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プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

ピーター卿シリーズ

2006-08-31 22:14:08 | 作家さ行

 D・L・セイヤーズです。

 

このシリーズは本当に大好きで、前半の作品では『雲なす証言』がお気に入りかな。

ピーター卿のやんちゃぶりといい、バンターの忠義一徹の従僕ぶりといい

ちょっぴりコミカルでセイヤーズ女史が心から楽しんで創作している様子が窺えて

気楽な気持ちで読める作品です。

ラストの裁判における大衆の喝采シーンは特に好きっ

そして後期の作品では断然『学寮祭の夜』がマイ・ベストです

七百ページとかなり厚いうえ、独特の文体ですが、

慣れればとても読みやすい作品です。

シリーズの最初から読んだ方がラストの感動はひとしおですが、

多少の事情を知っていればこの作品だけでも充分楽しめます。

 

この作品はシリーズ作品中、唯一(?)ピーター卿の恋人ハリエットが主人公です。

前作までに、ハリエットが殺人の濡れ衣を着せられて裁判にかけられ、

有罪判決で絞首刑になるところを、ピーター卿が素晴らしい推理力を発揮して

見事無実を勝ち取り命を救った、といういきさつがあります。

で、この衝撃の出会いを通してピーター卿はハリエットに恋してしまい、

プロポーズを繰り返しますが、ハリエットの微妙な女心・・・

どうしても負い目を感じてプロポーズを受ける事が出来ないのです。

この作品では、思い悩んだハリエットが母校・オクスフォードに篭り、

作家としての執筆作業に専念しがてら、オクスフォード内で頻発している

怪事件の解決に一役買いつつ、気持ちの整理をつけようとするのです。

最終的には同じオクスフォード出身だったピーター卿が乗り出して

見事な事件解決に導くのですが、思いがけない犯人の実態、本音。。

かなり考えされられました。

 

この作品全体の雰囲気は、英国の古き良き時代そのもので、重厚で美しいです。

知的な会話がなんとも小気味良く、う~む。。と思わず唸ってしまいます。

みなさん頭が良いだけに、辛らつな言葉の投げあいはかなりエグイですけど。。

ピーター卿のピアノ伴奏で、ハリエットと二人でデュエットをするシーンや

ボートで二人乗りをし、様々な事を語らうシーンなんてとても風情があって素敵です。

そしてオクスフォードにおける最後の夜の演奏会シーン―――

 

連れは(ピーター卿の事)本物の音楽家が本物の音楽を聴く時の常で、

身じろぎもせず孤高をまとっている。

ハリエットもそれなりに音楽家だったので、この近寄りがたさを尊重した。

―――ハリエット自身、音を多少は頭で読み取り、

旋律の縒り合わされた鎖の環を一つづつ、苦労してほぐしていくだけの

知識がある。ピーターなら、入り組んだ形の全体像を

聴き取ることができるに違いない。どの部分も別個に、しかも同時に。

それぞれが独立していながら対等、分離していながら分かちがたく、

上に下に中に移動して、知と情の両方を魅惑していく。

 

この文章・・・ピーター卿とハリエットの関係を如実に現わしてますね。。

なんとも風情があって素敵な文章じゃありません?^^

でもなんてったってラスト・・・モードリン橋でのプロポーズシーンは・・・

う~ん。。も~最高

 

セイヤーズの作品は『ナイン・テイラーズ』も有名ですね~

せわしない毎日のたまの息抜きに、オクスフォードの重厚な雰囲気に

どっぷりと浸ってみるのも気持ちいいですヨ~。。

 

素材提供:Pari’s Wind


『キャッツ』

2006-08-30 21:09:01 | 作家あ行

 T・S・エリオットです。

 

ノーベル賞受賞のちょっと堅物(?)な詩人エリオットが51歳の時に出版した

「ポッサムおじさんの猫とつき合う法」と副題が付いたこの作品。

あの超ロングラン・ミュージカル「キャッツ」の原作なのですヨ~。

ニコラス・ベントリーのカラー挿絵付きのとても楽しい作品です。

全部で15編の詩で成り立っていて、どの作品も猫の特徴、仕草、性格等が

表情豊かに生き生きと描かれた、猫好きには堪らない作品だと思います。

 

冒頭の「猫に名前をつけること」の一節―――

 

