ERP(企業資源計画)データファイル

ERPのデータバンク作りを目指す

◇ERP◇ 日本ユニシスと日本オラクルはERPバリューアップサービスの提供を開始

2006-09-07 20:39:58 | IT・視点


 日本ユニシスと日本オラクルは、ERPパッケージ「Oracle E-Business Suite」のユーザー企業に対し、内部統制の強化やIT運用コスト削減など、現在企業が直面している経営課題を解決する「Oracle E-Business Suiteバリューアップサービス」の提供を開始する。内容は①自社情報システムの現状把握や改善計画立案のための診断サービス②アップグレード実行サービス③最新の経営課題に対応する最新ソリューション―を提供することにしている。

 <短評>久しぶりに日本ユニシスの発表に出会うことができた。米ユニシスの不調に日本ユニシスが巻き込まれた形になったが、日本ユニシス自体は以前から健全経営を推進しているだけに、頑張ってもらいたいものだ。今回のERPソフトのアップグレードサービスも、日本ユニシスが長年にわたってユーザーをサポートしてきた実績に基づいたものだけに、内容の充実振りが期待できそうだ。これからのERPビジネスのキーワードの1つは、既存ユーザーのアップグレードであるといえる。
http://www.unisys.co.jp/news/NR_060905_tieup_Oracle.html

 


◇ERP◇ “脱・メインフレーム”サービス事業を発表するベンダーがまた増えてきた

2006-06-25 12:25:17 | IT・視点

 メインフレームからオープン系サーバーへ移行する“脱・メインフレーム”は、数年前に大きなテーマとして浮上し、各社からマイグレーションサービスの発表が相次いだ時期があった。このときは機が熟していなかったのか、マスコミが騒いだだけに終わってしまった。暫くの間の沈黙の後、最近になり数社からマイグレーション事業への取り組みが発表された。メインフレームは最後に勝ち残ったのがIBM1社で、オープン系は攻めやすいはずであるのに、メインフレームユーザーのメインフレーム信仰はそう簡単になくなりはしなかった。それにIBMがオープン系の攻撃を逆手に取り“Linuxメインフレーム”を提供し、ユーザーから好評を得たという背景もあり、メインフレームは一時的な小康状態を保ってきた。ところが全体の流れはオープン系にあることは隠しようのない事実で、これまでメインフレームの牙城であった金融や製造市場でもメインフレームからオープン系サーバーに移行するユーザーが加速度的に増えてきている。この期をとらえ各ベンダーは再度マイグレーションサービス事業の発表を行っているわけで、今度はいいタイミングとなったようだ。Java、コンポーネント、OSS(オープンソースソフトウエア)、さらに今後はSOAなどが“脱・メインフレーム”のキーワードになってこよう。このようにメインフレームが毎年減少を続ける中で、IBMの運命はどうなっていくのか。答えはIBMの将来はかなり厳しいといわざるを得ない。一時期はコンサルティングやアウトソーシング事業で稼げるが、そう長くは続かないし、今後は市場での価格の下落現象がこれらの市場でも起こり、収益を上げるのが困難になってくる。IBMがメインフレームに代わる独占的ヒット商品をこれから生み出せるかというと、答えは限りなくNoに近い。結論として言えることは、「IBMは将来並みのIT企業に成り下がる」ということだ。現に直近の四半期ではついに売上高でHPに抜かれ、このままいくと06年度の売上高でHPに首位の座を明け渡すかもしれないという一大ピンチに見舞われているのだ。

 ここでは最近発表された主なマイグレーションサービス事業を紹介する。

 サントリーのソフト子会社のサンモアテック(大阪市北区)は、サントリーの“脱・メインフレームプロジェクト”で開発されたJavaバッチフレームワーク「SUNBATCH」の販売を開始した。SUNBATCHは、Javaバッチ処理を効率的に開発し、高性能に稼働させることができる。SUNBATCHの特徴は次のとおり。①パフォーマンスの向上=並列処理をすることにより処理時間の短縮を図ることができる②開発効率・保守性の向上=コンポートネント技術のEJBのメリットを生かしながら、バッチ処理システムを構築できる。SUNBATCHのフレームワーク開発によって、設計や実装の統一・標準化することができる③スケールアウトが容易=ジョブごとに実行サーバーを選択することができる。このため、マシンのハード増強などを必要とせず、空きサーバーリソースを有効活用することができる。

