ダークマター、ホーキング放射、ブラックホールなど

ブラックホール、ダークマター、相対論、そうして賢者の石探索中。

電王戦・竜王戦 誰が今回の騒動の絵を描いたのか?・

2017-01-31 01:23:43 | 日記
いろいろなところで陰謀説が噂されています。

さて、本当に誰かが、あるいは複数の人が絵を描いたのでしょうか?


仮説1・竜王が絵を描いた。

人気のある仮説であります。

このところ負けが込んでいた三浦9段を避けて丸山9段と対戦した。

そうして、結果的に竜王を防衛した、、、と。

表面上はその通りであります。

そうでありますが、それではあまりにも露骨すぎて、稚拙すぎてかえっておかしいですね。


それから、挑戦者変更の為に週刊文春まで根回しをして「挑戦者疑惑の記事が存在すること」にしてもらわなくてはいけません。

文春はその「存在しない記事を存在する」という事にした対価が20日の竜王独占告発記事のスクープとなる訳ですが、それでは文春が引き受けているリスクの方が文春が得ることになるリターンをはるかに上回っているように見えます。

それから、そのようなお願いを文春にした、とすると、さて竜王は一生の間文春に弱みを握られている事になります。

あるいは逆に文春が竜王に弱みを握られた、、、と解釈することも可能です。

たかだか一回の竜王戦のことでそれほどのリスクを両者が引き受ける、、、とはとても思えません。


仮説2・読売が絵を描いた。

10月3日~4日頃には文春のみならず他の週刊誌も新聞社もソフトカンニング疑惑の情報をつかんでいた、という情報があります。

それで、竜王戦スポンサーの読売新聞が「疑惑のある挑戦者では竜王戦開催はできない。」として「挑戦者交代の絵を描いた。」という仮説です。

これもかなりの人気がある仮設です。

しかし、読売とすればそれで竜王を介して連盟に介入して、なおかつ文春にまで手をまわしてこのような複雑な騒動を引き起こす必要性は全くありません。

単に連盟に対して「このような噂があるが、今回の竜王戦では世間から疑惑をもたれないように十分に注意して開催して下さい。」と言えばそれで十分なのであります。

後は棋戦の開催・運営責任のある連盟のお仕事、責任になるのですから、それ以上の余計な事は一切必要ありません。


仮説3・絵を描いた人は誰もいない。

これが竜王と連盟の主張していることになります。

現状の推移をみればなにやら竜王が主導しているかのように見えますが、それはそのように見えただけであって、その時々の「これが正当な、妥当な判断である。」と言うものが積み重なってこうなってしまった、、、というものであります。

そうでありますれば、そこには全体の絵を描いた人は存在せず、思いこみと判断ミスが存在したのみである、ということになります。

そしてそこには「悪意はなく、連盟のため、という大義が存在した。」という主張になるのですが、それでもその結果引き起こされた事態に対しては、結果に対しては、関係各位の方々の責任が免責されるという事にはなりません。

目的の、動機の正当性は手段を正当化せず、もちろん結果に対する免責も保障しないのであります。


以下仮説3の詳細になります。

「三浦弘行九段への処分・第八幕の3」で「そうしますとやはり「三浦9段はソフトカンニングしている」という確信を持ってしまった事が今回の騒動の決定的なことであった様に思われます。」と書きましたが、それだけであれば「金属探知器の導入」と「対局の監視」で十分に「クリーンな竜王戦」は実現できたはずです。<--リンク

そうして文春への独占告発は必要ないですね。

三浦9段はカンニングできずに実力で戦うしかなく、そうして「実力では自分が上」と竜王は思っているのですから。

5日の自らが提案した「金属探知器導入」とそれに対する三浦9段の「導入合意」をもって、この話は終了のはずでした。

しかしながら実際は7日になって島さんに「これでは対局できない」旨を伝えています。

なぜでしょうか?