ほら、猫ってよくもの想いに耽っているだろう。

 そのわけは、いつも同じことさ。

猫は、自分の名前について、うっとりと瞑想に耽っているんだ、

 考えに考えて、考えに考えあぐねて、

 いわく言い難い、言えそで言えぬ、

深遠で謎めいた、たったひとつの名前はないものかと―――。

 

から始まって、おばさん猫ガンビー・キャット、親分猫グロウルタイガー、

あまのじゃく猫ラム・タム・タガー、おちゃめなジェリクル猫たち等々、

ミュージカルでもお馴染みのキャラが沢山登場し、ダンスを踊り、

歌を歌い、ヴァイオリンをかき鳴らし・・・縦横無尽に飛び回る・・・

作中、ディケンズやシェークスピア、ヘンリー・ウッド等

有名な作品の登場人物まで飛び出す豪華さ

 

「猫に話しかける法」なんて犬と猫それぞれの特徴を見事に表現していて

ちょっとニヤっとしちゃいます

 

この作品の訳者、池田雅之さんが後書に書かれた犬と猫の特徴・・・

犬は飼っていると、自分も人間になったつもりになる動物です。

―――猫は、むしろ、人間が猫のつもりになっているといって

にんまりしている動物のようです。あるいは、猫は、人間のことを

自分たちの仲間のように思うことも、時にはあるらしい―――

はまさに言い得て妙・・・ちょっと笑えませんか?^^

 

ミュージカル・キャッツの演出家、浅利慶太さんは、人気の秘密について

「猫の姿を借りて、人間のだれもが輝いている瞬間を切り取ることだった」

と仰っていたそうです。

う~ん。。

原作の持つ個性豊かな猫達の輝きを見事に演出した方の名言ですねぇ。


『疑惑の影』

2006-08-26 22:52:46 | 懐かしの映画

 ヒッチコック監督、ジョセフ・コットン&テレサ・ライト主演作品。

 

ヒッチコック監督のお気に入りだそうです。

日本でヒッチコック監督の名前が広く知られるきっかけになった作品

とも言われてますね。

 

でも・・・・実はこの作品、あまりよく覚えておりません^^;

ただ印象的だったのが”メリー・ウィドウ”を効果的に使用してた事。

このオペレッタを知らない方も、この映画で使用された曲って言えば

なんとなくイメージが沸くのでは?^^

メリー・ウィドウの陽気なワルツに合わせてダンスを踊るシーンが冒頭に流れ、

この作品に未亡人が絡んでいる事を暗示していたそうです。

 

大好きな叔父が実は殺人鬼なのでは?

という恐ろしい疑問に苛まれ、不安に怯える可憐なヒロイン。

でも確か、ヒッチコックの大好きな金髪じゃないのですね~ 

そしてあの『第三の男』では脇役(?)だったジョセフ・コットンがここでは主役です。

 

そうそう。。

ちょこっとだけ加筆しちゃいましたヨ~、メリー・ウィドウ

ヒッチコックもお好きだったのかしら^^


プリンセス・ダイアリー・シリーズ

2006-08-24 13:13:11 | 作家か行

 メグ・キャボットです。

 

全米ミリオン・セラー、世界中でベストセラーという大人気のシリーズです。

「プリティ・プリンセス」という題名で映画化もされました。

ちょっとくだけ過ぎだろうか・・・と思いつつ・・・読み始めたらも~止まらないっ

これはホント、理屈抜きに面白いです^^。

随所で笑いのツボを刺激されるので、電車の中なんかで読んだ日にゃ~もう大変!

思わず「プッ」と吹き出しそうになり、慌てて咳払いしたり本で顔を隠したり

必死で笑いをこらえる為に顔を歪めてしまう・・・なんて人も多いハズ。

 

ヒロインはアメリカのハイスクール一年生のミア・サモパリス。

美人じゃない、自信もない、週末デートの予定もない^^。

そんなミアが、離れて暮らす父上からある日突然重大な事実を告げられます。

「おまえは、アメリア・ミニョネット・グリマールディ・サモパリス・レナルド。

ジェノヴィアのプリンセスだ」     

(・・・な、長い。。

さ~~ここからミアのプリンセス・レッスンの始まり始まり~~^^

いよいよ厳格な父方のおばあさまの登場です

 

