遠藤雷太のうろうろブログ

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ショーン・ベイカー監督『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

2018-05-15 00:38:08 | 映画を見てきた

2018/5/14

・珍しくポスターきっかけで観る。

・「世界最大の夢の国」フロリダ・ディズニー・ワールドのそばにある安モーテルで暮らす母娘と、周辺の人たちとの交流や軋轢を描いた話。

・ワイルドなヒロインサイドと周囲の人たちとの関係性が変化していく展開。

・とにかくワイルドな子供たち。

・特に6歳のムーニーがとにかくやんちゃ。

・普通、子役で演技が巧いというと、セリフをちゃんと言えて段取りもこなせる小さな大人という感じ。

・しかし本作では、フィクションでは滅多にお目にかかれない「怪獣としての子供」が暴れまわっている。

・奇声、奇声、謎の行動、奇声、奇声…。

・配給のパンであんなにノリノリになれるのも子供。

・大人たちも相当頑張ったんだと思うけど、彼女の仕草や言葉が演技だというのが恐ろしい。

・写真を撮られるときの表情で爆笑した。

・子供らにとっては貧困層ばかりの安モーテルも十分に「夢の国」。実際、建物も草むらも空もみんな美しい。

・自分自身はディズニーランドに思い入れがないので、単に貧困の中にも幸せがある話として観てしまうけど、本来は「夢の国」の周辺にこんな貧困が存在しているんだという風刺要素が強い作品なんだと思う。

・なので宣伝文句の「誰も見たことないマジカルエンド」はちょっとミスリードで、いわゆる「いい話」とは違う。

・最後は、前に見た『霧の中の風景』を思い出した。

・ぐぐっと引っ張って、ばばっと行く躍動感。

・娯楽の存在理由を描いたとも取れるけど、ムーニーにとっての「夢の国」は代替不可能。切なさが残る。

・モーテルのオーナーがとても渋い。基本的には善意の人なんだけど、決して馴れ合いはしない。

・あの強面で紫やクリーム色のペンキを選んでいるところを想像するとかわいい。

・母親ヘイリーは、髪がケミカルな青と黒、全身タトゥー、肌の露出多めという大人の不良。

・確かに褒められた素行の人間じゃないし、当然と言えば当然の結末なんだけど、母娘の関係自体はとってもうまくいっているので、より気持ちが揺れてしまう。

・母親目線のビュッフェのシーンがとても不穏で怖い。

(字幕:石田泰子)

5/12(土)公開『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』本予告

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