どうやら7日までは「週間文春が竜王戦最中にソフトカンニング疑惑記事をぶつけてくる。」という情報は唯一竜王だけが連盟の中でつかんでいたと推定するのが妥当の様です。

そうであれば、実際にそのような状況になったときに、そうしてその文春の記事の中に「竜王はこの記事が出る事を知っていた。」とでも書かれた場合は、まずは理事さん達に対して言い訳ができません。

そうして、そのような状況となってしまった竜王戦を読売が「それでよし」とする保障はどこにもありません。

そういう訳で竜王は自分の持っているすべての情報、そうして「三浦9段はやっているに違いない」という自分の確信を島さんに伝えて相談したものと思われます。

この情報は直ちに主要な理事の間で共有されたと思われます。

そうして2日後の9日には「明日、会合を開くので出席よろしく。」の連絡が10日の秘密会合の出席者にだされたのでした。


この進行とは別にスポンサーである読売新聞に対しても、この竜王の情報は伝えられ、そうして相談がなされたと思われます。

しかしながら、棋戦の運営主体は、運営責任は連盟にあるのですから、読売は「対応の責任は連盟にありますよ。」という立場であったはずです。

そうしてこの相談の結果として、
案1・挑戦者を代える、
案2・週刊誌の袋だたきに(連盟が)遭う、
案3・竜王戦を延期していただく、
の3つの案が読売と連盟の間のある程度の共通認識になったと思われます。

こういう状況のもとで11日の常務会という名前の査問会が開かれたのでありました。


話が前後しますが竜王が文春の疑惑スクープ記事の情報を入手したのはたぶん4日ごろでしょう。

そのあたりから文春も本格的に疑惑の取材をはじめた様であります。

そうして同じころに「三浦9段がソフトカンニングしている様だ。」という情報も竜王にもたらされたのでありました。

その結果が5日の「竜王戦への金属探知の導入」に結びついたと思われます。


さて次に上記3つの案ですが、その内容について少々。

案1・挑戦者を代える

これは疑惑の挑戦者と名指しされることになるであろう三浦9段を連盟が擁護しきれるか、という問いかけへの答えが実質上「NO」である事と同じであります。

三浦ー丸山戦を監視し、問題がなかったという事実、そうして「金属探知器の導入」という対処をしてもそれだけの発表で週刊誌の疑惑記事を打ち消す自信が連盟には、その時の連盟にはなかった、理事さん達には持てなかった、ということであります。

それが秘密会合、そうして竜王の主張を聞いた結果としての、加えて当日の三浦9段からの事情説明を聞いた上での主要な理事さん達の判断でした。

したがって、中央突破にあたる、
案2・週刊誌の袋だたきに(連盟が)遭う、
という案、これは三浦9段の潔白を信じて、そのうえで今回の竜王戦の監視体制を主張することで疑惑報道をはねつける道ですが、この案をとる事が出来なかったのでした。


案3・竜王戦を延期していただく

この案はまずはスポンサーさんにかなり迷惑がかかること、そうして実はどうやったら今まで以上の事実をつかめるのか、そうして調査に何日必要なのかも連盟にはわからなかったでありましょう。

