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Eko's スクール日記

米国ロースクールJD課程に在籍中です。こちらは旧ブログなので更新はありません。

味わい深い Cadillac Records

2008-12-25 11:11:06 |  Movie
映画 Cadillac Records 見てきました。(オフィシャルサイトは、左上のレコードにカーセルをあわせるとメニューが出ます)
50年代から60年代にかけて実在したシカゴのレコード・レーベル「チェス・レコーズ」とそこに属した大物歌手達の物語です。

主人公は Muddy Waters。Jeffefy Wrightが演じています。
他にも、Etta James役でビヨンセ、Chuck Berry役で Mos Def など、豪華キャスト。

ストーリーは、ミシシッピの農園で小作農をやっていたMuddyが、自分の音楽の才能に目覚めてシカゴに出て行き、ストリートミュージシャンをやっていたところをユダヤ人のレナード・チェスに見出され、歌手兼ビジネスパートナーとしてチェス・レコーズを作り上げていくというもので、そこに様々な歌手の野望、成功、トラブル、悲哀、等々がからんでくるというものです。大体実話に基づいているようです。

やはり音楽が素晴らしいですね。ビヨンセはじめ、キャストの人たちの迫力の歌声が堪能できます。
個人的には、ビヨンセが、別れのラブソングなんだけど実は父への思いをこめて歌う歌"All I Could Do Was Cry" がかなりじんときました。

役者は、みんな素晴らしいです。Jeffery Wright、私は知らなかったけどジョージを題材にした「W」にコリン・パウエル役で、007シリーズ最新作「Quantum of Solace」にも何かの役で出ているようです。渋い魅力が発揮されています。
モス・デフも、元は歌手だけどすっかり役者として定着してますね。今回もいい味を出しています。ルックスもいい。
ビヨンセは、今回いい意味で驚きでした。「オースティン・パワーズ」は演技力不要だったし、「ドリームガールズ」も歌って踊れればいい役だったけど、今回、白人の父と黒人で売春婦だった母の間に生まれ、父の愛を求めて得られず、チェスに父親像を重ねるエタ・ジェームスの切なさを体当たりで演じています。
それに、姿かたちがいつもながらパーフェクト。顔のパーツの一つ一つ、全体のバランス、ボディライン、描線のどれをとっても完璧で、ウェストとヒップのギャップなんかはスペシャルエフェクトで誇張してあるんじゃないかと疑ってしまうくらい。見とれちゃいました。
あと、Muddyの弟分でハーモニカの天才ながらアルコール依存と気の短さで身を滅ぼすLittle Walter役を演じるColumbus Shortが、Muddyの内縁の妻に亡き母を重ねて慕う哀しさを演じきっていて、これもいいなと思いました。
その内妻役のGabrielle Unionも、控えめながら様々な悲しみをしっかり演じていました。この人も結構私のお気に入りです。

全編、イボニクス(黒人英語)な上(チェスは白人だけど黒人みたいなしゃべり方をする)、みんな口にタバコをくわえたまま口をあまり動かさずにしゃべるので、聞き取りは容易でなく、なのでストーリーも私が「こんな感じかな」と解釈した程度のもの。
ただ、それでも私にとっては"No Country For Old Man"のテキサス英語よりは30倍くらい分かりやすかったです。
まあ日本で上映されるとしたら字幕付きだからこの点はどうでもいいでしょうが。

学生がいなくなった学生街のホリディシーズンで、かつまともな映画なので、映画館には私一人。独占状態でした。でも逆に誰か入ってきたら嫌だなと、始まるまで結構ハラハラでした。
もし日本で上映されるなら、オススメの映画です。


おまけ(毒あり):

隣では、"Australia"っていう重厚長大歴史映画っぽいのやってたんだけど、これどうしても見る気が起きないんだよね。
理由は、主演の2人が好きじゃないから。
特に男優のヒュー・ジャックマン。いや、正直言ってこの人の出てる映画は見たことないんで役者としてどういう人か知らないんだけど、ルックスがあまりにもタイプ外。
この人が、雑誌Peopleが選ぶ今年の「生きてる中で一番セクシーな男性」に選ばれたと知って心底驚いた。

