BLOCHプロデュース「LONEY ACTER PROJECT vol27」が無事に終わりました。
ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
今回は出演者の一人、野澤麻未さんのオファーで脚本を書き下ろしました。
書いたのは『55年目』というお話。
井上ひさしさんの名作『化粧』の仕掛けだけお借りして、自分なりのエンタメとして作ったつもりです。
原案は2001年からありましたが、役者さんにはものすごく面倒な作業とリスクを強いる作品なので、もうやる機会はないだろうと思っていました。
書く機会を与えてくれた野澤さん、演出を引き受けてくれたしまだあきひろ君には本当に感謝です。
一般的に演劇において脚本はとても大事なものです。
しかし、一人芝居は、何をおいても役者さんの資質が問われるものだと思っています。
野澤さんは、もともと役者としての場数が少ない上に、延々とメイクの段取りが続く本作をやりきるのは相当しんどかったはずです。
しかし、日々のメイク練や稽古を通じてどんどん錬度を上げていく様は自分にとっても大変刺激的でした。
メイク指導で関わってくれたyhsの青木玖璃子さんにも感謝です。
ちなみに、アンケートやツイッターのリアクションを見ると、わりとポジティブな話ととらえていた方が多かったようですが、本作は「やめることをやめた女の末路」でもあります。
意図してそうしたわけではないんですが、演出次第でポジネガどちらにもとれるリバーシブルな本です。
今回の座組みでは暗いお話が多かったのでポジティブな味付けは正解だと思いますが、逆に振れた話もちょっと見てみたいと思いました。
題材が題材なので脚本面の反省点もありますが、次回公演の機会があれば、より錬度を上げた『55年目』をお見せしますのでお付き合いいただければ幸いです。
あらためて、観に来ていただいたお客さま、作品作りに関わってくれた皆さま、ありがとうございました。
◎主な参考資料もあげておきます。札幌市HPにはさっぽろ文庫の電子版もあります。
井上ひさし全芝居 (その3) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
昭和20年の記録 (1980年) (さっぽろ文庫〈14〉) | |
クリエーター情報なし | |
北海道新聞社 |
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