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Eko's スクール日記

米国ロースクールJD課程に在籍中です。こちらは旧ブログなので更新はありません。

圧巻ルーベンス Ringling Museum of Art

2008-07-20 12:37:52 |  アート
今日はちょっと遠出をして、サラソタにあるリングリング美術館に行ってきました。
何でも、リングリングというサーカスを始めた富豪が作った美術館だそうです。

美術館だけだと思っていたら、サーカスの劇場、富豪夫妻の豪邸、サーカス博物館、バラ園、庭園、等が広大な敷地の中に点在する、一日過ごせるテーマパーク規模でした。
すぐ隣にミュージカルなどやる劇場もあるし、知っていたらもっと朝早く来て色々回ったんですけど、時間切れで美術館しか見られませんでした。(といっても2時間以上いたんだけど)

リングリング夫妻は、かなりヨーロッパ趣味が強いみたいで、かつトラディショナルなテイストの持ち主とお見受けしました。
なので、20世紀絵画(印象派など)はオリジナルのコレクションにはほとんどなかったそうです。
主体はルネサンス以降のヨーロッパ絵画ですね。バロックとかも。

こんな感じで展示してあります。建物も豪華、21室くらいある常設展示室は、どの部屋も異なる趣向が凝らしてありました。(ちなみに写真撮影可です。フラッシュは不可)


しかし、最大の目玉は何といってもルーベンスのコレクションでしょう。
私は順路を逆に回ったのですが、それがかえってよかった。
まずは、お気に入りのルーベンス画。実はOsias Beert the Elderという静物画家との合作なんです。珍しいでしょ。人物がルーベンス筆、周りの花などの静物がBeert筆です。


そして、最後に待っていたのが勝手に名づけて ルーベンスの間。しかも2部屋ありました。巨大なルーベンス画が2部屋に渡り5枚展示されていて、圧巻です。あまりに素晴らしいので涙出てきました。


どれくらい大きい絵かっていうと、左下に小さく写っているのが私。

(余談ですが、アメリカ人に写真撮影を頼んでちゃんと撮られた試しがない。必ずブレます。まず傾きます。間違いなく人物は小さすぎるか大きすぎるかです。特にブレは、多分日本製みたいな精巧な精密機械の扱いに慣れてなくてギュッって力強く押しちゃうんだな。手ブレ補正も太刀打ちできません。)

特別展では、現代美術もやっててそれはそれで面白かったけど、日本版画展がサプライズで嬉しかったですね。伊東深水とか棟方志功とかあって、「あー日本帰りたいな」って、思いました。

真ん中が深水。


右側が志功。左は臼杵の石仏ですね。懐かしい・・


美術館の中庭。トロピッカルムードが漂いますね。一応ダビデ像もあります。


サラソタへは、St. PeteからSkybridgeというのを通って行きます。長ーい橋で、途中船が通れるように高くなってるんですが、これが近づいてみると思った以上に高度があって、高所恐怖症の私はかなりヒヤヒヤでした・・。きれいな眺めを楽しむ余裕もなし。ジェットコースターみたいだった。

スカイブリッジ。船が通ってます。


輝く青い海と空を貫く橋を車で走っていると、沖縄を思い出します。海は沖縄の方がずっときれいだけど。

日暮れも近づく頃、潮干狩り(多分)の人々。


ところで、美術館でじっくり絵を見ていたら、見張り?をしているおじさんが話しかけてきて、
"You look enjoying looking at beautiful pictures."
"Yes, I do."
"Well, most people don't. They don't know what they are looking at. They just see--pictures."

笑えた。確かに、短パン・ビーサンの人たち、心ここにあらずみたいにさっさか通っていくもんね。

リングリング美術館、正直言って大多数はあまり聞いたことのない人の絵ですが、あのルーベンスコレクションを見るだけでも価値はあります。


美術館&ウォーキング

2008-07-15 11:24:41 |  アート
先週は、St. Peteに仕事で行ったので、そのついでに再びダリ美術館に行ってきました。
木曜日の午後5時以降だと、学生は5ドル。お得ですよ。
現在の展示は Dali and Women。たくさんの傑作を堪能しました。

その勢いで、昨日日曜日は同じSt. Peteの Fine Art Museumへ。
常設展のほか、規模は小さいけどアンセル・アダムスの写真展や、Self Taught African American Artists展なんかもやっていて、なかなか良かったです。
アンセル・アダムスは好きなのでどれもよかった。いちいちじっくり見ちゃいました。
African Americanでは、Bill Taylorという名前だったと思うけど、奴隷出身の人のフクロウの絵が、シンプルなモノトーンの単純化された描写にちょっと日本画にも通じる洗練が感じられて、とても良かったです。
常設展には、好きなセザンヌも1点ありました。東洋美術も割と充実してて、歌麿の浮世絵(版画だけど)もありました。
2時間では足りなかった・・ 閉館時間になっちゃったから最後のほうは駆け足でした。