確かにボディはやたらムキムキ ムンムンしてるんだけど、私に言わせればむしろきもちわるい。
やたら小顔でボディとアンバランスなのも気に食わないし、
顎が細くて貧相なのも気に食わない。
でもって、顔の造りがほんっと どーーーー ってことないんだよね。全然、印象に残らないタイプ。現に、今でも顔が覚えられなくて、「やたら体がムキムキしてるくせに頭が小さくて無印象な顔の人」っていう記述的な覚え方をしている。
何かの雑誌だかニュースサイトだかで誰か(もちろんアメリカ人)が「彼が部屋に入ってくると女性全員の顎が床に落ちる」って言ってたけど、私だったら多分入ってきたの気づかないと思う。
歴代のsexiest man aliveの中でジョージ・クルーニーとかジョニー・デップとかは私でも「なるほどね」って思えるけど、今回は本っ当にがっかりした。アメリカ人の趣味は理解できん。
ただ、「最もセクシーな金髪男性」に、私のお気に入りのSimon Baker(「プラダを着た悪魔」に出ていた中村雅俊似のオーストラリア人)が選ばれていたのはちょっと鼻が高かったね。最近、ドラマ"The Mentalist"に主演して、人気急上昇中みたいです。

あと、Australiaのもう一人の主役、ニコール・キッドマン。いや、品があると思うし、それなりにいい女優さんなんだと思うし、トム・クルーズはひどいヤツだと思うけど、
昔からどうも、あの人の目の辺りが怖くて引っかかってしまうんだよね。余裕のなさを感じるというか。
なのでどうしても、屈託なく「好き」って言うに至らない。まあ別にいいんだけど。

あとは、役者として大好きなショーン・ペンの出ている "Milk" と、ブラッド・ピットやケイト・ブランシェットが出てる "The Curious Case of Benjamin Button" は冬休み中に見るつもり。ブラピは、アニストンに対してひどいと思ってるしルックスで騒がれるのが個人的にイマイチ理解できない(要はタイプじゃない)けど、役者としては結構いいものあると思ってる。「12モンキーズ」とか「ファイト・クラブ」とかの演技はお気に入りです。



舞台の方がいい Mamma Mia!、目の保養 What Happens in Vegas

2008-08-18 12:20:30 |  Movie
さて、最近見た映画2本です。

まずは、Mamma Mia!。なかなか豪華キャストで、メリル・ストリープとかピアース・ブロスナンとか出てます。
内容的には舞台ミュージカルを「ほぼ」忠実に再現していますね。「ほぼ」っていうのは、舞台では一番目玉の歌 Dancing QueenとMamma Mia!はアンコールまで出てこなくて、アンコールで劇場がディスコ(古いがしかし70年代フレイバーだから)に変わるのが楽しかったんですが、映画では中盤から早速どっちの歌も歌われちゃいます。

映画の見所は、何でしょうね。強いて言えば、舞台になっているギリシアの海と島の美しさでしょうか。
正直言って、このミュージカルはストーリー的には大した内容はなくて、全編ABBAの歌で構成されてるのが楽しい(逆に言うと、歌詞に合うように適当にストーリーが作られてる)っていうものなので、映画にするとちょっと厳しいものがあります。
あとやっぱりキャストが・・。メリル・ストリープは頑張ってるんですけど、私は舞台の方はプロヴィデンスとトロントで2回見たけど、どっちもメリルが演じた母の役はすっごく歌のうまい女優さんがやってたんですよね。
しかも、多分設定上、40歳そこそこっていう役だと思うから、メリル・ストリープが歌いながら飛んだり跳ねたりしてるのはその点でもやや厳しかった。
あとやっぱり、彼女に限らず、舞台の方が当然みんな歌もダンスもうまいから、そっちと比べちゃいましたね。

まあこれに限らず、私は舞台のミュージカルは好きだけど、映画のミュージカルはあんまり、なんですよね。
いきなり歌いだすのとかね。歌も(くどいけど)絶対舞台よりうまくないし。
(ただ、ちょっと前にテレビでやってるの見たHairsprayは面白かった。舞台のキャストが結構出てたし、やっぱりジョン・トラボルタがあっぱれだった。女装して太ったお母さん役やってるんだけど、かわいく見えてくるのがすごかった。最後のダンスもノリノリで本領発揮だった。)
今回も、ピアース・ブロスナンとなんか過去の話ごちゃごちゃしてたメリル・ストリープが、いきなり "I don't wanna talk~" って歌いだすシーン、一緒に行った男子友2人は噴出してた。


変わって今度は、今回飛行機の中で見た「ベガスの恋に勝つルール」。こっちでは少し前に上映が終わりました。
キャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャーが出てますね。