つまり、いつまで延期すればよいのかさえ決めることができなかったと思われます。


そして8日の日の竜王の文春へのメールは「我々が動くので、そちらは我々の結果を待ってくれ」というものだったかと思われます。

そうして12日の処分公表後に文春に対して「経緯詳細のインタビューOK」の連絡を、もちろん理事さん了解の上で入れたものと思われます。

それが以下の竜王の12日のブログの内容かと推察いたします。

「大変な事態になってしまいましたが、引き続き将棋界へのご声援を宜しくお願いします。
詳細は各種報道に任せて、ここでは省略します。」

こうして20日に文春の疑惑独自調査レポートではなく竜王の独占告発記事の公表となったと思われます。


以上のような経緯であろうとは推定できますが、何分とも関係者がこの話のキーポイントを話さない、話せない状況にあるかと思われます。

そうでありますれば、今回の騒動の真相は永遠に闇の中、、、ということになりそうです。

PS
時系列まとめはこちらの記事も参考になります。

・三浦弘行九段のソフト不正疑惑の時系列まとめ記事(その3)<--リンク

PS
「8日の竜王の文春へのメール記事」はあまり目新しい内容がない、というのが2ちゃんねるの評価だったかと記憶しています。<--リンク

そうですね、我々にとっては「7日に島さんに告発した」と言う情報がすでにありましたので、それを文春に連絡した、と言う意味しかなさそうです。

しかしながら、文春がこのタイミングでなぜこのような薄っぺらい内容の記事をだしてきたのか、と問いたくなります。

そうしますと、この記事は竜王と連盟に向けられたメッセージではないのか、、、などと思えてくるのです。

つまり「文春を悪く言う事は許さない。さもなければこのメールの発表していない残りの部分をばらすぞ!」などど。

でもまあ、こういうのを世間では「ゲスのかんぐり」というのでしょうかねえ。

PS
・将棋界が直面する未曾有の危機とは何か?<--リンク

今回の連盟対応は批判されても仕方のないものでありました。

追伸
・謹賀新年。2017年の将棋界は激動の年になりそうです<--リンク

田丸さんも引退されて割と自由に本音が言える様になりました。

追伸
・1月3日から平常運転の仲良しフットサルチームです。<--リンク

なにやら竜王らしい姿も見えるのですが、、、。

まさかねえ。

多分、人違いでありましょう。

PS
・三浦棋士は「灰色無罪」なのか 将棋ソフト不正使用疑惑<--リンク

第三者委員会、および連盟対応への批判記事であります。

PS
・<王将戦>不正対策のため電子機器預かり<--リンク

あれだけの騒ぎを起こしながら金属探知器を使わないという、この中途半端な対応というのはどうにも納得ができません。

不正が行えない環境を作ること。

その事に関して連盟さんは何も学習していない様にみえます。


PS
・三浦九段、スマホ不正使用疑惑晴れファンの前にサプライズ登場…高崎市でこども将棋大会<--リンク
(・三浦九段、スマホ不正使用疑惑晴れファンの前にサプライズ登場…高崎市でこども将棋大会)

おかえりなさい。
とりあえずよかったですね。
そうして、ヤマダ電機さん、ありがとう。

・不正疑い晴れた三浦弘行9段「少しは落ち着いた」<--リンク

・三浦九段、ファンの前に姿 調査委が不正否定後、初めて<--リンク
(・三浦九段、ファンの前に姿 調査委が不正否定後、初めて)

・三浦九段、地元のイベントに出演 ファンから拍手<--リンク

・疑惑騒動の棋士・三浦弘行九段がこども将棋大会に出席 「地元の声援ありがたい」<--リンク

タイトルを見るだけでも新聞各社のスタンスの違いが良くわかりますね。

そうして、読売がないのは何故でしょう?

PS
・1月5日指し初め式の風景。<--リンク

なお渡辺さんは参加、三浦さんは例年と同じく不参加の模様。

・羽生3冠「三浦九段の一日も早い復帰を」<--リンク
・拡大写真<--リンク


PS
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電王戦・三浦弘行九段への処分・第八幕の3・

2017-01-10 00:16:41 | 日記
前回の「三浦弘行九段への処分・第八幕の2」は今回の騒動の後半、全ストーリーの半分です。<--リンク

そうして、未だに不明なのは、情報公開が必要なのはこの物語の前半部分なのであります。

そうやってようやく物語の全貌が明らかになるはずなのですが、キーポイントの部分が出てきておりません。

そうして、第三者委員会もそこのところは「調査対象外」としています。


以下の時系列まとめは2ちゃんねるからの引用になります。

今回の騒動についての2ちゃんねるの炎上は激しく、いまだに読むのが追い付いていません。

しかしながら、このあたりで中間まとめをしておきたいと思います。

そうしないと何が何やら、まったく状況がつかめなくなりそうですので、、、。

■時系列まとめ (2ちゃんねるからの引用:各位敬称略)
733 : 名無し名人 (ワッチョイ dfd4-g1cW)2016/12/28(水) 14:21:19.63 ID:ePtAmWBo0さんまとめに
346 : 名無し名人 (ワッチョイ af39-g1cW)2016/12/28(水) 13:15:06.58 ID:f3DU23kQ0(前スレID:jaZktZl50さんのをちょっと付け足し )
を追加、合体させたものに追記しました。

7/26 久保が三浦と対戦、30分の離席(実際は6.3.3分)
8月8日に連盟が長時間の離席を控える旨の通知書を全棋士に送る。
8/26 三浦対丸山 連盟が監視するもクロの証拠出ず
9/8 三浦対丸山 連盟が監視するもクロの証拠出ず
10月 3日 A級戦 三浦に敗北。渡辺は「三浦の研究手に嵌められて負けた」と発言、感想戦もそこそこに帰宅
10/3 渡辺が三浦九段と対局。後にクロだと確信
10月 4日 テレビで見ていた黒幕※に「三浦のカンニング疑惑」を教えられる。 
10月 4日 文春中村、この日くらいに情報を掴んだと10/20発売の文春に記述
10月 5日 渡辺提案で竜王戦の金属探知機導入が決定 (Byサンスポ)
10月 5日 12月14日より、電子機器は対局前にロッカーに預ける、対局中は外出禁止、等の規定を施行の旨公表
10月 7日 三浦とは対戦したくないと、島専務理事にねじこむ (電話連絡)
10月 8日 渡辺は文春記者に、告発の腹を固めた旨のメール送付 (bY12/28の週刊文春)<--リンク
10月10日 秘密会議 千田を連れて、羽生や谷川にカンニング疑惑を説明
10月11日 三浦、査問会に呼ばれ
10月12日 三浦、挑戦権を剥奪
10/12 連盟 処分発表 、渡辺ブログで「大変な事態、詳細は各種報道に任せて、ここでは省略。」
10月15日 竜王戦第一局
10月20日 週刊文春に、渡辺の独占告白が行われ、三浦の疑惑が大々的に報道される <--リンク

