「英語ほど簡単な言葉はない」と「ひとまとまりの行為・状態論」以下は,
当講座主教材「イメトレ英語学習法」からの引用記事だ
ネイティブの子どもは どのようにして表現を拡大するか?
~5つの動詞フレーズを使って~
動詞フレーズを使いこなす 1
●単に動詞の変化だけで生きた英語が見えてこない
CHAPTER0 動詞フレーズを使いこなす
英語のとらえ方において、私たちとネイティブとで最も異なっているの は動詞の位置づけだ。私たちは、英文をとらえるときにはいつも、単に動 詞の変化だけに注目することを教えられてきたし、英語のテストでもそれ が試された。
問題例 次の()内から適語を選択しなさい。
(1) I ( drink, drinks, drinking ) milk every day.
(2) I ( am, are, was, were ) milk then.
(3) She ( drank, drunk, drinking ) milk yesterday.
(4) She ( have, has, had ) drunk milk already.
(5) Did she( drinks, drink, drank )?
私たちは、「自分が毎日ミルクを飲む」とか、「今飲んでいる」といっ た実感もないままこのような問題を解き、英語学習を続けてきたのだ。わが国の英語教育がいかに文法に偏重し、生きた英語の姿を教えてこなかっ たかわかる。
一方、ネイティブの発想では、動詞を含めた「ひとまとまりの意味を持 つ動詞フレーズ」の変化としてとらえている。
(1) I drink milk every day.
(2) I was drinking milk then.
(3) She drank milk yesterday.
(4) She has drunk milk already.
(5) Did she drink milk?
●非時制動詞フレーズをどう使うかが問題だ!
CoffeeRoom 10. laughing(笑いながら)
Kenny: 英会話を教えていて、とても変だと感じるのは、日本人は英語がさほど話せないのに、文法にとてもこだわりますね、まるで文法さえわかれば英語は話せると思い込んでいる感じがします。私たちの感覚ではまず「話せる」という前提があって、次に文法がくると思うのですが。これはネイティブだからそうだということではなく、日本人と同じ非英語圏の人たちでも、文法的には間違っていても英語を話していますよ。でも実際教えていて、文法を聞いてくる生徒 が結構いますよ。
中嶋: そうだね。文法を知っているかどうかよりも、日本人は文法用語はよく知ってるね。実はぼくも同じ経験があるんだ。以前予備校で教えていたとき、授業後にある生徒がぼくのところに来て、「先生、先生の言っていたOとかVは何ですか?」と言うわけだ。驚いてくわしく聞くと、彼は帰国子女だと言うんだ。向こうではそんなことは聞いたことがないというわけだ。
Kenny: そうでしょうね。私もそうですよ。
中嶋: 問題は、文法や文法用語を知ることではなくことばの意味を知ることだよ。たとえば、プロローグでの会話に、( )書きで laughingなどと書いたが、これはシナリオなどで使われているト書きの手法なんだ。つまりそのセリフを「笑いながら」言う、ということを表している。
他にも、crying (泣きながら)とか shouting(大声で叫びながら)といったものもある。そんな気持ちでセリフを話してください、ということだ。
こういうのは、「これは進行形であり、主語とbe動詞が省略されているものだ」といった説明よりも、動詞にingがついた形は「~しながら」といった意味になるんだ、と知ることの方が大切だと思うよ。さらに言わせてもらえば、教育文法では be動詞+現在分詞(is crying)を動詞 cry の変化だと教えていることだ。
Kenny: へぇー、だから (Are you) laughing? Don't laugh.(笑ってるの?、笑わないでよ)といった簡単な表現もできないんだ。とにかく日本人は、文法用語から文を組み立てようとしてる感じですね。
中嶋: すでに,130ページの【イメトレNO.33】で次のような例文をあげたが、これは分詞構文と呼ばれている。
Staying in Paris,I couldn't do any shopping.