まあ内容的にはありがちというか、完全に読める展開ですけど、
こういう映画はストーリーがどうこうじゃないからね(ストーリーは割愛)。

とにかく、キャメロンがかわいいっていうのと、アシュトンの顔がチャーミングっていう、この2点につきますね。
キャメロンは、ちょっとはしゃぎすぎかな~なんて気もたまにしたけど、しかしまだギリギリかわいいの範疇に入ってる。スタイル抜群、美脚も完全披露ですね。常にミニスカです。
アシュトンは、やっぱいい顔だよね。とにかくね。

ケタケタ笑って、「あーおもしろかった。キャメロンかわいかったねー」って映画館を後にできる、軽い映画です。


良かった映画2本 The Visitor; WALL-E

2008-07-19 10:37:20 |  Movie
仕事で今、とあるmotion to dismissを書いてるんですが、相手の方が相当strong caseなんで、
何とか形勢逆転させたいと調べて、有利に使えるケースをいくつか見つけて、ようやくargumentの骨子が出来たので、それをスーパーバイザーにアップデートして、「それでいきましょう」とオッケーをもらいました。あとは月曜日にダッシュでmotionを書き上げるのみ。
ということで、ハッピーな週末を迎えています。

さて、少し前になりますが、いい映画を2本ほど見たのでシェア シェア。パンダばっか見てるわけじゃないですよ。(ライン的には近いものがあるが。)

まずは、The Visitor。
コネティカットの大学(イェール??)の妻に先立たれた年配教授、教えることや研究への情熱も失い無気力にマンネリな日々を送っているのですが、
ニューヨークにも小さなアパートを持っていて、会議などで出張した際はそこに泊ります。
今回、とあるシンポジウムみたいなのに出るため久しぶりにニューヨークに来るんですが、アパートに入ると、そこには知らない人が住んでいました。
不法移民の夫婦が、そういう人相手にあやしげな商売等をしている人から知らずに借りたことが分かるんですが、夫婦は事情を知ってすぐに出て行きます。
しかし、見るからに行き先のない2人を見て、教授は一晩の宿を申し出ます。結局2人は、次の住まいが見つかるまで教授のアパートに滞在することになります。

夫は、シリア人でバーなどでアフリカンドラムのライブ演奏をやっている人。妻は、セネガルだったかアフリカ人で、手作りのビーズアクセサリーを路上で売っています。
この夫が、とてもチャーミングで人懐っこく、見るからに面白みのない教授に、アフリカンドラムの魅力を教えます。

しかし、どんなにニューヨークの街並みに融けこんでいても、2人は不法移民。そして・・、というストーリー。

不法移民を扱ってはいますが、政治的メッセージは強くなく、むしろ教授とシリア人の夫及び彼を心配してミシガンからやってくる美しい母親の、あたたかい交流と、それを通じて再び感情や生活の色彩を取り戻していく教授の変化に焦点が当てられています。

派手さはない、むしろ地味目の映画ですが、しみじみ良かったです。
ニューヨークの街並みも懐かしかった。シリア人夫役の俳優さん、その母親役の女優さんも素敵でした。


変わって今度は WALL-E。
Pixerのアニメ?映画ですね。

ストーリーはまあ単純だしそのうち日本でも話題になるでしょうから割愛しますが、同じディズニーでもPixerの方が大人向けっていう気がします。
環境問題、ゴミ問題、文明ちょい批判、みたいなの入ってますね。
しかし何より、ロボット(WALL-E)がかわいく見えるのがすごい。最新式ロボットEVEとのロマンスも心温まります。

パンダはボロクソにけなしてかつそれを撤回する気も全くない私ですが(むしろまだ言い足りない)、こちらについてはおススメしますね。
まああと単純に、子どものころから宇宙系の映画は好きっていうのもあるかも(スターウォーズは除く)。銀河鉄道999に端を発してるのかも。星空を眺めて色々想像するのも好きだったし。・・・。


こっちで今話題は、断然 The Dark Knightですね。ヒース・レジャー オスカー並みの演技とか言われてます。あとMamma Mia!ね。この2つは見ようと思ってます。
ちなみに Sex and the Cityはパス。推定設定年齢45~50歳の女性だったら、Mr. Rightとかcommitment issueとかone night standとかcougarなんかより、よっぽどリアルで重要な問題あるだろう。キャリア面はもちろん、子どもの教育費どうするかとか、家のローンどうするかとか、自分の老後どうするかとか、親の介護どうするかとか。(あっでもアメリカ人は日本みたいに親の面倒みないか・・)せめて設定年齢が10歳若ければ、もうちょっとrelateできるかもしれないけどね。


