松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

櫨蝋のワックス

2014-08-17 21:31:09 | ワックスと石鹸
ここしばらく、ほとんどHPの手入れをしていないワタシですが、コンスタントに「福岡よかもん市場」で櫨蝋のワックスが売れています。

実のところ、和ろうそくよりも売れています。
どうしてかなー?と思っていたら、購入していただいた方からメールがきました。

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以前に既に絶版になっている松永重児先生著「弓に生きる」を読み、「肥後三郎」の流れを汲む
「松永重宣」銘の弓を二張り所有しているが故、弓と矢の手入れ用に蜜蝋かくるみオイルか迷って
いたところ、松山櫨(はぜ)復活奮闘日記の「弓に生きる」と「櫨蝋のワックス」をネットで拝見し、
即決で購入しました。( … 遅い!)

早速、このお盆休みに、他の三張り(「横山黎明」)の弓と竹矢の手入れに使ってみたいと思います。

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ブログ記事「弓に生きる」はこちらです。せっかくだから、再掲させていただきます。

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ある方から「どうして櫨蝋のワックスを弓に塗るといいのか?」と聞かれました。
それで(あれ?何でいいって思ったんだっけ?)と
最初の頃をつらつら思い出してみると…。

松永重児著「肥後三郎 弓に生きる」という本にあったのでした。

いつも私は弓道場でも何かと櫨の話ばかりしているんですが、
先生が読んでいたこの本に「櫨のことが書いてあったよ!」と教えてくれたのでした。

この本をちょっとだけご紹介すると…
著者松永重児氏は、もともと東京在住の弓造り職人でした。
しかし東京では竹や櫨、ニベ(鹿の生皮を煮詰めた接着剤)の良いものが手に入りません。
良い弓を作りたいという一心で、彼は熊本の球磨川べりに移り住みます。
そして京弓と薩摩弓の特徴を生かした名弓「肥後三郎」を生み出します。
この本は弓造り一筋に打ち込んだ職人の、弓への思いを熱く熱く熱く語った本なのです。

ただ実のところ、やはり弓造りの主役は竹にあり、二番手はニベなのではないかと思います。
その二つの話題だけで、松永氏の頭の八割を占めていたような。

しかし確かに櫨の側木にワックスを塗ると書いてありました。

--------引用
「…昔はロウ仕上げ、クルミ仕上げといって、側木に塗って艶を出していました。…中略…
こうした艶や色を出すのも、弓を育てる一つなんですね。」
--------引用おわり

この一文を読んだ私の先生が、
「和ろうそくを弓にそのまま塗ろうとしたけど、固くて塗りにくかったよ。あれ。」
「先生、櫨のワックスならありますよ。クリーム状になるから塗りやすいですよ。」

それで試しに塗ってみたら、確かに竹弓にみるみる艶が出てきました。
おまけに弓ばかりでなく、固い安土で痛みやすい竹矢の先っぽにも塗ると
艶だし保護になることがわかりました。

そんなわけで、竹弓・竹矢を愛する弓引き用に「櫨蝋のワックス」デビューとなったのです。

私は、このアイディアの示唆を与えてくれた本「弓に生きる」に感謝し
松永重児氏が生み出した名弓「肥後三郎」を相良弓矢製作所からお借りして
7月から始まる「櫨の灯り展」に展示させていただくことにしました。

先日亡くなった水野晴郎氏に倣って言うならば、
「いやあ、弓って、本当にいいもんですね~。」

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こうして「櫨蝋のワックス」を購入して竹弓・竹矢に使っていただいて、本当にありがたいです<(_ _)>



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