ラブラドレッセンスの瞳

暗がりの、猫の瞳の煌めき。
地中深く、眠る石の輝き。

銀河との別れ

2010年08月08日 | 父の事全般
今日で父がこの家に戻らなくなって、一年になります。


いつも帰ってくる週末、いつも通り金曜日の夕方に家に帰り、日曜日の夕方に病院に戻るはずでした。





それまで何度か日を置いて熱が出る事が続き、間隔が少しずつ縮まって遂に週に一回ぐらいは熱が出るようになりました。

熱は大体2~3日で下がるんですが、おかげで最後の化学療法がなかなか出来なくなっていました。





水曜日に次の化学療法の話をして、来週具合が良かったら始めましょうと言っていたところでした。

土曜日の昼過ぎ辺りから具合が悪くなり始めていたのに、病院に戻りたくない父は黙って我慢していたのです。





私は父が家にいた事もあり、色々と疲れていたので少し昼寝しようとしていたところ、何かウダウダやっているので熱があると気付きました。

保冷剤などで冷やしていたものの、段々辛くなってきたようで、やっと病院に戻ると・・・。

風邪の熱とかではないので、市販の解熱薬など怖くて飲ませられないのです。





もう父は自分で着替える事も、ズボンを穿く為に立つ事も出来なくなっていました。

熱で体全体が震えていました。


母と2人で父の体を支えながら何とか着替えさせ、病院は近くなのでタクシーを呼んですぐ迎い、殆ど歩けない父の体を支えながら、何とか病室へ。

病院に入ってすぐ借りられる車椅子を持ってくれば良かったのに、全然気付かず・・・。
病室のあるフロアまで上がってから、母が慌てて車椅子を持ってきました。





それ以降、父は自分の足で立つ事はありませんでした。

翌日少し熱が引いたので自分でトイレに行こうとして、ベッドの横で転んだと、向いのベッドのフランス人の方が教えてくれたそうです。


その方は程なくして無事、退院されました。
とても元気だったけど、結構危険な状態になったそうです。

ジュースありがとうございました。
色々親切にして頂いて。
カッコイイ、若いお父さんでした。

お子さんの「パパ、早く元気になって」という可愛らしい絵が飾ってありました。


お互いもう、この病院で会う事はないでしょう。

どうかご家族の為に、出来るだけ元気でいて下さい。
私の父の分も、長生きして下さい。

お父さんがいないのは、とても寂しいです。





本当は日曜日に戻るはずだった病院、あと一日でも家にいたかったでしょう。

銀河ともきちんとお別れをせず、悔いが残ったと思います。


でもこの時は翌日少し回復した感じもあり、また次の週末も戻ってこられると思っていました。

化学療法も出来ると思っていました。

銀河にも会えると思っていたでしょう。

母が病室に行く度に、「猫は?」と聞いていたのですから・・・。



しかし父がその体で、戻ってくる事はありませんでした。


帰りたいと何度も言っていたのに。


一ヶ月以上経って、魂か、小さな骨の欠片しか戻れませんでした。




最後の願いを叶えてあげられずに、ごめんなさい。




きっと私も、最後の願いは叶えてもらえず、苦しみながら死ぬのでしょう。




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