一歩

2008-06-15 01:56:19 |  Movie
何だか最近(相変わらず)いろんなことがいっぺんに起こってるんですけど、
とりあえず映画の話をまず。

昨日、sugaと映画の話してて、「僕は人生を変えるような映画を観るようにしてるんだ。カンフーパンダだって人生を変えた」とかいうから、
「随分変わりやすい人生だなおい」と思いつつ、「How? How? How? How?」って100回くらい聞いたら、

パンダは、映画の最初の部分でカンフーのドラゴンマスター(みたいな名前。忘れた。)に憧れていたけれど、(よく分からないけど何か)殿堂(みたいなところ)にいったとき、すぐに「ああっ、これはナントカ勇者のナントカの剣だ!」「ナントカの壷だ!」と分かったみたいに、つまりカンフーについてすでに多くの知識があり、心の準備が出来ていた。
その準備のおかげで、扉が開いたときにドラゴンマスターになれたんだ。
僕は法の歴史や偉大な法律家についてパンダのように知識がない。まだ準備が出来ていないんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・スゲー。・・。

どこをどうやったら、あの太っちょパンダのどたばた喜劇、に、薄っぺらい借り物の哲学で申し訳程度に味付けしたお子様向け映画、から、それほどまでに美しいものをすくいとれるのか。
てかあのパンダそんなこと言ってたか?(いや、「ナントカ勇者がどうの」とかじゃなくて。)それはもうほとんど、きみの創作だと思うぞ。

「・・うーん、あの映画はそこまで意図してなかったと思うよ。」
「意図してなかったかもしれないけど、僕はそう思うんだ。」

映画は間違いなくくだらなかった。すばらしいのはsuga、きみの心根だ。


と、いう伏線があってですね、同じ昨日の少し後の時間に、もう一人の同僚とsugaが超人ハルクを見に行くという話をしていたんですけど、
同僚が私に、「イコも行く?」って聞いてきて、
気がついたら、「イヤー」(「嫌」じゃなくて「yeah」)って、言ってしまってたんですよ。

言った瞬間、「しまった!」と思って(ついでに顔にも出て)しまったんですがあとの祭り。
なぜ行くって言ってしまったのか私。

まあ最大の理由は、誘ってきた同僚が今週で仕事終わりなんだけど、彼とのランチ・ディナーに、私は部屋探しのため参加できなかったので、一度くらいsocializeする機会があってもいいと思ったからですね。
あと、もう一人の同僚も行くというし、男子映画を男子らと見るのも面白い経験かと。来週末からのルームメイトが2人とも男子なんで。
あともちろん、sugaの顔というのもあった。でもこれは行くって言った後、暗くて顔は見えないということに気づいた。
そして、another stupid American movieから、sugaがまたどんなすばらしいものをこしらえるか聞いてみたいというのもあった。

ともかく、行くと言ってしまった以上行かざるを得ない。心の中で壁に頭を打ちつけながら映画館に向かったわけですが、もうちょっとで到着というときにsugaから電話。

「9時半の回もその次の回も売り切れで、10時55分になるんだけど、大丈夫?」

神がまた、私に試練をお与えになっている。そこまでして見る映画?とお尋ねになっている。
しかし、今日は8ドル無駄にしてくだらない映画を見ると決めたんだから、ここで翻したら女がすたる、ということで、そのまま映画館に向かい、(田舎でみんなやることないから金曜の夜大挙して映画館に押し寄せてくるおかげで)駐車場探しに苦労して、10時過ぎまでみんなでだらだら時間つぶして、いざ観劇に向かいましたよ。

そう、私はついに、超人ハルク(The Incredible Hulk)を、劇場で見てしまったんです。しかも封切り日に。これが私にとってどれほど驚天動地なできごとか、みなさまお分かりいただけるでしょうか。

でもね、映画は意外と楽しめちゃった。
結構、はらはらドキドキしちゃった。
パンダみたいにこしゃくな借り物哲学なんかに色気出してない分、純粋エンタメって感じですね。中身はないけど(もちろん)、まあ絶叫マシーンと同じ。
あと、役者がね。知らなかったけど、私の好きなエドワード・ノートンとティム・ロスが出てて、まあ正直、今まで信頼してたのに何でこんな映画に出てるんだ君達、って思ったけど、やっぱりいい役者はいい役者だね。

