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プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

『若草物語』

2005-11-30 13:49:28 | 作家あ行

 ルイザ・メイ・オルコット・・・誰もがご存知の名作です~。

 

南北戦争を背景にして、メグ、ジョー、べス、エイミーの四人姉妹を中心に

家族みんなで力を合わせて生きていく物語。。

事実に基づいたお話だけあって、リアリティ溢れる素晴らしい作品ですよね。

作中人物もほとんどが実在したといいます。

 

四人姉妹の母親は、オルコット女史のお母様をモデルにしたそうで

器の大きな素晴らしい方だったようです。

数々の心暖まるエピソード・・・。

貧しい人に自分たちの食事をあげてしまったあのシーンも事実なのだそうです。

 

そして次女のジョーはオルコットその人。。

作家を目指し奮闘するジョーは一見男まさり

でも実はとても繊細で女性的だったりしてます。

おそらくほとんどの読者がジョーに感情移入したのではないでしょうか。。

 

でも私はなんてったってべスが大好き

心優しいふんわりとした雰囲気のべスはまさしく癒し系。。

この作中のローレンス家の人々も、べスに関しては特別に優しいですよね。

ピアノにまつわるエピソードはとても素敵です。

 

このべスは、オルコット女史の実在した妹だそうで、

幼い頃から病弱で、20代の若さで他界・・・。

この作品が誕生した時には既にこの世の人では無かったそうです。

実際、この作品の中でジョーは誰よりもべスに優しいですよね。

物語後半、べスがしょう紅熱で倒れ、生死を彷徨うシーンは圧巻で・・・

今思い返しても涙が込み上げてしまいます。。



四女エイミーが、低めの鼻を気にして洗濯バサミで摘んでたシーンや

ジョーの小説が当選してみんなで大騒ぎになるシーン等・・・

辛く厳しい時代の中で、四人姉妹が明るくのびのび成長していくこの作品は

何度読み返してもとても大きな感動を与えてくれる・・・

まさに世代を超えて読み次がれるべき名作ですよね~。。

 

素材提供:AICHAN WEB


『続足ながおじさん』

2005-11-29 00:23:34 | 作家あ行

 ジーン・ウェブスターの『足ながおじさん』の続編です。

 

『足ながおじさん』と共にとても大切な作品です

この作品は、前回のヒロイン・ジュディから、

「ジョン・グリア孤児院の院長になってほしい」

と依頼された大学時代の親友サリーが、日々の出来事を手紙で綴った物語です。

何不自由ない家庭で育ったサリーにとって、孤児院の現状はあまりにも凄まじく

どこから手を加えていったら良いのか途方に暮れてしまう様子がとても可愛いです。

でも流石ジュディの親友、持ち前のユーモアと明るさで取り組んでいくのです。

勇気、意欲、情熱、責任感、優しさ等、類まれなる資質が見事に生かされ、

次第に笑顔を取り戻していく孤児達の様子が涙と笑いを誘います。

 

「正直な事を申しますと、時折、私は朝眼を覚まして、

この孤児院の騒音を聞き、この孤児くさい空気を吸うと、

当然自分のものである、あの楽しい気楽な生活が恋しくてたまらなくなります。

――――――――私はジョン・グリア孤児院から逃げ出してしまおうという

燃ゆるような決心を抱いて朝起きるのです。

――――そして廊下に出てあのいたいけな小さな子供の一人が、

よたよたしながら私のところへ走り寄って、

小さな温かい柔らかな手を私の手の中へおどおどとすべり込ませ、

私の愛撫を求めるように、だまってあのぱっちりと開いた

無邪気な眼で私を見上げると、

私はいきなりその子を抱き上げて頬ずりしてやります。

そしてその子の背後にいる頼りない子供たちを見ると、

私は百十三人の子供全部をこの腕に抱きしめて可愛がってやり、

幸福にしてやりたい気持ちでいっぱいになるのです。」

 

こんなサリーの優しい心情が、余すところ無く書き綴られていて、

なんとも言えない暖かい気持ちになるのです。

そしてサリー自身の将来が、

この孤児院の院長に就任する事によって大きく変化していきます。

お気楽で能天気だった明るいサリーが、思慮深く暖かく、

そして強く逞しい女性に成長していく姿が本当に素晴らしいです。

 

ラスト近く孤児院が大災難に見舞われた時の克明な描写、

人々の協力し合う様子がとても感動的で・・・

何度読み返しても涙が込み上げ、ふんわり暖かい気持ちになれる

大好きな作品です。

 

素材提供:AICHAN WEB


『ノーサンガー・アベイ』

2005-11-28 13:21:41 | 作家あ行
 ジェーン・オースティンです。

 

