プッチーニ・オペラの最高傑作の一つですネ。
これまた様々なすったもんだがありました(笑)作品です。
このオペラの根底にあるのは政治と恋。
今でこそ・・・というか現在の日本ではとりあえず思想の自由が確保され、
思う存分好きな事が出来、発言が許される民主主義の時代ですが、
現代の日本からは想像もつかない暗黒の政治が
今もなお存在してるのですね。。
こういう場所に生まれてしまったら、何がきっかけで政治犯扱いにされ、
投獄、拷問、処刑!というおぞましい事態に陥るか分かりません
でもつい数年前の日本もそういう時代でしたっけ・・・
全三幕ですが手抜き~
゜'★,。・:*:・'。・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆ あらすじ ☆。・:*:・゜'★,。・:*:・'。・:*:・゜'★,。
舞台は1800年,革命派と王党派が対立し合うころのローマ。
革命派の画家カヴァラドッシは,脱獄囚の同志
アンジェロッティを匿いますが、こそこそとしたやり取りを
恋人の歌姫トスカに浮気しているのだと勘違いされてしまいます。
ここのシーン。トスカの嫉妬深さ、率直さ、気取りの無い性格を
見事に現してますね^^。
カヴァラドッシが熱心に描く女性のモデルはアッタヴァンティ夫人・・・。
「僕が愛するのは君だけだ」――― 「でも目は黒くしてね」
王党派の警視総監スカルピアはこのトスカの嫉妬心を、
扇を小道具に利用して、カヴァラドッシの隠れ家を探し出します。
なんか・・・「オテロ」の逆バージョンですねぇ。。
ところが隠れ家は探し当ててもアンジェロッティは見つからず・・・
なんとスカルピアは、カヴァラドッシを連行して拷問にかけ、
その様子をトスカに見せて苦しめたあげく、
彼女から脱獄犯の居場所を聞き出すのです。
激しい拷問に苦しむカヴァラドッシですが、トスカがアンジェロッティの
隠れ場所を言ってしまったことに憤り、トスカを激しくなじります。
そんな時にナポレオン勝利の知らせが・・・。
今はこらえて喜ぶんじゃないよ~カヴァラドッシ!
・・・という私の心の叫びも虚しく・・・
「やったぞ!ザマーミロ!!」くらいの事を叫んで狂喜
怒ったスカルピアは、カヴァラドッシにあっけなく死刑宣告。
カヴァラドッシは連れ去られ、部屋に残ったスカルピアにトスカは言います。
「おいくら?」・・・お~っ
「欲しいのはあなただ」・・・
ここで唄うのがあの有名なアリア 「歌に生き、恋に生き」です。
歌に生き、恋に生き、決して悪いことはしませんでした―――
―――なぜこのような試練を与えられるのでしょう・・・!
トスカにしてみれば、このような事態に陥ってしまった意味が、
突然襲い掛かってきた不幸が、理解出来ないのでしょう。
そりゃ~女なら誰だってそう・・・ですよね~(
)
スカルピアの変態ジジイッ
トスカの肉体と引き換えに、銃殺を演出するというスカルピア。
「パルミエーリの時のように」
謎の指示を聞いた段階で疑うべきだったのに、
この言葉をそのまま信じてしまったのは・・・信じたかったからでしょうね
でもスカルピアもバカですねぇ。。
おそらく欲情に目が眩んでいたのでしょう
「これがトスカの接吻よ!」
卓上のナイフでスカルピアを刺殺するトスカ。
処刑場にかけつけたトスカは、カヴァラドッシに、
銃殺刑は空砲で、その後は国外に脱出できるのだと告げます。
しかし・・・実は銃は実弾でした。彼は本当に処刑されてしまったのです。
恋人の死を知って絶望したトスカ
スカルピア殺害を知った追手の声を背に、
彼女は城壁から身を投げるのでした・・・。
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凄まじい内容ですが、その音楽の美しさはまさにプッチーニ節全開
荘厳で重々しい官能美に、否が応にも壮絶な愛の世界へ
導かれてしまいます。
「妙なる調和」「愛の二重唱」「テ・デウム」 「歌に生き、恋に生き」etcetc
中でもカヴァラドッシが絶望の中歌う「星は光りぬ」は・・・泣けますね。
―――時は過ぎ去り 絶望のうちに私は死ぬ
今までこれ程 命をいとおしく思った事はない
それにしてもなんという不条理な世界
普通に生きてきただけなのに・・・切ないですねぇ。。
余談ですが・・・フィギュア・スケート2004年全米選手権で
ミシェル・クワンがこのトスカで見事!ダントツの優勝を飾りましたっけ。
あの時の光景はあまりにも強烈で、今も忘れられません。
踊り終わった直後、まるで「やったぜ!見たか!このヤロー!!」
って叫ぶような勢いで拳を握り締めて突き出してた姿。
まるで何かを振り切るような・・・あるいは何かに立ち向かった後のような
毅然と頭を振り上げたあの雄姿
観客も騒然!総立ち!狂喜乱舞!!凄かったな~。。
次々まるでやけくそ(爆)のように花束がリンク内に投げ入れられ、
その中央で恍惚となってたクワンは・・・
まさに絶望の中で激しく抵抗し続けたトスカのようでした。
素材提供:AICHAN WEB