陳 満咲杜の「為替の真実」

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トリシェ総裁のサイン

2008年06月06日 15時57分13秒 | 市況の真実
昨日ユーロの上昇が目立った。言うまでもなく、トリシェECB総裁による「7月利上げ」の発言が齎した結果である。今晩の米失業率の影響も含め、ドルのリバウンドが終了したのではといった危惧の声が多くなっている。

では、仮にユーロの利上げがあった場合、ユーロ高(ドル安)が続くでしょうか。当方はユーロの続伸には懐疑的だ。言いかえれば、ドルのリバウンドがこれからも続くと見る。

昨日トリシェ総裁の発言がかなり鷹派的だが、その背景について考えざるを得ない。トリシェ総裁が敢えて明確な言い方をしたのは、火曜日におけるバーナンキFRB議長の鷹派発言があったからこそだ。本質的には、ドル安(及び原油高)といった懸念がECB側で弱くなっていることの裏返しでもある、という推測に尽きる。トリシェ総裁はドル高のサインを出しているとも読み取れる。

もっとも、このようなファンダメンタルズ・アナリシス自身が「どうでもよい」ものであり、相場のことは相場に聞かなければいけないので、上のドルインデックス日足を見ることに。

図示のように、昨日の高値73.87は再び100日線に抑えられた形で表れたが、昨年12月から今年2月の間まで同線に接近した局面とはやや異なるシグナルを発している。矢印が示しているのは100日線との打診を果たしたポイントだが、前回の2回では共に前の高値より低いレベルで100日線を試していたのに対し、今回は僅かながら5月の高値を上回っている。サイクル論におけるドル高の蓋然性と相俟って、ドルのリバウンドが今回こそ100日線を突破し、続けられるといった可能性が大きいと見る。

引き続きドル/円の高値が108~108.60前後と予測する。


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