この作品には冒頭に作者からのメッセージがついています。

原稿を買い取った出版社が本を出版する気配も無いまま年月が過ぎ

この作品を書いた当時の様々な状況から著しく変化し、現代性を失ってしまった為

苦肉の策として、その辺の事情を説明する序文をつけたそうです。

 

実はこの作品は、当時大流行したアン・ラドクリッフの怪奇的なゴシック小説を

パロディにした形で書かれているそうで、作品のラストに付録として

『ユードルフォの謎』『森のロマンス』の一部が掲載されています。

当時、異常なくらいに流行したゴシック小説を皮肉った内容なのですね。

少々辛らつなところも持ち合わせたオースティンらしい手法ですよね

そして更に、小説の前半の舞台となるバースの街の雰囲気も

ナポレオン戦争の影響ですっかり変ってしまったそうで、

この作品に登場するバースという街は、陽気で楽しい雰囲気なのです。

でも、それらの事情があったにせよ・・・やっぱりオースティンは面白い。

 

物語前半は、まさしくいつものオースティン

愛や友情を華やかな社交の場を通して、その心理状態を克明に描いています。

舞踏会の会場でパートナーを待つ女性の心理や

気持ちの無い相手からの求愛をなんとかして拒もうと努力する様子・・・。

本当はティル二ー兄妹を待っていたいのに無理やり説得されて連れ出され

激しく後悔するキャサリンの心の葛藤等、

ワクワクドキドキイライラしながら次々頁をめくらずにはいられません。

 

そして後半は雰囲気が一転。

ティルニー一家の住むノーサンガー・アベイでの生活を描いています。

ヒロイン、キャサリンは非常に想像力豊かです。

そして最初に書いたように、当時大流行したゴシック小説のパロディなので

ここからは、少々怪奇小説めいた描写が沢山登場します。

 

最初、いかにもゴシック小説に出てきそうな荒廃したお城をイメージしていた

キャサリンは近代的に改良されている屋敷の様子を見て失望してしまうのですね。

ところが夜になって周囲が真っ暗になり、一人部屋に取り残されたキャサリンは

ノーサンガー・アベイに行く道中、ヘンリー・ティルニーが描写してくれた

恐ろしげな屋敷の様子を鮮明に思い出し、

暗闇の中に浮かび上がる黒い箪笥や柩、鍵のかかった引き出しに

意味ありげに隠されていた書類等を見つけて

脳裏の中で様々なイメージが膨れ上がり

この屋敷に実は重大な秘密があるのではないかと疑いを起すのです。

 

―――漆黒の動かしがたい闇が部屋を包んだ。激しい一陣の突風が、

突然、怒り狂ったように沸き起こって、この瞬間の新たな恐怖心を

そそった。キャサリンは頭のてっぺんから足の先まで震えた。

その後に続いた沈黙の間に、遠ざかって行く足音と遠くの扉の

閉まるような音が、びくびくしている彼女の耳に聞こえてきた。―――

 

そして、キャサリンの恐怖の妄想は更に膨らんでいきます

屋敷の案内に気が進まない様子のティルニー将軍(ヘンリーの父)が

とんでもない事をしでかしたのではと勝手な妄想は膨らむ一方で

頃合を見計らって探索するまでのキャサリンの心理描写は・・・・

本人は至って真剣なのですが・・・妙に笑えるのですヨ

ホント、オースティンの皮肉で辛らつなユーモア感覚は最高です

 

冒頭の「キャサリン・モーランドを子供時代に見かけたことのある人なら

誰も彼女がヒロインになるために生まれた人だ、

などと思いはしなかっただろう」という書き出しから始まるこの作品。

田舎育ちのキャサリンが17歳の時に両親と離れて両親の友人アレン夫妻と共に

バースに赴き、そこでの様々な出来事を通し、心も身体も美しく成長していく、

一人の女性の成長物語でもあり、怪奇的な面白さと様々な恋愛と相まって

なんともユニークな作品です。

 

アレン夫人の娘達・・・とりわけ仲良しになったイザベラとの友情や、

イザベラの兄ジョン・ソープの少々押し付けがましい求愛、

運命の人、ヘンリー・ティルニーとの出会い等を通し

人間として、女性として、悩みながらも一生懸命生き、成長していく過程は

当時の女性達の置かれた時代背景が克明に浮かび上がり、

女性にとって良家との結婚が、いかに大切な事だったかも感じさせられました。

それにしても後半のティルニー将軍の豹変振りとその背景には

正直唖然・・・でした・・・

 

素材提供:AICHAN WEB


『ステラの遺産』

2005-10-25 01:39:35 | 作家あ行

 バーバラ・ヴァイン・・・ルース・レンデルの別名義作品です。

 

ジェネヴィーヴは、老人ホーム〈ミドルトン・ホール〉のケア・アシスタント。

その彼女の受け持ちのひとり、ステラは癌で余命いくばくもない老女です。

ある日、ステラの元に一通の封書が届きます。

そして、その事がきっかけとなって、ステラは自分の持ち家がある事や

それをずっと秘密にしていた事をジェネヴィーヴに打ち明け、

様々な過去の出来事を語り始めます。

それにしても、なぜステラは自分の子供たちにまでその家の存在を

隠さなければならなかったのか?