※10月4日、渡辺にチクった黒幕は、報道関係者(By朝日新聞)、棋士(By週刊文春)の二説あり <--リンク

2ちゃんねるからの引用になりますので、上記各位敬称略ということでお許しをお願いします。


7月26日の久保ー三浦戦の後で久保さんがたぶん千田さんにソフトでの解析を依頼したのではないかと思われます。

そうしてその結果とご自分の対局での三浦さんの離席時間の長さから「カンニングの印象をもたれた」のではないかと。(By週刊文春)

それらの情報が周囲に伝わりソフトカンニングのうわさが広まったと思われます。

連盟に対する久保さんの要求は関西の棋士の会合で出されたと記憶しています。

それを受けての8月8日の通達、そうして8月26日、9月8日の対局監視になったと思われます。

10月 5日 渡辺提案で竜王戦の金属探知機導入が決定 <--渡辺さん提案のソースは確認できていませんが、今回の竜王戦では金属探知器が導入されるという情報は公開されていました。

この提案は、渡辺、三浦両名によって承認されていたと記憶しています。(ソース2CH)


10月 8日 渡辺は文春中村に、告発の腹を固めた旨のメール送付 (bY今週の週刊文春)

このメールで渡辺さん、「先日の対局が最後になるやもしれない。」の決意を語っています。

これは島さんに連絡した内容がかなり厳しいもので、とらえようによっては「対局拒否と受け取られてもしかたがないもの」であった事をうかがわせます。

そして、プロ棋士にとって「対局拒否」はそのまま「除名処分」につながるものと理解しています。


問題はなぜそこまでのリスクを取ったのか?

金属探知器まで導入されるのであれば、実質上は今回の7番勝負はクリーンな環境で行えます。

そうであれば、巷で言われている様に「何事もなく挑戦を受ければよかった」のであります。

そうして、そこで仮に敗れたとしても来季に再度挑戦は可能です。

しかし「除名処分」となれば来期はありません。

それならば、ここは黙って挑戦を受けるのも確かに一つの方法、現実的な方法であったかと思われます。


そうしますとやはり「三浦9段はソフトカンニングしている」という確信を持ってしまった事が今回の騒動の決定的なことであった様に思われます。

そうして、そのような確信を持ってしまえば全ての事柄にその判断のバイアスがかかってきます。

そうしてそのような渡辺さんの「強い思い」に連盟の理事さん達が、トップ棋士の面々が飲み込まれていったように見えます。

その思いの前では、「連盟監視結果では三浦ー丸山戦、異常なし」という報告も「金属探知器導入」という決定も意味を持たなかった様であります。

ちなみに島邸での会合の際には「連盟監視結果では三浦ー丸山戦、異常なし」という報告はトップ棋士の面々にはなされていなかったと推察しています。

もはやこの段階では三浦9段に有利な情報は意識的か無意識的かは分かりませんが、会議の内容からは排除されていたものと思われます。


10月20日 週刊文春に、渡辺の独占告白が行われ、三浦の疑惑が大々的に報道される

この報道は「竜王戦挑戦者疑惑報道」との差し替え、バーター取引で、半ば連盟公認であったろうとおもわれます。

そしてこの記事は「疑惑の挑戦者を未然に排除した、竜王と連盟のヒーロー物語」になるはずだったものと思われます。


以上が公表されている情報と2ちゃんねる情報、そうして個人的な推測を積み重ねた、後日修正あるいは追記を前提とした暫定報告となります。
(本文は必要に応じて随時修正、追加されるものであります。)

PS
竜王が今回の竜王戦に金属探知器の導入を提案したという記事です。<--リンク

ここまでやって、それでも三浦九段との対局が納得できなかった竜王の思いと言うのは何なのでありましょうか?

