プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

アメリ

2007-03-24 11:26:42 | 懐かしの映画

 ジャン=ピエール・ルネ監督、オドレイ・トトゥ主演作品。

 

情緒豊かなパリ、モンマルトルを舞台にヤン・ティルセンの、

軽快でレトロなメロディをBGMに繰り広げられる素敵なストーリィは

どこか懐かしく、なんとも不思議な郷愁に駆られ、

いつまでも心に幸せな余韻が残る大好きな作品です。

   

ちょっと変った両親の元で育ったアメリは、

空想の世界が逃げ道の、不思議な力を持ってる女の子。

動物の言葉が聴こえるし、気持ちが分かるのですね。

金魚の自殺未遂事件はちょっと衝撃だったかも

幼い頃のアメリが、お隣の意地悪なオジサンにした仕返しは

まさに爆笑ものデス

 

大人になって、モンマルトルのカフェ”ドゥ・ムーラン”で働きながら

古いアパートで一人暮らしを始めるアメリ。

このアパートで偶然発見した宝箱が、一人の中年男性の人生を

希望に満ちたものに変えてしまいます。

そしてこのことをきっかけに、

アメリは自分の人生の目的を見出すのですね。

ここの、中年男性が無人の公衆電話が鳴るのを無視出来ず、

受話器を取ってフト懐かしい箱を見つけるシーンは・・・泣けますね。。

 

周りの人々を幸せな気持ちにさせてあげたい一心で、

アメリがするちょっとした悪意の無い悪戯は最高です

野菜を宝石のように大切に扱う食料品店で働くリュシアン、

浮気した夫が交通事故死して以来、辛い日々を酒で紛らす女管理人等が

アメリの悪戯によって生きる希望を見出していく様は、

時には痛快極まりなく・・・時にはホロッともらい泣き。。

でもなんてったって傑作なのは「白雪姫」の中に登場する

あの小人の像を利用した絵葉書です

      

そんな日々を過ごすうち、アメリは不思議な青年ニノと出会います。

初めて恋を知ったアメリですが、空想の世界に生きてきた彼女にとって

現実と向き合うことはとっても勇気のいることでして・・・。

一生をルノワールの贋作作成に捧げるガラス男デュファイエル老人は

そんなアメリの心に最も敏感。

水を飲む少女の絵を使って、微妙な心理を描き出す演出は

とても素晴らしいです

こういう心理って・・・乙女な女性であれば誰もが経験してるハズ

 

全体的に赤と緑を基調とした鮮やかな映像で

CG等を駆使した近代的な作品にも拘らず

ふんわりメルヘンチックでちょっぴりレトロな雰囲気なのは、

やはり音楽の力が大きいと思います。

でも一番はヒロインのキャラですネ

 

それにしてもなんて素敵な作品なのでしょう

登場人物一人一人の、悲しい過去の回想シーンやさり気ない癖等

いかにも個性豊かな面々ではありますが、おそらくどこにでもいる・・・

あるいは過去に似たような経験を抱えてる・・・

そんな彼らがアメリの小さな魔法で、

忘れかけていた夢や希望を見出していくのです。

そして、その小さな秘密を知っているのはデュファイエル老人ただ一人。。

 

デュファイエル老人がアメリにくれたとっても素敵なプレゼントが

アメリ自身を大きな幸せに導いていく感動のシーンは

おそらくこの映画を観ている誰もが心から願ってたことですよネ


『眠れる森の美女』

2007-02-12 23:45:59 | 懐かしの映画

 『美女と野獣』と並んで、大好きなディズニーの名作映画です

 

原作とは少々異なる筋立てが妙に新鮮な作品です。

16歳の誕生日に魔女の呪いにより眠りにつくのと、

王子様のキスで目覚めるという筋書きは原作通りではありますが。。

 

ヒロインはもちろんオーロラ姫

ただ、実際に活躍するのは意外と少なくて

森にイチゴ摘みに行くときくらいだったりして。。

でも映画の中でも最も美しく幻想的なシーンといっても過言じゃありません。

 

