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プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

トスカ

2007-02-15 10:12:13 | オペラ&バレエ♪

 プッチーニ・オペラの最高傑作の一つですネ。

これまた様々なすったもんだがありました(笑)作品です。

 

このオペラの根底にあるのは政治と恋。

今でこそ・・・というか現在の日本ではとりあえず思想の自由が確保され、

思う存分好きな事が出来、発言が許される民主主義の時代ですが、

現代の日本からは想像もつかない暗黒の政治が

今もなお存在してるのですね。。

こういう場所に生まれてしまったら、何がきっかけで政治犯扱いにされ、

投獄、拷問、処刑!というおぞましい事態に陥るか分かりません

でもつい数年前の日本もそういう時代でしたっけ・・・

 

 全三幕ですが手抜き~

 

  ゜'★,。・:*:・'。・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆ あらすじ ☆。・:*:・゜'★,。・:*:・'。・:*:・゜'★,。

 

 舞台は1800年,革命派と王党派が対立し合うころのローマ。

革命派の画家カヴァラドッシは,脱獄囚の同志

アンジェロッティを匿いますが、こそこそとしたやり取りを

恋人の歌姫トスカに浮気しているのだと勘違いされてしまいます。

 

ここのシーン。トスカの嫉妬深さ、率直さ、気取りの無い性格を

見事に現してますね^^。

カヴァラドッシが熱心に描く女性のモデルはアッタヴァンティ夫人・・・。

「僕が愛するのは君だけだ」――― 「でも目は黒くしてね」

 

王党派の警視総監スカルピアはこのトスカの嫉妬心を、

扇を小道具に利用して、カヴァラドッシの隠れ家を探し出します。

なんか・・・「オテロ」の逆バージョンですねぇ。。

 

ところが隠れ家は探し当ててもアンジェロッティは見つからず・・・

なんとスカルピアは、カヴァラドッシを連行して拷問にかけ、

その様子をトスカに見せて苦しめたあげく、

彼女から脱獄犯の居場所を聞き出すのです。

 

激しい拷問に苦しむカヴァラドッシですが、トスカがアンジェロッティの

隠れ場所を言ってしまったことに憤り、トスカを激しくなじります。

そんな時にナポレオン勝利の知らせが・・・。

今はこらえて喜ぶんじゃないよ~カヴァラドッシ!

・・・という私の心の叫びも虚しく・・・

「やったぞ!ザマーミロ!!」くらいの事を叫んで狂喜

怒ったスカルピアは、カヴァラドッシにあっけなく死刑宣告。

 

カヴァラドッシは連れ去られ、部屋に残ったスカルピアにトスカは言います。

「おいくら?」・・・お~っ

「欲しいのはあなただ」・・・

ここで唄うのがあの有名なアリア 「歌に生き、恋に生き」です。

 

 歌に生き、恋に生き、決して悪いことはしませんでした―――

―――なぜこのような試練を与えられるのでしょう・・・!

 

トスカにしてみれば、このような事態に陥ってしまった意味が、

突然襲い掛かってきた不幸が、理解出来ないのでしょう。

そりゃ~女なら誰だってそう・・・ですよね~

スカルピアの変態ジジイッ

 

トスカの肉体と引き換えに、銃殺を演出するというスカルピア。

「パルミエーリの時のように」

謎の指示を聞いた段階で疑うべきだったのに、

この言葉をそのまま信じてしまったのは・・・信じたかったからでしょうね

でもスカルピアもバカですねぇ。。

おそらく欲情に目が眩んでいたのでしょう

「これがトスカの接吻よ!」

卓上のナイフでスカルピアを刺殺するトスカ。

 

処刑場にかけつけたトスカは、カヴァラドッシに、

銃殺刑は空砲で、その後は国外に脱出できるのだと告げます。

しかし・・・実は銃は実弾でした。彼は本当に処刑されてしまったのです。

恋人の死を知って絶望したトスカ

スカルピア殺害を知った追手の声を背に、

彼女は城壁から身を投げるのでした・・・。

 

 ,。・:*:・'。・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆ あらすじおしまい ☆。・:*:・゜'★,。・:*:・'。・:*:・ 

 

凄まじい内容ですが、その音楽の美しさはまさにプッチーニ節全開

荘厳で重々しい官能美に、否が応にも壮絶な愛の世界へ

導かれてしまいます。

「妙なる調和」「愛の二重唱」「テ・デウム」 「歌に生き、恋に生き」etcetc

中でもカヴァラドッシが絶望の中歌う「星は光りぬ」は・・・泣けますね。

 

   ―――時は過ぎ去り 絶望のうちに私は死ぬ

   今までこれ程 命をいとおしく思った事はない

 

それにしてもなんという不条理な世界

普通に生きてきただけなのに・・・切ないですねぇ。。

 

余談ですが・・・フィギュア・スケート2004年全米選手権で

ミシェル・クワンがこのトスカで見事!ダントツの優勝を飾りましたっけ。

あの時の光景はあまりにも強烈で、今も忘れられません。

踊り終わった直後、まるで「やったぜ!見たか!このヤロー!!」

って叫ぶような勢いで拳を握り締めて突き出してた姿。

まるで何かを振り切るような・・・あるいは何かに立ち向かった後のような

毅然と頭を振り上げたあの雄姿

観客も騒然!総立ち!狂喜乱舞!!凄かったな~。。

次々まるでやけくそ(爆)のように花束がリンク内に投げ入れられ、

その中央で恍惚となってたクワンは・・・

まさに絶望の中で激しく抵抗し続けたトスカのようでした。

 

素材提供:AICHAN WEB


トゥーランドット

2006-12-02 23:49:01 | オペラ&バレエ♪

 プッチーニの遺作です。

 

実はこの作品。最後まで作曲出来ないまま、亡くなってしまったのですね。。

でも彼の友人でもあり、有能な作曲家でもあったフランコ・アルファーノが

プッチーニの残した草稿に従って最後まで書き上げました。

そのゆえもあるのでしょうか。。

少々(かなり?)ぶっ飛んだストーリー展開ですが、ヒューマニズムに溢れ、

随所で涙を誘われ、最後は大感動・・・という不思議な(笑)作品です。

そして数あるオペラの中でもこれはかなり派手・・・いえ、絢爛豪華ですね。。

何はともあれ、プッチーニの音楽の素晴らしさを改めて実感するオペラです

 

ところで本年も残り一月月日の経つこと、なんて早いのでしょう。。

今年も本当に色々な事がありましたが、格別に嬉しかった事の一つに

荒川選手の金メダルを挙げない人はいない・・・と思われます。

・・・ということで。。トゥーランドットです

 

     第一幕

 

遠い昔、支那の都、北京の城壁の側の広場。

真っ赤な夕陽が沈もうとしてる時、この広場は大勢の群集で埋め尽くされてます。

そこへ大きな銅鑼の響きと共に登場した役人が、皇帝の布告を読み上げます。

 

「王女トゥーランドット姫は、王家の血をひく者の中から、姫の出す三つの謎を

解いた男を夫にするが、もしその謎を解けない場合、直ちに斬首の刑に処する、

そして既に立候補していたペルシャの王子が、今夜月の出と共に首を斬られる」

群集は大騒ぎです

その大混乱の渦の中から「下敷きになった老人を助けて!」という娘の悲鳴が

悲鳴を聞きつけて駆け付けた一人の青年は、なんと老人の息子でした

な、なんという偶然・・・でもオペラってこういうパターン、結構ありますネ

老人はダッタンの旧王ティムール、青年はその王子カラフ、

娘はティムールに仕える忠実な奴隷女リューです。

敗戦して祖国を追われ、放浪の身である三人は、偶然の再会に喜び合います。

 

と、その時、死刑執行のドラムと共に首切りの役人と兵士達、

ペルシャの王子が登場

カラフを先頭に、群集の「恩赦を」の叫びがこだまし、月光に照らし出された

世にも美しいトゥーランドット姫が、宮殿の柱廊に姿を現しますが、

民衆の嘆願を傲然とした身振りで退け、死刑は執行されてしまいます。

 

ところが、なんとカラフ王子。。トゥーランドット姫に一目ぼれしてしまうのです

なんとしても姫の出す三つの謎を解き、結婚すると宣言するカラフ。。

もちろん、ティムールとリューは必死で止めます。

でも姫の美しさの虜になったカラフは既に決意してしまい、

立候補することを告げる大きな銅鑼の前に歩みよるのです。

と・・カラフの前に三人の奇妙な男達が飛び出してきて押し留めようとします。

この奇妙な三人組の名前はピン・ポン・パン

いえ、立派な大臣達ですヨ、一応。。

 

