宇宙の大きさ=「宇宙図(2018年版)」<--リンク
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宇宙図を再掲示します。
宇宙図がフリードマングラフそのものである事に気が付いてしまいました。
通常のFG(フリードマングラフ)は横軸が時間軸で縦軸が距離になっていますが、これを90度回転させ、左右対称に展開すれば宇宙図の出来上がりとなります。
そうして、数多く描かれている白い線はスケール因子a の値が異なっているだけで、つまりは距離方向に倍率を変えて描かれたもので、もともとは一本の線であり、その拡大縮小コピーにすぎません。
それから、真ん中に描かれている光のしずく状のもの、今から97億年ほど前の部分の太さが一番大きくなっています。
この部分より上の形状は銀河からの光が地球に向かってくる状況を時間軸と空間軸の中で表現したものになっています。
地球からの距離が近い銀河からの光は短い時間で地球に届く、しかし97億年前の銀河の光は地球に届くには97億年必要だった、という事を表しています。
さて問題はその時の銀河の地球からの距離です。
宇宙図はそれを60億光年だと教えています。
60億光年の距離なら、地球に届くのには60億年でいいのでは、というのは、宇宙が静止している、膨張していない時の話になります。
さてその、かつては地球から60億光年の所にあった銀河がいまどのあたりにきているか、といいますと、そこを通過している白い線をたどって上に登りますと、当方の読みでは160億光年あたり、ちょうど事象のホライズンをこえるかなというあたりである事が分かるのです。(注2)
次の問題は97億年から下の部分、138億年までの所ですね。
この部分を上と同じ理屈で次第に広がる様に描いていく事も出来ます。
しかしそう描くとビッグバンの時の宇宙のサイズが一番大きく描かれる事になります。
(メルカトル図法ですね、その描き方は。<--リンク)
数センチから数メートルの距離が450億光年と同じサイズに描く、という事は問題だろう、と言うのが、そもそもこの宇宙図の描き方の原点でありました。
この宇宙図ではビッグバンのスタートは極小の点でなくてはならない、そうなりますとそこから出た光は一度ひろがって97億年前の所の光の線につながらざるを得ません。
そういうわけでこの「光のしずくの下側の形状」ができあがったのでした。
ですので、「重力の影響で光の進路が曲がった、という訳ではなく、単なる表現の仕方の問題である」、という事を了解しておく必要があります。
(この表現が気に入らない、とすると残された方法はメルカトル図法を選ぶという事になります。)
さて、宇宙のはれ上がりがビッグバンから37万年後でした。
その時の観測可能な宇宙の半径4200万光年であり、その最終散乱面は地球から(今の)光速の60倍の速さで遠ざかっていました。
しかしながら宇宙図から分かりますように、事象のホライズンを表す線の範囲内にこの「観測可能な宇宙」はすっぽりと入っていました。
つまり「その時の光速は現在の光速の60倍であった」という事になります。
そうでなければこの範囲内の事象は因果律の相互作用を持つことができず、つまり事象のホライズンに入っていない、という事になるからであります。
そうしてまた、そのことが光速の60倍のスピードで地球から遠ざかる最終散乱面から光(マイクロ波)が届いている理由でもあります。
さてそれで、以上の様に我々は宇宙図が示す「事象のホライズンの線の内部に閉じ込められている」という事であります。
それよりも外側の情報は我々に永遠に届かない、と宇宙図は主張しています。
それを前提に宇宙図のビッグバンのあたりを拡大してみますと、135億年前あたりから「観測可能だった宇宙の一部がすでに事象のホライズンを超えて外側に出て行っている事」が分かります。
そうして、そこを起点として現在に至るまで宇宙はどんどんと「事象のホライズンを超えて外側に出て行っている」のであります。
さてそれではそのような銀河の、あるいは最終散乱面の「事象のホライズン越え」は我々にはどのように見えるのでありましょうか?
