小沢映子 わたしが伝えていきたいこと

「愛する富士市を、愛せる富士市に」 静岡県富士市議会議員 小沢映子ブログ

Wさん、頑張らなくてもいいように。

2008年09月09日 01時13分14秒 | 福祉・教育
 近くに住むWさん、男性86歳、戦争中は、大陸へ、南方へと戦地に赴き、壮絶な経験をしてきました。よく生きて戻られましたね。と感嘆しました。本人の生命力と強運もあったのでしょう。戦後は、人も大勢使って商売を切り盛りしていました。
 86歳になる今も、若い人に負けないぐらい話すことも身のこなしもしっかりとした方です。
しかし、そのWさんが、「今の生活は、戦中と同じくらい辛い」といいます。
 妻は、精神と体を病み、7~8年前から寝たきりに近い生活です。娘さんは、 生まれたときから障がいがあり、お母さんの入院とあいまって、加齢もあり車椅子だったのが、今は寝たきり状態になっています。7~8年二人の介護を自宅でしています。午前と午後に娘さんと妻のヘルパーさんが来ます。訪問看護師さんも来てくれます。しかし夕方から朝までの介護はWさんがやっています。夜中も何度もトイレ介助で起きています。
 施設入所も考えた事がありましたが、娘さんは体験してみて絶対いや!と拒否。妻もいろいろな施設を勧められショートステイしてみましたが、帰ってくると後がかえって大変、「お父さん、私を見捨てないで」と常にWさんの存在を確かめたり、ヘルパーさんが帰ったあとは、不安で大きな声でWさんを呼ぶのです。
 1年に1回ぐらいは、温泉にゆっくりつかりたい。とWさんは言うのですが、そんな状況で、かないません。
二人とも繊細でヘルパーも誰でもいいというわけにはいかないのです。
 この何年もの間にいろいろな困難が持ち上がりました。その都度何とかクリアしてきたのですが、今また困った状況になっています。
 介護保険だけでは、足りません。半分だといいます。まだまだ家族の介護を当てにした老後の制度です。働かなくてはならない人もいます。仕事をやめて親の介護したら経済的に困窮します。精神的に追い詰められて虐待することも実に多いのです。老老介護ばかりか、認認介護(認知症の人が認知症の人を介護する)も珍しくないのです。未だ社会が責任をもってみる介護の社会化には程遠い感があります。
「住み慣れた場所で、最後まで自分らしく」という 最後まで尊厳を失わない生き方を誰もができるように、なって欲しい。ところが、在宅サービスが十分でないため、すぐに施設をと家族が希望する例が本当に多いのです。Wさんのように、娘さんや妻の希望に沿った生活をするため在宅で頑張っている人を 何としても支えなければと思って、いま動いています。


「愛する富士市を、愛せる富士市に」小沢映子公式ホームページ
http://www4.tokai.or.jp/ozawa/

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2 コメント

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在宅介護者の地位向上 (堀内)
2008-09-09 09:47:02
私の場合は介護の他にも仕事を持っているので問題ないのですが、介護を専門にやって生活しようと思っている人は少ないんですよね。

在宅介護は時給が低いのと1回当たりの時間制限があり、稼ごうと思ったら1日4~5軒担当しなくてはなりません。

介護保険発足当時、在宅介護2時間やっていたのが、見直しで1.5時間になった事がとても疑問なんです

実はヘルパーの資格を持ちながら介護の仕事をやらない人が一杯いるんです
表向きはボランテア精神だから手当てなんて気にならないと思っている人もいますが、内心は手当てが良ければ嬉しいんです

若手、いや中年の男性ヘルパーが不足しています。少しでも魅力ある話題がほしいですね~
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おっしゃるとおり! (小沢映子)
2008-09-10 01:39:31
堀内さんのおっしゃるとおりですよね!
何が大変って、いろんな方のお宅へ行って、いろんな方の支援をするヘルパーの仕事って、一番気配慮が必要だし、介護保険の最もかなめですよね。
北欧のように、ステイタスが高い仕事のはずです。
それなのに、待遇ときたら、足りない部分は心で補えのような、労働に見合った賃金ではないですよね。
国の政治の根本を変えないと無理です。
政権交代に望みを託しているのですが‥‥。
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