 サン・マイクロシステムは、旧バージョンのSolarisや他社のOS上で稼働するアプリケーションを、OSS(オープンソースソフトウエア)として公開した最新のSolaris10環境へ移行させる際の技術的検証作業および移行支援作業を行う「マイグレーションセンター」を本社内に設置した。同社はこの「マイグレーションセンター」を活用して、現在旧バージョンで稼働している多くのSunプラットフォーム、他社製UNIX、Linux、メインフレームなどを、最新のSolaris10環境に移行するマイグレーション・ビジネスを推進することにしている。Solaris10は、05年の提供開始以来現在まで400万以上のダウンロード実績を持つ。特徴は①互換性の維持で投資の保護②システムの将来性の明示③セキュリティの強化④数多くの世界記録を持つパフォーマンス⑤ハードウエアリソースの有効活用⑥50%以上のダウンタイム軽減―など。

 日本HPはデータリンク(東京都北区、井上英明社長)と、メインフレームシステムのオープンシステムへの移行に関して協業を開始した。データリンクの提供するシステム分析やメインフレーム上のアプリケーションを、オープンシステム上の最新技術で利用できるようにするサービス「アプリケーションモダニゼーションサービス」を提供する。今回の両社の協業には、日本BEAシステムズ、マイクロフォーカスの両社からの技術支援を受ける。同サービスは、メインフレームで構築された資産をJavaなどの最新技術によって利用したいなどの要望に応えたもので、システム分析、計画立案、設計、システム構築を行う。日本HPではこのような取り組みを「メインフレーム・オルタナティブ(MFA)プログラム」と名づけ推進することにしており、今回の協業はこの第1弾の取り組み。 (erpdata)


◇ERP◇ Linux/Oracle Database上のSAPがベンチマークで世界最高記録達成

2006-06-20 22:18:39 | IT・視点


 米国オラクルは、2TierのSAP Sales and Distribution(SD)Standard Application BenchmarkにおいてLinux上の最高性能を記録し、世界新記録を樹立したと発表した。

 Intel Itanium21.6GHzプロセッサー32個を搭載した富士通のIAサーバー「PRIMEQUEST480」(OS=Linux)で稼働させた「Oracle Database」は、5000SAP SD Benchmarkユーザー数を達成し、同一ハードウエア条件のベンチマーク・ユーザー数でMicrosoft SQL Server2005の性能の25%を上回った。

 <短評>ERPパッケージのSAPは、世界のトップブランドを誇っているが、オラクルも競合ERPパッケージを持ちながら、SAP上でのOracle Databaseの速さを誇示するのは、いかにも米国らしい割り切った感じがする。むしろ、今回の発表のポイントは、マイクロソフトのDBMSであるSQL Server叩きにあるようである。Linux上で世界記録達成というのも“坊主にくけりゃ袈裟までにくい”の趣がある。これまで、SAPはUNIXサーバーかWindowsサーバー上で稼働するケースが多かったが、今後Linux上で稼働するSAPが急速に増えることは、今回のベンチマークテスト結果を見ても間違いないことだ。
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1574