三人は、これ以上死刑執行したくないのです。なんとかして止めさせたい。

かわるがわる王子をからかいつつ、妨害するピン・ポン・パン

今度は城壁の上の亡霊達が「早く姫を呼び出せ!愛する姫に会いたい」

と口々にこだまする・・・。思わず「姫を愛するのは私だけだ!」と叫ぶカラフ。。

そうこうするうち、たった今斬首したペルシャの王子の生首を持った役人が現れ、

それを見たティムールとリューは再度カラフを止めようと説得を試みます。

この時リューの歌う「王子様お聞きください」は・・・素晴らしいです。

王子も激しく心を動かされたように見えます・・・が

「泣かないでくれリュー」と、ティムールを守ってくれるようにと浪々と歌い

遂に銅鑼を三回連打してしまうのです・・・

 

     第二幕

 

舞台は立派な館の一室。

ピン・ポン・パンの三大臣がコミカルに歌い踊る楽しいシーンです。

でも歌の内容は凄いんですヨ~。毎年毎年立候補する王子が増えていき

もう既に20人もの首を切ってしまった・・・という内容ですから

でも本当はこんなこと、したくないのです。故郷に帰りたい、

姫も早く氷が解けて幸せな結婚をしてほしい・・・そう望んでいるのです。。

 

舞台は変わって宮殿の前の大広場。

群集の歓呼の中、仰々しい儀式が行われ、老皇帝アルトゥム登場

大変な老齢で、痩せ細った皇帝ですが、妙に神々しい。。

再度、カラフに思い止まるよう、説得をします。

カラフの決意が微動だにしない様を見てあきらめ、漸く登場したトゥーランドット。

姫は、このような残酷な方法で夫を選ぶに至った経緯をおもむろに語り、

「私の謎は三つ!死は一つ!」と宣告します。

「謎は三つ、生命は一つ」とすかさず切り返すカラフ。

やがて出された三つの謎を見事に解いてしまうのですネ。。

 

ところがプライドをずたずたにされたトゥーランドット姫。

「王女たる自分が素性も知らない異国の男の妻になるなど断じて有り得ない!」

と皇帝に訴えます。もちろん認められません。

ところがカラフが言います。「今度は私が一つ、謎を与えましょう。

私の名前は何か?もし夜明けまでに謎が解ければ私の命を差し上げましょう」

 

     第三幕

 

さ~姫としてはなんとしても王子の名前を探り出さなければなりません。

今夜北京では、あの王子の名前を探り出すまで、誰一人眠ってはならぬ、

という厳命が下されるのです。・・・なんてめちゃくちゃなお姫様だ。。

この時、カラフが歌う歌があの「誰も寝てはならぬ」です

 

さて、ピン・ポン・パンの三大臣。名前を探り出せなければ斬首です

なんとかしてカラフを誑し込もうと、美女や黄金で買収しようと試みます。

それがダメとなると脅したりすかしたり群衆と共に哀願したりと必死です。

いささかも動じないカラフでしたが、遂に試練が訪れるのですネ。。

なんと年老いたティムールとリューが兵士達に荒々しく引き立てられて来たのです。

前日、城壁の側で二人がカラフと話しているのを見た者がいたようです・・・。

 

カラフは二人をかばって「彼らは知らない!」と訴えますが、

その様子を見て確信を持ったピンがトゥーランドットを呼びます。

ティムールに激しく詰め寄るトゥーランドット。

苦しげなティムールの様子に思わずリューがトゥーランドットの元へ駆け寄り、

「この方のお名前は私だけが知っております。」

「でもそのお名前を私だけのものにして胸の中に秘めておきます。」

怒り狂った兵士達はリューを取り押さえ、かばおうとしたカラフも捕えられ

大変な修羅場と化す広場。。

どうしても口を割ろうとしないリューに不思議そうな眼差しを向け

トゥーランドットは聞きます。「一体お前にどうしてそのような勇気があるのか?」

「それは愛の為でございます。」とキラキラ輝く瞳で答えるリュー。

愛を知らないトゥーランドットの怒りは頂点に達し、興奮した群集も加わって

「その女を拷問にかけろ!」

 

苦悶しながらリューはトゥーランドットに最後の哀願をしつつ、

兵士の腰から短剣をひったくって我が胸に突き刺し、死んでしまうのです。

悲しみと憤りの炎と化したティムールが叫んだ言葉・・・

「この小さな魂はお前達を呪うだろう」は群集を我に返らせ、

「私達をどうか許して下さい」と二人に歩み寄り、リューの亡骸を抱えて

一同厳粛に立ち去っていきます。

三大臣ピン・ポン・パンも、今まで死を笑って冗談にしてきたけど

今回ばかりは流した血の重さを感じる・・・と神妙です。

 

このシーン。。純粋なリューの真情に心を動かされない人なんているのでしょうか。

このシーンばかりはリューが完全に主役ですね。

 

呆然と一同を見送るトゥーランドットに、カラフは情熱的に

「氷に閉ざされた心の扉を開くのだ!」と叫び、

抵抗するトゥーランドットを半ば無理やり抱きしめ口づけを・・・

生まれて初めて味わう愛の喜びに目覚めたトゥーランドット。

その不思議そうな清純な様子に心を打たれ、カラフは叫びます。

「私の名前はカラフ!ティムール王の王子だ!」

「名前が分かった!」と勝ち誇るトゥーランドット。

 

舞台は再び宮殿前の大広場。

大勢の貴族や高官を従えたアルトゥム皇帝が着座し、群集が居並ぶ中、

大階段の上に立ったトゥーランドットは誇らしげに告げます。

「約束の朝、私は彼の名を知りました。その名は・・・愛

歓喜に溢れたカラフが大階段を駆け上がり、熱い抱擁を交わします。

そして全員で大合唱するのは、あの「誰も寝てはならぬ」のメロディで

別歌詞バージョン「永遠の命を持つ太陽よ」

 

このオペラ、突っ込みどころは満載なのですが

細かい事に気を取られずに素直にトゥーランドット・ワールドに身を委ね、

素晴らしい音楽に没頭すると掛け値なしに感動出来ると思います。

暗闇に閉ざされていた国が、ある出来事をきっかけに光り輝く夜明けを迎える・・・

まさに革命のドラマ、と思ってます。

オペラでなければ味わえない、この作品の奥深さ。。

機会があったら是非~

 

そして、このメロディで荒川選手が金メダルを取ったこと、理屈抜きに嬉しいです。

元々好きなオペラでしたが、益々大好きになりました

ああプッチーニよ、永遠なれ

 

素材提供:AICHAN WEB


オテロ

2006-11-25 13:30:37 | オペラ&バレエ♪

 ヴェルディ晩年の傑作オペラですね。

原作はシェークスピアの4大悲劇の一つ「オセロー」。

 

シェークスピアとの出会いは中学生時代・・・
 
やはり「ロメオとジュリエット」が一番分かりやすかったかな。

「オセロー」はデズデモーナが可哀相で・・・あまりにも理不尽で・・・

どうも今もって好きになれません。

登場人物の中で好き嫌いは別にして、
 
最も興味深い人物像はなんてったってイアーゴ。

人間の弱み、コンプレックスを利用し、思い通りに操る極悪人ですが、
 
その頭の良さは天下一品。
 
それにしても・・・自分の愛した女性より腹心の家来を信じちゃう男の性。。
 
ま~それだけコンプレックスが深かったのか・・・人種差別が激しかったのか・・・。
 
それにしてもな~。。う~ん。。
 
 

余談ですが、ゲーム「オセロ」はこの作品の黒人と白人の絡み合いに
 
ちなんで命名されたそうです。

一時期異常にはまりまして・・・結構強かったんですヨ~^^

どちらかというと白の方が得意かな。

 


     第1幕

 
舞台は15世紀末のキプロス島。

雷鳴の轟く暴風雨の中、トルコとヴェネツィアの艦隊が戦闘を繰り広げています。

夜の海岸で人々が成り行きを見守る中、ヴェネツィアが勝利!
 
