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野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

日本でもっともふつうにみられる赤い椿「ヤブツバキ」(椿シリーズ46)

2020年03月29日 09時41分11秒 | 

日本でもっともふつうにみられる赤い椿はこの「ヤブツバキ」。大島の椿もこの品種だ。花弁が開ききらずに筒咲きのままなので、茶花に好まれる。江戸時代から多くの品種の作出のために使われてきた。

(2020-03 東京都 神代植物公園) 

【ヤブツバキとは】
・ツバキ科ツバキ属に属する日本固有の常緑樹。本州(青森県夏泊半島が北限)から沖縄の各地に自生するが、東北地方では海岸沿いに多く、それ以外の場所では山地にも見られる。大島を代表とした伊豆七島はヤブツバキの名所として古くから知られる。
・日本最古の観賞用花木あるいは代表的な茶花として知られ、江戸時代には本種とユキツバキを掛け合わせるなどして数多くの品種が作られたが、単にツバキという場合は本種を示す。
・2月から4月にかけて赤又は白の五弁花を咲かせる。花は枝先に一輪ずつ、やや筒状に開くのが特徴。サザンカのように全開せず、その控えめな様子が好まれて茶花に使われる。花にはヒヨドリやメジロが集まり、花粉を運ぶ。
・野生種では咲き終わった花が丸ごと落下するのもサザンカとの違いだが、武士たちは、これが打ち首を連想させるとして忌み嫌った。花はサルの好物であり、人間社会でも花弁を天婦羅にして食べる風習がある。
・9月から10月にかけて熟す実には3~5個の種子ができる。この種子からはオレインを含む良質の油が採れ、かつては食用(てんぷら油など)、整髪用、薬用、工業用に使われた。
・葉は長楕円形で先端が尖り、周囲には細かなギザギザがある。長さ5~11センチ、幅3~8センチほどで、枝から互い違いに生じる。両面に毛がなく、年中ツヤツヤとしていることから、光沢を表す古語の「ツバ」を冠した「ツバの木」からツバキとなった(他にも「艶葉木」、「厚葉木」など諸説ある。)。
・漢字は「椿」、「海石榴」、「山茶」が当てられる。最も有名な「椿」は和字(日本ならではの使い方)であり、中国語の「椿」はチャンチンという別の木を示す。英名のカメリアは、この木を日本からロンドンに持ち帰ったチェコスロバキア人宣教師の名前。
・ヤブツバキの樹高は最大で15m以上になる。樹皮には細かな皴や模様が出ることもあるが触り心地は滑らか。材は緻密で耐久性が高く、光沢のある仕上がりはツゲに似ている。ツゲほどの高級品とは見なされないが、櫛、将棋の駒、印鑑等に利用される。

 

 


五輪の白の花弁のはかなげな風情がかわいい「ニリンソウ」(高尾シリーズ06)

2020年03月29日 09時07分29秒 | 

谷筋の道端をときに埋め尽くすほどに群生していたニリンソウ。五輪の白の花弁のはかなげな風情がなんともかわいい。紫を帯びて下を向いた蕾の頃もまたいわく言い難い可憐さだ。

 (2020-03 高尾山) 

 

ニリンソウ(二輪草、学名:Anemone flaccida)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。春山を代表する花のひとつ。

特徴
深く裂けた根生葉を持つ。茎に3枚が輪生する葉には、サンリンソウのような柄はない。3-6月に、白い萼片を持つ直径約2 cmの花をつける。多くは1本の茎から特徴的に2輪ずつ花茎が伸び、和名の由来となっている。まれに1輪や3輪のものもある。根茎で増えるため、群落を作ることが多い。別名が、「フクベラ・ガショウソウ」。

分布と生育環境
東アジア(樺太、朝鮮、中国(北部・東北地方)、ウスリー地方、日本)に分布する。日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、主に湿潤な山地の林床や周辺部に生育する。基準標本はサハリンのもの。

利用
根茎は「地烏(ジウ)」と呼ばれ、漢方薬として用いられる。また、若葉は山菜として食用とされ、アイヌ達は冬季の重要な備蓄食料として、5月から6月に採集し利用していた。一方で、有毒植物であるトリカブトの若葉に似ていることから注意が必要である。例えば2009年、2012年には間違えてトリカブトを口にし、死に至った事例が日本で報告されている。トリカブトとの誤認を防ぐ為には、ニリンソウの採集は蕾を確認してからが望ましいとの見解がある。

 

 

 


春一番に赤い花をつける「ヤハズエンドウ」(20-025)

2020年03月29日 07時58分40秒 | 

カラスノエンドウと呼ばれているヤハズエンドウ。春一番に赤い花をつけるので、毎年、この花が咲くのを心待ちにしている。小型の紅紫色の花はアップでみると、なかなかの迫力だ。

(2020-03 東京都 神代植物公園) 

 

ヤハズエンドウ(矢筈豌豆、Vicia sativa subsp. nigra)はソラマメ属の越年草。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウ(烏野豌豆)という名が一般には定着している(「野豌豆」は中国での名称)。俗称としてシービービーというものもある。種を取り払った豆殻を笛として使用する遊びに由来する。

特徴
本州から四国・九州・沖縄の路傍や堤防などのいたるところにごく普通に生育している。 秋に発芽し、春になると高さ60 - 150cmに達する。茎には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立する。茎は全体に毛があり四角柱状。
強い臭気がある。 花期は3 - 6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花を付ける。豆果は熟すると黒くなって晴天の日に裂け、種子を激しく弾き飛ばす。

原産地はオリエントから地中海にかけての地方であり、この地方での古代の麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用された証拠が考古学的資料によって得られている。そのため、若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできるが、その後栽培植物としての利用はほぼ断絶して今日では雑草とみなされている

また、未熟な果実の両端を切り落し、草笛にすることができる。

一見するとソラマメの仲間とは思えないが、よく見ると、茎が角ばっていることと、豆のへそが長いというソラマメ属の特徴を満たしている。

史記で伯夷・叔齋が山で餓死する前に食べていた「薇」(び)は、野豌豆の類ともいい、またワラビやゼンマイのことともいう。

 


大きくて厚めの花弁が惜しみなく開く白バラ「ホワイト・クリスマス」(薔薇シリーズ144)

2020年03月29日 07時31分57秒 | 

大きくて厚めの花弁が惜しみなく開く白バラ「ホワイト・クリスマス」。蕾の頃から大きな白薔薇を予感させる。甘い香りが漂う豪奢な白薔薇だ。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「ホワイト・クリスマス」

白ばらの傑作として、今も多くのナーサリーにて生産され続けている品種です。花弁が弱くて雨により開かないことも多々あり、他にもっと洗練された白い花もないとはいえません。しかし株全体で見たとき、この品種がやはり唯一無二の存在であることを強く感じます。白い卵のように立派な蕾がいくつも上がり、花弁は雄大に展開し、漂う甘い香り。枝葉は赤みがなく清らかな明るい緑で、樹形は半直立に整います。巨大輪ながら花つきよく、大株になるとまさに雪が降り積もったかのような咲き姿。至高の愛に生きたイエス・キリストの誕生を祝うにふさわしい名花といえましょう。

品種名 ホワイト クリスマス
ローマ字 White Christmas
系統 ハイブリッド ティー (HT)
Hybrid Tea
咲き方 四季咲き
香り 強香
花径 12㎝
樹高 1.5m
樹形図 1b番 半直立
作出年 1953年
作出国 アメリカ
作出者 Howard & Smith
交配
Sleigh Bells × 実生