で。。実は、寧ろ脇を固めるキャラ達がとっても魅力的なのです。

まず婚約者のフィリップ王子様

他のディズニー作品に登場する王子様に比べると、

愛馬とのやり取りがユニークな、人間味溢れるちょっと三枚目キャラ。

 

実はオーロラ姫とは、幼い頃に親同士が取り決めた婚約者同士です。

でも、親が勝手に決めた事なんか従えるか・・とかなり熱血

で。。森の中で動物達と歌を歌い、ダンスを踊るかわいい娘さんを見て

思わず飛び出し・・・二人はたちまち恋仲に・・・

・・・って実はこの娘さんこそ、何を隠そうオーロラ姫だったりなんかしてますが。。

 

悪役の魔女マレフィセントに捕まって閉じ込められ、

眠りについたオーロラ姫を救いに行く邪魔をされますが、

三人の良い妖精のフローラ、フォーナ、メリーウェザーに助けられ

愛馬に跨り、颯爽とお城に駆けつけ、巨大なドラゴンに化けた

魔女マレフィセントに敢然と立ち向かうシーンはとってもカッコイイデス

 

この三人の妖精が、人間で言うなら50歳前後くらいでしょうか。。

妖精でこの設定(いわゆるオバサン)って珍しいと思いますが

本当に本当に魅力的で大好き

眠りについたオーロラを三人が優しく世話してあげるシーンなんて

大粒の涙をポロッと流して・・・あ~なんてかわいいのかしら。。

「あたしはただハッピーエンドに弱いのよ・・・」

予告編でもこのセリフ、流れてましたっけ^^

 

そしてこの作品の一番の魅力はやはりチャイコフスキーのあのメロディですよね^^

かなり編曲されてはいますが、やっぱり美しいメロディ・ラインは

何度聴いても心が躍り、夢とロマンの世界へ導いてくれます。  

・・・ということで。。暫しメルヘンの世界へ~ 

 

素材提供:AICHAN WEB


『心の旅路』

2006-12-08 11:09:11 | 懐かしの映画

 マービン・ルロイ監督、グリア・ガースン&ロナルド・コールマン主演映画。

あの名作『哀愁』で有名な監督ですが、個人的にはこちらの方が好きかも。

 

第一次世界大戦が終結しようという時代の物語です。

メルブリッジ精神療養所に、戦争によって総ての記憶を失った一人の男がおり、

自分の名前すら思い出せない彼は、スミスと名付けられてます。

彼はある日ここを抜け出し、終戦の祝賀ムードに酔う民衆の間をフラフラ彷徨う・・・

そこへ通りかかった一人の女性、ポーラが彼を助けるのです。

 

いつしか愛し合うようになった二人は一緒に暮らし始めます。

スミシーの書いた小説が売れ始め、子供も生まれ、

ささやかながら幸せいっぱいの二人でしたが、

新聞社と契約を結ぶために一人リヴァプールに訪れたスミスは

そこで交通事故に遭ってしまいます。

幸い大した怪我は無かったものの、なんとそこで戦争による記憶を取り戻し、

代わりにポーラとの三年間をすっかり忘れてしまうのです。

 

かつて住んでいたランダム・ホール・・・資産家の邸に帰り、

新しく始めた事業が軌道に乗り、社長として申し分のない生活を送る彼。

その彼の元にポーラは秘書マーガレットとして登場

彼女を見ても何も思い出さないチャールズ(スミシー)でしたが・・・。

 

彼が姪(だっけ?)キティとの結婚を決めた時のポーラの気持ちはいかばかりか。

でもこのキティも素敵な女性でした。

「あなたにとって私は二番目なの。二番目で生きるには

人生はあまりにも長いわ」

目には見えなくても、彼の心の中に住むポーラの存在を感じていたのですね。

 

でもやはりなんてったってグリア・ガースンが素晴らしいです。

三年間の空白を伝えるのでなく、自ら思い出すまで近くでジッと耐え忍ぶ・・・。

スミシーでなく、チャールズから受ける二度目のプロポーズのなんという味気なさ。

それでも彼を責めることなく、見守り続けるポーラの切ない女心。。

 