将軍オテロが帰還します。大歓喜の声で迎えられる英雄オテロ

ところが勝利で沸き立つ人々の間で、
 
オテロの旗手のヤーゴは苦い思いを抱いてます。

彼は、オテロがカッシオを副官にしたことを恨んでいるのです。

 

オテロを恨んでいるのはヤーゴだけではありません。

貴族のロドリーゴも、恋心を抱いていたデズデーモナがオテロと結婚したこと、

悔しくて恨みを募らせていたのです。

ヤーゴは、このロドリーゴと手を組み、オテロへの復讐を企てます。

この策略に最初にターゲットにされたのはカッシオです。

巧みな策略に踊らされて酒に酔い、乱闘騒ぎの挙句、
 
キプロス前総督のモンターナに切り付けるカッシオ。

この大騒動で目がさめたオテロは、カッシオの副官を解任してしまいます。

 

やがて騒ぎが収まり人々が去った後、オテロと新妻のデズデーモナは

お互いの想いを打ち明けあい、愛の幸福に浸るのでした。

 

     第2幕
 

城の中。オテロのデズデ-モナに対する愛情は深く熱い。。

デズデーモナが子供達と共に歌い微笑む姿は
 
清らかな愛に溢れていて本当に幸せそうです。

そしてそんな彼女を見つめるオテロも愛に溢れ、まさに幸せの絶頂でした。

 

ヤーゴは、このオテロのデズデーモナへの愛を利用し、

カッシオを使ってオテロを破滅させようと計画するのです。
 
・・・なんて奴だ
 

まず、デズデーモナにオテロに対する取り成しを頼めば良いと、
 
カッシオに持ちかけます。

実はこれは、カッシオとデズデーモナが密通しているように
 
オテロに思わせる為の企みに他なりません。

ヤーゴはオテロに、カッシオとデズデーモナが親しそうに話している様子を
 
物陰から見せます。そして巧みな弁舌で、デズデーモナの貞操に
 
疑問を抱かせることに成功するのです。

 

何も知らないデスデーモナは、オテロの元に行き、カッシオの許しを請いますが

既に嫉妬に蝕まれ始めたオテロは、その願いを素直に聞くことが出来ません。

夫をなだめようとデズデーモナが差し出したハンカチを
 
オテロは拒んで放り投げてしまいます。

そう。。最大の悲劇の元となったあのハンカチです。。

 

そのハンカチをデズデーモナの侍女でヤーゴの妻であるエミーリアが拾いますが、

ヤーゴは、「それをよこせ」と嫌がる彼女から奪います。

二人の女性が立ち去った後、ヤーゴはオテロの嫉妬心を更に煽るべく、

「カッシオが寝言でデズデーモナのことを語った」等々嘘を並べ立てるのでした。

逆上し、苦悩するオテロ。。

 

     第3幕
 

城の大広間。デズデーモナがカッシオにハンカチを贈ったと
 
ヤーゴにふきこまれたオテロは、再びカッシオの赦免を請うデズデーモナに
 
逆上して「あのハンカチを出せ」と迫ります。

しかし、ハンカチをなくしてしまった彼女にはそれが出来ません。

オテロは激しい憤りの中、彼女に向って罵倒します。「卑しい売女め!」

驚愕し、傷心のデズデーモナが去った後、一人懊悩するオテロ。。

 

そこへヤーゴがカッシオを連れて登場

離れたところでカッシオに恋人(ビアンカ)の話をさせますが、

嫉妬に盲目になってるオテロはデズデーモナのことを語ってると
 
勘違いしてしまい・・・更にカッシオが「見知らぬ人のハンカチが家にあった」
 
と掲げてみせたのが、デズデーモナのハンカチであることを見て取り、
 
妻の不貞を確信してしまうのです。

 

そこにヴェネツィア特使の一行が到着し、オテロの本国帰還と
 
カッシオの司令官昇格が告げられます。

本国に戻れることを喜ぶデズデーモナの様子を、
 
カッシオのことを喜んでると勘違いしたオテロは、

妻を奪った上に、自分の地位まで・・・とその怒りは頂点に達し、

皆の目前で妻デズデーモナを激しく罵倒します。

しっかしそれにしてもここ・・・酷過ぎます。オテロ最低許せないわっ

 

何も知らない人々は、デズデーモナに同情し、オテロの気が狂ったかと思います。

苦しみから逃れらないオテロは、人々をその場から退場させ、
 
暴れまわったあげく気を失います。

・・・一人ほくそえむ、ヤーゴ。。

 

     第4幕
 

オテロとデズデーモナの寝室。
 
先に休むように言われた彼女は自分の死を予感します。

かつて死んだ哀れな女中の歌っていた歌「柳の歌」に自分の想いを託し、

寝仕度を手伝う侍女のエミーリアに、自分の寝床に
 
婚礼の時の衣装を敷いてもらい別れを告げます。

 

お祈りをして寝床についた彼女のもとに、殺気立ったオテロが登場

嫉妬に狂ったオテロは、命乞いをするデズデーモナの首をしめます。

そこに、カッシオがロデリーゴを殺したという知らせをもって、エミーリアが登場。

実は、オテロはヤーゴとしめしあわせて、カッシオまでも
 
亡きものにしようとしていたのですが、

逆に刺客に送ったロデリーゴのほうが、やられてしまったのです。

 

異変に気付き、近づいたエミーリアは、瀕死のデズデーモナを発見し、
 
オテロに詰め寄ります。

デズデーモナは「自分の意思で死ぬのです。誰も悪くありません」
 
と言って息絶えます。

人殺しと叫んだエミーリアにオテロは、ヤーゴから、
 
デズデーモナがカッシオと密通をしていることを教えられ、
 
その証拠はこのハンカチだと告げますが、

それをひろった張本人のエミーリアは、ヤーゴがハンカチを奪ったことを訴え、

驚愕するオテロは、デズデーモナが潔白であったことを知るのです・・・

 

そこへヴェネツィアの特使初め、人々がやってきてこの悲劇が公になります。

妻を刺し逃げ出すヤーゴを追いかける人々。

でも。。愛する妻の潔白がわかったところで、もう既に手遅れです。

自分の嫉妬のおろかさのために、生きる希望のすべて失ったオテロは、

剣で自らの胸をさし、デスデーモナの遺体の上で息絶えるのでした。
 
 
 
 
このオペラ、ヴェルディの劇的な音楽の効果により、第一幕から凄い迫力です。
 
やはり一番凄いのは第三幕かな。。
 
オテロ、デズデーモナ、ヤーゴ、そして人々の歌が何重にも重なり合い、
 
響き渡る様は圧巻です。
 
 
 
それにしてもこの作品。
 
ヤーゴに対するよりオテロに対する憤りの方が大きいのは
 
私だけではありませんよね・・・?
 
 
 
 
素材提供:Pari’s Wind

エスメラルダ

2006-10-30 13:54:01 | オペラ&バレエ♪

 原作はヴィクトル・ユゴー。

 

舞台は中世のパリ、ノートルダム寺院の広場。

浮浪者たちが徘徊し、民衆が荒れ狂う中、ジプシーの一団が登場!

中でも際立って美しいジプシー娘エスメラルダが華やかに踊ります。

 

寺院の副司祭フロロはエスメラルダを一目で気に入り、

鐘突きのせむし男カジモドに彼女を誘拐するように言いつけますが、

カジモドはいざ実行という時、エスメラルダに悲鳴を上げられ

夜警が駆けつけてカジモドは捕えられてしまいます。

その間、エスメラルダと夜警団隊長フェブはお互いに一目ぼれ

ところがカジモドも密かにエスメラルダを慕っていたのです。

 

さて。フェブとエスメラルダが密かに逢引を重ねている事を知り、

嫉妬に狂ったフロロはフェブを刺し殺してしまいます。

そしてなんとその場にいたエスメラルダは殺人犯として逮捕

絞首刑にされようとしていたエスメラルダを救い出したのはカジモドでした。



カジモドはエスメラルダを寺院にかくまいます。

エスメラルダはカジモドの醜い外見とは正反対な心の優しさを知り、

2人の間には暖かい友情が生まれますが、

エスメラルダは再び捕えられ、ついに処刑・・・

怒り狂ったカジモドはフロロを絞め殺し、

エスメラルダの遺体を抱いてどこへともなく去って行くのでした。

 

ま~なんて哀しいお話なのでしょう

この、無理やり自分の女にしようとするって結構ありますね。

有名なところではトスカとか。。これも壮絶なお話でした。

 

・・・それはともかく。。

日頃お世話になってるミーシャさんのお嬢様くるみ&みるくちゃんのお二人が

オーディションに見事合格したとのこと凄いですね

おめでとうございます

お二人の演目は黒鳥とエスメラルダ、ということで

今後のご活躍を心から願いつつ

お祝いの想いを込めてエスメラルダをアップさせて頂きました。

しかし・・・悲劇でお祝いというのも・・・良いのかな~。。

 

そうそう。

お祝いついでにミキティの見事な復活

素晴らしかったですネ^^

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に乗って

すべるように氷上を舞う華麗な姿

あのトリノでの屈辱を跳ね除け、堂々と乗り越えたミキティは一段と美しかったです。

やはり何事も経験

改めて・・・がんばるアスリート達に乾杯なのです^^

 

素材提供:AICHAN WEB


ルサルカ

2006-10-19 11:04:51 | オペラ&バレエ♪

 A・ドヴォルザークの曲はどれも美しくて大好き

秋の夜長、フッとやさしいメロディに身も心もゆだね、どこか遠くへ・・・

いえいえ 空想の世界へ旅立ちたくなります

 

「ルサルカ」は、そんな御伽噺のような幻想的な作品です。

中でも第一幕で唄われるアリア「白銀の月」は実に美しい。。

アンデルセンの「人魚姫」とかバレエの「ジゼル」「森の詩」辺りのイメージかな。

 

