時々口をすべらせる。30年ぶりくらいに会ったお寿司屋さんの主人に、出逢った懐かしさも含めて
「あんたとこの寿司の高いのには目が飛び出したで」本当は(あのバブルの頃は)をつけるべきだったのである。ご主人はおおらかに、「値段らあな、こころの問題やでな。美味しいと思たら、不服言うたらあかん」とあっさり上手投げをかけてきた。イカをまな板にたたきこんで、「ほら、見よ、このイカまだ生きとるやろ。冷凍なんかじゃないど、ほれ、獲れたてじゃ」と言葉で押しまくっていた大将だった。
もうひとつ、マックでオーダーの順番を待っていると、中年の男がそわそわとやってきて、ぼくの前をウロウロし、次はぼくの番なのに、気づかずなのか、わざとなのか、カウンターの前に行き、オーダーを始めた。「こら、並ばんかい。おれの番やでな」 と子供に言うように言ってしまった。「その言い方はなんじゃい」と言い返してきた。ぼくは一歩その男に歩みより、顔を睨むことになった。「人が立っとるのうくらいわかるやろ。そしたらなんで立っとるかわかるやろ」と言った。すると「こういうところは初めてなもんで」とその男はぼくの後ろに並んだ。ぼくのオーダーが終わり、ぼくはコーヒーがでてくるのを待っている。その男はオーダーを始めた。それがマックのメニューをよく知っているのである。「なんど、初めてやのに、すらすらと注文できるもんやな」とは言わなかった。そこまで言葉は滑らなかった。しかし、店の注文受付の女子に、「だれが次に待っとるか、見ておいて、先にお待ちの方、どうぞ、と言わなあかんで。しっかりせんかい」と、ちょっと強い調子で言ってしまった。
そんなことがあって、あれから新人の女子スタッフの顔を見ていないので、心配している。
暴走老人になる素質があるのかもしれない。
ある意味最高の場所である。本格的は読めるし、好きなだけ勉強もできる。仲間もいる。食事、医療体制も整っている。生い先短い身となれば、暴走してしまう不満や衝動もよくわかる。
「あんたとこの寿司の高いのには目が飛び出したで」本当は(あのバブルの頃は)をつけるべきだったのである。ご主人はおおらかに、「値段らあな、こころの問題やでな。美味しいと思たら、不服言うたらあかん」とあっさり上手投げをかけてきた。イカをまな板にたたきこんで、「ほら、見よ、このイカまだ生きとるやろ。冷凍なんかじゃないど、ほれ、獲れたてじゃ」と言葉で押しまくっていた大将だった。
もうひとつ、マックでオーダーの順番を待っていると、中年の男がそわそわとやってきて、ぼくの前をウロウロし、次はぼくの番なのに、気づかずなのか、わざとなのか、カウンターの前に行き、オーダーを始めた。「こら、並ばんかい。おれの番やでな」 と子供に言うように言ってしまった。「その言い方はなんじゃい」と言い返してきた。ぼくは一歩その男に歩みより、顔を睨むことになった。「人が立っとるのうくらいわかるやろ。そしたらなんで立っとるかわかるやろ」と言った。すると「こういうところは初めてなもんで」とその男はぼくの後ろに並んだ。ぼくのオーダーが終わり、ぼくはコーヒーがでてくるのを待っている。その男はオーダーを始めた。それがマックのメニューをよく知っているのである。「なんど、初めてやのに、すらすらと注文できるもんやな」とは言わなかった。そこまで言葉は滑らなかった。しかし、店の注文受付の女子に、「だれが次に待っとるか、見ておいて、先にお待ちの方、どうぞ、と言わなあかんで。しっかりせんかい」と、ちょっと強い調子で言ってしまった。
そんなことがあって、あれから新人の女子スタッフの顔を見ていないので、心配している。
暴走老人になる素質があるのかもしれない。
ある意味最高の場所である。本格的は読めるし、好きなだけ勉強もできる。仲間もいる。食事、医療体制も整っている。生い先短い身となれば、暴走してしまう不満や衝動もよくわかる。