まあ、銀河の例をあげますれば、「今まで観測出来ていた銀河が見えなくなる」という結果になる事は予想できます。
さてもしそうであるならば、最終散乱面よりも我々に近い所にあった銀河が見えなくなる、というのであれば、当然ながらそれよりも先に最終散乱面が見えなくなる、という事が起こらなくてはなりません。
それが「物事の道理」と言うものであります。
ここで一旦「静止している一様、等方な宇宙」を例に挙げて考えましょう。
この宇宙も「宇宙のはれ上がり現象」がありました。
宇宙のそこここが一斉にはれ上がった、その時を境に視界が無限大になったのでした。
しかしながら光は光速でしか進めません。
そうしますと「観測可能な宇宙のサイズの半径」は光速に時間を掛けた値r=C*tとなります。
そのrで示された場所から次々に3000Kのオレンジー黄色の光が届きます。
そうして、その状況、「宇宙の一番遠くにあるのは3000Kのオレンジー黄色の光のかべである」と言う状況は無限の時を超えてそのようでありましょう。
そして、その光の壁と我々との間にある空間の中で恒星の誕生や銀河の誕生の歴史くりひろげられる、それを我々は見る事になります。
そのありさまは「遠くをみれば宇宙の時間をさかのぼって昔を見る事になる」という今の状況と変わる事はありません。
(ただし、そのような宇宙に「銀河の光を見る事ができる夜という状況」が存在できるのかどうかは保証の限りではありませんが、、、。<--リンク)
さてその宇宙にハッブル先生が登場して「宇宙は膨張している」と告げます。
びっくりした宇宙は「それではやりなおし」とばかりに「宇宙のはれ上がり」からリスタートをかけます。
ハッブル定数Hoは今、観測されている値としましょう。
そうすると、地球からはなれたどこかの場所でそこの後退速度は光速Cを越えます。
つまり、その場所から外側からは「宇宙のはれ上がりによる光は地球には届かない」という事になります。
さてそういう訳で、「そこが事象のホライズンになる」という事になります。
それで、ちょうど光速Cで我々から遠ざかる所は我々から観測すると「時間は止まっている様に見えるはず」であり、そこの赤方偏移zは無限大になっている、光の波長は無限大となり、つまり「そこからの光の放出は観測されない」という事になります。(注1)
そうでありますから、「我々がいま2.7Kの光を観測している」という事は、その「時間が止まっている場所よりも少し手前を観測している」という事になります。
その場所の「最終散乱面を見ている」のであります。
さあそのような状況は未来永劫にわたってそのようでありましょうや?
いやいやそんなことはなく、我々にお構いなしに宇宙は膨張し続け、そうであればその場所の赤方偏移の値 zは増大し続け、それ故にそこからのマイクロ波の波長は延びる一方であり、またその明るさは zの値に反比例して「減る一方」となります。(注1)
つまりは「次第に見えにくくなり、ついには観測限界をこえてしまう」、つまり「見えなくなる」のであります。
こうして宇宙の遠い端はついには「暗闇にのまれる」と、そういうシナリオが妥当な所でありましょうか。
同様にしてまた「見えていた銀河も同じような運命をたどる事になる」というのは自然な事であります。
ただし「そのような時がいつ訪れるのか」、といわれれば「それはとてもとても遠い未来の事である」様に思われます。
さて注意していただきたいことは、以上の話の中では光速をCとして表していますが、その値が30万km/secである、という事はとくに限定はしておりません。
これは、多分宇宙の歴史の中では光速は30万km/secを下限として、それ以上の値をもっていた時代があったであろう事を暗に認めているからであります。
しかしながら、どのような時代であろうとも光速Cが「相互作用が伝わる最大速度である」という事は確かな事なのであります。
注1
「見かけの明るさ」を参照願います。<--リンク
あるいは「光度距離」、「固有距離とホライズン」も合わせて参照願います。<--リンク
注2
さてここで問題になる事は、我々にとっての「現実」と言うのは何であるのか、という事です。
97億年前に光を出した銀河を97億光年先に「ある」として考えるのか、それとも「今はその銀河は160億光年先にある」ととらえるのか、という事になります。
97億光年先にある銀河は「過去の銀河」であり「今はその場所にはありません」が「継続観察が可能な対象」となります。
他方で「今160億光年先にある(と予測される)現物の銀河」は今は観察対象となりません。
そうであれば、そのような「現物銀河」を考えてみた所であまり得る所がない、そういう意味ではそれは「現物ではありますがバーチャル銀河」でしかなく、逆に「今は確かに実物はそこには無いのですが、そこにあった銀河の残像」を観察していく方が宇宙の理解の為には重要な事になります。
その様でありますから「宇宙の大きさが450億光年である」と言ってみた所で「現物ではあるがバーチャル銀河」でしかないものと同様に「その事はあまり得る所がない」事の様に思われるのであります。
追記