二人はやがて政界にも進出、多くの人に慕われ、

誰からも羨ましがられる存在となっていきますが、

大統領を迎えたパーティの夜、ポーラは耐え切れなくなり、一人旅立ちます。

 

も~ここからの展開は見事ですね。。

結末が予想出来ても・・・それでも泣かずにいられない・・・。

流石マービン・ルロイ監督

それにしても戦争の残す傷跡とは、なんと深くて残酷なのでしょう。

真に平和な世の中になってほしいと切に願わずにいられません。


『市民ケーン』

2006-12-05 13:49:07 | 懐かしの映画

監督・脚本・主演・・・オーソン・ウェルズ、音楽・・・バーナード・ハーマン。

 

冒頭、アメリカの新聞王ケーンの死からこの映画はスタートします。

死の床にいる彼が持っていたガラス玉が手から滑り落ち、

ガラスが割れて白い粉が舞い散り、やがて雪に・・・。

「薔薇のつぼみ・・・.」

 

ケーンの残した最後の謎の言葉を巡り、物語は展開されます。

記者トンプスンが生前のケーンの周辺の人々に取材していくうち

徐々に孤独な男の姿が浮き彫りにされていく・・・。

 

一度は大統領最有力候補にまで登り詰めたケーンですが

突然のスキャンダルで失墜!

このスキャンダルが表沙汰になる前夜の男二人、女二人で交された

緊迫したやり取りはケーンにとってのターニング・ポイントだったのかな。。

その後のケーンの生き方はも~意地にしがみついて哀れでしたね。

二度目の妻で下手なオペラ歌手スーザンの人生まで狂わせてしまいます。

 

ケーンの後見人サッチャーの手記から、ケーンの少年時代の悲しい事実を

トンプスンは知りますが、まさにここのシーンこそ、謎を解く鍵なのですね。

それにしても・・・なんて冷たい親なのでしょう。

愛を知らずに育ったケーンは、人を愛することを知りません。

 

最後、大邸宅の遺品整理が行なわれ、暖炉に次々投げ込まれ

燃やされていく廃材・・・。

その中の一つ、幼いケーンが持っていたスキーのそりに書かれていた言葉が

クローズ・アップされ・・・エンド・ロール。。

 

 

早熟の天才、とでも言うのでしょうか。恐るべし!

若干26歳の若さで映画史に残る名作映画を作成してしまったオーソン・ウェルズ。

パン・フォーカスと言われる、今では当たり前のように使用されてる撮影法で

見事に演出した冒頭の独特の雰囲気は、今観ても圧巻です。

ちょっとレベッカを彷彿とさせますね。

 

青年時代から老人まで演じたオーソン・ウェルズの素晴らしい演技!

でも老人にしてはお肌がとっても綺麗でしたっけ^^;

回想シーンと現在が複雑に交差しつつ、パズルを当てはめていくように

徐々に浮き彫りにされていくケーンの孤独な生涯・・・。

 

でも最初観たとき、なんで映画史に残る金字塔!大傑作!

とまで言われるのだろう・・・?とちょっと不思議だったことも事実です。

ところがですねぇ。。

この映画の製作された背景、状況を知り、何が言いたかったかを理解して

再度挑戦してみると、この映画の深さ、素晴らしさがじわじわ迫ってくるのです。

 

映画の中では「薔薇のつぼみ」の謎は、謎のままで、

映画を観ている観客だけに分かるようにされた演出・・・

冒頭のガラスが割れた雪のシーンと、中間の少年ケーンのそりのシーン。

そしてラストのクローズ・アップされた燃えていくそりのシーン。。

 

ケーンの悲しみ、深い孤独が痛い程に伝わってくる見事な演出は

やはり映画史上の金字塔と呼ばれるに相応しい作品だと思います。


『戦争と平和』

2006-09-14 13:25:10 | 懐かしの映画

 原作レフ・トルストイ、監督キング・ビダー

オードリー・ヘップバーン、ヘンリー・フォンダ、メル・ファーラーの豪華共演

 

破竹の勢いで進むナポレオンのロシア侵攻を背景に、

ナターシャという一人の女性の生き様を描いた大作です。

 

