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Eko's スクール日記

米国ロースクールJD課程に在籍中です。こちらは旧ブログなので更新はありません。

Dr. Kevorkian Controversy

2008-01-18 07:23:04 |  アメリカ&アメリカ人
昨日は、こっちに来て初めて、Hip-Hop danceのクラスに行ってきました。
秋セメは時間的にも気持ち的にも余裕がなくてほとんど運動ができなかったけど、春セメは時間割がフレンドリーなのと、何よりもう体が、「頼む~ 動かせてくれ~!!」とウズウズしてるので、家でちょっと空手の動作をやったり、バスをちょっと前のストップで降りたりして15~20分歩くことを始めました。
ちょうどそんな時、大学のジムでやっているクラスのことを知って、喜び勇んで出かけていったわけです。
久しぶりに思いっきり体を動かして、すごく気持ちが良かった(息上がってたけど)。
今度から毎週行こうと思います。

ところで、火曜日に、うちの大学に Dr. Kevorkian が講演に来ました。
知ってる人も多いと思いますが、安楽死の推進派で、1999にsecond degree murderで10年から25年の懲役刑に処せられた人です。
8年刑を務めた後、昨年6月に仮釈放になりました。出所後初の講演の舞台に、なぜかうちの大学を選んでくれた?わけです。
秋セメのcrim lawのケースブックにも出てきましたが、今回はcon lawの教授がチケットを希望者に手配してくれたので、せっかくだから行ってきました。
今回は、2回アカデミー賞を受賞した監督(名前忘れた。Dixy Chicksのドキュメンタリーフィルムとか撮った人らしい。)がKevorkianのドキュメンタリーを撮るので、その一環として、ロースクールの学生に講演を聴いて、クラスでディスカッションして欲しい、それを撮影したい、ということでした。その舞台に、うちのセクションのcon lawのクラスが選ばれたわけです。

講演は、意外に面白かったですね。
極端なことも色々言ってたけど、安楽死はそもそもすっごくcontrovertialで現在のところbright lineはないから、興味深かったです(ただ、パロールの条件として安楽死を詳細にわたって論じることは出来ないということで、後ろにロイヤーが控えて目を光らせていました)。
それ以外のことも色々言ってたんですが、私が特に共感できたのは、アメリカが世界中から悪感情を抱かれている、でもそれに気づいていない、というようなところですね。

しかし。私の見るところうちのクラスメイトなんかは圧倒的に保守派。
なので、彼らがどう反応するか面白半分で翌日のディスカッションに出て行ったんですが。

何かすごいみんな感情的になってた。
特に、ケヴォキアンが米軍のことを armed missionaryって言ったのとか(そのとおりだと思うけど)、アメリカをナチに例えたとかがすごく気に障ったみたいですね。
彼の言い間違いとか喋りが上手くないのにまでけちつけて(そういっても、76歳の、8年刑務所にいて出てきたばっかりの人ですよ??アンタたちみたいに口から先に生まれてきて、起きてるときはずっと喋りっぱというのとは違うんだから)、しまいには英語の出来ない私でも「・・ケヴォキアンはそんなこと言ってなかったけど・・?」と呆れたくらい、発言を誤解又は曲解して攻撃してて、とうとう映画のスタッフから誤解を正されていました。
ごく少数の冷静な意見を除き、law studentとは思えない幼稚な議論が多かったです。
あと、アメリカではどんな議論も、政治と宗教を抜きにしては進めないですね。

アメリカ人がつくづく怖いなと思うのは、自分と違う価値観の人の話を全然聴かないこと(相手が喋っている間は聞かずに自分が次何を言うか考えている)。
アメリカ以外の価値観を認めず、そもそも関心も持たないこと。
他からどう見られているか、気づいてないし気づいても全く気にしないこと。
相手のニードお構いなしに、アメリカの価値を押し付けてくること。
何かっていうとすぐ、we are the most powerful country in the worldとかって言って、傍若無人な振る舞いを正当化すること。

特に、こういう田舎にいると、ニューヨークやボストンやシカゴやサンフランにいるよりずっとリアルに、そういう意味での「アメリカらしさ」を感じますね。
そして、アメリカというのは、そういうごく少数の大都市を除いて、あとはもう巨大な田舎なのだということも。

・・あのテープ、多分映画からはカットされると思います。