ERP(企業資源計画)データファイル

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◆ERP◆ コンポーネント型ERPパッケージベンダーが着実に実績を挙げている

2006-05-28 08:41:10 | IT・視点


 ERPパッケージでトップシェアを誇るSAPは、最近SOA(サービスオリエンテッドアーキテクチャー)機能を取り入れ始めようとしている。つまり、従来のパッケージ一辺倒の方針から、手組みのシステム構築や既存システムとの融合へと方向を変えようようとしているわけである。これは、硬直したパッケージの弊害が顕在化してきたことが原因である。これまでは、ERPパッケージにあわせて業務を変えるということが“当たり前”という風潮が主流であった。これはこれで業務の効率化を向上させるというメリットを出してきた。しかし、すべてのユーザー企業がそうであるわけではない。特に中堅・中小企業においては自社に合ったシステムへのニーズが高くなる。ところが以前からERPパッケージにSOA的手法を取り入れたコンポーネント型ERPパッケージで着実に実績を上げている企業が存在する。SOAが脚光を浴びる今、これらのコンポーネント型ERPパッケージに注目が集まろうとしている。今後、コンポーネント型ERPパッケージが市場をリードしていくのか、あるいはSOA型ERPパッケージに飲み込まれてしまうのか、まだまだ、不透明な部分が多い。ここではコンポーネント型ベンダー各社を見てみる。

 IFSジャパンは、コンポーネント型ERPパッケージ「IFS Applications」の最新バージョン「IFS Applications7」の販売を06年4月から開始した。同製品の特徴は、再利用可能なビジネス・コンポーネントで構成されたSOA製品であり、SCM、CRM、EAM(企業設備資産管理)、MRO(メンテナンス、リペア、オーバーホール、)、PLM(製品ライフサイクル管理)など幅広い機能を備え、企業が市場の速い変化に対応できるよう俊敏性を重視している。IFS社は1983年にスウェーデンで設立され、業界で初めてコンポーネントベースで開発されたERPパッケージで、現在、全世界54カ国で販売され、20カ国語に対応している。ユーザーは自動車産業、ハイテク産業、産業用機器製造、プロセス産業、建造・設備管理、公益・テレコムおよび防衛産業を対象にしている。サービスパートナーは、NEC、日本ユニシス、日本IBMなど。

 Plexパートナー会「PASCAL」は、CA製の高速アプリケーション開発ツール「AllFusion Plex」のユーザーによって1999年6月に結成された。コンポーネントERPパッケージ「BizQuick/EI」を開発し、共同販売・管理会社としてマトリクッス・システムズを設立して現在の会員14社に対してサポートを行っている。「PASCAL」では開発標準を取り決め、会員各社は自社が得意とする業務ソリューションを部品化して、各ベンダー間で自由に組み合わせ、様々なソリューションを提供している。コンポーネント型ERPパッケージ「BizQuick/EI」は、日本の商習慣を反映した純国産パッケージで、コンポーネント(ソフトウエア部品化)技術により、ノンコーディング開発を実現。これにより、カスタマイズにも柔軟に対応し、独自性の高い個々の業務をプロセス化することを可能にした。

 CRCソリューションズは、コンポーネント型ERPパッケージ「DREAMER」を発売している。同製品はコンポーネント群を基本機能として組み立て、さらにビジネスの強みを反映する開発を加えることで、ユーザーにとって最適なシステム構築を提供する。また「DREAMER」はオーダーメイド(納期が長い、開発効率は低い)でもレディメイド(柔軟性が低い、カスタマイズが多々発生)でもなく、イージーオーダーであるため、①ユーザーの要望に柔軟に対応②納期が短い③開発効率が高い④業務フィット感が高い―などの特徴を持つ。「DREAMER]を導入することにより、ユーザーは「タイムリーな意思決定による利益追求の支援」「保守的企業体質から革新的企業体質への改革支援」それに「内部統制の実施」などのメリットを得られる。

 オービックは、会計、人事・給与、就業、販売、生産の各システムを活用して、それぞれの企業に最適な基幹業務統合システムを構築できるコンポーネント型ERP「OBiC7ex」を販売している。OBiC7exを核に業種別テンプレートを組み合わせるとことで、個々の企業にぴったりのトータルソリューションシステムを実現できる。コンポーネント型のため、最も必要な部門から順次導入でき、そのときに必要なシステムを、短期間に効率よく構築することができる。1997年の登場以来、ユーーザー企業数は8年間で5700社を超えている。 (erpdata)