ちなみにsugaは、「色々疑問がある」って、ちょっと不満そうでした。

というわけで、私もついに、何かに向かっての一歩を踏み出しました。
これは進歩なのか。崩壊への一歩なのか。
請うご期待。



遅ればせながらオスカー

2008-02-29 06:43:56 |  Movie
On top of reading for classes, 明日提出の課題のせいで、日曜からずっと1日の睡眠時間3,4時間っていうのが続いていて、結構フラフラ。
でも、課題のほうはお陰様でほぼ完成して、あとは推敲をさらに重ねるだけなので、いったん頭を切り替えてfreshな目で見るために、ちょい休憩中です。(この隙にブログ更新)

先日、ご招待にあずかりまして、プチ日本会ですっごくおいしい手巻き寿司をご馳走になってきました。
こんなド田舎で黒米のごはんとかsushi quolityのお魚など目の当たりにして涙にむせびつつ、さらに久しぶりに思いっきり日本語でおしゃべりして、すごく楽しかったです。
(何しろ日本語話す機会なんて、親に電話するときとひとりごとくらいだから。)
で、またまた、素敵なご夫妻の仲の良さにモティベーション右肩上がりでした。
ワシもいつか・・近い将来に・・・!!

どうもありがとうございました!!!


さてさて、遅ればせながらオスカーにちょい反応です。
いやー、コーエン兄弟とNo Country for Old Men、やりましたねー。
Javierも、助演賞とりましたねー。

あの役は、おそらく映画史上に残る名キャラクターですね(髪型含む)。
「・・・・・・・・」
となっているときも、
(・・・・殺しちゃおっか、 なー・・・)
って、思ってるのが分かる。画面から伝わってくる。

趣味:殺人
好きなこと:殺すこと
天職:殺し屋

みたいな人です。
雑誌「とらばーゆ」とか「ケイコとマナブ」とかで見かけがちなキャッチフレーズ、
「”好き”を仕事にする!」を、キッチリ体現している人といえば、いえるね。

あと、いつもながら賞そのものより、ドレスどんなん出てくるんだー って、ワクワクしてたんですけど、
んー・・。今回は、いい言い方をすればみんなそこそこ洗練されてて、逆に言うといまいち無難で、一目で「キャッ 素敵っ」みたいなのがなかったですね。
しいて言えば、Katherene Heiglの赤のワンショルダードレス(左から2番目)がよかったかな。華とセクシーと洗練がギリギリのバランスとってると思いました。

驚いたのが、主演女優賞を取ったフランスの女優さんのドレスですね。
あのうろこもようのやつ。
ゴルチエか誰かのみたいですけど、確かにおしゃれ。
で、本人的にイメージしてるのは、マーメイドだな多分。
でも悲しいかな、日本人の私には、鯉に見えて仕方がありませんでした。

・・お呼ばれに、近所のカフェでケーキ買って行ったんですけど、こんなんなっちゃった。
中身は実は、たったのケーキ4個。なのに、いっこいっこプラスティックの皿に載せて(しかもケーキは寝てる)、個別に大きなテイクアウト用のケースに入れてくれたのです。
不器用と雑と環境気にしないが合わさると、こうなるという見本。



長いと感じさせたら負け Definitely, Maybe

2008-02-18 09:10:19 |  Movie
昨日は、映画 Definitely, Maybe を見てきました。

デレク・ルークとLittle Miss Sunshineの天才子役アビゲイルが出てるので見たかったのですが、映画自体は良くてまあまあでした。
途中、正直「・・・長いな・・。」と思っちゃった。いい映画って、長くてもその長さを感じさせないものだけど(e.g. アメリカン・ギャングスター、ブラッド・ダイヤモンド)、これは実際の長さはそうでもないのにそう感じちゃいましたね。
せっかくのデレクなのに、どうってことない役でもったいなかった。
ただ、映画の舞台がニューヨークなので、懐かしかったです。都会が恋しい。。