なぜ誰も住まない家を今まで手放さなかったのか?

ステラが語るところの「二人の狂気」とは何を意味しているのか?

ステラの話しが進むにつれて、ジェネヴィーヴは

恐ろしい想像をし始めるのです。

「あの家で何かが起こったに違いない・・・」

 

 レンデル作品の大きな特徴の一つだと思うのですが、

最初は全体がよく見えず、霧の中を手探りで進んでいくような印象なのです。

よく分からないままに読み進めるうち、徐々に顕わになっていく断片的な破片。

知らず知らずステラの過去の物語に惹き込まれてしまいます。

そしてステラの過去と並行して語られる、ジェネヴィーヴの一途な不倫の恋。

二人の女性の現在と過去の人生が交差しあい、

不思議な縁で絡み合っていく・・・。

 

現在と過去、二つの秘めた道ならぬ恋。。ステラの秘密の家・・・。

ステラが自分の過去を少しづつ明らかにしていく過程はなんともミステリアスです。

そして、ジュネヴィーヴはステラの秘密の家を無断で借用してしまうのですが、

家の中から見つかる様々な悲劇の足跡が・・・!

知れば知るほど一体過去に何があったのだろうと、謎は深まる一方です。

ところが後半・・・まるで霧がサ~ッと退いて、

突如として全体像が露わになるかのような独特の感覚・・・。

これはも~レンデル作品ならでは・・・ですね~。ゾクゾクします。。

ステラを襲った悲劇は想像を絶する凄まじさでした。

 

死んだ人間の服は長持ちしないのよ。持ち主のことを思うから―――

 

印象的な書き出しで始まるこの作品には、英国の迷信が散りばめられ

物語全体のミステリアスな雰囲気に柔らかなぬくもりを与えるのに一役買う、

と同時に、ヒロインの微妙な心理状態を美事に表現しているようです。

靴下の片方を裏返しにはいてしまってもはきなおすのは不吉なこと、

緑は不吉な色、木には癒す力がある・・・等々。。

 

そして印象的な書き出しと相対するかの如くの、

ラストのなんともいえない皮肉めいた言葉・・・。 

なぜもっと早くそのことに気づかなかったのかしら? 

・・・なんていうか・・・。それで良いのかジェネヴィーヴさんっ

って思わないでもありませんでしたが。。

 

女性の一人称作品の為か、細やかで繊細な感情が痛いほどに伝わり、

ところどころでかつての自分と重ね合わせて涙してしまう・・・。 

なんとも不思議な余韻が残る、とても印象的な作品・・・

ミステリーというより文学作品といって過言でない素晴らしさだと思います。

 

素材提供:Pari”s Wind


図書館長シリーズ

2005-10-17 10:32:41 | 作家あ行

 ジェフ・アボット・・・第一弾の『図書館の死体』で

アガサ賞・マカヴィティ賞の最優秀処女長篇賞を受賞した人気シリーズです。



ジョーダン・ポティート―――このシリーズの主人公の青年です。

アルツハイマーを患った母親を看護するために、

ボストンの名高い教科書出版会社の編集者という地位を捨てて、

故郷のテキサス州の田舎町ミラボーに戻り、地元の図書館長になるのです。



このジョーダン青年――何かと事件に巻き込まれます。

というかほっとけないのですね。。

後々にこの性格が災いして恋人キャンディスとの関係に

重大な問題が生じてしまいます。

 

シリーズの二作目くらいまでは結構楽しめました。

思いがけない血縁関係に衝撃を受け、すぐには消化出来ないジョーダン青年を

まるで母親のような暖かい抱擁で包み込んでくれたキャンディス。。

最初は軽い女の子なのかしら?なんて思ってましたが

とても素敵な女性に描かれていきます。



でも正直言ってジョーダン青年の性格・・・私にはよく分かりません。

最初の二作くらいまでは結構好きだったのですが、

色々な事件に遭遇し始めると、否応無しに大切な人を巻き込み、

周りが見えなくなってしまうのでしょうね。

同じ女性としてはキャンディスの気持ちに感情移入しがちでして

彼女の気持ちが痛いほどに伝わってきて・・・

四作目だったかな?なんだかとても辛かったです。。



様々な人間関係についても言及しているこのシリーズ――

お手軽そうに見えて結構重いテーマを掲げてます。

確か中途半端な状態で続きがふっつり途切れた状態だったと思いますが

その後、何か進展があったのでしょうか・・・。


『夜明けのメイジー』

2005-10-11 21:05:12 | 作家あ行

 ジャクリーン・ウィンスピアです。

このデビュー作でいきなりアガサ賞、マカヴィティ賞の最優秀新人賞、

アレックス賞を受賞したうえ、アメリカ探偵作家クラブ・最優秀長編賞、

アンソニー賞、バリー賞の最優秀新人賞にノミネートされました。

20世紀初頭の英国を舞台に、一人の女性探偵の活躍を描いていく

シリーズ物の第一弾、という・・・時代設定といい、なんといい^^

とても興味をそそられ、本屋で思わず一目ぼれして購入した作品です。



物語は、第一次世界大戦後十年あまりの月日が経過した1929年の春、

メイジーが探偵事務所の初めての仕事を開始するとこからスタートします。

 

