、あでやかでした。

かけ見せ
↑打掛を広げて見せる「かけ見せ」。打掛には豪華な刺繍が施されています。
花魁の髪型・挿物(かんざしなどの髪飾り)は、吉原独特のものです。吉原の場合は、挿物はべっ甲と珊瑚のみで揃えられており、髷(まげ)の部分につけられている飾りも、鹿の子は用いず金の組紐のみで、粋な感じにまとめられています。
向かって左に座っているのは振袖新造、右が禿(かむろ)。

吸い付け煙草
↑吸い付け煙草。花魁独特の長い煙管(きせる)を吸って火をつけ、客に渡します。どんな客でもやってもらえたわけではなく、なじみ客、つまり花魁の目にかなって客と認められた人しかやってもらえません。
大店の花魁の場合は、どんな大金を持ったお客でも、初会でお客と認めてもらえることはなく、「三会目」でやっとなじみ客になることができたそうです。なじみ客として認めてもらう前でも、お座敷代や祝儀などで莫大なお金を使わなければなりませんでしたし、花魁にふさわしくないと判断されればなじみ客にはなれませんでした。



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