野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

林の奥の優雅なジュウニヒトエ

2019年05月05日 06時36分03秒 | 
丹沢の林の中にジュウニヒトエが群生していた。
典雅な名前をつけてもらったが
淡い紫がまたつつましい色合いだ。
学名にみられるように、アジュガ属の日本固有種である。
(2019-04 神奈川県伊勢原市 林間)






ジュウニヒトエ

開花時期 4月、5月
花の色 白、青、紫
名前の読み じゅうにひとえ
分布 日本固有種
本州と四国に分布
生育地 丘陵地や林の中
植物のタイプ 多年草
大きさ・高さ 15~20センチ
分類 シソ科 キランソウ属
学名 Ajuga nipponensis
花の特徴 葉の脇から穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、小さな青紫色ないし白い唇形の花を輪生させる。
花は幾重にも重なって咲く。
花径は5ミリから10ミリくらいである。
上唇は2つに浅く裂ける。
下唇は大きく3つに裂け、真ん中の裂片が大きい。
雄しべは4本で、2本が長い。全体に白い毛を密生させる。
葉の特徴 葉は長い楕円形で、向かい合ってつける(対生)。
葉の縁には粗い波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の裏面は白っぽい。
実の特徴 花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
その他 和名は、花の咲く様子を宮中の女官などが着る十二単に見立てたものである。
俳句の季語は春である。


意外に俳句でもよく歌われているようだ。
「十二単小さき塔なす院の奥 松本澄江」などは花の感じがでている。


十二単

うちかけし広さに十二単濃し 橋田憲明
しんかんと十二単衣の花ありき 井上雪
北欧の森めき十二単かな 高田風人子
十二単小さき塔なす院の奥 松本澄江
古草の緋いろに十二単かな 小林鱒一
名に負けて十二単の花咲きぬ 辻本青塔
咲ききつて十二単の居丈高 行方克己 知音
山は錦繍十二単衣は草の名や 福田蓼汀 秋風挽歌
巖涼し十二単衣のほつれつつ 西本一都 景色
幻聴は十二単の先の闇 村田まさる
日を浴びて十二単衣の草の丈 岡本まち子
汝にやる十二単といふ草を 高浜虚子
汝にやる十二単衣といふ草を 高浜虚子
濡場猫十二単を乱したる 阿波野青畝
男ひとり十二単に執しゐる 山田弘子 こぶし坂
略襲ねたまへる十二単かな 後藤夜半 底紅
秋翳の十二単衣の巌に濃き 西本一都 景色
茗荷の子十二単にやや足らぬ 角川 照子
裳裾曳く十二単と言ふからに 柴崎博子
試歩の母十二単に足とどむ 三澤いつ子
風見ゆる丈あり十二単とは 稲畑汀子




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