レディ・ローワンと恩師モーリスの支援の元に開いた探偵事務所の

最初の依頼人は、妻の浮気調査を依頼します。

この時の依頼人とのやり取り―――

「私は真実を知るためにここに来たのだ」

「―――あなたのために真実を確かめることにしますが、

ひとつ同意していただかなければならないことがあります。―――

つまり、わたしの報告により、真実がわかった際に、それからのことについて

わたしと話し合うことに同意していただきます」―――

 

静かな中に、確かな信念を持ち、しっかりと自分の考えを相手に伝えるメイジー。。

そしてその間、依頼人の心のあらゆる動きも、まるで手に取るように感じ取る

繊細で優しい面をさり気なく描いていて、この作品の方向性を明示しているようでした。

少なくともハードボイルドじゃないぞって感じで・・・^^;

 

この最初に受けた依頼・・・。

恩師モーリスから受けた教えを忠実に守り、依頼人やその妻の心に入り込み、

無事解決の方向に向かいますが、同時にその事件を通して知った〈避難所〉の存在が

今後の展開に大いに関わってくることになります。

 

そして時代は1910年春まで過去に遡り、

メイジーが辿ったドラマチックな運命が語られます。

メイジーの父親フランキー・ダブズ・・・13歳のメイジーを抱えた男やもめです。

彼は、メイジーにとって最善の道を模索し、ある家庭にメイドとして託します。

この上流階級夫妻、コンプトン卿とレディ・ローワンとの出会いと、

更に医師モーリスとの出会い・・・

これらは、その後のメイジーの先行きを決定づけるくらい大きなものでした。

 

戦争を背景に、人々を襲った悲しい出来事、悲惨な運命、軍隊の非情さ等も

言葉を飾らず克明に描かれていますが、不思議と明るい暖かい雰囲気が

物語全体を包み込んでいる作品です。

 

そして、主要人物一人一人がとても魅力的で愛さずにいられません。

やはりヒロイン、メイジーの魅力は際立ってます。

努力家で優しい親孝行な女性メイジー。本当に一生懸命なのです。

そしてメイジーの男やもめの父親フランキー。大好きです。

この親子のお互いを思いやる姿は本当に心を打たれます。

 

貧しい人々を無料で診察する医者モーリス・ブランシュ・・・

後々までメイジーに多大なる影響を与えた人生の師、ともいえる人物です。

そして、やはり大恩ある女性、レディ・ローワン。

本が好きなメイジーに、快く勉強をさせてくれたかけがえの無い女性です。

 

戦争で大怪我をした時、メイジーに大きな恩を受けた事を忘れずにいたビリー。

後に事務所の管理人としてメイジーと再会、

強力な片腕となって事件解決に貢献してくれます。

 

これら魅力あふれる人々の美しい行動に、

暗くなりがちな内容が柔らかく優しく包み込まれ、読む人の胸を打つのです。

そして、確かな人生を進むきっかけを与えられ、

精一杯応えるメイジーの真摯な姿勢に共感せずにはいられないのです。

 

物語後半、メイジーがビリーの危機を、持ち前の鋭敏な頭脳で切り抜け救ったシーンは

従来の探偵小説には中々無いぞという方法で、思わず情景が脳裏に浮かび、

感動のあまり鳥肌が立ってしまった程素晴らしかったです。

 

今後の展開がとても楽しみなシリーズ・・・出会えて良かったと思えた作品です。

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


『黒衣の花嫁』

2005-09-05 11:36:12 | 作家あ行

 コーネル・ウールリッチです。


この人の作品は独特の文体で、映像的です。

文学の詩人とも言われています。

そしてもう随分古い年代の作品なのに、今読んでも古さを感じさせない・・・。

ニューヨークという大都会に住む人々の孤独と悲哀を

見事に表現しているからなのでしょうね。

とにかく凄い作家です。

で。。私にとってはこの作品が、ウールリッチ(アイリッシュ)との出会いでした。

 