◇ERP◇ 中堅企業向けERPパッケージ市場に統合・再編の波は押し寄せるのか

2006-06-11 12:31:41 | IT・視点


 今、中堅企業向けERPパッケージ市場に注目が集まっている。中堅企業といっても各社が想定している規模はバラバラであるが、まあ、年商50億―500億円が妥当なところではなかろうか。今後ERPパッケージ市場全体では年率7%程度の伸びが見込まれているが、中堅企業向けERPパッケージ市場は、これを上回ることが予想されている。これは、大手企業向け市場がそろそろ飽和し始めているのに対し、中堅企業向け市場はまだ飽和点に達していないことに加え、オフコンのリプレース、内部統制など新たな法体系への対応、これまで押さえ気味だったIT予算の復活、さらに、SOAや経営の可視化などの新技術の開発などの要因が絡み合って伸びが見込まれているため。ERPパッケージベンダー各社は、中堅市場向けの絶好の好機ととらえ、新製品の発売や販売体制の強化などに力を入れ始めている。ワールドワイドでシェア№1のSAPもSMB市場攻略躍起になっているが、日本市場では苦戦を免れない。これは、日本の市場には何十年と続いてきたオフコンの伝統があり、これを国産ベンダーがERPパッケージへの移行を図り、外資系の参入を防いでいる。マイクロソフトもERPパッケージ市場への参入を明らかにしているが、さすがに日本市場だけはマイクロソフトといえども成功の保証はない。新しい動きとして注目されるのが「GRANDITコンソーシアム」に代表されるERPパッケージの協業化だ。もし、この方式が成功するとERPパッケージ業界に統合・再編の嵐が巻き起こる可能性が出てくる。自民党の後継者選びではないが、第2位以下の何社かが団結して1位の座を危うくすることだってありうる。ここではERPパッケージ各社の最近の動向を紹介する。

 富士通は中堅企業向けERPパッケージ「GLOVIA smart」の販売を開始した。これは新技術「GLOVIA smart SOA」により、①相互接続可能な会計や人事・給与などの共通業務ソリューション②製造業・流通業などの業種特化ソリューション③ポータル・CRM構築ERPなどのフロント業務ソリューションを提供し、体系化したもの。これにより、ERPシステムを短期間・低コストで導入することが可能となる。さらに、システムの増改築が容易となるほか、経営の可視化も可能になる。同社の中堅企業向けERPパッケージ「GROVIA-C」は現在業界でトップシェアを誇っているが、同社では今後3年間で1000億円の売上げを見込んでいる。

 NECおよびNECソフトは、中堅企業向けERPパッケージ「EXPLANNERシリーズ」の新製品として「EXPLANNER/Ai」を開発し、販売を開始した。これはNECのシステム構築統合開発環境「SystemDirector Enterprise」を活用して、機能の追加・改変が容易にしたもの。NECでは今後3年間で800億円の売上げを目指している。開発・サポート面ではNECソフトに300人規模の「EXPLANNER事業部」を設立したほか、販売面ではNECグループで800人規模の営業体制を確立するなど、今後中堅企業向けERPパッケージ市場の本格的取り組みを開始している。なお「EXPLANNERシリーズ」は既に2万社以上の顧客をもっており、NECでは今後市場の成長率を上回る20%成長を目指し、中堅企業向けERPパッケージ事業を強化する方針。

 インフォベックおよび「GRANDITコンソーシアム」は、中堅企業向けERPパッケージ「GRANDIT」の導入顧客数が06年5月末時点で103社になったと発表した。03年10月に設立された「GRANDITコンソーシアム」は、ユーザー系SIヤー(インフォコムなど)に蓄積されたノウハウを持ち寄り日本企業に最適なERPパッケージを開発し、それをコンソーシアム会員10社が協力し販売、保守などに当るというユニークなビジネスモデルをベースに運営されている。事業の中核となっているインフォコムは、旧日商岩井システムと旧帝人システムテクノロジーが合併して設立されたSI企業であり、ユーザーの実態を熟知しているところに強みがある。06年10月には「GRANDIT」に内部統制機能をサポートし販売を開始することになっており、今後ともコンソーシアム会員の拡大を図りシェア向上を目指すことにしている。