・「見えない銀河」見えた 東大、宇宙に大量存在か
『 従来の可視光による望遠鏡観測では捉えられなかった「見えない銀河」を、より波長の長い光の観測で39個発見したと、東京大などの研究チームが7日、英科学誌ネイチャーに発表した。
110億年以上昔の宇宙にあり、中では星が活発に生まれていた。
これらは現在、年老いた星で構成される巨大な楕円銀河になっているとみられる。』
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「これらは現在、年老いた星で構成される巨大な楕円銀河になっているとみられる。」のではありますが、それらの銀河は今では事象のホライズンを超えて我々の視界の外側に行ってしまっています。
そうでありますから、それらの銀河の「現在の姿を見る」という事は不可能な事なのであります。
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク
http://archive.fo/hWif4
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宇宙図を再掲示します。
宇宙図がフリードマングラフそのものである事に気が付いてしまいました。
通常のFG(フリードマングラフ)は横軸が時間軸で縦軸が距離になっていますが、これを90度回転させ、左右対称に展開すれば宇宙図の出来上がりとなります。
そうして、数多く描かれている白い線はスケール因子a の値が異なっているだけで、つまりは距離方向に倍率を変えて描かれたもので、もともとは一本の線であり、その拡大縮小コピーにすぎません。
それから、真ん中に描かれている光のしずく状のもの、今から97億年ほど前の部分の太さが一番大きくなっています。
この部分より上の形状は銀河からの光が地球に向かってくる状況を時間軸と空間軸の中で表現したものになっています。
地球からの距離が近い銀河からの光は短い時間で地球に届く、しかし97億年前の銀河の光は地球に届くには97億年必要だった、という事を表しています。
さて問題はその時の銀河の地球からの距離です。
宇宙図はそれを60億光年だと教えています。
60億光年の距離なら、地球に届くのには60億年でいいのでは、というのは、宇宙が静止している、膨張していない時の話になります。
さてその、かつては地球から60億光年の所にあった銀河がいまどのあたりにきているか、といいますと、そこを通過している白い線をたどって上に登りますと、当方の読みでは160億光年あたり、ちょうど事象のホライズンをこえるかなというあたりである事が分かるのです。(注2)
次の問題は97億年から下の部分、138億年までの所ですね。
この部分を上と同じ理屈で次第に広がる様に描いていく事も出来ます。
しかしそう描くとビッグバンの時の宇宙のサイズが一番大きく描かれる事になります。
(メルカトル図法ですね、その描き方は。<--リンク)
数センチから数メートルの距離が450億光年と同じサイズに描く、という事は問題だろう、と言うのが、そもそもこの宇宙図の描き方の原点でありました。
この宇宙図ではビッグバンのスタートは極小の点でなくてはならない、そうなりますとそこから出た光は一度ひろがって97億年前の所の光の線につながらざるを得ません。
そういうわけでこの「光のしずくの下側の形状」ができあがったのでした。
ですので、「重力の影響で光の進路が曲がった、という訳ではなく、単なる表現の仕方の問題である」、という事を了解しておく必要があります。
(この表現が気に入らない、とすると残された方法はメルカトル図法を選ぶという事になります。)
さて、宇宙のはれ上がりがビッグバンから37万年後でした。
その時の観測可能な宇宙の半径4200万光年であり、その最終散乱面は地球から(今の)光速の60倍の速さで遠ざかっていました。
しかしながら宇宙図から分かりますように、事象のホライズンを表す線の範囲内にこの「観測可能な宇宙」はすっぽりと入っていました。
つまり「その時の光速は現在の光速の60倍であった」という事になります。
そうでなければこの範囲内の事象は因果律の相互作用を持つことができず、つまり事象のホライズンに入っていない、という事になるからであります。
そうしてまた、そのことが光速の60倍のスピードで地球から遠ざかる最終散乱面から光(マイクロ波)が届いている理由でもあります。
さてそれで、以上の様に我々は宇宙図が示す「事象のホライズンの線の内部に閉じ込められている」という事であります。
それよりも外側の情報は我々に永遠に届かない、と宇宙図は主張しています。
それを前提に宇宙図のビッグバンのあたりを拡大してみますと、135億年前あたりから「観測可能だった宇宙の一部がすでに事象のホライズンを超えて外側に出て行っている事」が分かります。
そうして、そこを起点として現在に至るまで宇宙はどんどんと「事象のホライズンを超えて外側に出て行っている」のであります。
さてそれではそのような銀河の、あるいは最終散乱面の「事象のホライズン越え」は我々にはどのように見えるのでありましょうか?