この作品は、冒頭で種明かし――犯人は誰か?――をしてしまいます。

でもミステリーとしての醍醐味の一つ、犯人探しの楽しみを

最初に奪われてしまうにもかかわらず、物語にグイグイ惹き付けられてしまう・・・。

復讐の鬼と化した女性の深い悲しみ。。そして揺ぎ無い決意がヒシヒシと伝わり、

殺人鬼であるヒロインの強烈な魅力に惹かれてしまうのです。

 

一つ一つの章に付けられたタイトルは

ヒロインに命を狙われる人物の名前になっていて、

それぞれが独立した短編小説としても充分通用する素晴らしさです。

次々と殺人を成功させていく悪女の、非情な中にもそこはかとなく漂う気品と、

まるで氷の中の炎のように、ちょっとした瞬間に垣間見せる哀しみが

グッと胸に突き刺さり、思わず知らず、味方のような気持ちで

頁を次々めくってしまいます。

この辺の筆力はもう圧巻ですね。

 


ラストに分かる衝撃の事実。

この章で初めて登場する刑事ルウ・ウォンガー・・・。

ヒロインとの緊迫したやり取りは絶妙です。。

そしてなんとも切ない、哀しい真実でした。

でも私、こういうラストって結構好きだったりしてます。



サスペンスの巨匠と言われるウールリッチの独特の世界。。

たまに堪能したくなるのです。

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


ステファニー・プラム・シリーズ

2005-08-23 12:36:58 | 作家あ行

 ジャネット・イヴァノヴィッチです。



ヒロイン、ステファニー・プラムの職業はバウンティ・ハンター(女賞金稼ぎ)です。

これは、裁判をすっぽかした保釈中の容疑者を捕まえて警察につき出す事で

報酬をもらう、というかなり過激な職業です。



ステファニーの人生はとにかく波乱万丈。。

もともと勤めていたまともな仕事を首にされ、ほぼ無一文に・・・

なのに職が全く見つからない。

という事で、生活の為にやむなく始めたのがこの仕事なのです。



ジャンルは一応ハードボイルド・・・なのかな。

でもコメディの要素がほとんどですネ。

荒くれ男達を相手にリボルバーを振り回す。。

でもはっきり言ってまともに撃てた事がありません。

頼りになるマッチョな相棒にプレゼントされる高級車は片っ端から爆破され・・・。

しょっちゅう体型を気にするくせにチョコバーが大好き

 

ま~とにかくふざけたシリーズです。

まともなお話を期待して読んだらもしかして怒っちゃうかも



でも何気に人間味あふれた言葉、状況が時々あって、妙に魅力的で、

殊に飼ってるハムスターに対する愛情はちょっと泣けます(

周りを取り巻く登場人物も個性豊かで面白いです。

 

特にモレリとレンジャー・・・。

超カッコイイお二人は、このシリーズのファンの間では何かと物議を醸し出し・・・

ステファニーとの危ない関係が気になるところ・・・なのですヨ・・・

 

そうそう。。忘れちゃいけないのは、近くにある実家での美味しそうな食べ物

描写も細やかで本当に美味しそう。。食欲をそそるのです~。



たまには難しい事は何も考えず、

こんなはちゃめちゃなお話にのめり込むのも楽しいですよね~。。


『毒薬の小壜』

2005-08-16 22:49:13 | 作家あ行

 シャーロット・アームストロングです。


この作品は本当にハートウォーミング。。まるで童話のようなミステリーです。

若くて病弱なローズマリーは暴君だった父親と死別し、天涯孤独になります。

そんなローズマリーの今後を心配したギブソン氏は何かと世話を焼くようになり、

二人は自然な流れで結婚します。その年齢差、23歳。。



お互い、口に出せない心の葛藤が前半部分を占めていて、

毒薬を手にして自殺を決意するギブソン氏の心情が絶妙です。

そして、自分の心の彷徨うままにボ~っとしていたギブソン氏は、

毒薬を入れた小壜をどこかに置き忘れてしまうのです。

他人がそれを間違って飲んで死亡することを恐れ、妻に全てを明かし

小壜探しをする後半は、かなりスピーディーな展開で物凄く面白いです。。

結構感動的だったりするのです。



ちょっと余談ですが、小学校1年生の時だったと記憶していますが

先生が家庭訪問を行う為に、クラスの全員と一緒に学校からスタートして

近い家から順番に周ったんですね。

で、先生に生徒が、自分の家が近づいたら「ここです。」って

教える事になってたのですが・・・

今じゃ考えられないくらい内気だった私は、比較的近くの家だったにも拘らず

「ここです!」ってどうしても言えず・・・

最後の最後までみんなの家を一緒に周って歩く羽目に陥り・・・

最後まで残ってしまった私に、先生が

「あら、こんな近くだったんじゃない。なんで言わなかったの?」

ってびっくりして聞いてきましたが・・・言えなかったのです。。

人って、何かをするのもしないのも、その行動の裏には

必ず理由があるものですよね。

それを人は、自分の立場から推測したり誤解するものだけど、

実際は全然違う理由だったりして・・・。

この作品を読みながら・・・なんとなくそんな事もぼんやり思い出して

妙に考えされられました。

 