 東芝情報機器は、自社のERPパッケージ「CAMPUSシリーズ」販売管理システムと、オービックビジネスコンサルタント(OBC)製ERPパッケージ「勘定奉行21シリーズ」との連携を強化するのをはじめ、NJKの表計算ソフト「DataNature/E ver.2」の標準装備、また、京葉システム(KSC)から「就業管理システム」を追加OEM導入を図るなど、3社と業務提携して中堅・中小企業向けERPパッケージ市場でのシェア拡大に取り組むことになった。「CAMPUSシリーズ」は中堅企業向け、一方「勘定奉行21シリーズ」は中小企業向けと、市場での棲み分けができるので業務提携が実現したのであろう。もし、この業務提携のビジネスモデルが成功を収めると、競合他社も同様な動きを見せる可能性があり、今後の展開が注目される。東芝情報機器では、今回の業務提携を含め年間450セットの販売を見込んでいる。 (erpdata)


◆ERP◆ コンポーネント型ERPパッケージベンダーが着実に実績を挙げている

2006-05-28 08:41:10 | IT・視点


 ERPパッケージでトップシェアを誇るSAPは、最近SOA(サービスオリエンテッドアーキテクチャー)機能を取り入れ始めようとしている。つまり、従来のパッケージ一辺倒の方針から、手組みのシステム構築や既存システムとの融合へと方向を変えようようとしているわけである。これは、硬直したパッケージの弊害が顕在化してきたことが原因である。これまでは、ERPパッケージにあわせて業務を変えるということが“当たり前”という風潮が主流であった。これはこれで業務の効率化を向上させるというメリットを出してきた。しかし、すべてのユーザー企業がそうであるわけではない。特に中堅・中小企業においては自社に合ったシステムへのニーズが高くなる。ところが以前からERPパッケージにSOA的手法を取り入れたコンポーネント型ERPパッケージで着実に実績を上げている企業が存在する。SOAが脚光を浴びる今、これらのコンポーネント型ERPパッケージに注目が集まろうとしている。今後、コンポーネント型ERPパッケージが市場をリードしていくのか、あるいはSOA型ERPパッケージに飲み込まれてしまうのか、まだまだ、不透明な部分が多い。ここではコンポーネント型ベンダー各社を見てみる。

 IFSジャパンは、コンポーネント型ERPパッケージ「IFS Applications」の最新バージョン「IFS Applications7」の販売を06年4月から開始した。同製品の特徴は、再利用可能なビジネス・コンポーネントで構成されたSOA製品であり、SCM、CRM、EAM(企業設備資産管理)、MRO(メンテナンス、リペア、オーバーホール、)、PLM(製品ライフサイクル管理)など幅広い機能を備え、企業が市場の速い変化に対応できるよう俊敏性を重視している。IFS社は1983年にスウェーデンで設立され、業界で初めてコンポーネントベースで開発されたERPパッケージで、現在、全世界54カ国で販売され、20カ国語に対応している。ユーザーは自動車産業、ハイテク産業、産業用機器製造、プロセス産業、建造・設備管理、公益・テレコムおよび防衛産業を対象にしている。サービスパートナーは、NEC、日本ユニシス、日本IBMなど。

 Plexパートナー会「PASCAL」は、CA製の高速アプリケーション開発ツール「AllFusion Plex」のユーザーによって1999年6月に結成された。コンポーネントERPパッケージ「BizQuick/EI」を開発し、共同販売・管理会社としてマトリクッス・システムズを設立して現在の会員14社に対してサポートを行っている。「PASCAL」では開発標準を取り決め、会員各社は自社が得意とする業務ソリューションを部品化して、各ベンダー間で自由に組み合わせ、様々なソリューションを提供している。コンポーネント型ERPパッケージ「BizQuick/EI」は、日本の商習慣を反映した純国産パッケージで、コンポーネント(ソフトウエア部品化)技術により、ノンコーディング開発を実現。これにより、カスタマイズにも柔軟に対応し、独自性の高い個々の業務をプロセス化することを可能にした。

