石巻&東松島&女川復興情報 “石巻地域Again”

『復興に向けて頑張る地元企業』や『石巻地域の復旧状況』といった地元密着情報などを発信していきます!
〈本文は、敬称略〉

震災から復興し,地域農業を担う農業法人“(株)ぱるファーム大曲”

2013年07月01日 | 復旧・復興への取り組み

今回は,東松島市の農業生産法人「株式会社ぱるファーム大曲」の取組を紹介します!


当事務所管内は約1万haの水田が広がる水田地帯でもあります

沿岸地域の水田は東日本大震災時に津波による大きな被害を受けましたが,
地域の農業者や関係団体,行政等の努力により水田が復旧し,営農再開が進んでいます。

今回は地域農業の復興に向けて,効率的で生産性の高い経営を目指している東松島市の農業法人を紹介します!


石巻湾の西側の海岸線沿いに位置する東松島市大曲地区は,
平坦な田んぼが広がる田園地帯で,東日本大震災時には津波の大きな被害を受けました。

震災後は一時,ガレキや海水の影響により作物栽培が困難となっていましたが,
ガレキの撤去や田んぼの区画を大きくする工事を行い,昨年から作物の栽培ができるようになりました



1ha区画の大きな田んぼが広がる大曲地区。


震災前,この地域では数十名の農業者と生産組織が,水稲や大豆,野菜栽培を中心の農業を営んでいましたが,
震災を契機に農業経営を中止する農業者もあり,地域農業の担い手は減少しています。

このような状況で,地域農業復興の旗手として地域の皆さんや農業関係者からの期待を集めているのが
「株式会社ぱるファーム大曲」です!


 
「ぱるファーム」の「ぱる」はPal=友達の意味。
地域に親しまれ,頼りにされる担い手になる,という想いが込められています


4名の被災農家の皆さんが力を合わせて,
震災被害を克服し,将来を見据えて地域農業を担うため平成24年12月に設立された会社です。


社訓は,

「震災からの復興」
「地域とともに」
「地域のために」
「日々発想・企画・実践」
「うまい農産物の探求」

とあり,復興と地域の担い手として,また,食料生産のプロとしての意気込みが感じられます



㈱パルファーム大曲の社訓。復興や地域の担い手としての意気込みを感じます!



代表取締役社長の三浦吉郎氏。構成員は働き盛りの40代~60代の4人。


経営の特徴は,1ha区画を基本とする区画の田んぼを利用した大規模経営です。

今年は30数haの経営面積ですが,作業受託も積極的に受け入れ,
将来は150ha程度の大規模経営による低コストで効率的な生産を目指しています。

また,ネギ,夏キャベツ,スイートコーン,今年度中にはハウスでのトマト栽培なども始め,
地域の方々が安心して働ける雇用条件を整える計画も持っています。

これからの経営展開がとても楽しみな農業法人です


 
経営規模に併せて大型の農業機械を導入し,効率的な経営を目指しています。


 
 
今年は,水稲,大豆,ネギ,夏キャベツ,スイートコーンを栽培。綿花は地域の小学生の体験用に栽培しています。


東松島市大曲地区には航空自衛隊松島基地が立地し、日によってはブルーインパルスの編隊飛行を見ることができます



編隊を組んで飛んでいくブルーインパルス。航空自衛隊松島基地に隣接する地区ならではの光景です。


また、車で15分ほどの野蒜海岸ではこの時期「ハマヒルガオ」が淡いピンク色の花を咲かせています!



野蒜海岸の「ハマヒルガオ」。6月に入り淡いピンク色のきれいな花を咲かせています


典型的な海浜植物ですが,ここ野蒜のハマヒルガオは津波の影響で絶滅が危惧されています。
花は7月まで見ることができそうです



(uchi)