この時のヘップバーンは輝いてましたね~。

お相手がなんてったってメル・ファーラー

出会った日の夜、いつまでも眠れなくて窓から身を乗り出し

すぐ下で彼に聞かれてるとは知らずに異性として意識した女心を嬉々として語り、

夜空を見上げて飛びっきりの笑顔を見せるヘップバーンの愛らしさ

 

そして極めつけは舞踏会のダンス・シーン

ふいに現れた真っ白な凛々しい軍服姿・・・「お願い出来ますか?」

う~ん。。素敵ですねぇ。。

数ある映画のダンス・シーンの中でもマイ・ベストかも~ 

ヒラヒラ妖精のように舞うヘップバーンを見つめながら密かに語る心の声・・・

 

―――彼女と踊る喜び―――まるで春を腕に抱いているようだ―――

―――リラの花束か―――愛らしい子猫―――

―――次のターンで微笑んだなら―――結婚しよう―――

 

まるでその声が聞こえたかのように次のターンでヘップバーンが魅せた

眩いばかりに光り輝く笑顔

 

悲しい運命のいたずらにより、数々の試練を受けつつも

大変な時代を精一杯生き抜いたナターシャは、

トルストイの作品のヒロインの中でも極めて魅力的です

 

傷ついた兵士達を馬車に乗せる為にすべての家財を捨てていくシーン。

思わず反対しかける母親に「この中にもしニコライ(兄)がいたら・・・?」と説得。

「・・・そうね。」ふわあ~っと見せた笑顔のなんて素敵だったこと^^。

実はこの負傷兵の中に愛しい人がいたことを知らないナターシャ・・・。

なんていうか・・・流石トルストイ。

深い意味合いを含んだシーンだったりしてますね。。

 

圧倒的な戦力でロシアを降伏せしめた・・・と思いきや、

さしものナポレオンもロシアの大地、冬将軍には勝てず。。

でも・・・ロシアの事をここで書くのって、今はご法度ですね

 

長い苦難を乗り越え家族みんなで懐かしの我が家へ・・・。

見るも無惨に崩壊しかけた我が家を眼前に呆然と立ちすくむ両親を励ますように

率先して「家の中を見てくるわ」と言って次々みんなに指示を出すナターシャ。

そして感動のラスト・シーン

 

原作のスケールの大きさを見事に映像化したこの作品、

戦争物でありながら非常に美しい・・・

そして私にとって、なんともいえない郷愁に襲われてしまう映画なのです。


『疑惑の影』

2006-08-26 22:52:46 | 懐かしの映画

 ヒッチコック監督、ジョセフ・コットン&テレサ・ライト主演作品。

 

ヒッチコック監督のお気に入りだそうです。

日本でヒッチコック監督の名前が広く知られるきっかけになった作品

とも言われてますね。

 

でも・・・・実はこの作品、あまりよく覚えておりません^^;

ただ印象的だったのが”メリー・ウィドウ”を効果的に使用してた事。

このオペレッタを知らない方も、この映画で使用された曲って言えば

なんとなくイメージが沸くのでは?^^

メリー・ウィドウの陽気なワルツに合わせてダンスを踊るシーンが冒頭に流れ、

この作品に未亡人が絡んでいる事を暗示していたそうです。

 

大好きな叔父が実は殺人鬼なのでは?

という恐ろしい疑問に苛まれ、不安に怯える可憐なヒロイン。

でも確か、ヒッチコックの大好きな金髪じゃないのですね~ 

そしてあの『第三の男』では脇役(?)だったジョセフ・コットンがここでは主役です。

 