 CRCソリューションズは、コンポーネント型ERPパッケージ「DREAMER」を発売している。同製品はコンポーネント群を基本機能として組み立て、さらにビジネスの強みを反映する開発を加えることで、ユーザーにとって最適なシステム構築を提供する。また「DREAMER」はオーダーメイド(納期が長い、開発効率は低い)でもレディメイド(柔軟性が低い、カスタマイズが多々発生)でもなく、イージーオーダーであるため、①ユーザーの要望に柔軟に対応②納期が短い③開発効率が高い④業務フィット感が高い―などの特徴を持つ。「DREAMER]を導入することにより、ユーザーは「タイムリーな意思決定による利益追求の支援」「保守的企業体質から革新的企業体質への改革支援」それに「内部統制の実施」などのメリットを得られる。

 オービックは、会計、人事・給与、就業、販売、生産の各システムを活用して、それぞれの企業に最適な基幹業務統合システムを構築できるコンポーネント型ERP「OBiC7ex」を販売している。OBiC7exを核に業種別テンプレートを組み合わせるとことで、個々の企業にぴったりのトータルソリューションシステムを実現できる。コンポーネント型のため、最も必要な部門から順次導入でき、そのときに必要なシステムを、短期間に効率よく構築することができる。1997年の登場以来、ユーーザー企業数は8年間で5700社を超えている。 (erpdata)

 



 


◆ERP◆ 中国進出を図る日本のERPベンダー/SI企業

2006-05-14 19:37:13 | IT・視点


 ERPパッケージは企業の基幹システムを担う重要なソフトウエア製品として、ますますその重要性が認識されている。これまでは大手企業を中心に導入が進められてきたが、今後は中堅・中小企業への普及が進展するものと見られている。と同時に、日本のERPパッケージベンダー・SI企業が海外進出、中でも中国に進出するケースが増えてきており、この傾向は今後、ますます増えようとしている。中国に進出する場合、①日本企業の中国事業所へのERPパッケージ販売②海外オフショア先としてソフト開発拠点③①と②の混合形態―の3つがある。これに加え、今後は日本企業による中国企業へのERPパッケージの販売が期待できる。中国企業は欧米ERPパッケージより日本製のERPパッケージへの関心が高いという。これは生産式が日本と中国では同じアジア人として理解できる面が多いことからきていると思われる。今後、新市場を目指して、日本のERPパッケージベンダー/SI企業の中国進出が行われると思われる。ここでは、すでに中国進出して実績を挙げている事例と、中国進出を開始した事例を紹介する。

 CSKシステムズとベニックソリューションズ(川崎重工業全額出資子会社)は、SAP製品を短期間で効率良く導入するための新拠点「SAP開発ファクトリー」を本格的に稼働させた。同ファクトリーは200人体制で、SAP NetWeaver基盤をベースに機能拡張開発の部品化・標準化を推進し、ユーザーのシステム設計・開発を短期間で効率良く実現させる。同ファクトリーは、神戸元町と大阪北浜にサービス拠点を確保し、
さらに中国の大連、上海、杭州の海外開発拠点をネットワークで接続する。中国向けテンプレートの活用と中国3拠点の有効活用により、ユーザー企業の中国事業所におけるSAP製品(mySAP Business Suite)導入を迅速に展開することにしている。

 リードレックスは、様々な製造形態に柔軟に対応する製造業向けERPパッケージ「R-PiCS」を10年前以上から販売し、日本国内をはじめ、東南アジア、中国、米国およびヨーロッパの大企業から中堅中小企業まで430社以上に導入されており、生産管理パッケージとしては国内№1の実績を誇っている。海外拠点はリードレックス タイランド(タイ・バンコック市)および来客思軟件有限公司(中国・上海市)を持つ。来客思軟件有限公司は従業員数が6人で、住友電工深せん工場・東莞工場・蘇州工場、蘇州松下生産科技有限公司などのユーザーを持っている。

