本朝徒然噺

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銭湯

2006年07月03日 | よもやまばなし
ガス給湯器が故障してしまい、お湯が使えなくなってしまったので、週末は銭湯へ行きました。
幸い、最寄り駅の近くに銭湯があるのです。

これまで住んだところや、学校や会社の近くは、幸い近くに銭湯のあるところがほとんどだったので、家のお風呂が使えないときとても助かりました。
住むなら近くに銭湯のあるところに限ります(笑)。

広い湯ぶねにつかれるというのもありますが、見知らぬ人とも何となくコミュニケーションをとれるのも、銭湯の良いところだと思います。

入り口で下足箱に靴を入れていたら、後から入ってきたオバサマと、どちらからともなく挨拶を交わしました。
「こんにちは」「今日は暑いねえ」「そうですねー」

そのあとは、銘々お湯に入って別行動だったのですが、お風呂からあがる前にオバサマがわざわざ私のところへ来て「じゃあお先に失礼しますね~」と声をかけてくれたのです。
こちらもあわてて「あ、はい、お気を付けて~」と返したのですが、入り口で一言二言挨拶を交わしただけでもちゃんと覚えていてくれて気づかってくれたんだなあと思うと、何だかうれしくなりました。

この銭湯は洗い場も湯ぶねもそんなに広くないのですが、時間帯のせいか人も少なかったので、ゆったりと体を洗って、のんびりと湯ぶねにつかれました。
湯ぶねのお湯は、水温計では45度でしたが、つかってみるとそんなに熱く感じませんでした。
江戸っ子だと物足りないかもしれないなあ……(笑)。

江戸っ子は「あつ湯好き」で有名です。
そのせいか、東京、とくに下町の銭湯のお湯は、かなり熱めのところが多いです。
しかし、いくら熱くても、勝手にお湯をうめてはいけないというのが、銭湯における不文律です。
自分のうちの風呂ではないのだから、自分の好みだけを優先するわけにはいきません。
もしどうしてもガマンできないときでも、周りに一声かけるのが大切。

落語のマクラなどでよく聴きますが、昔は湯ぶねにつかって蛇口の前に陣取り、若い者がお湯をうめようとするとギロッとにらむおじいさんがいたとかいないとか(笑)。
子どもが走り回っていたりすると思いっきり叱る人もいたそうです。
今ではそんな人も皆無に近いとは思いますが、今の子どもにとっては銭湯へ行くことも必要かもしれませんね。
湯ぶねに入る前に体を流すとか、風呂場で騒いだり走り回ったりしないとか、あがるときは体をよくふいてから出るとか、使った桶とイスは必ずきれいに洗って元のところへ戻すとか、そういう基本的なことを、銭湯では知らず知らずのうちに学べると思います。

桶といえば、なんで銭湯の桶は「ケロリン」なんでしょう……。
でも、「ケロリン」の文字の入った黄色い桶が積まれていると、何だか楽しい気分になるのが不思議です。

今日は、仕事帰りに銭湯へ行きました。閉店時間が近づいていたのですいていて、ゆったりと入れました。
お風呂上がりに、コーヒー牛乳を飲みました。これも銭湯の醍醐味です(笑)。
銭湯を出るとき、番台のおばさんの「おやすみなさ~い」という温かみのある声が心地よく感じられました。

給湯器が壊れなくても、時々は銭湯に行ってみようかな、と思います。

余談ですが、今の銭湯は明かりがコウコウと点いていますが、江戸時代の湯屋(銭湯)は、浴槽や洗い場は真っ暗だったそうです。


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