本朝徒然噺

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鈴本演芸場五月上席・夜の部へ(5/10)

2008年05月10日 | 落語随談
5月10日(土)、鈴本演芸場五月上席(かみせき)夜の部へ行ってきました。

ゴールデンウイーク特別興行で、トリの柳家権太楼師匠が、たっぷりした噺(いわゆる大ネタ)を10日間日替わりでつとめます。

演題はあらかじめ発表(ネタ出し)されていて、千秋楽の10日は「居残り佐平次」。

「居残り」というのは、妓楼に上がって勘定を支払えない客が店に足留めされること。身元引き受け人が来て勘定を支払うか、勘定分を労働で支払うかしない限り帰れません。
オアシのあるお客が何日も店に滞在する「居続け」とは雲泥の差です(笑)。

佐平次は、その「居残り」を計画的に行い、タダ飲み・タダ食い・タダ遊びを平然とやってのける、肝の据わった人物。
それどころか、逆に店の主人からお金や着物までもらって店を出て行く始末。

ある意味詐欺師みたいなもんですが、店に居残ってちゃんと労働をするので(しかも要領がよく、店の客からも気に入られてしまうほどの働きぶり)、完全な詐欺とは言えず、法の網をうまくかいくぐっているといった感じです(笑)。
それなのに憎めないキャラで、佐平次が店の者をやりこめる様子になぜかスカッとしてしまうのです。

権太楼師匠の佐平次は、面白かったのですが……佐平次の「大物」っぽい雰囲気が今ひとつ伝わってこなくて、聴いていて人物像をうまくとらえきれない感じがしてしまいました。

◆◇◆◇◆

古今亭菊之丞師匠が、「ほうじの茶」という噺で、役者さんや噺家さんの声色(こわいろ=ものまね)を披露してくださいました。

お座敷で旦那から「何か面白い遊びを」と所望された幇間が、「焙じてお湯を注ぐと、湯気の代わりに、会いたい人物が出てくるお茶」を使って遊びます。

旦那が「6代目中村歌右衛門」を希望すると、お茶を焙じながら幇間が「このお茶はよ~く焙じないといけないんですよ。こないだ、よく焙じないでやったら、歌右衛門の代わりに魁春が出てきちゃったんです」と言ったので、ウケてしまいました(笑)
(でも、ウケてたのは私と友人と、前の列の三人組のお客さんだけでした……。この日は、芝居好きのお客さんが少なかったもよう)

お茶をよ~く焙じてお湯を注いだら、出てきました、ちゃんと大成駒が

続いて旦那は、8代目桂文楽師匠(黒門町)、6代目三遊亭圓生師匠、立川談志師匠、古今亭圓菊師匠を所望。
お茶を焙じてお湯を注ぐたびに、次々と登場しました。
圓生師匠のところは、ちょっと焙じ方が足りなかったんじゃないかなあ……(笑)。
古今亭圓菊師匠は、菊之丞師匠の師匠です。さすがに師弟だけあって、とてもよく似てました。あ、いや、よ~く焙じられてました(笑)。


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