2024/5/20
『デカローグ』DVD-BOXの特典映像。
マスコミが監督キェシロフスキーを囲んで質問漬けにする42分間の映像。
本当に100問があったかどうかはわからない。
最初から「あなたは賞を取っているが観客の関心を獲得していない」と指摘され、ピリッとした空気になっている。
監督の「検閲の話をするのは好きだ」「機能している機関が好きだから」「検閲は嫌いだ」の流れがいかにも一筋縄ではいかない。
フランスの批評家に比べてポーランドは…みたいなことを言ったりもする。
同じヨーロッパの中でもやっぱり温度差がある。
監督の「神は至高の存在だが仲介者は必要ない」もいい。
もともとドキュメンタリー作家だからということもあるけど、作品の中に政治的なメッセージは入っているのかいないのかみたいな、いかにも1980年代の東ヨーロッパっぽい話が続く。
記者は記者で「監督自身は否定しているが、私はメッセージは入っていると思う」とまで言っている。
たしかに、解釈は自由なんだから監督の言葉に引きずられる必要はない。
こういうヒリヒリしたやりとりは今の日本ではあまり見られない感じでスリリングだった。
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