本朝徒然噺

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芸術祭十月大歌舞伎(昼の部)へ(10/14)

2007年10月14日 | よもやまばなし
<お出かけ先>歌舞伎座(芸術祭十月大歌舞伎・昼の部)
<着物>灰色の無地絢結城紬
<帯>臙脂色にお茶屋の柄のちりめん名古屋帯
<帯揚げ>白地に灰桜色の飛び絞り
<帯締め>ピンク色の冠組
<根付>いちょう・もみじ・松ぼっくりの吹き寄せ(銀製)

昨日に引き続き、またまた歌舞伎座へ行ってまいりました。
先週の3連休に続き、この週末も連日、松竹の劇場へ足を運んだワタクシ
なんたって今月は、昼の部に藤十郎丈の「封印切」が出ていますから、木挽町通いに心血を注いでおります(笑)。

着物は昨日と同じグレーの無地結城で、帯だけ変えました。
着物は、仕立ての際に地入れ(湯通し)をしてくださっているのですでにやわらかくなっていますが、さらに風合いが増すよう、どんどん着たいと思います。早くもヘビーローテーションの予感……(笑)。

帯は、先週締めて行ったのと同じ、お茶屋を描いたちりめんの染め名古屋帯です。もちろん、「封印切」にちなんでおります
面倒だったので帯揚げ・帯締め・根付は昨日と同じです


今日の席は、前から3列目、しかも花道の近くだったので、藤十郎丈の迫真の演技を間近で見ることができて、感動もいっそう増しました

客のお金に手をつけ、梅川とともに死ぬ覚悟で廓を出ていく忠兵衛が、何も知らずにこやかに見送る廓の女主人に挨拶をして花道を引っ込んでいきます。
この時、藤十郎丈は本当に涙を流してらっしゃいました
忠兵衛の悲壮感がひしひしと伝わってきて、こちらも息をとめてじっと見入ってしまいました

「封印切」が終わった後の幕間で、後ろの席のおばさま二人の会話が聞こえてきました。
「藤十郎さんはやっぱりうまいわねえ……。私、お芝居の世界に引き込まれちゃったわ」
「やっぱり、役者さんってすごいわね。『ここ』っていうところでああやって泣けるんだもの」

うーん……おそらく藤十郎丈は、「泣ける」んじゃなくて自然と「涙が出てくる」のではないかと思います。
きっと、忠兵衛になりきってるのではないかと……。
何がすごいって、それがすごいですよ! 常に役の気持ちになりきっておられるというのが。
だからきっと、見ている側も芝居の世界に引き込まれるんだろうなあ……と思います。

八右衛門と諍いになって、持っていた小判の包みが破れてしまう場面、その後に続く、忠兵衛が決死の覚悟で自ら小判の封印を切ってしまう場面では、いつも本当にハラハラして見入ってしまいますもん……。忠兵衛の親戚でもないのに(笑)。

「歌舞伎を見てみたいけど、難しそうだから……」と敬遠しておられる方には、ぜひ藤十郎丈の「封印切」を見ていただきたいなあ……と思います。
歌舞伎も「演劇」であり人間ドラマなんだということがよくわかって、きっと歌舞伎が身近に感じられるんじゃないかなあ……と。
チケットはまだまだあるようですので、興味を持ってくださった方はぜひお出ましください。26日までやってます


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2 コメント

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ピンクの効果 (kazura)
2007-10-16 22:52:57
ピンクの帯締め、印象的ですね!
あたたかい感じがします。
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kazuraさま (藤娘)
2007-10-17 22:26:40
ありがとうございます

私は、着物だと明るい色より地味な色のほうがなぜかしっくりくるので、小物にうまくピンクを取り入れられるといいな~と思います

淡いピンクからスモーキーなピンクまで、色によって印象がずいぶんと変わるので、いろんなピンクの帯締めを揃えられるといいなあ……と、よからぬ考えが頭をもたげてしまいます
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