PS
現時点での今回の竜王の告発記事への関係各位の評価はまるでリトマス試験紙のようにその人の状況を示す様です。

現状の将棋村の在り方から経済的、そうして社会的な利益、自分のプライドのよりどころを得ている方々は村の在り方の変化、変更をたやすくは受け入れないでありましょう。

それがとても名のある専門家の方々の忠告(第三者委員会の報告)を聞いた後でさえこのありさまですから。

そうして結局のところ村の掟(おきて)はとてもとても硬いものであるということが再確認されつつある状況であります。<--リンク

PS
ご参考までに。
渡辺さんの師匠にあたる方の様です。<--リンク


PS
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電王戦・三浦弘行九段への処分・第八幕の2・・

2017-01-01 12:57:21 | 日記
昨日(27日)は三浦9段の記者会見連盟の報告会とダブルで行われて、実に情報量が多い日でした。<--リンク

そうして、まだバラバラではありますが、この騒動についてのあらかたのピースが、はめ絵の小片が出そろった模様です。

さてそこで、ここではまずは情報の整理から始めることとしましょう。

とはいえ、事の真相は当事者にしか分からず、しかもその当事者間であってさえ事実認識、あるいは「言った、言わない」というように認識が異なる世界であります。

従いまして以下のお話は個人的な推察を加えながらの、それぞれのピースの配置作業となります。


さてこの物語の大筋。

やはり主人公は竜王と理事さんでしょうね。

そうして竜王と仲の良いマスコミ関係者、それからスポンサーさん、まあこんなところでしょうか。

それからもう一人の、悲劇のヒーローが三浦9段となります。

それ以外のおおくの関係者が登場しますが、まあそれはおいおいの話ということで。


さて、竜王戦が迫ってきたこの頃、挑戦者に連敗中の竜王はどうにも落ち着きません。

「なぜやつは急にこれほどに強くなったのか?」

まあそういう訳です。

そこに二つの噂が聞こえてきます。

「どうやら挑戦者は禁止魔法(将棋AI)を使っているらしい」というのが一つ。

もうひとつは「その事について、竜王戦開催中にあるマスコミがスクープ情報を出すらしい。」というものです。


そこで竜王は考えます。

「竜王戦の最中にそんな醜聞を発表されたら、竜王戦に傷がつき、スポンサーへの印象が悪くなる。」

「そうして対局料の値下げにもつながる話なので、これはまさに我が村の存続問題でもある。」

まあそんなところでしょうか。


さあ、問題の所在が明らかになったと思いこんだ竜王、さっそく村の顔役である懇意の理事さんにご相談であります。

「こうこうこういうわけだ。これはほってはおけまい。」

こうして理事さん邸での秘密会議の招集となりました。

出席者のみなさん、対局中の長時間の不自然な離席、そうして何より聞きなれない「将棋AIとの一致率」を駆使した説明におされぎみです。

そうしてなかなか「その一致率とは信頼性があるものなのか?」とは問いかけられません。

なにせ、世間ではやりの最新将棋AIについての話らしいので、ここは「しったかぶり」をするのが良さそうです。<--リンク

その結果、竜王と理事さんは「みんな分かってくれたな。」と思いこみます。


それで翌日三浦9段を呼び出しての竜王立会での10人で1人を取り囲んでの常務会(と言う名前の実質は査問会)の開催となりました。

ここで連盟側の主張と三浦9段の説明と、話しは鋭く対立します。

まずは連盟側の主張から。

「こういう疑惑があるがどうか?」と三浦9段に問います。

「そんな風に疑われた状況では竜王戦は戦えない。」

「そうか。それでは明日午後3時までに休場届の提出よろしく。」


次は三浦9段の今回の記者会見での説明から。

連盟は「こう言う疑惑があり、竜王戦が取りやめになった。」と。

ついては竜王と三浦9段には「今回の竜王戦はなし」ということで了承いただきたい。

竜王、おもむろにうなずきます。

そうなればしかたありません。

三浦九段も「分かりました。」となります。

そこですかさず理事さん、「そうか。それでは明日午後3時までに休場届の提出よろしく。」


ここで再び話が合流します。

三浦9段、家に戻って考えまするに、「使った覚えがない将棋AIの疑惑の件で、なぜ私が休場せねばならないのか?」と。

そういう訳で休場届を出すのをやめました。

さてそうなると連盟さん、「出すといった届が出てこない。これは処分せざるを得ないなあ。」

さて、第三者委員会のみなさん、連盟側の主張のみを取り上げればこの「出すといった届が出てこない。これは処分せざるを得ないなあ。」という所が「やむを得ないことだった」ということになります。

他方で、三浦9段にすれば、「これははめられた、だまされた」と思うような状況になる訳であります。


さて、事実はどうだったのでしょうか?