    ★・:*・°`、。・°`★ あらすじ ★・:*・°`、。・°`★

 

森の奥深くに美しい湖があり、そこには水の精達が静かに暮らしています。

その水の精の一人ルサルカは、この湖にやってきた王子に恋をしてしまい、

魔女に頼んで人間に姿を変えてもらうのです。

魔女は言います。

「もし人間になったらその美しい声を失い、

王子と相思相愛にならなければ二人とも命を失うことになる」

ルサルカは王子に恋する一心でその条件をのみ・・・

世にも美しい可憐な女性に変身

湖の畔に立つルサルカの美しさに一目惚れした王子は求婚(は、はやいっ

手に手を取ってお城へ向かう王子とルサルカ。

 

ところが婚礼の準備が進むうち、口が利けない、

およそ人間離れしたルサルカに、王子は少しづつ失望を感じ始め

結婚式の賓客として訪れた外国の公女に心を移し、

ルサルカを捨てて公女と結婚することを決意してしまうのです・・・

 

これらの様子を見て、ルサルカの父親代わりの水の精ドヴォニクが怒り狂い

王子に恐ろしい呪いをかけ、ルサルカを連れ去ってしまいます。

魔女は「王子を殺せば、再び水の精として楽しく生きられる。

さもなければお前は救われない。」とルサルカに告げますが

ルサルカは、王子を殺すくらいなら自分だけが苦しむ方がいい、

王子を守りたいと思うのです・・・。あ~なんて健気。。

 

そこへ後悔の念にかられた王子がルサルカを求めて湖に登場

ルサルカに許しを求め、ルサルカの警告をものともせず

死の接吻を受け入れるのです。

そしてルサルカもまた、海底深く沈んでいく・・・ 

 

ついでにプラムさんも・・・

 

素材提供:AICHAN WEB


アイーダ

2006-10-10 11:12:17 | オペラ&バレエ♪

 ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の最もポピュラーなオペラです。

 

グランド・オペラ風の華やかなオペラで、

第二幕のエチオピア軍に勝利したエジプト軍のラメダス将軍が

軍勢を率いて凱旋するシーンで流れるのがあの有名な「凱旋行進曲」です。

サッカーの試合で応援曲として広く親しまれてますね。

ここではバレエ・シーンも登場し、一段と華やかですが

オペラとしては三幕以降が凄いです。。

 

  ★☆。.:*:・"゜★('-^v) 簡単なあらすじ (v^-')★。.:*:・"☆★

 

 舞台は古代エジプト。

エジプトの将軍ラメダスと、エジプトの王女アムネリスの侍女アイーダは

密かに愛し合っておりました。

アイーダは実はエチオピアの王女ですが、身分を隠していたのです。

 

アイーダにとって、愛する男性の祖国エジプトと、

自分自身の祖国エチオピアの闘いは、まさに板ばさみ。。

でもアイーダは「勝ちて帰れ」とエジプトの勝利を願います。

で。。

エジプトとエチオピアの闘いで、勝利したエジプト軍が凱旋帰国

そう。ここで演奏されるのが「凱旋行進曲」です。

捕虜の中にはなんとアイーダの父アモナスロの姿が・・・!

 

アイーダは父アモナスロから命じられ、ラメダスからエジプト軍の軍事機密を

聞き出す事に成功しますが、二人の仲を疑っていた王女アムネリスに見つかり

ラメダスはアイーダとアモナスロを逃がし、

自分自身は裏切者として捕らえられてしまいます。

死罪を言い渡されたラメダスに、王女アムネリスは、

自分を愛してるのなら死罪から救おうと持ちかけますが

ラメダスはこれを拒絶

生きながら地下牢に生き埋めにされる事に・・・。

 

地下牢で一人アイーダを恋い慕うラメダス・・・・とそこへ誰かの気配が

そう・・・逃げたハズのアイーダが密かに戻っていたのです。

漸く結ばれた二人は「大地よさらば」と高らかに唄い・・・幕

 

  ★☆。.:*:・"゜★('-^v) あらすじおしまい (v^-')★。.:*:・"☆★

 

ジュゼッペ・ヴェルディは1813年10月10日に生まれ、

数々の名作オペラを生み出しました。その数なんと26

最初の結婚で味わった、ヴェルディ以外の家族全員の死亡という悲劇、

その後のオペラ上演の失敗による引きこもり等、苦難の時代を経て

ジュゼッピーナという生涯の伴侶を得、国民的英雄にまでなったヴェルディ。。

その葬儀には25万人ものイタリア国民が集まったと言われてます。

200年近くも経て時代が変わろうと、ヴェルディの音楽には

今も尚多くのオペラ・ファンの心を掴んで離さない強烈な魅力がありますね。

・・・ということで、今日はヴェルディに浸ろうかな。。

 

素材提供:AICHAN WEB


ドン・キホーテ

2006-09-28 14:44:57 | オペラ&バレエ♪

 原作はスペインの作家セルバンデスの大ベストセラー小説「ドン・キホーテ」

これにマリウス・プティパがバレエ作品として手がけ、

不朽の名作に仕上げたクラシック・バレエです。

ルートヴィッヒ(レオン)・ミンクスの情熱的で明るい音楽が全編を彩り

華やかで美しい世界が展開されます。

 

  ★☆。.:*:・"゜★('-^v) プロローグ (v^-')★。.:*:・"☆★

 

中世の騎士道の夢にとりつかれた老いたる騎士、ドン・キホーテは

理想の恋人ドゥルシネア姫の幻想を追って

滑稽な従者サンチョ・パンサと共に放浪の旅へ・・・。

彼らがバルセロナで、このバレエのヒロイン・キトリと、彼女を巡る人々・・・

父親ロレンツォ、金持ちの求婚者ガマーシュ、恋人のバジル達と出会い

物語は始まります

 

   第一幕  バルセロナの広場

 

キトリとバジルは恋人同士

でもキトリの父親ロレンツォはそれを面白く思っておりません。

ちょっと抜けてる金持ちのガマーシュと結婚させようと企ててます。

そこへドン・キホーテが登場

一目キトリを見てドゥルシネア姫と思い込んでしまいます

 

広場でこれらの人びとがてんやわんやの大騒ぎを展開中、

それらに紛れて駆け落ちするキトリとバジル

 

   第二幕 第一場  ジプシーの野営地

 

キトリとバジルは辿り着いたジプシーの野営地でかくまってもらいます。

そこにドン・キホーテとサンチョが登場

再びキトリをドゥルシネア姫と思い込み・・・な、なんと何をどう勘違いしたんだか

でっかい風車を敵と思い込み、決闘騒ぎを起します・・・

う~ん。。完全にイッチャッテますねぇ。。

 

闘い疲れて眠り込んだドン・キホーテは妖精の国の夢を見るのです。

美しい妖精達に囲まれて、キトリと彼女の友達メルセデスや

アムール(キューピット)がふわふわ舞い、踊ります。

ここは実に幻想的なシーンですヨ~

 

翌朝、ロレンツォとガマーシュが駆け落ちした二人を追ってやって来ます。

ドン・キホーテは恋人達の味方になって、二人が逃げた方向と反対を教えます。

・・・が!サンチョは本当の事を言ってしまい・・・彼らはサンチョを信じるのです。。

 

    第二幕 第二場  居酒屋

 

キトリとバジルは居酒屋に隠れ、陽気な仲間達と歌い踊り、

楽しい時を過ごしておりますが、ロレンツォとガマーシュに見つかってしまいます。

無理やりガマーシュと婚約させようとするロレンツォ

バジルは、キトリと結婚出来ないのなら、と自殺を試みます。

このシーン。。笑えますヨ~

 

キトリはドン・キホーテに、死にかけているバジルとの結婚を許してくれるよう

父親を説得して~と懇願

狂言自殺の計略は大成功し、結婚の誓いが交わされ、

バジルは元気に飛び起きます

ロレンツォはなだめられて渋々OK、ガマーシュはあきらめ一件落着

 

    第三幕

 

広場はキトリとバジルの結婚を祝う人々の喜びに溢れ、

華やかな宴が繰り広げられます。

ドン・キホーテは再びドゥルシネア姫の幻想を追って旅立つのです

 

  ★☆。.:*:・"゜★('-^v) おしまい (v^-')★。.:*:・"☆★

 

このバレエ、やっぱアメリカン・バレエ・シアター版が好きだなぁ。。

ミハイル・バリシニコフのバジルの超明るい雰囲気、飛びぬけた跳躍力

最高です~

 

素材提供:AICHAN WEB


火の鳥

2006-09-12 10:32:57 | オペラ&バレエ♪

 ストラヴィンスキー三大バレエと言われる作品―――

「火の鳥」「ぺトルーシュカ」「春の祭典」―――の中の第一作目です。

 