 アイ・ティ・フロンティアとキーウェアソリューションズは、04年から中国でのSAP R/3アドオン開発を開始し、大連市SI企業3社との協業体制で、オフショア開発によるABAPプログラム開発のコストダウンを実現させている。具体的な発注手順は、アイ・ティ・フロンティアがキーウェアソリューションズに一括発注し、キーウエアソリューションズが大連華暢の日本法人のダイリックス社経由で、大連IT3社の取りまとめ会社にシステム開発を指示する。SAP処理サーバー、情報共有サーバーは、アイ・ティ・フロンティアのデーターセンターで一元管理している。 
(erpdata)


◇ERP◇ NTTデータシステムズとNTTデータナレッジが提携

2006-05-08 21:31:35 | IT・視点


 NTTデータシステムズは、NTTデータナレッジと両社が開発する業務パッケージソフトの連携することで合意し、アライアンス契約を締結した。

 今後、ERPパッケージ「SCOW」と開発支援ソフト「Know-How Bank」を連携することにより、基幹業務における情報と情報システムの情報を有機的に連携させ、活用することが可能となる。また、従来のシステム構築と比較して、開発コストや時間大幅な削減が可能となる。特に、内部統制を支援する仕組みを各種業務プロセスに組み込む際に、効果を発揮する。

 <短評>ERPパッケージ「SCOW」は、アライアントパートナー制度を採用し、積極的な販売戦略をとり始めた。今回のNTTデータナレッジとの提携もこの一環。「SCOW」は中堅以下の企業をターゲットにしているが、メーカー系ERPに伍して市場を拡大しようとするなら、さらに、アライアント戦略を強化しなければなるまい。販売戦略としては、1メーカーに偏らない中立的なERPパッケージを強調する必要があるのではないか。
http://scaw.net/release/20060425.htm


◇ERP◇ システムベンダー6社による「発注者ビュー検討会」発足の裏にあるもの

2006-04-30 16:59:26 | IT・視点


 最近、企業の基幹システムにトラブルが発生し、社会問題化しつつある。それだけにコンピューターシステムが社会の中枢に入り込み、重要な役割を演じていることが実証されるという、皮肉な側面も覗かせている。ここで問題となるのが、ユーザーのシステム要求が、正確に開発側に伝わっているかどうかが問題になる。SI企業側からすると、最初からユーザー側の要求を正確につかみ、後で修正が出ないようにすることは、プロジェクトの赤字化を防ぐことにつながる。最近発足したベンダー側6社による「発注者ビュー検討会」の発足の背景には、これらの問題が存在する。

 NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所、構造計画研究所、東芝ソリューションの6社は、情報システムの「仕様」の記述方法・合意方法のの共同検討会「発注者ビュー検討会」を発足させた。これは、これまで企業ごと、プロジェクトごとに、開発者の視点で個別に定めていた仕様書の記述方法および合意方法について、“ユーザの視点で分かりやすく”“現場で使える”ベストプラクティスづくりを狙いとしている。ユーザー視点での使用記述方法について、画面遷移・定義から順次着手し、07年9月末までに検討を終了させる予定。成果物については、標準案の策定・公開を目指すことにしている。

 要求開発アライアンス(ReDA)が05年3月に設立され活発な活動を展開している。ReDAはビジネスの改善活動をシステム開発にいかに結びつけるかに注目し、ユーザーにとって真に役立つ情報システムを作り上げることを目的とした団体。真に価値あるシステムを作るための要求開発方法論「Openthology(Open Enterprise Methodology)」を独自に開発し「Ver1.0」を完成させた。Openthologyは「要求はあるものではなく、開発するものである」というスローガンの下に、ビジネス的要求をシステム要求に変換するためのシステマティックなアプローチ提供する。06年3月には「要求開発サミット2006-コンセプトから実践へ-」を開催し、Openthologyについての実践的報告が行われた。

 UMLモデリング推進協議会が03年5月に発足し、わが国でもUMLの普及に向けた本格的動きが開始された。UMLとはUnified Modeling Languageの略で“統一モデリング言語”と訳されている。最初の版はラショナル(現IBM)の3人によって策定され、現在はOMGによって管理されている。システムを図を使い表現するので、プログラムの可視化が可能となり、システム要求開発には欠かせないツールになりつつある。OMGでは世界共通の「UML技術者資格試験」を実施している。

