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ダークマター、ホーキング放射、ブラックホールなど

ブラックホール、ダークマター、相対論、そうして賢者の石探索中。

電王戦・ポナンザとやねうら王

2013-11-20 09:44:51 | 日記
第3回電王戦ではプロ棋士側は約5カ月間、対戦するソフトの検討期間があります。

これは人間側にとって非常に有利な設定です。

でもCOM君も負けてはおりません。

「上に政策あれば下に対策あり」とは中国の格言(?)であります。


以下COM君側の対策です。

ポナンザは乱数をつかって手筋をぼかす実装をしました。

対COM戦では常に検討した手筋の中の最善手を指していましたが、それでは
プロ棋士の検討のえじきになってしまいます。

仕方がないので、最善手はあきらめて次善の手を指すこともあるように変更です。

まあそれでもそれなりの強さをキープしている模様ですね。<--リンク


もともとポナンザは序盤の定跡にあまりこだわらないソフトです。

あのふわふわした序盤はそういう事を示しています。

今回の実装はそれに輪をかけての対プロ棋士対策用ぼかし戦法ですね。

毎回対戦するたびにプロ棋士側は新しい局面に誘導されます。

それでポナンザのクセを、読み筋パターンを隠そうという訳です。

この手法は自分の戦闘力をけずることになりますが、汎用性はありそうです。


それに対してやねうら王。

プロ棋士との練習対局1局ごとに自動学習してデータベースに登録するそうです。

つまり、対戦あいてのプロ棋士を「ソフトのトレーナー」にしてしまおうという訳ですね。

負ければ反省し勝てばそれを記録する。

こうやってどんどんやねうら王は強くなっていくだろう、、、と。<--リンク

そういう戦略です。


プロ棋士はやねうら王の読み筋パターンをつかもうとします。

やねうら王もまたプロ棋士から勝ち手筋を教えてもらおうとします。

人間とCOM君、練習対局でどちらが相手を上回る学習効果を上げられるか競走ですね。


ただしこれはプロ棋士が素直にトレーニングしてくれるのが前提です。

プロ棋士は練習対局では指さなかった手筋を温存して本戦で使うと効果的かもしれません。

つまりCOM君の学習機能を逆利用して「COM君にトラップを仕込む」ということです。


それからもうひとつ。

やねうら王の手法はあまり汎用性があるようには見えません。

うまく学習できてもそれは練習してくれたプロ棋士に有効なだけで、それ以外の
プロ棋士には効果がない、あるいは逆効果かもしれません。


まあそれでも経緯はともかく、プロ棋士に弟子入りするCOM君が出てきた訳です。

はたして弟子入りしたCOM君、師匠に恩返しができますやら。

これはこれで楽しみなことでありますね。


PS
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電王戦・電王トーナメント最終日

2013-11-05 13:19:37 | 日記
第3回電王戦に出る上位5つのソフトが決定しました。

順位順にポナンザ、ツツカナ、YSS、やねうら王、習甦(しゅうそ)です。


クラスターが使えない為CSAチャンピオンのボナンザは残りませんでした。

クラスター前提のGPSとぷえらアルファはそもそも出場さえしません。

でも保木さんは出場してくれました。

革命を起こした開発者としての矜持を感じますね。


さてポナンザはクラスターでも強かったですが1CPUでも強いですね。

これは本当にすごい事です。

力技とテクニックと両方で戦えるということですからね。

開発者の努力は大変なものだったでしょう。


ポナンザ、ツツカナ、シュウソは第2回電王戦出場のソフトです。

3位のYSSは歴史のある古豪ソフトですね。

プロ相手にどのような戦いをするのか興味深いものがあります。


今回公式戦初出場で4位のやねうら王<--リンク

たいしたものですが、開発者はその道の達人の様です。

ですので怪しげな名前にだまされてはいけません。

それになかなかの戦略家でもあります。

対COM君トラップ、対人トラップといろいろと仕込んできます。

ですので対戦者は名前だけみてなめてかかると痛い目をみることになりそうです。


さあいずれにしてもこれで役者は全員決まりました。

あとは来年の3月(?)を待つばかりですね。

春一番の戦い、今からとても楽しみにしておりますよ。


PS

参考までに、2013年CSA選手権結果です。

【5勝2敗】Bonanza(優勝)、ponanza、GPS将棋

【4勝3敗】激指

【3勝4敗】NineDayFever、ツツカナ

【2勝5敗】習甦

【1勝6敗】YSS


この時はボナンザ、ポナンザ、GPSはクラスターで参加

ツツカナ、習甦(しゅうそ)、YSSは1CPU

今回電王トーナメントの為にポナンザは1CPU対応にかなりの修正が必要だったと思われます。


PS
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電王戦・電王トーナメント2日目

2013-11-03 20:58:56 | 日記
第3回電王戦に出る上位4つのソフトが決定しました。

ポナンザ、やねうら王、ツツカナ、YSSです。

順位はあすの決勝ラウンドで1位~4位が決まります。

あと一つの電王戦枠にシュウソが残るか、ボナンザが残るかあるいは新しい
ソフトが登場するのかも明日きまります。


さて今日の個人的なトピックスはツツカナ君ですね。<--リンク

持ち時間2時間で切れ負けあり。

1時間55分現在、勝勢に進めておりますが残り時間あと5分。

相手はまだ十分に時間があります。

5分で詰め切れないといくら勝勢でもツツカナ君の「負け」ですね。

それでは電王戦に出れなくなります。


聴衆はハラハラしながら見ております。

と、いっきにツツカナ君の評価関数の値が+9999になりました。

これは「読み切った。」というサインですね。

でも相手の評価関数はまだー9999になっていません。

相手はまだやれると言っているのです。


数手進んだところで相手もー9999になりました。

ここで負けを認めた訳です。

まあしかし残り5分ですよ。

読み切れなかったら負けです。


COM君は今のところ感情まではプログラムされていないのでドキドキはしません。

見ている我々が勝手にドキドキしています。


さあそれで開発者の皆様にお願いです。

評価関数は本当に良くできています。

同じように感情も「ドキドキ関数」で表示できるようにしてください。

そうすれば見ている我々ももっとCOM君を身近に感じられるようになると思いますのでね。


PS
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