ヘチマの帯枕

ゴールデンウイーク前半、京都へ行った際に、間隙を縫ってゑり正祇園店へ行きました。

和装用のステテコを買おうと思って立ち寄ったのですが、お店に着いたらふと、ヘチマの帯枕（冒頭写真）のことを思い出しました。

乾燥させたヘチマを晒でくるんで作った夏用の帯枕なのですが、手作りのため入荷が不定期で一回の仕入れ数も少ないそうで、入荷されてもすぐに完売してしまうのです。

初夏や夏、残暑の時期に京都へ行くと必ずゑり正さんでヘチマの帯枕を探したのですが、いつも売り切れていました。

今回も、祇園店に行って聞いてみたら、お店の方がとても申し訳なさそうに「ついこないだ少し入ってきたんですけど、すぐに完売してしもうたんです……」
ああ、今回も残念ながら縁がなかったなあ……と思っていたら、私がはるばる東京からやって来たと知ったお店の方が（別に、わざわざヘチマの帯枕を買いに京都へ行ったわけではないですが）、四条寺町の本店にわざわざ電話をかけて在庫があるか問い合わせてくださいました。

そうしたら、何と本店に1個だけ残っていたのです！
ありがたいことに、そのまますぐに本店から祇園店へ持ってきてくださり、ヘチマの帯枕との対面がメデタク叶ったのでした。

お店の方にご尽力をいただいたので、ステテコと帯枕だけでは申し訳ない気がして（ステテコの単価は結構高いんですが）、さらに夏物の半衿2本（きんち絽、麻）まで買ってきてしまいました。

「きんち」とは楊柳のこと。つまり、「きんち絽」は楊柳の絽ということになります。楊柳の絽って珍しいですよね。
きんち絽の半衿は6月から盛夏まで使えるそうです。
手持ちの本塩沢の単衣に合いそうな色が手に入ったので、6月が楽しみです。

ステテコは「超長綿」素材のものを買ったのですが、これがすごく履き心地がよいのです！
コットンなのに表面はシルクのようになめらか。絹の襦袢の下に履いても全然もたつかず、裾さばきが良いのです。
かつ、コットンならではの吸湿性の良さで、肌触りがサラっとしています。
これからの季節、大いに活躍してくれそうな気配です。