そうそう。。

ちょこっとだけ加筆しちゃいましたヨ~、メリー・ウィドウ

ヒッチコックもお好きだったのかしら^^


『グローイング・アップ』

2006-07-21 14:54:15 | 懐かしの映画

  ボアズ・デヴィッドソン監督作品。

1958年のイスラエルを舞台に、若さ溢れるティーン・エイジャー達の

ちょっぴりほろ苦い青春の一ページを描いた作品です。



ベンジー、ヒューイ、ボビーの悪がき三人組&美少女ニキ。

オールディーズが全編に溢れて独特の雰囲気が素敵でした。

ベンジーとニキの自転車の二人乗りは妙に鮮明に覚えています。

「明日に向かって撃て!」の中の自転車の二人乗りシーンもそうでしたが

日本と違って前に乗せてあげるのですね。

登校中に自転車に乗ったベンジーが前を歩くニキに声をかけ、

乗せてあげるのですが、その時のベンジーのなんとも嬉しそうな様子

う~ん。。青春だわぁ。。

 

そしてあまりにも哀しいラストの悲哀。

愛するニキの為にあんなに尽くしたのに・・・あ~なんてこった!!

でも・・・ニキの気持ちも切ないくらいに分かっちゃったりなんかして・・・

恋は盲目、とはよく言ったもんですな。。



ラストに流れるBGM「ミスター・ロンリー」がなんとも心に染み入る

とっても印象的な作品でした。


『テス』

2006-06-30 12:54:44 | 懐かしの映画

 トーマス・ハーディ原作の名作を、ロマン・ポランスキー監督が映像化!

かなり原作に忠実ですね。非常に悲しいお話です。

 

そしてこの美しい桜の画像は、日頃お世話になってる、る~さんからお借りしました。

なぜに桜??

そんな声がどこからともなく聞こえてきそうですが^^;

ヒロイン、テスのあまりにも儚く散った人生を思うとき・・・

なんとなく合うような気がして・・・。



貧しい農家の娘テス。

美しく清純そのものでしたが、哀しい運命に翻弄されて

人生を狂わされていくのです。

ダーバビル家の一人息子アレックとの情事、妊娠、出産、そしてその子の死。

ま~、このアレックのなんと執拗なこと。。

まさにストーカーの奔り・・・ですね。



新しく出直すテスの前に現れた理想の男性エンジェルと恋に落ち、

今度こそと幸せを願ったのもつかの間・・・。

いつの時代も女性の過去って(男性も?)二人の間に付き纏うもの・・・。

価値観の違いばかりはどうしようもないのでしょうね。

それにしても・・・そんなに許せない??

 

そして自分の間違いに気付き、再びテスの元へ戻ったエンジェルですが

あ~既に時遅し。。

遂に殺人まで犯してしまうテスは最後には・・・?

 

清純そのもののハズだったテスの人生。。

どこでどう狂ってしまったのでしょう・・・。

トーマス・ハーディの言わんとしているメッセージが

ビシビシ伝わってくるような作品でした。。



なんともやり切れない内容ですが、映像の美しさは特筆物です。

ナスターシャ・キンスキーが苺を唇に近づけていくあの名シーン。

エンジェルがテスをお姫様抱っこして川を渡るシーン。

まるで絵のようでした。


『サスペリア』

2006-06-23 10:56:43 | 懐かしの映画

 ダリオ・アルジェント監督作品・・・イタリアのホラー映画です。

 

「決して一人では見ないで下さい。」のキャッチコピーで、

当時話題を独占してました。

そもそもホラーは苦手なのですが、バレエ学校を舞台にした作品、

という事で妙に興味をそそられ 

なぜか一人で見に行ってしまいました~。。

 

なんていうか・・・今思い返せば突っ込みところ満載なのですが

ゴブリンの不気味な音楽と、赤と青の鮮烈な画面は強烈でして・・・

五感にビンビン訴えかけてくる作品でした。

 

冒頭の派手な空港から一転、雷雨が降りしきる中、

タクシーでバレエ学校へ向かう道中の暗闇、

漸く辿り着いたバレエ学校の赤い建物とインターホン越しの拒絶の言葉。

薄気味悪い森を何か叫びながら少女が逃げていく光景等、

どことなく御伽噺のような様相を呈した印象を最初に強烈に打ち込まれます。

もちろんホラーですから、気持ち悪いシーン、怖いシーンも沢山ありまして

心臓が弱い人は観ない方が良いでしょうね。。

特にヒロインの友人サラが落ちこんだ「ワイヤーの部屋」!

ステンドグラスを使った残虐な殺戮シーン!!