なんでこんな事を思い出したかというと、人が段々減っていった

私の経験とは反対に、この作品では段々人が増えていくからです。。 

ま~そんな事はどうでもいいハナシなのですが・・・

 

毒薬の入った小壜を探して、その日一日のギブソン氏の道程を辿って

警察官とギブソン氏&妻のローズマリー、そして近所に住む科学者ポールが

聞き込みをしつつ、状況を説明しつつ、その日の行動を遡っていく・・・。

 

「しっかりするんです」「結果は今から分かりゃしませんよ。―――」

「私も何かお役に立てないかしら」

「あの人はやさしい人よ」「―――私たちは助けてあげられないの?―――」

 

この作品に悪人、悪意は皆無と言って過言ではありません。

事情を聞いた人達が、それぞれの理由から毒薬探しに同行し

段々人が増えていく・・・。

時には励まし、時には絶望し、ちょっとしたロマンスがあったりして・・・

こんなにも人の心は暖かいものなのか、と感動つつ

でも刻一刻と時間は無情に過ぎていく・・・。

このなんともいえない緊迫感!凄いです~。。

サスペンスの女王と言われたアームストロングならでは・・・ですね。



1959年度のアメリカ・ミステリ作家協会(MWA)最優秀長編賞受賞作・・・

嫌な事件が多い昨今・・・たまにはこんな素敵なミステリーに浸るのも

必要かも知れませんヨ

 

素材提供:IKOI


芥川龍之介

2005-08-12 16:10:28 | 作家あ行

翻訳物が好きな私も、日本の古典文学には感銘を受けた作品が沢山あります。

で・・・中でも凄いな~と衝撃を受けた作家の一人が芥川龍之介。

そして膨大な量の作品群の中でも極めて好きなのが『杜子春』です。



仙人になりたい、と願う杜子春のしてはいけない唯一つの事。

何があっても声を出してはいけない・・・という仙人の言葉に、

絶対に声を出しませんと、固く約束を交わします。



本当になんと沢山の物凄い出来事が次々起きた事でしょう。

でも固く口を閉ざし、一言も声をもらしません。

この辺の描写はまた凄いですよね~。ホント、独特です。



ところがそんな杜子春の、固い決意を揺るがすべく行われた

大切な父母への責めを眼前に、

思わず叫んだ言葉・・・「お母さん。」



「もしお前が黙つてゐたら――」

と鉄冠子は急に厳(おごそか)な顔になつて、ぢつと杜子春を見つめました。



養子として育てられた芥川龍之介の、実の母親に対する

切ないまでの思いの現れなのでしょうか。。

本当に大好きなシーンです。

親子関係が急激に悪化している今日・・・

この作品の持つ素晴らしさを改めて認識せずにいられないのです。

 

素材提供:Flower mau


『あなたならどうしますか?』

2005-08-11 14:56:29 | 作家あ行

シャーロット・アームストロング作の短編集です。


後書きで知ったのですが、この中の『敵』という作品は

あのエラリー・クイーンも絶賛したとか。

クラシカル・ミステリー・・・というカテゴリーなのでしょうか。。

とにかく一遍一遍が何気に怖くて面白いです。



冒頭の『あほうどり』は短編というより中篇ですね。

日常生活のふとした出来事で男性の死を招いてしまった夫婦が、

償いの為にその男性の家族を引き取り、生活を共にするのですが・・・。

一見、大人しい女性二人なのですが、何かがおかしい。。でも何が?