初めてストラヴィンスキーを聴いた時はとても衝撃でした。

それまで聴きなれたクラシック音楽とはかけ離れてますものね^^

でもこれが、慣れるととっても刺激的で素晴らしいのです

が。。紆余曲折を経て現在・・・基本的には・・・同じバレエ音楽なら

やはりチャイコフスキーやプロコフィエフの方が好きだったりしてます^^;

 

  ★☆。.:*:・"゜★('-^v) あらすじ (v^-')★。.:*:・"☆★

 

   火の鳥のヴァリアシオン

狩に出た若き王子イワンは、やっと見つけた火の鳥を追うのに夢中になり、

魔王カスチェイの魔法の庭園にいつの間にか入り込んでしまいます。

りんごの木のかたわらで羽ばたく火の鳥を見つけ、遂に捕獲に成功

火の鳥は自分の自由と引き換えに、魔よけの黄金の羽をイワンに授けます。

 

   王女たちのロンド

魔王に捕らわれた王女たちが、黄金のリンゴの木の周りで戯れています。

イワンはそこに駆け寄り、王女の1人、ツァレーヴナと恋に落ちます。

そして、彼女らは夜が明けるとまた魔の宮殿に帰らねばならないこと、

更に、魔王に捕まったが最後、石にされてしまうことを打ち明けられます。

 

   カスチェイの凶暴な踊り

王子は勇敢にも王女たちを怪物から救うために宮殿に乗り込みますが、

あっけなく魔王カスチェイの手下に捕われてしまいます。

魔王カスチェイがイワン王子を石にする魔法をかけようとするとき、

イワンは火の鳥のことばを思い出し、魔よけの羽を振ってみました。

すると火の鳥が再登場

カスチェイの魂の源たる卵を割ることで、彼を退治出来ると教えてくれます。

 

   子守歌

火の鳥が、まずカスチェイたちを激しい踊りで疲労困憊させ、

疲れ切ったカスチェイたちは倒れこんでしまいます。

ここですかさず火の鳥がロシア民謡風の子守歌を歌い、

彼らがぐっすり眠りこんでしまった隙に、

イワンはカスチェイの「魂」である卵を見つけ、叩き割ってしまいます。

火の鳥とイワンの勝利です

 

   終曲(フィナーレ)

カスチェイの魔法は全て解け、石となった捕虜たちも、

捕らわれの王女たちも、皆元通りになりました。

宮殿から出てきた王女ツァレーヴナとイワンは

お互いを見つけて駆け寄り、抱き合います 

永遠の愛を誓うイワンとツァレーヴナを祝福する人々

この様子を見届けて、火の鳥は彼方に飛び去って行くのでした。

 

  ★☆。.:*:・"゜★('-^v) あらすじおしまい (v^-')★。.:*:・"☆★

 

 このバレエ、観る前までは「火の鳥」って炎のように情熱的だと思ってましたが

もちろん解釈にも依るのでしょうけど、どちらかというとかわいらしい感じですね。

王子に捕えられて哀願するシーンなんて本当に愛らしい。。

で。真っ赤なコスチュームが華麗で美しいのです

 

非常に恐ろしいのはカスチェイさん

全身青黒い(?)色に覆われていて、その踊りもいかにも悪魔的

下からガッと睨みつける世にもおぞましい視線といい、

今にも襲い掛からんばかりに両手足を大きく広げて威嚇する様といい、

何があっても決してお近づきになりたくないお方ですぅ~~~

イワン王子とカスチェイの争うシーンはかなり・・・迫力満点です

 

いわゆるロマンティック・バレエとは一線を画するモダン・バレエの名作ですが

し、しつこいようですが・・・^^;

基本的にはクラシック・バレエの方が遥かに好きです~

 

素材提供:AICHAN WEB


ミニヨン~マイスター修行時代

2006-09-08 16:22:17 | オペラ&バレエ♪

 ゲーテの有名な詩ですね。

フランスの作曲家アンブロワーズ・トマにより歌劇にまでなりました。

原作とは所々微妙に変化しており、最も大きな違いは

ミニヨンの死という悲劇で終わってしまうところ、

歌劇ではハッピーエンドになっているのですね~。

残念ながら歌劇自体は観たことありませんが、美しい詩と共に

素敵なストーリーをご紹介したくて改めて掲載させて頂きました。

 

舞台は18世紀のドイツとイタリア。

ドイツの小さな町で、貧しい老楽師ロタりオがハープを奏でつつ

幼い頃に誘拐されたまま行方不明の娘を探す物語を弾き語りしています。

そこにはサーカス一座もいて、幼い頃に誘拐されてサーカスの一員となった

少女ミニヨンが、座長に手酷く扱われており・・・

通りかかった貴族出身の学生ヴィルヘルムがミニヨンを不憫に思い

身代金を払って引き取ります。

ミニヨンを祝福する老楽師ロタリオ

 

そこへ登場は、ヴィルヘルムが兼ねてから憧れている女性

フィリーヌと、若い貴族フレデリック。

二人は今夜、男爵家で催される芝居にヴィルヘルムを招待します。

誰もいない楽屋で一人・・・ヴィルヘルムに憧れるミニヨンは、

つい誘惑に負けてフィリーヌの素敵な衣装を着てしまいます。

とそこへ飛び込んできたのは、ヴィルヘルムとフレデリック

な、なんとフィリーヌを巡って決闘騒ぎまで・・・

ミニヨンが間に入ってなんとか事なきを得ますが、ヴィルヘルムは

ミニヨンに付き纏われることに嫌気がさし、別れを告げるのですね。。

 

そして傷ついたミニヨンの心に更に追い討ちをかけるように

楽屋に来たフィリーヌが、勝手に自分のドレスを着ていると怒り狂い、

ミニヨンを叱り飛ばすのです。

傷心のミニヨンは楽屋を飛び出し、 心配して追ってきた老楽師ロタリオに

自分の生い立ちやヴィルヘルムへの叶わぬ想いを打ち明け、

不幸な身の上を嘆くと、驚いたロタリオも、自分の娘を失った辛い思い出を語り、

お互いまるで親子のようだねと慰め合います。

 

さて。ここで催された芝居シェークスピア劇は大成功

ところがなんとロタリオはミニヨンを傷つけた仕返しにと、

楽屋に火を付け、火事を起すのです

火に巻き込まれて重症のミニヨンを助け出したのは他ならぬヴィルヘルム。

 

療養の為にイタリアの城に赴き、ヴィルヘルムはミニヨンに付き切り

看病するうち、ミニヨンの寝言から、自分への想いを初めて知ります。

この城を買い取ってミニヨンと一緒に暮らそうと決意するヴィルヘルム。

と・・・昏睡から目覚めたミニヨンは、見慣れた景色に驚きます。

そう。。

実はこの城こそ、幼い頃にミニヨンが住んでいたお城でした。

そして更に嬉しいことに、娘を誘拐されたショックから記憶を失っていた

父親が、老楽士ロタリオだったのです。

ミニヨン、歓喜に溢れて歌うは、かの有名なゲーテの詩「君よ知るや南の国」

どこか懐かしいやさしいメロディは、一度聴いたら忘れられないかも。。
     



   君や知る、レモン花咲く国、

   暗き葉かげに黄金のオレンジの輝き、

   なごやかな風、青空より吹き、

   銀梅花は静かに、月桂樹は高くそびゆ。

   君や知る、かしこ。

   かなたへ、かなたへ!

   君と共に行かまし、あわれ、わがいとしき人よ。


   君や知る、かの家。柱ならび屋根高く、

   広間は輝き、昼間はほの明るく、

   大理石像はわが面を見つむ、

   かなしき子よ、いかなるつらきことのあるや、と。

   君や知る、かしこ。

   かなたへ、かなたへ!

   君と共に行かまし、あわれ、わが頼りの君よ。


   君や知る、かの山と雲のかけ橋を。

   騾馬は霧の中に道を求め、

   洞穴に住むや古竜の群れ。

   岩は崩れ、滝水に洗わる。

   君や知る、かしこ。

   かなたへ!かなたへ!

   わが道は行く。あわれ、父上よ、共に行かまし!

 

素材提供:AICHAN WEB


メリー・ウィドウ

2006-08-19 21:42:36 | オペラ&バレエ♪

 フランツ・レハールの代表作です。

 

連日の猛暑。。ちょっと凄まじいものがありますね。。

こんな時は思いっ切り楽しいオペレッタで暑さを吹き飛ばしましょう!

・・・無理だと思いますが・・・

 

フランツ・レハールという人は、ある意味悲劇の人なのですね。。

「メリー・ウィドウ」がヒットラーのお気に入りだった事、

ユダヤ人の奥様が強制収容所送りにされないように

ヒットラーの為に演奏したり、スコアを送ったりした事等から

晩年にはナチスの協力者と言われて非難轟々・・・大変な日々だったようです。

レハール自身は政治に無関心だったにもかかわらず。。

こう考えると寒々としてきませんか?

