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Holistic Approach今までの英会話学習法とはまったく違う

これが私たちを英語世界から遠ざける大きな原因となっている

2010年06月07日 | Trecking-basic1

プロローグ

インドや中国の人たちは、TOEIC試験においてアジア諸国の中で高得点を獲得する常連だ。私たちと同じ非英語圏に属しながら、しかもかなり自由に英語をあやつることができる。一方、私たちと言えばアジア諸国の中で最下位を争い、さらに高得点をとる人たちでさえ、さほど自由に英語を話せないでいる。
彼らが高得点をとったり私たちよりはるかに自由に話せる大きな原因の一つは、英語も含むインド=ヨーロッパ語族の言語を持つ人たちだからだ。

  I love you.    英語
  Ich liebe Dich.  ドイツ語
  我 愛 汝     漢文

ところが、私たちと言えば、まず主語を訳し、次に補語や目的語を訳し動詞に戻るといういわゆる「後戻り訳」をしないとその意味をとらえることができない。これが私たちを英語世界から遠ざける大きな原因となっている。しかも訳読を目的とする英語教育ではこのことを過大に教えてきた。

しかしよくよく考えていただきたい。これは単に訳読、つまり「英語をどう日本語に変換するか」という問題ではないのか。

相手に、Like dogs?と言われたら「ああ、犬が好きなの?」と聞かれていることは「後戻り訳」をしなくてもわかる。あるいはすかさずLike dogs.と答えることができるのではないだろうか。

●状況を共有するところに会話が成立する
インドや中国の人たちがほとんとどストレスなく,英語の語順をそのまま理解できるのに対して、私たちのように「後戻り訳」をしないと理解できないと考えるのは読解を英語教育の目的とする人たちが考えていることだ。

言うまでもないが、英語といえども会話というものは当事者間でなされる。したがって状況を共有するところに会話が成立し、当事者の息づかい、態度などが大きな要素となる。ここに書き言葉では表現できない生の会話が成立する。例えば、以下の一文はいわゆる脱北者の人たちがタイの農村までたどり着き、ある農民に投げかけたものだ。

  Go to Saigon.

これは命を賭けた長旅によって疲れ果てた姿で、タイ語ではなくたどたどしい英語で彼らが発したことばだった。タイの農民はとっさに彼らが脱北者であることに気づき、亡命を求めるために行くサイゴンへの道を教えたいう。

●言葉はワンフレーズから始まる
命令口調でGo to Saigon.と相手に言えば、「サイゴンに行け」となる。あるいは必死な形相でGo to Saigon.と言えば、相手は「ああ、この人はサイゴンに行きたいんだ」といったことは分かる。逆にGo to Saigon?と上げ調子に聞き返したら「(これから)サイゴンに行くの?」とか「サイゴンに行きたいの?」といった意味は理解できるものだ。

この視点が日本の英語教育に根本的に欠けている。

英語に関わらず言葉というものは、少なくとも対話車間においては、主語があるかないかはさほど問題はない。
確かに、これらは舌足らずな表現だ。しかしそんなワンフレーズ表現が元になってきちんと表現へと進むプロセスが重要なのだ。

  We will go to Saigon.
  私たちは~するつもりだ
  We must go to Saigon.
  私たちは~しなければならない
  We are going to go to Saigon.
  私たちは~する予定だ
  We want to go to Saigon.
  私たちは~したい
  We hope to go to Saigon.
  私たちは~するのが望みだ
  We wish to go to Saigon.
  私たちは~するのが願いだ
  We have to go to Saigon.
  私たちは~しなければならない

いずれもgo to Saigon.「サイゴンに行くこと」を頭に思い浮かべた表現が基礎となっている。

 電子出版本「たった16の動詞で自由に英語が話せる瞬間英作音読トレーニング」中嶋太一郎著より転載



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