この、じわじわと追い詰められていく心理状態を絶妙に現していて、

ぐいぐい引き込まれてしまいました。



『敵』はクイーンが絶賛しただけあって、私もこの中では一番好きな作品です。

愛犬の死体を発見した少年が、日頃近所からも疎まれている男性を指差し、

「あいつが殺した」と決めつけ、大騒ぎする様子を見たラッセル弁護士が、

事件解決に乗り出すのです。

たかが犬、たかが悪がきと片付けず、子供達に探偵もどきの活躍をさせ、

近所の人達も巻き込んで見事真実を突き止めるのですが、

なんだか複雑な終わり方です。。

子供達と本気で向き合う大事、という点だけ語れば読後とてもさわやかなのですが

真実の重み、怖さ、という点で見ると、なんともそら恐ろしい結末でした。



最後に掲載されている『死刑執行人とドライブ』。

子供を事故で亡くした父親が、教師に逆恨みし、復讐をもくろむのですが

様々な状況から恐ろしい事に、この殺す側と殺される側が

同じ車に乗ってドライヴするのです。

殺す側は隣にいる女性が、まさしく自分の追っている相手と気付いてませんが

殺される側の教師は分かっているのです・・・。

このドライヴ中の恐ろしい緊迫感は凄いです。



全部を語れば限がないので、個人的に印象が深かった三作だけにしましたが、

どれもとても深くて、色々考えさせられる作品です。

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


『比類なきジーヴス』

2005-08-04 23:05:59 | 作家あ行

 P・G・ウッドハウスです。


この後に『よしきた、ジーヴス』『それゆけ、ジーヴス』と続くのです。

バーティ&ジーヴスは、英国では知らない人はいないくらいの名コンビだそうで、

その人気もホームズ&ワトスンに匹敵する程とか。。

残念ながら日本での知名度はまだまだみたいですけどね。



そもそも翻訳物って翻訳してくれなくちゃ読む事は出来ません。

一部の権力者の意見によって、日本人には受けないだろう、

なんて理由で翻訳されないケースも結構あるらしく・・・

その一例としては、クリスティ、セイヤーズと並んで欧米で人気の高かった

ミステリー作家マージェリ-・アリンガムの事を、

当時日本で大人気だった江戸川乱歩氏がお気に召さなかった為に

翻訳されなかった、なんて事があったのだそうです。



それはともかく、このウッドハウス・コレクションは結構笑えます。

ぐうたらで、なんともおかしな・・・というか凄まじいファッション感覚の持ち主、

この物語の主人公の若旦那バーティと

頭が良くて気が利く執事ジーヴスを中心に、個性豊かな脇役を交え

様々な問題に対処していくのですが、ちょっとドタバタ風な人間喜劇なのです。

特に恋多きおまぬけ男ビンゴ、何かとお節介を焼きたがるアガサ伯母さんの

存在はかなり貴重です~^^

 

バーティ曰く・・・「アガサ伯母さんはいつだって、僕は脊椎があるべき場所が

ゼラチンでできているみたいに感じさせてくれる。彼女はいわゆる猛女である。

エリザベス女王も彼女と似たような人物であったにちがいないと

僕は踏んでいる。―――」

 

ただ、ちょっと油断して読み過ごしてしまうと、

意味がよく分からないままになってしまう可能性も・・。

な~んて私だけかも知れませんが・・・



「僕は少しばかり心ここにあらずといった状態だったのだと思う。

というのは、彼が話を中断してレモンスカッシュをすすたとき、

僕は講義の途中で、何か発言を求められているような

気分になっていたからである。」



「僕は笑わなかったが、緊張のためあばら骨が何本か

轢留場所を浮かび離れる音が確かに聞こえた。」



話の前後がないとイマイチ伝わりにくいかな。

とにかくそこここにイギリス流ユーモアがちりばめられていて、

思わずニヤけてしまうのです。

 

後書で、訳者が断言してます。

英米のユーモア文学を愛好するなら、ウッドハウスは

当然知っていなければならない絶対の古典、必須の教養、だそうです。



物凄く読みやすいので、ちょっとした息抜きに

サラッと読んでみるのも楽しいですヨ^^

 

素材提供:Flower&mau


美術館学芸員クリス・ノーグレン・シリーズ

2005-08-04 12:26:56 | 作家あ行

 アーロン・エルキンズです。


このシリーズはまだ三作しか出てないんですよね。

このシリーズの主人公クリス・ノーグレンは本当にキュートです^^

美術学芸員という設定上、美術に関する薀蓄はかなりですけど。。

どちらかといえば穏やかな・・・というより情けない(?)性格だと思われますが、

美術の・・・殊に思い入れの深い作品や作家に関しては

かなり入れ込んでしまうので、

奥さんには逃げられるは、好みの女性の前でも偏屈な態度をするはで、

結構損してます。

でも逆にそこがなんともいい味出してるのですよ。

そして、やたら危ない目に遭います。ちょっと気の毒なくらい。。

作中、結構面白い文章が散りばめられていて・・例えば



「彼には、たとえ自分が熱弁をふるっている最中でも

他人の話を聞き取る能力があった。

たぶん、これは、自分のしゃべっている事の意味が、

他の者同様、彼自身にもよく分からないからだろう。」



「実生活では、初めは聞き流し、それからハッと驚くという、

ああいう驚き方はあまりしないものだが、今、二人はそれをやった。」



なんて感じ。。語り手が少々ブラック的なユーモアの持ち主なのですね。

第一作目の贋作の真相は結構唸らされた記憶があります。

登場人物も、ハリー・グッチ少佐、アン・グリーン等個性豊かで魅力的

美術の薀蓄も軽く楽しめて読みやすいので、結構好きなシリーズです。

 

素材提供:Flower mau


『カラーパープル』

2005-07-26 16:19:25 | 作家あ行

 アリス・ウォーカーです。



この作品は、ピュリッツァー賞だけでなく全米図書賞も受賞しています。

かなり過酷な内容で、特に前半は悲惨な描写が続いてとても胸が痛かったです。

でも全体的に、わりと淡々とした語り口調なので、とても読みやすい作品です。

 