・・・無理がありますね・・・

 

この作品は全三幕・・・約すと陽気な未亡人

ちょっと策略家の美人で陽気なハンナ はまさに愛されキャラですネ

でもストーリー自体は大した事無いので^^;あっさりいきます。

 

架空の国ポンテヴェドロのパリ公使館の夜会から物語は始まります。

公使館関係者の間では、莫大な財産を相続した若き未亡人ハンナが

万が一外国人と結婚して国内の資産が流出してしまったら

小国ポンテヴェドロは破産に追い込まれる、という話題で持ちきりです。

 

善後策を考えたパリ公使のツェータ男爵は、

昔ハンナと恋仲だったダニロをたきつけ、結婚するよう説得します。

実は、かつて相思相愛で結婚まで考えていた二人でしたが

ハンナが平民だった為にダニロの伯父の反対にあい、

別れたといういきさつがあるのです。

大金持ちになったハンナとの結婚はダ二ロにとって大きな抵抗があるようです。。

 

一方ツェータ男爵の妻ヴァランシェンヌはフランスの伊達男カミーユに迫られ

「私は貞淑な妻よ」と書いた扇を渡しますが、彼の熱意に根負けし

誘われるまま二人きりで庭のあずまやに・・・

そして、その事がなんと夫のツェータ男爵に知られてしまうのです!!

 

ハンナはヴァランシェンヌ夫人を助ける為、入れ替わりにあずまやに入り

カミーユと見せかけの婚約を発表します。

ショックを受けたダニロは憂さ晴らしに行きつけの店に・・・。

その様子を見たハンナは、ダニロはまだ自分を愛してることを確信するのです。

 

結局ヴァランシェンヌ夫人が浮気したと確信し、怒ったツェータ男爵は

妻と離婚することを宣言し、ハンナに求婚!

ハンナはここで、重大な告白します。

夫の遺言により、もし再婚したら遺産は彼女の物でなくなると・・・。

これを聞いて喜んだのはダニロ。

無一文の彼女なら財産目当てと思われない、

と大喜びで彼女に愛を打ち明け、結婚の約束を・・・

でも実はこの遺言には続きがあり・・・

ハンナの再婚相手に財産を譲る、という内容だったのです^^

 

ヴァランシェンヌ夫人の潔白を知って、ツェータ男爵夫妻もめでたく一件落着。

万事めでたしめでたし、というなんともおかしなストーリーですが・・・

でも男と女の恋の鞘当てというか、妙技というか、

この作品くらい男女それぞれが持つ複雑な心理をコミカルに描き

笑わせてくれるオペレッタも珍しいかもです^^

 

でも何よりかにより音楽が素晴らしいのです

ダニロとハンナが踊る「メリー・ウィドウ・ワルツ」

ヴァランシェンヌ夫人が踊り子達と踊るカンカン「グリゼットの歌」

ハンガリー的な要素がたっぷりのとても魅力的な音楽は

聴いてるだけでワクワクし、心が浮き立ってくる華やかさ

ハチャメチャシーンとロマンティックな演出が心地よく噛み合う絶妙なハーモニー 

 

レハールの生涯を知る前までは、政治的な暗い影が潜んでいるなんて

想像もつかなかった楽しい作品です。

生まれた時代や環境によって、こうも人生を左右されてしまうものなのか・・・

ちょっと考えさせられる作品でもありました。

 

素材提供:AICHAN WEB


マノン・レスコー

2006-07-28 14:49:20 | オペラ&バレエ♪

 原作はアベ・プレヴォーの戯曲「マノン・レスコー騎士デ・グリューの物語」

これにプッチーニが「僕らしいイタリア人の情熱」で幾人もの台本作家を

悩ませつつ書き上げた、官能的て情熱的なオペラです。

「僕のマノン」って言っちゃうくらい、このキャラを愛してたようですね。

冷静にストーリーを追ってみると突っ込みどころ満載かも・・・ですが

プッチーニの甘い美しい旋律が、その欠点を補ってあまりある・・・

とても想像力をかきたてられる作品です。

 

   第一幕

 

18世紀フランス、アミアンの広場。

デ・グリューは、自分の求めている女性など、この世にいるのだろうか

と皮肉っぽく歌い、学生達に喝采を浴びています。

そこへ馬車に乗った貴婦人マノンが兄に付き添われて登場

デ・グリューは一目惚れしてしまいます・・・

 

一方、大金持ちの老人ジェロントもまた、マノンに目をつけます。

デ・グリューに先を越されて悔しがるジェロントに、マノンの兄レスコーは

どうせ二人の行き先はパリに違いない、と囁きなだめます。

 

   第二幕

 

貧乏なデ・グリューとの生活に我慢出来なくなったマノンは

パリでジェロントの愛人として贅沢三昧の暮らしを始めます。

ところが、マノンを訪れた兄レスコーに「華やかに着飾っていても」と

愛の無い虚しさを切々と訴えるのです・・・

 

そんなマノンの前に再び登場のデ・グリュー。

「あなたね、愛しい方」とマノンは喜び、二人は愛を確かめ合いますが

その様子をジェロントに見つかってしまうのですね~。。

マノンは怒り心頭に達したジェロントの訴えで、

姦通罪として警察に逮捕されてしまいます。

 

   第三幕

 

ル・アーブル港の波止場。

マノンはフランス追放の刑を言い渡され、

アメリカへの出航を待つ仮獄舎に売春婦達と共にいます。

マノンを救うべく、駆けつけるデ・グリューとレスコー。

いよいよ出航を迎えたとき、デ・グリューは船長に必死で訴えます。

「私は狂ってます」涙ながらの自分も乗船させてほしい、

との懇願に、船長は乗船を許可するのです。

 

   第四幕

 

ニューオーリンズの荒野。

フランスの植民地時代のアメリカから逃げ出したマノンとデ・グリューですが、

荒野に彷徨い、飢えと喉の渇きに喘ぎ、高熱を発するマノンはも~瀕死の状態。

「愛しいマノン、聴いてごらん」とデ・グリューは深い愛でマノンを勇気づけ、

水のある場所を探しに行きますが、

自分は捨てられたと思い込んだマノンは「一人寂しく」と嘆き歌い、

水を発見出来ないまま絶望して戻ってきたデ・グリューの腕の中で

「愛は死なない」と永遠の愛を誓いつつ、息絶えるのです。

 

あの「椿姫」マルグリッドが、アルマンとの別れを決意したとき、

最後に読んていた本が、この「マノン・レスコー」でしたね。

我が身に置き換えて泣きながら別離を決意した心情を

見事に表現した名場面として、とても心に残っていますが・・・

それにしてもマノンは極めて我侭です。

愛される事を当たり前と思い、愛することが出来ない女。

こんな女性にとり付かれたら最後、骨の髄まで・・・なのでしょうねぇ。。

でも。。

マノンくらい情熱的で原始的な女性を求めている男性は意外と多いかも・・・。

 

素材提供:AICHAN WEB


ローエングリン

2006-07-22 00:59:49 | オペラ&バレエ♪

 リヒャルト・ワーグナー自身の台本によるオペラです。

この作品に登場する「婚礼の合唱」は「結婚行進曲」として有名ですね。

でも実際に結婚式でこの曲を使用するのは日本人くらいなのだそうです。

なぜなら・・・このオペラを知れば納得すると思います

 

    第一幕

 

舞台はシェルデ河の畔。

オペラは、ドイツの国王ハインリヒが、ハンガリー出兵要請の為に

ブラバント国を訪問するところから始まります。

ブラバント国は、この国を治めていた大公が亡くなった直後で大混乱状態でした。

そして更に、大変な出来事が持ち上がっておりました。

 

大公亡き後残されたのは、世継のゴットフリート王子と、姉のエルザ姫の姉弟。

ある日、ゴットフリートがエルザと共に森に行ったきり行方不明となり、

いくら事情を聞いても埒が明かないエルザの様子に

エルザがゴットフリートを殺したに違いないと人々は噂し合っていたのです。

 

二人の後見人兼エルザ姫の婚約者と定められていたテルラムント伯爵は

これらの事情をハインリヒ王に説明したうえで、エルザを告発します。

もちろん婚約は破棄!隣国の公女オルトルートと結婚してしまうのですねぇ

 

裁判が開かれ、エルザが召喚されますが、彼女は

「夢に見た白鳥の騎士が現れて、自分を救ってくれる」と繰り返すばかりでした。

そして裁判の結果、エルザの支持者と告発者テルラムントとの決闘により、

勝負を決することになります。(んなもん、いるのか??)