大した映画じゃなかったんで、今回はこの辺で。

完敗 No Country for Old Men: まあまあ How She Move

2008-02-11 08:59:55 |  Movie
今週末は、火曜日提出の課題が結構早く目鼻ついたので(まだ仕上げが残ってるけど)、大分気持ちが楽です。

さて、最近見た映画2つ。

まず、No Country for Old Men。ご存知ゴールデン・グローブ賞受賞作、オスカーノミネート作ですね。邦題は「ノーカントリー」。

シニカルなストーリー(割愛)もいいし、コーエン兄弟ならではの淡々とした中に妙なユーモアと凄みを感じる画面もいいし、そして役者が素晴らしいです。
特に、サイコの連続殺人鬼役の Javier Bardem が最高。スゲーこわい。実際の俳優さんはハンサムな方みたいですけどね。70年代っぽいマッシュルームカットと低い声が怖さを引き立てる。
老シェリフ役のトミー・リー・ジョーンズもいい味出してます。
200万ドルを横取りする主人公の俳優さん Josh Brolin は、アメリカン・ギャングスターで悪徳警官役をやってました。この人もうまいです。映画を観てても分からないけど、素顔はハンサムですね。
あと、その主人公の妻役で、かの「トレインスポッティング」のダイアン役だった女優さん Kelly MacDonald が出てます。「ゴスフォード・パーク」でもメイド役で出てましたね。この人、見かけも声もすごく若くて、15年くらい前のトレイン・・時からほとんど変わってないのがあっぱれ。スコットランド人ですけど、今回テキサスのアクセントをマスターしてます。

しかし。
正直、細かい話は分からなかった。
ていうか、テキサスのアクセントは全っ然理解できん!!!あれ英語??
「あー今トミー・リーすごいいいこと言ってんだろうな~」と思っても、サッパリ聞き取れませんでした。
やっぱり私には西部は無理です。完敗。

なお、一言注意。
この映画、ものすごーーーーーく怖いです。見るに耐えない怖ーーーーいシーンの連続です。
「やっぱァオスカーノミネート(多分受賞も)作だしぃ」て、中途半端に文化人ぶって見に行くと、エライ目に遭います。


もういっちょう、カナダ発ダンス映画 How She Move。
相当マイナーだと思うのでちょっとストーリー書くと、トロント出身の女子高生が、高い私立の全寮制学校にいて大学医学部進学を目指してるんですけど、妹がドラッグにはまりまして、両親のお金をリハブで使い果たした挙句に亡くなってしまいます。
したがって、高い学費が払えなくなり、主人公は柄の悪い故郷に帰ってきます。
奨学金の試験も受けるけど色々事情もあって「ダメダー」となった彼女は、でもダンスコンテストの賞金が5万ドルなのに目を留めます。
で、男子のダンスグループに入ってコンテストに出場する、っていう話。

映画は、まあストーリーはありがちな感じですけど、ダンスシーンがやっぱ迫力でしたね。
ただ不満を述べると、こういうこと書くと嫌われそうだけど、嫌われてもいいから書くけど、
主人公がもうちょっとかわいかったらねぇ・・。

まあビヨンセとかリアナ、シアラ級は求めないにしても、もうちょっとねー・・。整った顔をしてはいるんだけど、どーもイマイチ華がなかった。ダンスも、もちろんうまいんだけど、すごいうまい人(上記3人とか映画RIZEとか)を見慣れてる目には、そんなにずば抜けてすごいかね、って感じがした。
相手役の男の子は、LL Cool J似でかわいかったですけどね。

東京だったら、渋谷のパルコの上あたりの映画館でやりそうな映画です。

素直にいい話 The Great Debaters

2008-02-09 06:58:12 |  Movie
「アメリカン・ギャングスター」であれだけ話題になったデンゼルの、最新作 The Great Debaters ですが、ここではさっさと上映が終わってしまいました。
やっぱりこういう派手さのないいい映画で、さらに人種の問題に触れたようなのはこの辺りじゃ無理ですな。
でも、日本の方が許容性があるので、ミニシアター系になるかもしれないけどいずれ上映されるんじゃないかと思います。

さて、映画は実話を元にしています。
1930年代のテキサスの、黒人大学で、とある教授(デンゼル)が、生徒のディベートティームを作るのですが、このティームがまずは他の黒人大学、全米の注目を集め始めると白人大学をも相手に次々と勝ち進んで、最後はかのスーパーエリート大ディベート部に勝利して全米一になる、というストーリーです。

ディベート部には、オーディションの末4人の生徒が選ばれて、選手2人とリザーブ2人をつとめます。
選ばれた4人は、ちょっと斜に構えた、でも読書好きで文学の知識がすごいヘンリー、女子学生で唯一オーディションに参加した利発なサマンサ、人々の信頼厚い牧師の息子でまだ14歳のジェームス、あともう一人男の子がいたけど名前忘れた、です。

