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今年もお江戸へGO!【旧岩崎邸編】

2018-03-24 | おでかけ
今回のお江戸の旅で一番行きたかったところ、それは旧岩崎邸庭園です。
趣味に走った文と画像ばかりなので笑ってください。一部画像はクリックで大きくなります。

明治時代の洋館建築物が大好きなので、Uちゃんに行きたいところは?と聞かれて、いの一番にここ行きたい!とお願いして、ガイドツアーに参加してきました。
旧岩崎邸というのは、三菱財閥の創業者、岩崎彌太郎の長男で第三代社長、久彌の本邸です。
設計は、政府のお雇い外国人で東京大学で教鞭をとった、ジョサイア・コンドルという英国人です。
現在は国の重要文化財に指定され、洋館、撞球室(ビリヤード場)、和館大広間が残っています。


こちらは洋館。往時はプライベートな迎賓館として使われていたそうです。
薄いピンクに見える外装のペンキですが、経年劣化でこの色になっています。実際は卵色、今月から10月末まで修復工事に入っているので、ぎりぎり見学に間に合いました。
旧岩崎邸洋館


ステンドグラスの窓とアールのついた窓飾り、デンティモール(軒下の連続した飾り)とか。
洋館1階の窓
洋館2階の窓かざり


かぼちゃのような丸いものの上にとんがり帽子が乗ったような飾りと、奥の金物の屋根飾りも素敵です。
(後ろのビルは東大病院 笑)
洋館の屋根飾り


床下換気口まで素敵。
床下換気口の金具
実はこの換気口、戦時中の金属供出ですべて取り外されていたため、戦後に復元されたものだそうです。


1階の大きな窓の部屋はサンルームで、ここは増築した部分なので、サンルームの手前の部屋の窓は、2階の鎧戸のついた窓と同じになっていました。
このサンルームの窓の一部に、往時のゆらゆら~っとちょっとゆがんだように見えるガラスが残っています。
増築した1階サンルーム
ベランダの柱が、1階と2階で違います。あと、ピラスター(付け柱)の飾りも。
1階は柱に溝彫りのないトスカナ式、2階は柱頭にカタツムリのような装飾をもつイオニア式の特徴があります。


建物内での写真撮影は禁止なのでお見せできないのが残念ですが
(岩崎邸でググると、内部の紹介サイトもいろいろ見つかるので、そちらでお願いします
小鳥を刺繍したシルクの天井にイスラム風のアーチの婦人客室や、
壁紙が高級な金革唐紙、床は寄木細工の客室、
ベランダの目地無しのタイルがあの英国王室御用達ミントン社製だったり、
大きなお屋敷が買えるほどの高価なイタリア産大理石の暖炉や鏡がいくつもあったり、
和風の草花模様のグラスをバカラに特注してたり、
見事な装飾や贅を尽くした内装外装に、ため息が止まりません。
もうね、さすが三菱、さすが岩崎、昔のお金持ちの底力の凄さを見せつけられました。

ここまで豪奢な建物ですから、調度品もさぞや素晴らしいものばかりだったと思うのですが、
残念なことに戦後GHQに接収された折、それらの多くは持ち出されてしまったそうです。
さらに、貴重な金革唐紙が気に入らなかったのか、上からペンキで塗られてしまいました。
復元された1部屋でのみ、その素晴らしい伝統工芸を見ることができます。



          
   


こちらは撞球(どうきゅう)室(ビリヤード場)。華族、軍や政府高官らの社交的競技だったんですね。
撞球室

洋館から少し離れたところに建っていて、なんと!地下通路でつながっています。
洋館の中に撞球室があるのが一般的なのに、何故岩崎邸は別棟なのかというと、一説には久彌氏がそれほどビリヤードが好きではなかったということもあるようで。
造りは山小屋風。うろこ壁が綺麗ですね。
撞球室のうろこ壁
撞球室なのにビリヤード台がありませんでした。これもGHQに持っていかれたのかなぁ。




           