とにかく登場人物総てが個性豊かで面白い。。

ミアのパパもミアのママも浮世離れしていて妙にかわいい

実は二人は結婚してない為、ミアは私生児なのです。

親友リリーも理屈っぽくて少々ウルサイけど、とっても素敵なお友達です。

そしてリリーの兄上マイケルがとってもとっても優しいのデス

ミアのボディ・ガード、ラーズも男前だし、飼い猫のデブ猫ルーイも

お嬢様ティナも本当にかわいい。。

個人的にはミアの厳格なおばあさまが最高に好き

ま~要するにみんな魅力的なのですね^^。

 

そしてなんてったってプリンセス・ミア

まさに等身大の高校生そのもの。

でもユーモアに溢れた、一見ハチャメチャな文章の中にも

繊細な心の機微が見事に表現されてて

突然プリンセスにされてしまった心の戸惑いや憤り、

両親に対する複雑な気持ちもストレートに伝わってきて

感情移入せずにいられない。。

今時の女の子らしく、言葉使いなんかも独特で・・・

ちょっぴり引っ込み思案なところもあったりするのですが

イザという時には思い切った行動に出て周囲を驚愕させたりして^^

 

折にふれ機にふれ開かれるダンス・パーティに胸をときめかせ、

素敵なドレス選びにワクワクし、

男の子との関係にドキドキするティーン・エイジャー達。。

も~ホント、かわいいのです

ラストは必ずハッピー・エンド

 

冒頭には「小公女」の中の一説が書かれていて

プリンセスたる者、こうあるべき!という作者の想いが伝わってくるようです。

シリーズが進むにつれ、その魅力もドンドン増していきます。

漫画みたいに読みやすくって、読後にほのぼのとした気持ちになれるこの作品。

機会があったら是非ご一読あれ~。。

 

素材提供:AICHAN WEB


早実初優勝おめでと~!

2006-08-21 15:38:54 | 雑記

 いや~素晴らしかったですね~。。

も~~~感動感激

やっぱ甲子園はいいわぁ。。

 

昨日の決勝戦で勝負がつかず・・・本日に持ち越しての決勝戦!

駒大苫小牧-早稲田実の死闘はまさに歴史的ですね

田中選手も斉藤選手も、もちろんどの選手も本当に素晴らしかった。

 

どこまでも冷静に投げ続けた斉藤選手が試合終了後

軽いピッチングをしながら泣いていた姿がとても印象的で・・・

インタビューで語った「皆さんのおかげです」の一言がとても重く・・・

高校生でありながら立派な大人だな~と本当に感激でした。

 

早稲田実業悲願の優勝、おめでとうございます。

そして駒大苫小牧も優勝こそ逃したけれど・・・とても素晴らしかったです。

約2週間に渡る激闘、お疲れ様でした。

そして、感動を有難うございます

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集 


メリー・ウィドウ

2006-08-19 21:42:36 | オペラ&バレエ♪

 フランツ・レハールの代表作です。

 

連日の猛暑。。ちょっと凄まじいものがありますね。。

こんな時は思いっ切り楽しいオペレッタで暑さを吹き飛ばしましょう!

・・・無理だと思いますが・・・

 

フランツ・レハールという人は、ある意味悲劇の人なのですね。。

「メリー・ウィドウ」がヒットラーのお気に入りだった事、

ユダヤ人の奥様が強制収容所送りにされないように

ヒットラーの為に演奏したり、スコアを送ったりした事等から

晩年にはナチスの協力者と言われて非難轟々・・・大変な日々だったようです。

レハール自身は政治に無関心だったにもかかわらず。。

こう考えると寒々としてきませんか?

・・・無理がありますね・・・

 

この作品は全三幕・・・約すと陽気な未亡人

ちょっと策略家の美人で陽気なハンナ はまさに愛されキャラですネ

でもストーリー自体は大した事無いので^^;あっさりいきます。

 

架空の国ポンテヴェドロのパリ公使館の夜会から物語は始まります。

公使館関係者の間では、莫大な財産を相続した若き未亡人ハンナが

万が一外国人と結婚して国内の資産が流出してしまったら

小国ポンテヴェドロは破産に追い込まれる、という話題で持ちきりです。

 

