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<ERP> CIOの育成と同様にシステムアドミニストレーターの育成に力を!

2006-04-23 13:35:08 | IT・視点


 CIO(情報統括役員)についての関心が年々高まってきている。東京証券取引所や大阪証券取引所でも新たにCIOを設置したし、最近、経済産業省が発表した「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」では、「CIO(情報統括役員)の登用と活用」という項目が設けられている。さらに今年、国際CIO学会も組織化され国際的活動を開始している。このようにCIOへの期待が高まっているのは大変結構なのだが、意外に忘れられているのがシステムアドミニストレーターの存在だ。

 システムアドミニストレーターは、企業のエンドユーザー部門でシステム化を担当し、情報処理技術者試験の合格者をベースとして「上級システムアドミニストレータ連絡会(SDG)」も組織化されている。しかし、その重要性に対して一般の注目度は高いとはいえない。いくら優秀なCIOをスカウトしてきても、システム化がうまくいくとは限らない。プロ野球の監督を代えても、選手の質が低かったら勝てないのと同じことだ。

 情報システム部門の要員はITのプロであり、インフラ構築の場合はあてになるが、各現場のアプリケーションについては素人同然の場合が多い。このため、各企業では情報システム部門の要員に現場のアプリケーションの勉強をさせているが、今後は、情報システム部門要員をインフラ構築の専門家とし、一方、現場のアプリケーションは、アドミニストレータを育成して責任持たせた方がうまくいくのではないか。

 経済産業省は、CIOやIT技術者育成にばかに力を入れているが、アドミニストレータに関しては無関心なようだ。これでは、プロ野球で優秀な監督やコーチのスカウトには力を入れるが、選手の補強には無関心のオーナーのようなもので、これでは試合に負けてしまう。これからは、CIOやIT専門技術者と同じように、現場のアプリケーションを担当する優れたアドミニストレータの育成に力をいれなければなるまい。
(erpdata)