コニー・ウィリスです。
上下二巻、しかも1冊600頁以上という物凄いボリュームにもかかわらず、
一気に読ませてくれました。
迷路のように入り組んだ大病院、マーシー・ジェネラルが舞台で、
その病院に勤務する認知心理学者ジョアンナは、朝はER、
午後は小児科に詰めるかたわら臨死体験を科学的に解明する為、
体験者の聞き取り調査に奔走する忙しい日々を送っています。
そんな彼女に、科学物質を投与して擬似臨死状態を作り出し、
臨死体験を科学的に証明しようとする神経内科医リチャードが協力を求めてきます。
果たして臨死体験とは一体何なのか
SFとミステリーがうまく噛み合った、超ど級のエンタメです。
下巻の途中、え?うそ!な、なんで~~
なんて考えもしなかった急展開にひっくり返りそうになりつつ・・・ラストには感動が。。
とにかく登場人物一人一人がとても個性的で素敵です。
まずヒロイン、ジョアンナ。
メガネをかけて食事も忘れるくらい仕事に没頭するキャリアウーマン・・・。
にもかかわらず友情を大切にし、ディッシュ・ナイトと称するビデオを見る会をやったり
忙しい合間に大切な小さな友達に会いに行く事は怠らない、心優しい女性なのです。
悪役・・・という程では無いけど、何かと邪魔するモーリス・マンドレイク。
臨死体験者に誘導尋問みたいにして、自分の思い通りの答えを言わせ、
二人の研究を台無しにするだけでなく、ジョアンナが行く先々に登場しては
おせっかいを焼きます。
おかげでジョアンナは、迷路のような病院内をぐるぐる逃げ回るはめに陥るのです^^
なんといってもメイジー。
心臓病で長い入院生活を送る災害マニアの少女で、ジョアンナの親友
といっても良いくらいの存在です。
このメイジーは本当に愛らしい。。
引き伸ばしの天才で・・・「待って!行っちゃ駄目!!○○○○の話がまだだもん。」
なんて調子でジョアンナが去ろうとする度、何かと口実を設けて行かせないのです。
で。。ついついそこで時間をくってしまう。。
あ~でもこのメイジーの存在こそ、この物語を感動的にする鍵なのです。
他にも挙げれば限がないくらい多彩な人物が登場しますが、
それぞれ個性豊かなので混乱する事はないと思います。
後書で解説者が十年に一度の傑作と大絶賛していただけあって、
も~涙涙の大感動・・・本当に素晴らしい作品です。
:素材提供:Pari’s Wind