竜王から相談された理事さんはスポンサーさんに「こういう状況です。」と一報は入れていたと思われます。

そうして、「竜王が言われる「最悪の状況」を回避するためには挑戦者の変更というのが一つの方法である。」という認識はスポンサー側と共有されていたと思われます。

問題は挑戦者の変更が読売側の事前承認の下で行われたのか、あるいは事後承認であったのか、ということになりますが、これも当事者でなければ分からない話であります。

あるいは日本人お得意の「あ、うんの呼吸」で、そのあたりはどちらでもなかった、その中間の状況であったのかもしれません。


しかしながら三浦9段からすれば、そこのところは、開催中止とされた竜王戦が何事もなかったかの様に開催されたというじじつからすれば「開催中止というのはウソで、単に私から休場届を提出させるための作り話だった。」となります。


そうして、連盟からすれば「3か月の出場停止処分中だから三浦9段は竜王戦に参加できない。」

「竜王戦の開催はスポンサーさんとの契約事項だから、挑戦者を変更して竜王線を実施せざるを得ないなあ。」とこうなる訳であります。

そうして、第三者委員会はこの連盟側の説明を「やむを得ないものだった」と追認したのでした。


しかしながら第三者委員会は三浦9段の聞き取り調査もしているのですから、この三浦9段の「休場届不提出の経緯の説明」も聞いているのでした。

でも、報告書でその主張を取り上げれば「連盟側の手続きには重大な瑕疵があり、この処分は無効である。」ということになってしまいそうです。

そうして結局のところ「雇用主の意向に沿った仕事をしない弁護士さんは存在しない」のであります。

まあそういう訳で、あのような報告になったのでありましょう。

そうして「無効である。」と言う代わりに「損害の、損失の補償はきっちりとやってくださね。」ということにしたのでありました。


しかしながら第三者委員会の報告を聞いた連盟さん、そこのところを理解されていない模様であります。

「やむを得ないものだった」というのを「妥当なものだった」とご自分たちに都合のいいように解釈されておられる模様です。

極論すれば「手続き上に瑕疵はなかった。」、「自分たちは正しかった」とそういう理解になってしまっていそうです。

そうでありますから今回の騒動のけじめとして谷川さん、島さん、青野さんでさえ「3か月のあいだ、理事手当三分の一の減給」程度で十分だということになったのであろうと推察しております。

PS
竜王や島さん、谷川さんが「大事だと考えているものを守ろう」とした意図は良く分かりますし、それはあながち間違いとは言えないのでありしょう。

しかしながら今回は、手段、手続き、やり方が間違っていました。

そうして「目的の為には手段を選ばず」の道は、結局のところ「争い」につながります。

目的の、動機の正当性は手段を正当化しません。

そうでありますればこそ「目的のためには手段を選ばなくてはいけない」のであります。

PS
28日発売の週刊文春。 <--リンク

10/8に渡辺竜王が文春記者にメールしていた!!

PS
・読売にとって何が大事なのか、それが良く分かります。<--リンク

PS
・将棋棋士の三浦九段が将棋連盟に不満の意 「休場の申し出はしていない」「元の状態に戻してほしい」<--リンク

・三浦九段「つらく悔しい思いした」 会見で将棋連盟批判<--リンク

・三浦弘行九段会見詳報「うーん。まあ、無理なんでしょうけど、竜王戦をやり直してほしい」<--リンク

・法廷闘争の可能性も 三浦弘行九段の出場停止問題<--リンク

<将棋>「三浦九段につらい思いさせた」谷川会長が謝罪<--リンク

・第三者委員会調査結果を受けて谷川報告詳細です。<--リンク

・日本将棋連盟会見詳報「週刊誌に記事が…出場停止はやむを得ない判断だった」<--リンク

・離席発言「真偽の調査を怠った」 将棋連盟の説明詳細<--リンク

箸休め
気分転換にどーぞ。<--リンク

動画
・三浦会見 <--リンク
休場届提出のいきさつ
0:23:10から

・第三者委員会会見<--リンク


PS
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PS
そうして・・・。
・疑惑が晴れた「将棋のソフト不正問題」と将棋連盟に対して望むこと