せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

重力ピエロ 著:伊坂幸太郎

2008-07-12 20:30:23 | Weblog

本気で自分の限界を知った(ずどーん)

図書室から持ってきた伊坂幸太郎さんの重力ピエロ。
ミステリらしいんですが、凄いの一言に尽きますね。
それこそ、「『賞賛に値する』」というか。
…というよりも、凄すぎて私には理解できない…!
まあ、春が落ちて来たんだな、ってことぐらいしか。

最初に性的な事について言いたいだけだ、とか
泉水が言ってましたが、まさにその通りでしかなくて。
…語弊があるかもしれませんが、官能表現は無いです。
ただ性的犯罪に対する嫌悪を持つ人間のお話でした。

…いや、ほんと…この凄さは読んだ人にしか解らない。
ということでオススメします。ちなみに重力ピエロを
もっと楽しむために、オーデュボンの祈りも勧めます。
あらすじでも良いので知っておくと凄く楽しいですよ!

だんだんと解けていきながら、解けると次の問題が出る。
尽きることのない疑問が最後まで読ませてくれましたね。
あとは小ネタにも抜かりが無く、ちょっとした笑いも有。
キャラクターの人間性も魅力的で、どこもかしこも素敵。

これは、他の物語でも同じみたいですね。死神の精度の
千葉みたいな人が、かなり魅力的に映ってきます。

…自分には真似できない所業だと思いました。
ミステリは専門外ってのもあるかもですが、たぶん
その他の問題も山積み。ていうか、ここまで物語を
煮詰めること自体が私には全く出来ない。
どれだけ頑張っても足元にすら及びません、これは。

あ、でも、最初と最後を同じ文で終わらせる、という
方法は私も使う手法でした。「これで終わり」と言外に
仄めかすんですよね、…あくまで私はなんですが。
あとは自分への区切り。詩的な雰囲気も生まれるので好きです。
ただこんなに長い話でやるのは結構勇気が要るのではないかと。
だって最初の文を忘れるような人が読んだら台無しですし、ね!
…まあ、そういう人はたぶん本が好きではないと思うんですが。


小説家は諦めて、大人しく臨床心理士になります。
ナマ言ってごめんなさいでした。伊坂さん、有難う。