善後策を考えたパリ公使のツェータ男爵は、

昔ハンナと恋仲だったダニロをたきつけ、結婚するよう説得します。

実は、かつて相思相愛で結婚まで考えていた二人でしたが

ハンナが平民だった為にダニロの伯父の反対にあい、

別れたといういきさつがあるのです。

大金持ちになったハンナとの結婚はダ二ロにとって大きな抵抗があるようです。。

 

一方ツェータ男爵の妻ヴァランシェンヌはフランスの伊達男カミーユに迫られ

「私は貞淑な妻よ」と書いた扇を渡しますが、彼の熱意に根負けし

誘われるまま二人きりで庭のあずまやに・・・

そして、その事がなんと夫のツェータ男爵に知られてしまうのです!!

 

ハンナはヴァランシェンヌ夫人を助ける為、入れ替わりにあずまやに入り

カミーユと見せかけの婚約を発表します。

ショックを受けたダニロは憂さ晴らしに行きつけの店に・・・。

その様子を見たハンナは、ダニロはまだ自分を愛してることを確信するのです。

 

結局ヴァランシェンヌ夫人が浮気したと確信し、怒ったツェータ男爵は

妻と離婚することを宣言し、ハンナに求婚!

ハンナはここで、重大な告白します。

夫の遺言により、もし再婚したら遺産は彼女の物でなくなると・・・。

これを聞いて喜んだのはダニロ。

無一文の彼女なら財産目当てと思われない、

と大喜びで彼女に愛を打ち明け、結婚の約束を・・・

でも実はこの遺言には続きがあり・・・

ハンナの再婚相手に財産を譲る、という内容だったのです^^

 

ヴァランシェンヌ夫人の潔白を知って、ツェータ男爵夫妻もめでたく一件落着。

万事めでたしめでたし、というなんともおかしなストーリーですが・・・

でも男と女の恋の鞘当てというか、妙技というか、

この作品くらい男女それぞれが持つ複雑な心理をコミカルに描き

笑わせてくれるオペレッタも珍しいかもです^^

 

でも何よりかにより音楽が素晴らしいのです

ダニロとハンナが踊る「メリー・ウィドウ・ワルツ」

ヴァランシェンヌ夫人が踊り子達と踊るカンカン「グリゼットの歌」

ハンガリー的な要素がたっぷりのとても魅力的な音楽は

聴いてるだけでワクワクし、心が浮き立ってくる華やかさ

ハチャメチャシーンとロマンティックな演出が心地よく噛み合う絶妙なハーモニー 

 

レハールの生涯を知る前までは、政治的な暗い影が潜んでいるなんて

想像もつかなかった楽しい作品です。

生まれた時代や環境によって、こうも人生を左右されてしまうものなのか・・・

ちょっと考えさせられる作品でもありました。

 

素材提供:AICHAN WEB


残暑お見舞い申し上げます

2006-08-18 10:07:51 | 雑記

 大変お久しゅうございます~。。

皆様、お元気でお過ごしですか?

 

私はちょっと心の故郷にて休養してまいりました^^。

豊かな大自然の中で思いっきり深呼吸

ゆったりのんびり過ごす田舎の休日は最高です

 

ところで・・・こんな拙いブログにもかかわらず・・・

留守中沢山のご訪問やコメントを頂いていたようで、本当に有難うございます。

予定ではここまで長く留守するハズじゃなかったのですが・・・

もうちょっと余裕が出来たらご訪問&コメントレスもさせて頂きますので

今しばらくお待ち下さいね。

 

さて。。

世の中は色々大変な状況です。

北海道の漁船銃撃事件はかなり衝撃で・・・北朝鮮のミサイルといい

なんだか恐ろしい事態になってきてますね。

九州にはまたまた台風が上陸

尖閣諸島問題を巡ってまたも中国が・・・等々

連日のように新たな事件勃発で・・・不穏な空気が漂ってます。

近県の皆様、大変だと思いますがどうぞ無事に乗り越えられますように。。

 

そうそう。

昨日のお昼に中継していた高校野球、東洋大姫路-駒大苫小牧

北海道が見事な逆転勝ちでしたね!

流石順々決勝までくると劇的な展開が増えて最高に面白いです^^

 

ということで・・・まだまだ暑い日が続きますが

連日の猛暑に負けないよう、体調管理には充分注意して

残る夏を楽しくお過ごし下さいね

 

素材提供:IKOI