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プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

『毒薬の小壜』

2005-08-16 22:49:13 | 作家あ行

 シャーロット・アームストロングです。


この作品は本当にハートウォーミング。。まるで童話のようなミステリーです。

若くて病弱なローズマリーは暴君だった父親と死別し、天涯孤独になります。

そんなローズマリーの今後を心配したギブソン氏は何かと世話を焼くようになり、

二人は自然な流れで結婚します。その年齢差、23歳。。



お互い、口に出せない心の葛藤が前半部分を占めていて、

毒薬を手にして自殺を決意するギブソン氏の心情が絶妙です。

そして、自分の心の彷徨うままにボ~っとしていたギブソン氏は、

毒薬を入れた小壜をどこかに置き忘れてしまうのです。

他人がそれを間違って飲んで死亡することを恐れ、妻に全てを明かし

小壜探しをする後半は、かなりスピーディーな展開で物凄く面白いです。。

結構感動的だったりするのです。



ちょっと余談ですが、小学校1年生の時だったと記憶していますが

先生が家庭訪問を行う為に、クラスの全員と一緒に学校からスタートして

近い家から順番に周ったんですね。

で、先生に生徒が、自分の家が近づいたら「ここです。」って

教える事になってたのですが・・・

今じゃ考えられないくらい内気だった私は、比較的近くの家だったにも拘らず

「ここです!」ってどうしても言えず・・・

最後の最後までみんなの家を一緒に周って歩く羽目に陥り・・・

最後まで残ってしまった私に、先生が

「あら、こんな近くだったんじゃない。なんで言わなかったの?」

ってびっくりして聞いてきましたが・・・言えなかったのです。。

人って、何かをするのもしないのも、その行動の裏には

必ず理由があるものですよね。

それを人は、自分の立場から推測したり誤解するものだけど、

実際は全然違う理由だったりして・・・。

この作品を読みながら・・・なんとなくそんな事もぼんやり思い出して

妙に考えされられました。

 

なんでこんな事を思い出したかというと、人が段々減っていった

私の経験とは反対に、この作品では段々人が増えていくからです。。 

ま~そんな事はどうでもいいハナシなのですが・・・

 

毒薬の入った小壜を探して、その日一日のギブソン氏の道程を辿って

警察官とギブソン氏&妻のローズマリー、そして近所に住む科学者ポールが

聞き込みをしつつ、状況を説明しつつ、その日の行動を遡っていく・・・。

 

「しっかりするんです」「結果は今から分かりゃしませんよ。―――」

「私も何かお役に立てないかしら」

「あの人はやさしい人よ」「―――私たちは助けてあげられないの?―――」

 

この作品に悪人、悪意は皆無と言って過言ではありません。

事情を聞いた人達が、それぞれの理由から毒薬探しに同行し

段々人が増えていく・・・。

時には励まし、時には絶望し、ちょっとしたロマンスがあったりして・・・

こんなにも人の心は暖かいものなのか、と感動つつ

でも刻一刻と時間は無情に過ぎていく・・・。

このなんともいえない緊迫感!凄いです~。。

サスペンスの女王と言われたアームストロングならでは・・・ですね。



1959年度のアメリカ・ミステリ作家協会(MWA)最優秀長編賞受賞作・・・

嫌な事件が多い昨今・・・たまにはこんな素敵なミステリーに浸るのも

必要かも知れませんヨ

 

素材提供:IKOI


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