ゾゾ~ッ

 

このバレエ学校で次々起こる殺人事件や怪奇現象の謎が最後に明かされますが

ほとんどの方がご存知の通り・・・悪魔崇拝の館だったというおぞましさ。。

「青いアイリス!青いのを回すのよ!」

この回想シーンに至るまでの緊迫感も中々凄かったです。

ただ・・・二度と観たいと思いませんが・・・


『美女と野獣』

2006-06-17 22:42:17 | 懐かしの映画
 ディズニー映画の中でも最も好きな作品です~。。

 

数年前にも、今は閉鎖してしまった新宿アイマックス・シアターで上映され、

お正月の忙しい時期だったにもかかわらず・・・勇んで行ってしまいました

巨大スクリーンで繰り広げられる三次元の素晴らしい映像を思う存分堪能し、

あ~。。ディズニー映画って本当に美しいな~。。と改めて感動したものです。

 

オープニングの不気味なBGMに合わせて語られるナレーション・・・。

「昔むかし、ある国に一人の・・・」から始まり、

21歳の誕生日までに心から人を愛し、愛されなければ、永遠に野獣のまま・・・

ここから一気に「美女と野獣」ワールドへ惹き込まれてしまいます。

 

この作品の原作はボーモン夫人によって書かれた童話です。

もしこの原作に忠実に製作していたら「美女と野獣」は

この上もなくつまらない作品になってしまったと思われます。

事実、何度か製作を断念しているのですね。。

でも沢山の人達の愛情と情熱により、ミュージカル映画として

生き生きと蘇ったそうで、そのいきさつをDVDを購入して初めて知り、

私の中で、この映画に対する思い入れが更に深まったのは言うまでもありません。

 

お城の愉快な住人達・・・。

ポット夫人、チップ、コグスワース、ルミエール、etcetc・・・。

それぞれが個性的で面白い。。

実はそれぞれのキャラに一人づつ担当がいて、

どうすれば自然に動かせるか、その個性を生かせるか、

という事を研究し、試行錯誤を重ねたそうで、流石・・・見事ですね~。

 

この映画の最高にロマンティックなシーン・・・。

ボールルームで、ポット夫人の歌をBGMに、

ベルと野獣がダンスを踊るシーンの本当になんて美しいこと。。

あらゆる技術を総動員して見事な三次元の空間を創りだす・・・。

ディズニー映画史上、最高の名シーンだと勝手に思ってます

 

そして特筆すべきはラストに向けての戦闘シーン&変身シーン。。

ここの辺に差し掛かると、涙もろい私はも~ダメです

映画にとって音楽は命、といっても過言じゃないと思いますが、

実に効果的に使用されてますね。

とにかく音と映像の魔力に圧倒されっぱなし・・・

 

セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンの素晴らしいコラボレーションが映画を彩り、

いつまでもいつまでも余韻に浸っていたくなる、大好きな映画です

 

素材提供:AICHAN WEB


『七年目の浮気』

2006-05-25 12:22:36 | 懐かしの映画

 ビリー・ワイルダー監督作品、マリリン・モンロー、トム・イーウェル主演です。

 

妄想狂・・・と言って過言でない想像力豊かな夫役、トム・イーウェルと

同じアパートに引っ越してきた絶世の美女役、マリリン・モンロー。

 

出版社に勤める中年の会社員リチャードは、

妻子を避暑に送り出した後、彼のアパートの階上に

お色気たっぷりの美女が引っ越してきたことを知ります。

思わず浮気の虫が暴れだしたリチャードさん。

彼女を映画に誘い、冷房のきいた涼しい部屋で誘惑・・・。

 

この主人公の妄想ぶりがたまらないのですね^^

もおっ!男ってまったくぅ~、なんて思いつつ・・・

でも笑って許せるのは映画だからか?ワイルダー監督の手腕によるのか?

