
ジーン・ウェブスターの『足ながおじさん』の続編です。
『足ながおじさん』と共にとても大切な作品です
この作品は、前回のヒロイン・ジュディから、
「ジョン・グリア孤児院の院長になってほしい」
と依頼された大学時代の親友サリーが、日々の出来事を手紙で綴った物語です。
何不自由ない家庭で育ったサリーにとって、孤児院の現状はあまりにも凄まじく
どこから手を加えていったら良いのか途方に暮れてしまう様子がとても可愛いです。
でも流石ジュディの親友、持ち前のユーモアと明るさで取り組んでいくのです。
勇気、意欲、情熱、責任感、優しさ等、類まれなる資質が見事に生かされ、
次第に笑顔を取り戻していく孤児達の様子が涙と笑いを誘います。
「正直な事を申しますと、時折、私は朝眼を覚まして、
この孤児院の騒音を聞き、この孤児くさい空気を吸うと、
当然自分のものである、あの楽しい気楽な生活が恋しくてたまらなくなります。
――――――――私はジョン・グリア孤児院から逃げ出してしまおうという
燃ゆるような決心を抱いて朝起きるのです。
――――そして廊下に出てあのいたいけな小さな子供の一人が、
よたよたしながら私のところへ走り寄って、
小さな温かい柔らかな手を私の手の中へおどおどとすべり込ませ、
私の愛撫を求めるように、だまってあのぱっちりと開いた
無邪気な眼で私を見上げると、
私はいきなりその子を抱き上げて頬ずりしてやります。
そしてその子の背後にいる頼りない子供たちを見ると、
私は百十三人の子供全部をこの腕に抱きしめて可愛がってやり、
幸福にしてやりたい気持ちでいっぱいになるのです。」
こんなサリーの優しい心情が、余すところ無く書き綴られていて、
なんとも言えない暖かい気持ちになるのです。
そしてサリー自身の将来が、
この孤児院の院長に就任する事によって大きく変化していきます。
お気楽で能天気だった明るいサリーが、思慮深く暖かく、
そして強く逞しい女性に成長していく姿が本当に素晴らしいです。
ラスト近く孤児院が大災難に見舞われた時の克明な描写、
人々の協力し合う様子がとても感動的で・・・
何度読み返しても涙が込み上げ、ふんわり暖かい気持ちになれる
大好きな作品です。
素材提供:AICHAN WEB