小鳩くるみ 0001
きょうの産経新聞の『産経抄』によると、トランプ氏にかこつけてアメリカのデトロイトの町について少し触れています。私にとってはアメリカの大統領よりも、こっちの方がよほど興味があります。
チャイナの無計画な、開発と称した共産党党員の私腹を肥やすための、とてつもないマンション建設が全国的に広がり、一種のバブル的様相を呈し、それがはじけてしまったのが現実の姿でしょう。
人の住まない新築のマンション群が、夜空に黒々と立ち並びチャイナでは鬼城と呼んでいるそうです。それぞれの国には浮き沈みがありますが、チャイナの場合はそれがまさに極端です。
アメリカの大都市デトロイトは過っては自動車産業の中心的存在だったと我々は教わってきましたが、あるルポールタージュによると町一つが廃墟と化したかの如くだと書いています。
アメリカの大型で燃費の悪い鉄の塊のような車が世界で淘汰され、アメリカはそれに対して、世界の警察官としての役目の為、そこら辺にまで気が回らなかったというのがルポの記事でした。
その為、世界に冠たる自動車の町がきえてしまったのだそうです。
チャイナの場合は、人間的にこういう結果になるだろうと予想はしていましたが、アメリカの場合はスケールがでかいという事になるのでしょうか、過ってデトロイトという都市はアメリカでも有数の都市です。デトロイトタイガースの本拠地でもありました。
それが都市ごと廃墟になったという驚きをルポは綴っていましたが、日本に対する誤解や、怨嗟はあったのかもしれません。トランプ氏が此処の出身とは知りませんでした。
トランプ氏が愛国者だとしたら、アメリカの基幹産業ともいうべき、自動車産業を日本にすっかり持っていかれた悔しさは、体いっぱい感じているはずですが、大統領になってまでそれを引きずっているほど愚かではないでしょう。彼は優秀なビジネスマンですから。
デトロイト美術館のことをついでに書いているように見えますが、国という観点から見たら、ごく些少なことでしょう。アメリカの威信は、中々取り戻すのは難しい問題でしょう。
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【産経抄】 2016年10月10日
デトロイトの奇跡とトランプ氏の醜聞
路上には信号機がゴロリと横たわり、ビルの多くは廃虚だった。2013年7月、米デトロイト市が財政破綻したときの惨状である。負債額は、日本円で1兆8千億円にも達していた。
▼かつては「自動車の街」として、米国の繁栄を象徴するような都市だった。衰退の背景には、日本車の攻勢や、人件費の高騰に伴う業界のデトロイト離れがある。人口が激減し、治安の悪化も目に余った。そこで注目されたのが、1885年に創設された美術館である。
▼全米屈指のコレクションを売却すれば、負債を減らし、市民を困窮から救えるはずだ。しかし、市は別の再生の道を選んだ。ゴッホやセザンヌなど所蔵する名作の数々は今、東京・上野の森美術館で展示中である。昨日訪ねると、悪天候にもかかわらず大賑わいだった。
▼デトロイトに、何が起きたのか。作家の原田マハさんが現地で取材して、『デトロイト美術館の奇跡』(新潮社)という小説に仕立てた。年金生活の元自動車工から大富豪まで、美術を愛する市民一人一人が立ち上がった結果らしい。
改めて米国の底力を見た。その同じ国で大統領をめざす人物の振る舞いとは、とても信じられない。
▼米紙がまた、共和党候補のドナルド・トランプ氏の女性蔑視の発言を報じた。あまりの品性の欠如に、これまで暴言を許してきた支持者からも、さすがに背を向ける動きが出てきた。民主党候補のヒラリー・クリントン氏も、ウォール街で行った講演が暴露された。
金融業者から受け取った2千万円を超える報酬とともに、選挙戦での言動とかけ離れた内容に、反発が強まりそうだ。
▼人間というものは、所詮醜い存在である。だからこそ、美しい芸術作品を求めてやまない、ということか。
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アメリカの大統領選はどうなってしまうのでしょうか。ややヒラリー氏が優位に立っていると言われていますが、日本にはどっちが都合がいいか、そんな観点から論じられています。
アンケートもいろいろ出ていますが面白かったのは、ヒラリー氏36%。トランプ氏16%。どっちも嫌だ47%という統計には笑ってしまいました。二人とも癖が強すぎて、こんなに嫌われている同士の選挙はアメリカでも珍しいのでしょう。
しかし笑っているわけにはいきません。日本はどっちがなってもそんなに変わらないと思いますが、チャイナや韓国にとっては日本以上の影響があるのではないでしょうか。