 


私が初めてマリリンを知った映画です。

世間で知られていたイメージとあまりに違うかわいらしい雰囲気に

かなり衝撃を受けました。。

ラフマニノフをギャグで使用しても全然嫌味に感じない^^

一つ一つのフザケタ台詞もサラッと言えてしまう愛らしさ。

以来、マリリンのファンであり続けてます

 

でも例の地下鉄の排気口のシーンが元で離婚に繋がったのは

なんとも残念でしたね。。


『草原の輝き』

2006-05-09 16:23:28 | 懐かしの映画

 監督エリア・カザン、原作・脚本ウィリアム・インジ

ナタリー・ウッド&ウォーレン・ビューティの美男美女コンビです~。。  

 

時代は1972年、高校生のバッドとディーンは恋人同士。

ディーンは厳格で保守的な母親の影響の為か

バッドの望む肉体関係を拒み続けてます。

色々な意味で多感な時期の男性の性・・・。

肉体関係に関して欲求不満の彼は他の女の子と付き合うようになってしまいます。

狭い片田舎・・・。たちまち人々の心無い噂が広がっていく・・・。
 


ディーンにとって何もかもが辛く苦しく、次第に窮地に追い込まれていきます。
 
精神を病み、自殺未遂まで起こしてしまい、サナトリウムに入院。

心ならずも別れる以外、道は無くなってしまう二人。

なんていうか・・・今の時代にはちょっと考えられない展開かもですね。。 

 

やがて時は経ち、ディーンも回復の兆しを見せ始め、笑顔を取り戻します。

理解ある素敵な婚約者も現れ、美しい大人の女性となって、再び故郷へ・・・。

そして、その街で結婚したバッドと再会するのです。

語り尽くせない想いを込めて見つめ合う二人・・・。
 

 
   草原の輝き 花の栄光

   再びそれは還らずとも

   なげくなかれ

   その奥に秘められたる力を見い出すべし 


 
このワーズワースの詩が描く世界そのものの、
 
青春の苦い一頁を描いた、とても瑞々しい作品でした。
 
私の中では、ナタリー・ウッドの哀しいまでの透明感が
 
妙に心に残っている作品です。
 
 
 
素材提供:ゆんフリー写真素材集

『ペーパー・ムーン』

2006-04-28 23:29:44 | 懐かしの映画

 ピーター・ボグダノヴィッチ監督作品。

ライアン&テイタムのオニール親子共演のこの映画。

もうほとんどまともに覚えてないくらい、遠い昔の記憶です~。

テイタムがとってもかわいくて・・・泣かせてくれましたっけ。



一言で言うなら、詐欺師のロード・ムービー・・・。

でもとても心暖まる作品です。。

下記の詩は以前も別の記事でご紹介しましたが、

とても素敵なので再び掲載しちゃいます^^ 

 

   「It’s Onry a Paper Moon」

 

 紙でできた月がボール紙でつくった海の上に浮かんでいるけれど

 ぼくを信じてくれるなら、あれは本当の月になるんだ、

 布でつくった空の下に、布でつくった木が一本立っている、

 でもそれだってぼくを信じれば、本物の木になるんだ、

 まるで仮装行列か、ジュークボックスのメロディーか、

 サーカスの見世物のような、いんちきのかたまりみたいなこの世の中も、

 きみがぼくを愛してくれるなら、すべてが本物になるんだよ


『モダン・タイムス』

2006-04-21 11:38:58 | 懐かしの映画

 製作・監督・脚本・作曲・・・それにもちろん主演も チャールズ・チャップリン

ポーレット・ゴダードをヒロインに迎えて、

機械化されていく世の中に対する痛烈な風刺を描き、話題になった作品です。

 

巨大な歯車の機械の中を人間が巻き込まれて泳いでいくシーン。

デモ隊の行進にいつの間にか巻き込まれ、

共産主義のリーダーとして逮捕されてしまうシーン。

ウェイターとして、ロースト・ダックを片手に運ぶ途中、

ダンスの渦に巻き込まれ、延々とフロアを泳がされるシーン等々

笑いの中に、なんとも言えない悲哀というか、警告というか・・・

これらを見事に表現するチャップリンの素晴らしさ。。

凄いです~。

機械化されていく事に対する不安を、1936年の頃から感じ

警告していたチャップリンの先見の明には敬服せずにはいられません。

 

