陳 満咲杜の「為替の真実」

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ナンセンスの「サプライズ」

2008年06月10日 17時07分30秒 | FXの真実
昨日ポールソン米財務長官のドル防衛発言につられ、ドルは急速に切り上げしてきた。本日では、一部のアナリスト(主にファンダメンタルズの信奉者)がサプライズを表明しており、ブッシュ政権であるだけに、違和感を感じているようだ。

が、当方から見れば、このようなサプライズはナンセンスであり、ファンダメンタルズの研究者と標榜する多くのアナリストらは世間が思うほど「頭がよくない」ことを露呈させた出来事だ。

なぜなら、最早容認範囲を越えていた原油高と相俟って、米政府もドル安の進行を牽制せざるを得ないのが自然な成り行きで、なにしろ、5日にトリシェECB総裁がはっきりサインを出したので、バーナンキFRB議長に続き、ポールソン米財務長官の発言も米政府がECB側との協議や連携を確認した後の「押し」であることを認識すべきだ。6日当たりでこのぐらいの「背景」を読めないと、ファンダメンタルズ信奉者にしては失格であろう。

また、ポールソン米財務長官の発言が「失言」と捉える向きもあるが、これは幼稚過ぎて、最早論議に足りない見方だ。この時期において、ゴールドマン・サックスの会長を務めた人物が日本の「ボケ」閣僚みたいに簡単に失言はしない、といった考え方は「世界的な常識」でもある。

もっとも、当方はファンダメンタルズ分析を過大評価すべきではないと主張しており、今年ドル高のストラテジーに傾いているのもファンダメンタルズ分析に起因するものではない。丁々指摘していたように、ファンダメンタルズは市場の内部構造と値動きに後を追って発生するもので、市場の方向を決定するものではなく証左するに過ぎないもの。サイクル論によるドルのリバウンドが確認された以上、このような「サプライズ」もこれから続出するだろう。

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