英検準1級&東大・京大・早慶の英語(英単語)は英英方式で突破できる!

英英思考を制するものは英語を制す。英英辞典とネイティブ向け読み物への早期移行が異次元の高速学習を可能にした。

一語一義主義の弊害

2009年03月12日 | 英語学習法
 「派生語や多義語は後回しにしてとにかく単語の中心的な意味を覚えなさい」といったアドバイスを受験参考書等で見かけることがあります。一見効率的に思えるかもしれませんが、こういった一語一義主義には大きな弊害があります。
 今年のセンター試験の長文には、As I found out, there is, in fact, often no perfect equivalence between words in one language and those in another. My aunt even goes so far as to claim that a Japanese “equivalent” can never give you the real meaning of a word in English!という一節がありました。
 「(多くの場合)英語にぴったりあてはまる日本語はないし日本語にぴったりあてはまる英語もない」というのは、英語力がついて英英辞典を読めるくらいになればすぐに実感できます。しかし一語一義主義にどっぷりつかってしまうと、英和式単語カードの表裏のようにぴったり重なる意味があるかのような虚構の思考回路が構築されてしまいます。その結果頭が固くなり、lazy river程度の表現ですら、「怠慢な川?」といった意味しか思い浮かばなくなってしまいます。言うまでもなくlazy riverとは「流れの緩い川」で、lazyの意味を「非一語一義主義」的にやわらかく理解していればすぐ思い当たるはずです。
 単語量が多ければ英語の試験で有利になるのは一面の真理です。しかし未知の単語が出てこない英語試験は例外と言うべきで、最近のセンター試験では高校レベルを超えた単熟語の意味を文脈から推測し英英式の定義を選ぶ問題が三年連続で出題されています。一語一義主義は学校の中間・期末試験対策あたりまでは有効でも、大学入試、英検、TOEIC等の対策には到底おすすめできません。一語一義主義は断片的な知識をつけるには向いていても英語思考力の発達を阻害します。
 一語一義主義の単語集で人工的に語彙を増やすよりも、やさしい英文の多読の中で出会う未知の単語の意味を文脈から推測し、英英辞典を引いて定義文の意味を考えるような「脱暗記英語」の方がはるかに力がつきます。

 以下は2006年のTIME誌に掲載されたYour Taboo, Not Mineという、マホメットの風刺漫画を掲載した新聞の言論の自由を擁護する記事です。
 sanctionという単語は名詞で「制裁」という意味があり動詞でも「制裁する」という意味で使われます。しかし以下の一節では全く別の意味で使われています。

Blasphemy, moreover, is common in the Muslim world, and sanctioned by Arab governments. The Arab media run cartoons depicting Jews and the symbols of the Jewish faith with imagery indistinguishable from that used in the Third Reich. But I have yet to see Jews or Israelis threaten the lives of Muslims because of it.





「非一語一義主義」的に単語を理解し文脈が読めていれば、ここでのsanctionは「公認する」という意味で使われているのは辞書がなくてもわかります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« diversityの派生語を含むTIME... | トップ | TIMEを読む会273号資料 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

英語学習法」カテゴリの最新記事