2022/11/22
・新型コロナウイルスで発熱している父親が、障害を持った息子と一緒に隔離生活を過ごしながら、過去を振り返る話。
・子供は物理的に大きい。人形で表している。主に二人で操作している。
・一般的に子供が幼いうちは、大人である親の体のほうが大きい。
・本作では視覚的にも逆転しているけど、親子の関係性に置き換えると、全然特殊とは言えなかったりする。
・良い方向にも悪い方向にも自由すぎる子供と、調整役にならざるを得ない親。程度の差こそあれ、子供のいる人なら共感できる関係性だと思う。
・父親の様子を一言で言うなら健気。つとめて笑顔。笑顔でいようと決めた人の笑顔。
・本作では、総じてくだびれた様子だったけど、後半わずかに、父親が生き生きと語りだすシーンがあって、演者である柴田智之さんのとても強いエネルギーを感じた。
・演劇なので、演技や音響、照明、美術、いろんな要素が合わさって作品になるんだけど、それらの調和の仕方が巧み。演劇がうまい。
・写実的にやればいいわけじゃないというのは誰でもわかることだけど、舞台上で見せていいものと見せてはいけないもの、場面転換のテンポのよさ、言葉の取捨選択、非言語表現、それぞれ。
・雪の中、走るシーンの見せ方が好き。マネしたくなる。新型コロナウイルスがふるふる揺れているところもおもしろい。
・ワンデーゲストの入り方がものすごく難しそう。うっすらコミカルなシーンはあるものの、病気や障害を題材にした重めの話かつ結構深刻なシーンからの登場。
・配信時はモノノケユースケさん。わりとノープランに近い感じだったと思うけど、何が正解だったのか全くわからない。ほかの方々はどうだったんだろう。
・最後のシーンは色んな解釈ができそう。希望を持たせる見せ方は現実なのか幻なのか。
・新型コロナウイルスの擬人化はあちこちで行われているけど、なんとなく定型化してきたような感じはする。
・自分は結婚もしていないし、子供もいないので、作中の父子にまったく共感できる境遇ではないけど、だからこそ見る意義のある作品だった。
※配信で視聴。
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