それにしても、歌詞を忘れて勝手に作詞した「ティティーナ」を

歌い踊って大喝采を浴びた、初めて聴かせてくれたチャップリンの肉声シーン

ちょっとした感動でしたっけ。

ポーレット・ゴダードの野性味溢れる演技も、とても魅力的でした

そうそう。。

二人が海辺の掘っ立て小屋でいたわり合いながら生活するシーンもとても好き

そして「スマイル」をBGMに二人が並んで去っていくラスト・シーンの

なんと印象的だったこと。。

 

おそらくチャップリンの作品の中でも、当時としては危険な部類に属してしまい

またトーキーに移行していく時代でもあった為に、評価は最悪だったようですね。

それにしても・・・凄い役者さんです。。


『若草の頃』

2006-04-06 19:28:11 | 懐かしの映画

 1944年にアメリカで製作されたミュージカル映画です。

監督はヴィンセント・ミネリ、ヒロインはジュディ・ガーランド。

ちなみにこのお二人はこの後、めでたくゴールインしてるのですね^^

 

映画の中の設定は二十世紀初頭のセントルイス・・・

万博を前に沸き立つ街が舞台です。

四人姉妹に兄弟二人(?)、両親とおじいさんにお手伝いさん一人、という構成の

中流家庭、スミス一家の一年間を、季節ごとに描いていて、

全体的に華やかで楽しい雰囲気の作品です。

時代設定からしてもオースティンの描く世界と限りなく近く、

華やかなドレス、ホーム・パーティ、手作りケーキ、市電、馬車等

何もかもが素敵です

 

ジュディの歌う数々の名曲・・・。中でも博覧会場へ向かう市電に乗って歌った

「トロリー・ソング」は恋する乙女全開!溢れんばかりの歓喜で

高揚する心そのままに歌い挙げていて、

聴いていても嬉しくて自然に微笑が浮かんでしまうくらい。。

 

このスミス家の長女二人と長男が主催したパーティ・シーンも

歌とダンスで華麗に展開されますが、

飛び入り参加した一番末っ子役オブライエンは最高にキュート

まるで赤ちゃんのように幼い、けど小生意気な表情が小悪魔めいていて

ジュディ・ガーランドと歌い、踊ってもひけをとりません

さすが天才子役と言われただけありますね。。

 

一家のお互いを思いやる様は幾度か涙してしまうくらい暖かく

父親の転勤を巡って一時情緒不安定になる家族みんなが

再び心を通わせていく情景はとても素敵でした。

 

そういえばパーティの準備に長女が次女にコルセットを締めてあげるシーンが

登場しますが、「風と共に去りぬ」でも冒頭でありましたね^^

あんな風に腰をぎゅうぎゅう締め付けるなんて・・・と思いつつ

ボンッ、キュッ、ボンッ!という素敵なスタイルで女王様のように美しい

ジュディ・ガーランドに、終始目は釘付けでした

 

恋人のニアミスにより、一度はパーティに出席する事をあきらめかけたジュディ。

救いの手を差し伸べてくれたのは一緒に住むおじいちゃま。

この時ばかりは粋でダンディなおじいちゃまに喝采を送りたくなりました^^

そしてこのパーティ・シーンも・・・う~ん。。美しかったです~。。

 

本当は父親の栄転で、大都会ニューヨークへ一家みんなで引っ越す予定でした。

なので、このパーティがセントルイスでの最後のパーティになるはずでした。

が。。家族みんなの思いを察したお父様が、

栄転を蹴ってセントルイスに死ぬまで住み続ける事を宣言するのです。

この時のオブライエンの演技は、とても子供と思えないくらいの迫力でした。

 

ラストは万博の開催会場に、家族みんなで出掛けて行くシーン。

この時の衣装も、ま~。。なんて素敵だこと。。

真っ白なドレスに真っ白な帽子、レースがふんだんに使用されていて

馬車に乗る時に自然とペティコートがふわっと広がる様は優雅そのもの。

 

とにかくジュディ・ガーランドの魅力満載のこの映画。

どうか機会があったら是非見て下さいな^^