まあ、銀河の例をあげますれば、「今まで観測出来ていた銀河が見えなくなる」という結果になる事は予想できます。
さてもしそうであるならば、最終散乱面よりも我々に近い所にあった銀河が見えなくなる、というのであれば、当然ながらそれよりも先に最終散乱面が見えなくなる、という事が起こらなくてはなりません。
それが「物事の道理」と言うものであります。
ここで一旦「静止している一様、等方な宇宙」を例に挙げて考えましょう。
この宇宙も「宇宙のはれ上がり現象」がありました。
宇宙のそこここが一斉にはれ上がった、その時を境に視界が無限大になったのでした。
しかしながら光は光速でしか進めません。
そうしますと「観測可能な宇宙のサイズの半径」は光速に時間を掛けた値r=C*tとなります。
そのrで示された場所から次々に3000Kのオレンジー黄色の光が届きます。
そうして、その状況、「宇宙の一番遠くにあるのは3000Kのオレンジー黄色の光のかべである」と言う状況は無限の時を超えてそのようでありましょう。
そして、その光の壁と我々との間にある空間の中で恒星の誕生や銀河の誕生の歴史くりひろげられる、それを我々は見る事になります。
そのありさまは「遠くをみれば宇宙の時間をさかのぼって昔を見る事になる」という今の状況と変わる事はありません。
(ただし、そのような宇宙に「銀河の光を見る事ができる夜という状況」が存在できるのかどうかは保証の限りではありませんが、、、。<--リンク)
さてその宇宙にハッブル先生が登場して「宇宙は膨張している」と告げます。
びっくりした宇宙は「それではやりなおし」とばかりに「宇宙のはれ上がり」からリスタートをかけます。
ハッブル定数Hoは今、観測されている値としましょう。
そうすると、地球からはなれたどこかの場所でそこの後退速度は光速Cを越えます。
つまり、その場所から外側からは「宇宙のはれ上がりによる光は地球には届かない」という事になります。
さてそういう訳で、「そこが事象のホライズンになる」という事になります。
それで、ちょうど光速Cで我々から遠ざかる所は我々から観測すると「時間は止まっている様に見えるはず」であり、そこの赤方偏移zは無限大になっている、光の波長は無限大となり、つまり「そこからの光の放出は観測されない」という事になります。(注1)
そうでありますから、「我々がいま2.7Kの光を観測している」という事は、その「時間が止まっている場所よりも少し手前を観測している」という事になります。
その場所の「最終散乱面を見ている」のであります。
さあそのような状況は未来永劫にわたってそのようでありましょうや?
いやいやそんなことはなく、我々にお構いなしに宇宙は膨張し続け、そうであればその場所の赤方偏移の値 zは増大し続け、それ故にそこからのマイクロ波の波長は延びる一方であり、またその明るさは zの値に反比例して「減る一方」となります。(注1)
つまりは「次第に見えにくくなり、ついには観測限界をこえてしまう」、つまり「見えなくなる」のであります。
こうして宇宙の遠い端はついには「暗闇にのまれる」と、そういうシナリオが妥当な所でありましょうか。
同様にしてまた「見えていた銀河も同じような運命をたどる事になる」というのは自然な事であります。
ただし「そのような時がいつ訪れるのか」、といわれれば「それはとてもとても遠い未来の事である」様に思われます。
さて注意していただきたいことは、以上の話の中では光速をCとして表していますが、その値が30万km/secである、という事はとくに限定はしておりません。
これは、多分宇宙の歴史の中では光速は30万km/secを下限として、それ以上の値をもっていた時代があったであろう事を暗に認めているからであります。
しかしながら、どのような時代であろうとも光速Cが「相互作用が伝わる最大速度である」という事は確かな事なのであります。
注1
「見かけの明るさ」を参照願います。<--リンク
あるいは「光度距離」、「固有距離とホライズン」も合わせて参照願います。<--リンク
注2
さてここで問題になる事は、我々にとっての「現実」と言うのは何であるのか、という事です。
97億年前に光を出した銀河を97億光年先に「ある」として考えるのか、それとも「今はその銀河は160億光年先にある」ととらえるのか、という事になります。
97億光年先にある銀河は「過去の銀河」であり「今はその場所にはありません」が「継続観察が可能な対象」となります。
他方で「今160億光年先にある(と予測される)現物の銀河」は今は観察対象となりません。
そうであれば、そのような「現物銀河」を考えてみた所であまり得る所がない、そういう意味ではそれは「現物ではありますがバーチャル銀河」でしかなく、逆に「今は確かに実物はそこには無いのですが、そこにあった銀河の残像」を観察していく方が宇宙の理解の為には重要な事になります。
その様でありますから「宇宙の大きさが450億光年である」と言ってみた所で「現物ではあるがバーチャル銀河」でしかないものと同様に「その事はあまり得る所がない」事の様に思われるのであります。
追記
・「見えない銀河」見えた 東大、宇宙に大量存在か
『 従来の可視光による望遠鏡観測では捉えられなかった「見えない銀河」を、より波長の長い光の観測で39個発見したと、東京大などの研究チームが7日、英科学誌ネイチャーに発表した。
110億年以上昔の宇宙にあり、中では星が活発に生まれていた。
これらは現在、年老いた星で構成される巨大な楕円銀河になっているとみられる。』
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「これらは現在、年老いた星で構成される巨大な楕円銀河になっているとみられる。」のではありますが、それらの銀河は今では事象のホライズンを超えて我々の視界の外側に行ってしまっています。
そうでありますから、それらの銀河の「現在の姿を見る」という事は不可能な事なのであります。
・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク
http://archive.fo/hWif4