 

・・・と、そこへどこからともなく現れた白鳥に乗った騎士ローエングリン

彼は、自分の素性を尋ねないことを条件に、エルザの為に闘います。(いたっ!)

騎士とテルラムントの勝負はあっけなく騎士の勝利で終わりますが、

テルラムントにとどめをさすことなく、命を救ってあげるのですね。。

 

    第二幕

 

舞台は城内の庭。

テルラムントは国外追放処分が下りますが、

その妻オルトルートは夫の為に復讐を企てます。

まずエルザに取り入って同情を請い、

夫婦の国外追放処分を解いて欲しいと訴えます。

これを聞き入れてしまう、お人よしのエルザ姫

 

一夜が明け、ローエングリンとエルザの結婚が発表されます。

オルトルートが声高に「素性の分からない騎士なんて怪しい」とまくし立てますが、

騎士は「エルザが聞かない限り、答える必要は無い」とはねつけ、

結婚式は無事、執り行われます。

 

    第三幕

 

二人の結婚を祝す「婚礼の合唱」・・・「結婚行進曲」が奏でられ・・

本来幸せいっぱいのハズの花嫁エルザですが・・・

やはり素性がどうしても気になりだし、遂に禁じられた質問を発してしまうのです。

 

そこへテルラムントが乱入!

ローエングリンを殺そうとしますが、返り討ちに合い、あっけなく死・・・。

 

場面は翌朝のシェルデ湖畔。彼はエルザに初めて自分の素性を明かします。

グラールの聖杯を護るパルツィファル王の子ローエングリン王子であると。

身分を明かしたからには、もうここに留まる事は出来ないと悲しげに告げ、

迎えの白鳥を呼びます。

なんとその白鳥こそ、オルトルートの魔術で姿を変えられた世継の王子

ゴットフリートだったのです

 

ローエングリンは厳かにその魔法を解き、王子を元の姿に戻して

故国へ帰ってしまいます。

エルザはローエングリンを見送り・・・

悲しみのうちにその場に倒れ、息絶えてしまいました。。

 

素材提供:AICHAN WEB


ばらの騎士

2006-07-19 10:55:16 | オペラ&バレエ♪

 ホーフマンスタールとR・シュトラウスのコンビによる傑作オペラ。

一時、R・シュトラウスの作品の演奏を禁じたナチも、このオペラだけは

上演禁止に出来なかったくらい、大衆に支持されたことでも有名ですね。

またR・シュトラウスの葬儀には終幕の三重唱が歌われたそうで・・・

文字通りR・シュトラウスの代表作です。

 

    第一幕

 

陸軍元師ヴェルデンベルク侯爵の夫人、マルシャリン公爵夫人の部屋。

マルシャリン夫人は、恋人のオクタヴィアン伯爵とベットの中・・・。

実は、若きオクタヴィアン伯爵に比べて少々年齢のいったマルシャリンは

戯れの恋を楽しみつつも、この関係もそう長くないと、気分は下降気味なのです。

 

にわかに隣室が騒がしくなり、人の来る気配に慌てて逃げそこね、

手近にあった小間使いの服を着て女装するオクタヴィアン伯爵^^

入ってきたのはマルシャリン侯爵夫人の従弟、オックス男爵でした。

 

好色で下品なオックス男爵は、持参金目当てで金持ちの新興貴族、

ファニナルの娘ゾフィーと婚約、そのしるしとして花嫁の元に

銀のばらを届ける「ばらの騎士」を紹介してほしいと言いに来たのです。

 

でもその一方、小間使いの娘(オクタヴィアン伯爵)に早速ちょっかいを出し、

数々の女性遍歴を自慢しつつ、口説くのですねぇ・・・

マルシャリン侯爵夫人が「ばらの騎士」として推薦したのは

他ならぬオクタヴィアン伯爵でした

 

マルシャリン侯爵夫人は、時のうつろいの残酷さを実感しており、

皆が去って再びオクタヴィアン伯爵と二人になっても、気持ちは晴れません。

 

    第二幕

 

ファニナル邸の広場。

邸中が「ばらの騎士」を迎える準備で大忙しです。

本日のヒロイン、ゾフィーはまだまだ夢見るお年頃。

オクタヴィアン扮するばらの騎士が銀の皿を持って颯爽と登場すると

思わず一目惚れしてしまいます。

 

仲良く語り合う二人の間に割って入ったのは、言うまでもなくオックス男爵

下品な男爵に幻滅したゾフィーの心は完全にオクタヴィアンへ・・・。

そしてとうとう、オックス男爵とオクタヴィアンは決闘騒ぎまで起してしまい、

男爵は僅かな怪我で大騒ぎ・・・

 

あまりにも下品でえげつないオックス男爵を懲らしめるべく、

一計を案じたオクタヴィアンは、以前演じた小間使いを装って、

オックス男爵を郊外の居酒屋に誘う手紙を出します。

 

    第三幕

 

郊外の居酒屋で、小間使いに扮したオクタヴィアンを、

オックス男爵が口説いています^^。

ところが妙に周辺が騒がしくなり、ファニナルとゾフィーが登場!

当然の如く、オックス男爵に愛想を尽かし、婚約解消を言い渡します。

 

オクタヴィアンは扮装をとき、からかわれた事を知ったオックス男爵は

怒り狂いますが、マルシャリン侯爵夫人が登場、

醜態を見せずに去ることを進めて一件落着。

そして若き恋人オクタヴィアンの元を静かに去り、

ゾフィーと二人にしてあげるのですね~。。

もちろん、若き二人は手に手を取ってハッピーエンド

 

マルシャリン侯爵夫人の憂い、焦り、最後に見せる優しさ等が、

なんとも身につまされる・・・でも共感してしまう作品です。

時というのは、傷を癒してくれる薬にもなれば、非情にもなる・・・

若い頃には深く考えなかった事ですね。。

 

素材提供:Pari’s Wind


チェネレントラ

2006-07-17 17:05:51 | オペラ&バレエ♪

 またの名を『シンデレラ』・・・ロッシーニによるイタリア・オペラです。

 

シンデレラの原型というと真っ先に二種類思い浮かびます。

一つはシャルル・ペローの『サンドリヨン』

一つはグリム童話の『灰かぶり』

ディズニーやバレエの原型はまさしく夢溢れるペロー版

幼い頃に読んで夢中になった作品です。

でも同じストーリーでもグリム童話は実に恐ろしいですね。。

一瞬にして夢破れた思い出の作品だったりしてます

 

で。。

オペラ版ですが、このどちらとも違い、意地悪な継母の代わりに義父登場!

ガラスの靴の代わりにダイヤの腕輪。かぼちゃの馬車もありません。。

もうちょっと現実的なのですね^^

 

ロッシーニといえば『ウィリアム・テル』があまりにも有名で、

序曲なんて完全に一人歩き状態じゃないでしょうか・・・。

でも底抜けに明るい軽快なメロディと、ちょっぴり甘いラブ・ストーリーは

実は個人的にはかなり好きだったりして

 

  第一幕

 

貧乏男爵ドン・マニフィコと三人娘。

末娘チェネレントラは後妻の連れ子でして、男爵と上二人の姉妹は

彼女にボロを着せてこき使い、事あるごとにいじめてます。

二人の姉妹は、自分達こそ世界一の美人と信じている世にも傲慢な女たち。。

でも健気でめげないチェネレントラは本当に愛らしい。

むかし一人の王子さまが~と、「王子様と純情な娘」の歌を

口ずさみながら黙々と掃除したりしてるのです

 

ある日、サレルノの王子ドン・ラミロの教師アリドーロは、

わざと乞食のなりをして男爵邸を訪問します。

王子にふさわしい花嫁を探すため、身分を隠しているのですね。

二人の姉妹は乞食を嫌悪して追い払いますが、

心優しいチェネレントラは、コーヒーとパンを与えます。

 

そしてその後、お城からの使いが登場!