パリに滞在中、私は買い物ができなかった。
文法はともかく、動詞にingがついていたら「~しながら」といった意味になると知っていたら、staying in Parisだけでなんとなく意味がとれるものだよ。またこの文では、それが副詞的に使わ れているということだ。
Kenny: ネイティブは文法を知らなくても英語が話せる、というのはこのことなんでしょうね。 中嶋:ただ英語のしくみということでここで指摘しておきたいんだが、ここにとりあげたing形動詞フレーズも「ひとまとまりの状態」を表すということだ。そしてそれが名詞のように(名詞的用法)、形容詞のように(形容詞的用法)、そして副詞のように(副詞的用法)使われることだ。「~的」という表現をしているのは、単に品詞としての名詞、形容詞、副詞ではなく、動詞が導くフレーズそのものがその働きをするからだ。ただ、名詞として使われる場合は、「パリに滞在しながらのこと」といった意味になる。
I am staying in Paris. *形容詞的に 私はパリに滞在しています
I like staying in Paris. *名詞的に 私はパリに滞在するのが好きです
Staying in Paris,I couldn't do any shopping. *副詞的に
中嶋: ちょっとくどくなるが、そもそも名詞的用法とか、形容詞的用法とか、あるいは副詞的用法といった説明をする場合には、その本質をきちんと教えるべきなんだたとえば、名詞的用法だが、あることを表現する場合に名詞があればそれを使うが、動的なことを表す場合には動詞を借りてこなければならないということだ。つまり造語(増語)法だよ。たとえば、「泳ぎ」という意味で have a swimのように swim を名詞として使う場合もあるが、どうしても「泳いでいる状態」を表したいときには、swimという動詞からの造語として swimmingを使う方が動的だ。だから I like swimmingのように使うわけだ。
Kenny: 中嶋さん、あなたの説明に大切なことが抜けていますよ。あなたは、「動詞が名詞のように使われている」と言いましたが、それは 「動詞フレーズ全体が名詞のように使われる」ということですね。
中嶋:これは参ったね。その通りだよ。よく文法書に「動名詞は動詞にingをつけたもの」とか、「不定詞はto+動詞の原形」などと説明してるが、これは間違っている。動詞というのはほとんど補語や目的語をともなってフレーズを作り上げるものなんだ。つまり「意味ある単位」「ひとまとまりの行為や状態」を表すということだ。
Kenny: なるほど、こんな大事なことが日本の英語教育に欠けているんですね。
もう第5クール3ヶ月で英語脳構築のプログは後数回を残すことになりました。
PART3 ネイティブの子供はどのようにして表現を拡大するか----5つの動詞フレーズを使って
このパートでは以下のlight you upという動詞フレーズをモチーフとして述べます。
●動詞フレーズは変化はたった5つ! 【一般動詞フレーズ5段活用】 light you up 「あなたをライトアップする」=============================(1) light you up 現在形動詞フレーズ ※現在形の肯定形のみで使われる。(2) lighted you up 過去形動詞フレーズ ※過去形の肯定形のみで使われる。 (3) light you up 原形動詞フレーズ ※命令形,助動詞、to不定詞で使われる。(4) lighting you up ing形動詞フレーズ ※進行形や動名詞で使われる。(5) lighted you up ed形動詞フレーズ ※完了形で使われる。 =============================【今日の学習】ネイティブの子どもは どのようにして表現を拡大するか? ~5つの動詞フレーズを使って~
動詞フレーズを使いこなす 1 ●単に動詞の変化だけで生きた英語が見えてこないCHAPTER0 動詞フレーズを使いこなす CHAPTER1 原形動詞フレーズを使いこなす イメトレ41 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(1)
イメトレ42 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(2)
イメトレ43 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(3)
イメトレ44 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(4)
イメトレ45 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(5)
イメトレ46 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(6)
イメトレ47 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(7)
イメトレ48 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(8)
イメトレ49 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(9)
イメトレ50 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(10)
イメトレ51 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(11)
イメトレ52 原形動詞フレーズを導くファンクションフレーズ(12)