16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされます。

実家でも疎まれ、嫁ぎ先では暴力を振るわれ・・・。

教養もなく、逃げる場所もなく、愛する妹だけがセリーの心の支えでした。

ところが、その妹が夫に襲われ、セリーのもとを去ってしまうのです・・・。



この作品は、セリーの生活を中心に、彼女に関わる人々に起こる様々な出来事を、

全編セリーの手紙で綴っています。

黒人社会の過酷な毎日を克明に綴ったこの作品は、

性差別、人種差別の実態を知るうえでは最高の教科書かも知れません。。



後半、何ら取り得も無いと、自ら思い込んでいたセリーが、

ズボンを作成した事を機に自分の仕事を見出し

自立していく様は、読んでいてとても気持ち良いです。

自分の足で立つ人間は、やはり強いですね。

最後にはミスター**もセリーを一人の人間として尊重するまでに

変わってしまうのですから。

この、憎み合っていた夫婦が肩を並べて語り合うシーンは心が暖まります。

 

ミスター**がもう一度結婚してくれないかとあたしに聞いたとき―――

今度は体だけでなく魂もということで―――、そしてあたしが、

まだカエルはきらいだからノーだけど、友だちでいようと答えた―――

 

う~ん。。カッコいいですね。。



そして何よりセリーの最も心にかかっている妹ネッティー。

妹が自分の元に帰ってくることを微塵も疑わず、

ただひたすら信じて生き続ける姿は痛々しいくらいです。 

最後、その全く違う人生を生きた二人の姉妹が、遂に遂に再会するシーン。。

 

―――向こうからやって来るのは誰だろう。道の方を見上げながら、

アルバートが聞いた。舞い上がる土ぼこりだけしか見えなかった。―――

郵便配達じゃないの?とあたし。それにしちゃすこし運転が乱暴だね。

ソフィアかもしれない。あの人、気が狂ったように車を走らせるから、とシャグ。

ハーポかな、とアルバート。でも、ちがう。

そんなことを言っているうちに、その車は庭の木の下に止まって、

中から昔風の服を着た人たちがぞろぞろと出て来た。―――

 

もうこの辺りから涙腺がゆるみっぱなし・・・

この姉妹の辿ってきた壮絶な人生を思えばこの再会がいかに奇跡に近い事か。。

ああ、この感動・・・。是非味わって頂きたいです。。

 

素材提供:Pari’s Wind


『足ながおじさん』

2005-07-16 21:45:59 | 作家あ行

 ジーン・ウェブスターです~

 

生きてるうちに、出来る限りの素晴らしい作家達の作品に出会いたい!

と思う気持ちと同時に、時々本当に大好きな物語の世界に潜り込み、

浸っていたい気持ちになる事もあるのです。その中の一つがこれ。。

 

今の時代、携帯電話やメール、PC等、

連絡手段が次々発達して本当に便利になりましたけど

こういう古風な手紙って、心が感じられて良いですネ。

この場合は一方的ですけど。。

特に、ジーン・ウェブスター自身の作という

ユニークなイラスト付っていうのが良い

思わず微笑を浮かべながら読み耽る「足ながおじさん」の姿が浮かぶようです。

 

ジュディの想像力の豊かさが溢れている大好きな手紙の一つ・・・

 

「現在私はオフィリアです―――ただしとても思慮のあるオフィリアです。

私はハムレットをいつも愉しませたり甘やかしたり、叱ったり、――――

そしてゆううつ病なんかすっかり癒してしまいました。」

 

こういう発想って・・・ホント独特ですね。

「生きるべきか死ぬべきか・・・」の名セリフもジュディ・オフィーリアにかかっちゃうと

「おかしな事で悩んでないで、私と一緒に模範的な孤児院を設立しましょう!」

って事になるのでしょうね。。

 

とにかく孤児院で味わった辛い経験がジュディの宝となっていて、

美しいドレスや綺麗なお花で彩られた贅沢な生活が、決して当たり前じゃない、

総て、自立して立派な作家になった暁に、必ずお返しする!

という感謝の気持ちがジュディの心に常にあるのです。

だから余計なお金は受け取りません。凛としてつき返す強さは素晴らしいです。

 

それにしても物語後半、なんだか足ながおじさんの様子がおかしいぞ

と読者に思わせるジュディの手紙の書き方。

何かが今までと違う・・・でも何が?

この辺のラストへ向けての展開は流石ですね。。

 

そして用意されていたとっても素敵なハッピーエンド

「これは私が生れて初めてかいたラブレターです。

ちゃんと書き方を知っているなんて妙ですわね?」

ふんわり優しいロマンチックな雰囲気が大好きな作品です

 

素材提供:AICHAN WEB