 これまで、あいまいな表し方でソフトウエアを開発するための費用の見積もりが行われ、この結果、いろいろなトラブルが発生してきた。これを解決するためIBMのA.J.Albrecht氏が1979年にファンクションポイント法というアプリケーションプログラムの大きさを測定する手法を開発し、これによって、よりきちんとしたプログラムの大きさを基に、見積もり計算を行うことができるようになった。プログラムの大きさをはかるには通常、ソースコードの行数やファイルサイズが使われているが、これは言語や開発手法に依存し、いろいろの新しい技術が出てくる中、実情に合わなくなってきている。これに対しファンクションポイント法は、ソフトウエアの持つ機能の数を基にソフトウエアの規模を測定するもので、アプリケーションプログラムの大きさに相当する量を、プログラムの入出力とデータの集合(ファイル)によって表す方法。これによりソフトウエアの価値、品質、開発の生産性の尺度として客観的に使うことができる。日本ではファンクションポイント法の国際組織「IFPUG」の日本支部として1996年に日本ファンクションポイントユーザ会(JFPUG)が結成され、活動を展開している。 (erpdata)


<ERP> SAPジャパンがオンデマンド(ASP)で提供するCRMを発売

2006-04-26 23:35:14 | IT・視点


 SAPジャパンは「mySAP CRM」を、オンデマンド(ASP)提供する「SAP CRM On-Demand」を、大手・中堅企業向けに販売を開始した。

 これにより、営業部門の営業プロセス管理をWeb経由で可能にする。そして、短時間での導入を実現し、初期投資を必要としないビジネスモデルは、営業部門が直面する課題を解決することができる。

 今回、SAPがオンデマンド型CRMを提供した背景には、やはりセールスフォース・ドットコムがオンデマンド型CRM事業で成果を挙げていることがあろう。また、オラクルがシーベルを買収してCRM事業に本格的乗り出すことも影響しているだろう。
http://www30.sap.com/japan/Company/Press/Press.epx?PressID=6151

 


<ERP> CIOの育成と同様にシステムアドミニストレーターの育成に力を!

2006-04-23 13:35:08 | IT・視点


 CIO(情報統括役員)についての関心が年々高まってきている。東京証券取引所や大阪証券取引所でも新たにCIOを設置したし、最近、経済産業省が発表した「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」では、「CIO(情報統括役員)の登用と活用」という項目が設けられている。さらに今年、国際CIO学会も組織化され国際的活動を開始している。このようにCIOへの期待が高まっているのは大変結構なのだが、意外に忘れられているのがシステムアドミニストレーターの存在だ。

 システムアドミニストレーターは、企業のエンドユーザー部門でシステム化を担当し、情報処理技術者試験の合格者をベースとして「上級システムアドミニストレータ連絡会(SDG)」も組織化されている。しかし、その重要性に対して一般の注目度は高いとはいえない。いくら優秀なCIOをスカウトしてきても、システム化がうまくいくとは限らない。プロ野球の監督を代えても、選手の質が低かったら勝てないのと同じことだ。

 情報システム部門の要員はITのプロであり、インフラ構築の場合はあてになるが、各現場のアプリケーションについては素人同然の場合が多い。このため、各企業では情報システム部門の要員に現場のアプリケーションの勉強をさせているが、今後は、情報システム部門要員をインフラ構築の専門家とし、一方、現場のアプリケーションは、アドミニストレータを育成して責任持たせた方がうまくいくのではないか。

 経済産業省は、CIOやIT技術者育成にばかに力を入れているが、アドミニストレータに関しては無関心なようだ。これでは、プロ野球で優秀な監督やコーチのスカウトには力を入れるが、選手の補強には無関心のオーナーのようなもので、これでは試合に負けてしまう。これからは、CIOやIT専門技術者と同じように、現場のアプリケーションを担当する優れたアドミニストレータの育成に力をいれなければなるまい。
(erpdata)