まだcivil rights movement前の、激しい人種差別が存在するテキサスが舞台で、劇中にもむごいシーンが出てきたりします。
しかし、監督と主演をつとめたデンゼルは、人種差別を描きたかったのではなく、underdog 負け犬 が、自信を育てていく普遍的な話として描きたかったのだと言っていました。
これに、デンゼル演じる教授の労働者組合結成運動の話、ヘンリーとサマンサの恋、などがからんで、素直にいい映画に出来上がっています。
画面の美しさもmentionに値します。ヘンリーとサマンサが、いかにも南部っぽい湖でボートに乗ってデートする場面は特にきれいでした。
あと、テキサスとボストン(最後のディベートの舞台)の文化度のコントラストも面白かったですね。

役者も素晴らしいです。
まずデンゼル。あえて何も言うことなし。いつもながら完璧。
あと、ジェームスの父の牧師役でオスカー俳優フォレスト・ウィテカー。この方も言うことなし。いつもながら本当にうまい。説得力抜群。
あと個人的に、ヘンリー役の Nate Parker がすごいかっこよかったです。ジェームス役のDenzel Whitakerは、苗字がフォレストと一緒だけど、親子じゃないみたいですね。

とある南部白人大学とのディベートのシーンで、「黒人と白人が同じ大学に通うべきか」というテーマで双方討論するのですが、相手が「黒人差別が根強い、だから白人大学に黒人が行くのはまだ時期尚早」という主張をしたのに対し、サマンサが力強く、
「時期尚早だというけれど、ではその時はいつ来るのか。明日?来年?100年後?Never? 正義の時、自由の時、平等の時は、いつだって、現在 right now である。」と言い切るシーンが素晴らしくかっこよかったです。
(サマンサは、その後弁護士になったことが、最後に紹介されます。)

なおデンゼルは、この話の舞台であった大学に100万ドルを寄付して、ディベート部の復活を依頼したとのことです。

So Cool... American Gangster

2007-12-16 11:47:41 |  Movie
念願の「アメリカン・ギャングスター」観てきました!
11月3日公開で、試験前だし長い(2時間37分)ので時間がとれず、こっちは大体2,3週間しか上映しないから、試験後に観られるかハラハラしていたのですが、
相当人気で、私の周囲でも見た人は全員絶賛していたので、
きっと普通より長めにやるだろうと賭けに出ました。
見事、勝利。V。
試験終了後、さすがに当日は疲れてたので友だちとディナー食べて早く寝たんですが、
可及的速やかに昨日、見に行ってまいりました。

いや~おもしろかった!
デンゼルがいつにもましてかっこよかった。
ラッセルとの演技派真剣勝負もすごく見ごたえあった。
ご存知のとおり実話に基づいていますが、ストーリー展開も構成もよくできてました。(ストーリーは割愛)

帰ってから(終了は夜1時過ぎだった)フランク・ルーカス(デンゼルが演じた主人公)についてリサーチしてたんですが、77歳のご本人もデンゼルの演技には大満足とのことでした。
「ミスター・デンゼルが演じてることは、85~95パーセントの正確さだね。あれ以上は望めないね。」とのこと。
そりゃー嬉しいよね。自分のバイオグラフィー、しかも人生で最高に華やかだった時代を、デンゼルがあのルックス+演技力で演じてくれるんだから。

他のキャストも豪華。
ラッセルも、さすがオスカー俳優の迫力演技です。
あと、何気にキューバ・グッディング・JRとか、ラッパーのCommonとか出てます。
キューバは・・。ちょっとこの人の演技、いまいちセンスを感じないんだな~。オスカー俳優ですけどね。「僕はラジオ」は観て泣いちゃいましたけどね。特に"Daddy Day Care"とか見ると(コマーシャルしか見てないけど。くだらないから)、少なくともコメディのセンスはゼロだなと思います。今回も、どーも微妙にハズしてる感じした。
コモンは、いつも思うけどじつにイケメン。演技も比較的経験浅いにしてはまあ悪くなかった。