ドン・ラミノ王子の花嫁選びを目的とした舞踏会が開かれる事を告知します。

さ~色めき立った二人の姉妹。。

美しく装う為に、靴だ帽子だ、羽飾りに首飾り、リボンにダイヤと大騒ぎで

チェネレントラは二人に振り回されて大忙しです。

 

そこへアリドーロから、ふさわしい女性がいると聞かされて

舞踏会まで待ちきれないドン・ラミノ王子が、

従者のダンディーニとお互いの立場を交換し、男爵邸を訪れます。

女中姿のチェネレントラに優しく接する偽従者ドン・ラミノ。

二人はたちまち意気投合、チェネレントラは自分の悲しい身の上を

王子と知らずに打ち明けます。

ドン・ラミノ王子は「なんて清純で愛らしい娘なんだ!」と驚くのです

 

一方、従者のダンディーニを王子と思い込んで、

手厚くもてなす男爵と二人の姉妹・・・

いよいよ舞踏会場へ・・・という時、優しい従者(実は王子)に人目会いたくて

チェネレントラは舞踏会に行きたい旨、男爵に訴えますが、

男爵は許してくれません。

迎えにきたお城の者達に「娘は死んだ」「娘じゃない、ただの女中だ」

等と言って、追い返してしまいます。

でも事態を察したアリドーロの機転により、チェネレントラは無事舞踏会へ

 

偽王子ダンディーニは、ドン・マニフィコ男爵を持ち上げ、

二人の姉妹を誉めそやし・・・得意気にぶどう酒の講釈を始めた男爵は

酒蔵番に仕立てられ、大出世と大喜びで酒蔵蔵へ向かいます。

残った姉妹は、王子を争って世にも醜い喧嘩を・・・

 

ところがそこへ、類まれなる美しい貴婦人の登場

キラキラ眩いドレスに身を包み、静かにベールを外したレディの

あまりの美しさに満場から大きなため息が・・・。

二人の姉妹は、そのレディがあまりにもチェネレントラそっくりなのに

驚愕しつつ、まさか当人と気付きません。。

 

  第二幕

 

謎の美女の出現に焦燥を隠せない醜い姉妹

そしてなんと偽王子ダンディーニもこの美女を人目で気に入ってしまい、

チェネレントラを捕まえて恋心を訴えます。

ところがなんと、みんなの憧れの王子様からの求婚し対し

「私はあなたの従者に恋してしまったのです」と語るチェネレントラ。

その様子を物陰から見ていたドン・ラミノ王子は狂喜して登場!

アリドーロを証人に、プロポーズします。

チェネレントラは腕輪を外し、「これと同じ腕輪をしている娘を見つけて

もしあなたの心が変わらなければ・・・」と言って去っていく・・・。

 

そんな慌しい状況の所へドン・マニフィコ男爵が登場!

偽王子ダンディーニに二人の娘のどちらかを選ぶよう詰め寄ります。

そこで初めて真実を聞かされ、怒り狂う男爵と姉妹・・・

 

男爵邸に戻ってからは二人の姉妹がチェネレントラに

「あんたそっくりの魔女が登場してめちゃめちゃにした!」

と言って当り散らしてますが、チェネレントラは意に介さず夢見心地

そこへ「馬車が転倒した為、次の馬車が来るまで待たせてほしい」と

ダンディーニとドン・ラミノ王子が登場!

チェネレントラの腕にある腕輪を確認、「やっぱりあなただ」と言い、

男爵と二人の姉妹の妨害を振り切ってチェネレントラを連れ出す王子様

この時の怒り狂った王子様って・・・凄く素敵

 

チェネレントラは本名のアンジェリーナとなって晴れて王子の花嫁に

男爵と二人の姉妹が今までの仕打ちを詫びてきます。

怒りの収まらない王子に対し、優しく諭すアンジェリーナ。

祝福の嵐に包まれてジ・エンド

 

このラストの祝福のシーンでアンジェリーナが歌うアリアの華麗なこと。。

そもそもロッシーニのアリアは音を自在にコロコロ転がす難しい技巧を

要する作品が目立ちますが、このアリアは極めつけ・・・と言ったら言い過ぎ?

でもホント、凄い曲です。

2オクターブ半にわたる広い音域を自在にコロコロクルクル行ったり来たり。。

 

現在最も評価されてるオペラ歌手の一人、

バルトリのチェネレントラはも~最高に輝いてますね^^

やっと手に入れた溢れんばかりの幸せを見事に表現した素晴らしい歌唱は

DVDで観てもその高揚感がビンビン伝わってくる華麗なる美しさ・・・

でも正直・・・シンデレラのキャラにしては・・・情熱的過ぎな気も。。

 

素材提供:AICHAN WEB


シンデレラ

2006-07-12 13:07:55 | オペラ&バレエ♪

 セルゲイ・プロコフィエフの音楽によるバレエ。。

実はこのバレエ。1944年当初はあまり人気が出なかったそうです。

プロコフィエフの少々暗くて複雑な音楽・・・

もうちょっと細かく言えば、テーマごとに個性豊かなメロディがあるのですが

それぞれが自己主張し過ぎて全体的なまとまりが付かず、

観る人を退屈させてしまったそうなのですね。。

 

ところがそこに現れた思いがけない救世主はなんと英国から登場

フレデリック・アシュトンが素晴らしい振り付けをし、自ら舞台に登場!

観客を大いに沸かせて大成功させたのです。

この舞台・・・別の人版で観る事が出来たのですが^^本当に面白いです

二人の意地悪な姉役を、なんと男性によるコミカルな演技に編成!

アグリー・シスターズのとぼけた演技はまさに抱腹絶倒

バレエ版シンデレラの本当の主役です^^

対するシンデレラの静かな愛らしさ、清純さが見事に対照的で

まさに夢のひと時でした・・・もちろん生じゃないけど。。

 

そうそう。。

ちなみにこのアシュトンによる「シンデレラ」の初演でシンデレラを踊ったプリマは

あの「赤い靴」のモイラ・シアラーだったそうです

 

英国が誇るロイヤル・バレエ団。

去年、吉田都さんの「シンデレラ」が日本で公演され、

最後はスタンディング・オベレーションという大変感動的な舞台だったそうで・・・

当日観た方にとって忘れられない夕べになった事でしょうね。

 

    第一幕

 

美しいスカーフを巡って、二人の意地悪なアグリー・シスターズが争ってます。

このコミカルな動きがも~最高なのです^^

で。。暖炉の前ではシンデレラが亡くなったお母様の写真を抱きしめ泣き伏し

父親が同情してシンデレラを慰めます。

そこへ再び登場のシスターズがシンデレラを意地悪く小突き

シンデレラは逃げ惑う・・・。

 

と、そこへ登場の汚い乞食の老婆。

アグリー・シスターズは近づかず、そ知らぬフリ・・・

シンデレラは思わず大きなパンを差し出します。

 

シスターズは舞踏会の為の準備を、仕立て屋、靴屋、宝石屋等を交えて開始!

ダンス・マスターが登場してのシスターズとのコミカルなバレエは最高です

アグリー・シスターズが大騒ぎの末、舞踏会に出かけた後に残されたシンデレラ。

一人寂しく踊っていると、そこへ再び先程のボロを纏った老婆の登場。

と、ボロを脱ぎ捨て、美しい妖精が現れます

 

ここからはまさに夢の世界

世にも美しい背景を背に、春夏秋冬の精がそれぞれ舞い、

そこへ美しく変身したシンデレラが、キラキラ輝く馬車に乗って登場!

プロコフィエフの神秘的な音楽と見事にマッチして

本当に素敵なシーンです

 

    第二幕

 

舞台は宮廷

沢山の人々が舞い踊り、舞踏会の華やかな雰囲気が繰り広げられる中、

またまたアグリー・シスターズがコミカルな演技で笑わせてくれます^^

そこへ登場の麗しの王子様友人達と共に踊りを披露します。

そして今夜の主役シンデレラ

大きな階段から降りてくるシーンからはまさにプリマの技量の見せ所・・・らしい

ここは素敵ですよ~。。どうして女性として・・・胸ときめかずにいられるでしょう

王子様が見つけて下さるんですもの^^

シンデレラのソロ。そして王子様のソロ。

 

舞台は変わって、夕闇の中の夢のような二人のパ・ド・ドゥ

素敵ですね~。。

でも・・・そうです!あの有名な12時の鐘が・・・!!

この時のプロコ独特のおどろおどろしい音楽のなんと印象的なこと。。

慌てて王子様の腕から抜け、駆け出すシンデレラに、追いかける王子様^^

お互い人ごみに紛れてうまく前に進めず・・・。

でもシンデレラはどうにかこうにか振り切り、途中で魔法が解けて

ボロキレを纏った姿で駆け去って行きます。

 

    第三幕

 

舞台は再びシンデレラの家。

キラキラ美しい靴をそっと取り出し、踊るシンデレラ。。

ここで再びアグリー・シスターズが笑わせてくれます^^

 

さ~いよいよ王子様が片方の靴を持って登場

初めにアグリー・シスターズが小さな靴に挑戦!

アハ^^;もちろん入るわけ、ありません。

ボロを纏ったシンデレラの存在に気付いた王子様が

「さあ、履いてみて下さい」

もちろんピッタシ

 

ここからの夢の舞台がまたまたとっても素晴らしい

暗転した舞台の中から無数の光が・・・。

妖精たちが持つライトを背に、二人の幸せなパ・ド・ドゥ

世にも美しいアダージョで幕

 

「シンデレラ」は少女にとって永遠の憧れの物語・・・と思われますが

この題材をここまで見事なるパフォーマンスで大成功させたアシュトンの手腕に

拍手喝采せずにいられないとても素晴らしいバレエです。

 

素材提供:AICHAN WEB