最後は和館ですが、洋館好きなので写真がありません。(おぃ)
というかですね、ツアーのあと、和館内のお茶席で小岩井農場 * のチーズケーキセットを頂いて、そのあとまたひととおり、自主的おさらい見学をしていたら閉館時刻が迫ってきて、なおかつ相方はマラソンゴールしてホテルに戻っているという連絡もあって、ゆっくり写真を撮る余裕がありませんでした。
* 小岩井農場は、日本鉄道の小野・三菱の岩崎・鉄道庁長官の井上、3名が共同創始者。そののち儲からないので岩崎家が所有したという・・・儲からないからウチが引き受けるよって、どんだけ~)

和館も内部は写真撮影禁止なので、これも他所のサイトに画像はお願いするとして、
長い廊下(確か16m)の天井が柾目一枚板(きっと分厚い!)で、今となっては手に入らないような材料が使われていました。まさに逸品。
それから釘隠しや襖の引き手、欄間などは、岩崎家の家紋である「重ね三階菱」をデザインしたものでした。どこを見ても三菱が連想されます(笑)


えーっとせっかくなので和の写真を1枚だけ。
庭園の芝庭の奥にある、巨大な雪見灯篭です。
雪見灯篭
これでは全然大きさがわかりませんね(汗) Uちゃんに立っててもらったらよかったな。とにかくすごく大きいんです。人の背を超える大きさ。
他にも坪庭の靴脱ぎ石とか手水鉢とか、とにかく巨石、お金かかってるなーって(笑)

そうそう、岩崎邸庭園には、お金持ちの庭によくある(?)松の木がありません。
かつてはあったのですが、これもGHQが松の木を射撃の的にして傷つけたためすべて枯れてしまったそうです。戦争に負けるって、こういうことなんだねぇ…


他にもまだまだ、写真には収めきれなかったけど素敵~♪を連発したものがあります(メダリオンのついた袖塀だとか)が、この辺にしておきます。
ボランティアの方の庭園ガイドが毎日あるので、是非とも参加したほうがいいです。
Uちゃんは以前来たことがあったけど、そのときはガイド無しだったそうで、やっぱり説明を聞くと聞かないとでは大違いだって。

進む都市化により貴重な建物が消えていってしまう中、文化財指定された建物を大切に残していって欲しいと思うのです。そのためなら旧岩崎邸庭園さんの入園料400円、もうちょっと取ってもいいと思うんだけどなー。

お出かけ先リンク
 旧岩崎邸庭園



         





★おまけ★
庭園ツアーに参加したら、庭園でとれたヒマラヤ杉の松ぼっくりをお土産にいただきました。
(杉なのに松ぼっくりかい?杉という名前だけどマツ科なんだって
お土産のシダーローズ
いつかブローチを作ってみようと思います。(いつだろ 笑)



お江戸へGO!観光編も、あと少し。つづく~♪



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2 コメント

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なるほど~~ (すー)
2018-04-01 21:17:47
旧岩崎邸、さっと見たことあるだけでした!

猫さん、すごい!詳しい!

そう、お江戸には旧建物(西洋館)が何気なくあちこちにあるんですよね。
ふむふむお勉強になりましたので、私も行って観ます♪そして、チーズケーキ食べてきますね(^^♪
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是非またお出かけを♪ (eowyn)
2018-04-04 15:27:48
◆すーさん
>猫さん、すごい!詳しい!
いえいえ、ガイドツアーに参加して色々教えてもらったの。
すーさんもツアーに参加してね!
ツアーそのものは小一時間程度、午前と午後にあるんだけど、そのあともゆっくり見たりケーキ食べたりしたい人は、午前のツアーがいいかも。
わたし、もっと長居したかったんだけど、この日は寒かったのと閉館時刻になっちゃったので

>お江戸には旧建物(西洋館)が何気なくあちこちにあるんですよね。
そうなんですよねー。
政権の歴史が深くて、○○お屋敷っていうのがいっぱいあるから、見どころたくさんですよね。
もうすぐ薔薇の季節だから、旧古河庭園が素敵だと思うのよ。
ぜひぜひお出かけしてみてくださいね!

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