3時間近い長さを全く感じさせない緊迫感あふれるストーリー展開、豪華キャストの競演、デンゼルかっこいい、のほかに、映画のビジュアルも素晴らしい。
70年代のハーレムや時代の雰囲気がよく再現されてるみたいです。(私は見たことないからぴんと来ないけど、年上のアメリカ人友人がこの点絶賛してた)
あと、モハメド・アリとデンゼル(ていうかフランク)の握手シーンも、合成と思えないいい出来だった。
あんまりテクに走った画面は好きじゃないけど、こういう風に使われるんなら、技術の進歩もいいものですね。
デンゼル(フランク)のファッションも素敵。リッチになってからは、(チンチラのコートを除いて)常に洗練された着こなしでみとれちゃいます。

と、大満足の勢いで、もう一つ目をつけていた ケイト・ブランシェット出演のボブ・ディラン伝記映画 "I'm Not There" を見たいと思ったのですが、田舎の悲しさ、こういう気の利いた映画は2週間くらいで早々に上映が終わっていました。
残念。批評家とかこぞって大絶賛の、ケイトの演技をスクリーンで見たかった。

受け取ってください Emmanuel's Gift

2007-07-12 12:44:08 |  Movie
ズンズンと進行する円安ドル高を凍りつく目で見守っていましたが、ちょっと一服しほっとしているこの頃です。依然高いですけど。。

映画「エマニュエルの贈り物」を見ました。

障害者を親の罪により呪われた存在として差別するガーナに、右足に先天的な障害を持って生まれたエマニュエル。
しかし施しに頼ることなく仕事をして弟妹ら数多くの家族の生活を支え、アメリカの障害者支援団体にもらった自転車を左足のみでこいでガーナ中を回り、さらにアメリカにわたって義足をもらいトライアスロンに挑戦します。
健常者・障害者を含めてガーナの人々の意識を変え、アメリカで得た賞金などを元に設立した財団で、車椅子の寄付や障害者への奨学金援助を行い、とうとうそれまで全くの無策だった政治家まで動かして、障害者保護法の成立にこぎつけるまでの過程を描いたドキュメンタリーです。

エマニュエルの贈り物。
それには、エマニュエルが受け取った贈り物と、エマニュエルからの贈り物とがあります。

彼が受け取った最大のギフトは、お母さんからの大きな愛。
息子を障害者として育てることを拒み、貧しい中で毎日背負って学校に送り迎えをし、「人の施しに頼るな。自分に誇りを持て。」と教えて、しかし病のために若くして亡くなったお母さん。
忍耐力、意思の強さ、あたたかく大きな心、目標を達成するための最善の方法を考える頭の良さなど、エマニュエルの持つ素晴らしい数々の資質も、ギフトと言えるでしょう。
彼を支える数多くの人の存在も贈り物。アメリカにわたった彼をインスパイアする障害者アスリートであるジム・マクラーレン(交通事故で片足を失うも義足をつけ片足の長距離ランナーとなり、2度目の交通事故で胸から下が麻痺)とルディ・ガルシア・トルソン(両足に重度の障害を持って生まれるも両足とも義足をつけトライアスロンに挑戦)との出会いも、大きな贈り物。

そしてエマニュエルが周囲の親しい人たちに、ガーナの人々に、世界中の人々に私たちに、与えてくれる贈り物たち。
多くの人に映画を観て直接受け取ってほしいと思いましたが、最大のものを挙げるとすれば、やはり「自分を尊重し、尊敬し、誇りを持つことの絶対的なかけがえのなさ」を改めて教えてくれることではないでしょうか。

印象的なシーンはいくつもあるのですが、特に感動したのが、
エマニュエルのお父さんは、障害者である息子が生まれたのを見て、家族を捨てて逃げ出しました。
しかし、20年以上経ち、エマニュエルが有名になってラジオ出演しているのを聞いて、名乗りを上げてきたのです。
「家族を捨てた父。お金がなかったからと言うけれど、再婚して子どもを7人も育てている。言い訳だ。悲しい。」と、悲しみと怒りをあらわにするエマニュエル。
でもやがて、「人々の融合を説いている自分が、父を許さなかったら偽善者になってしまう。」と、お父さんを許すことにします。
その気高さと強さ、悲しみも怒りも自分で引き受ける潔さ。その上で前に進んでいくポジティヴさ。
誰もが惹きつけられ、心を動かされる彼の素晴らしさが、ここに表れている気がしました。

映画館で販売されている、ガーナ大使館特製チョコレート。
300円中100円がガーナの障害者支援のために寄付されるそうです。

 
カカオの香り濃厚で美味。