今日は、常々運動不足を自覚してというか危機感が募ってきたので、日暮れごろからウォーキングに出かけました。
Bayshore Blvdという、その名の通り湾岸沿いの道があるんですけど、そこがとてもいいジョギング&ウォーキングスポットなのです。
片側には英語でいうmansionつまり豪邸が立ち並び、もう片側は海。湾なので、対岸が見えます。
今日は大分暗くなっていましたが、先日明るかったときの写真。

まず豪邸。大きさ的にはもっと大きいのがたくさんあります。家の前に広々と芝生と大木の庭が広がっていたり。どの家&庭もよく手入れされてて、夜はライトアップしてあります。


そして海側。向こうのスカイラインがTampaのダウンタウンです。夜は夜景がきれい。


昼間は暑いけど、日暮れごろは涼しい風が吹くので過ごしやすかったです。
実はこれまでもっと頻繁に行きたかったんだけど、何しろやたら雷雨が多くて、絶妙な時間にザバーービカーーってやられると歩くどころじゃなくて。
あと2週間もないけど、雷雨の間隙を縫ってもっとウォーキングしたいと思います。

完璧なまでの悲劇 モディリアーニと妻ジャンヌの物語展

2007-05-20 14:55:32 |  アート
先週、Bunkamura Museumでやっている モディリアーニと妻ジャンヌの物語展 を観ました。

モディリアーニは大好きで、展覧会にも数知れず行っているのですが、妻のジャンヌにも焦点を当てたものは初めてなので、とても興味がありました。
絶世の美男:ジェラール・フィリップ主演の映画「モンパルナスの灯」はもちろん観ていますが、何しろ随分昔のことなので、ジャンヌのことは最後身を投げるシーンしか覚えていません。
なので、ジャンヌ自身才能豊かな画家であったことは、この展覧会まで知りませんでした。

まだモディリアーニと出会う前と思われる、16歳頃からの素描やグワッシュ、油絵が並んでいますが、モディリアーニがその美貌だけでなく才能にも惚れ込んだということが納得のいく素晴らしいものでした。
特に、16歳のときに描いた、特徴のある豊かで長いお下げ髪の自画像、色や構図にただならぬものを感じました。
そして、おそらくまだモディリアーニの影響を受ける前と思われる頃の絵にも、例えば手の描写の線など、モディリアーニによく似ているところがあるのにも驚かされました。

モディリアーニの絵ももちろんたくさんあるのですが、特に最後の方にあるジャンヌを描いた3枚の油絵は素晴らしかった。
愛と優しさと生命の美しさにあふれていました。

この美しく才能豊かなカップルが、どちらも極めて短い人生を送ったことを思うとき、なんともいえない悲しい気持ちになります。
14歳のときから度々襲った結核に35歳の命を奪われてしまったモディリアーニ。その2日後、第二子をみごもったままアパートの窓から身を投げたジャンヌ。
そして、その死をもって、これだけの豊かな才能に恵まれたジャンヌは忘れ去られ、歴史から消えてしまったのでした。

見ごたえのある展覧会です。

ティアラ展

2007-03-10 19:48:58 |  アート
遅ればせながら、ティアラ展行ってきました。
だーい満足!!

チケット売り場の列を見てちょっとひるんだけど、中は思ったほど混んでなくて(混んでるけど)、けっこうちゃんと見られました。

やっぱり圧倒的に多いのは、シルバー又はプラチナの台にダイアモンドをちりばめたティアラですが、色石を使ったものも多くありました。
バラや草花の形、麦の穂の形、幾何学模様、ロシアっぽいもの。煌くダイアが素晴らしく、また優美なデザインにうっとり、そして細かでデリケートな職人の技にため息。どんなに見ていても飽きることがありません。

一番好きだったのは、やっぱりエメラルドの大石を使ったものです。今回は2点ありました。
どちらもフローラルなデザインで、ダイアとプラチナでかたどられた花の中心に、また葉先に光る露として、エメラルドがちりばめられていました。何度も何度も戻って見てしまった。
他には、すべてトパーズのジュエリーセットも、何ともいえないはかなげな色合いがよかったし、また、グレース・ケリーが身につけたティアラは、パヴェは一つもなくすべて大粒ダイアですばらしい輝きでした。

都内の宝石・ジュエリー関係の美術展をしらみつぶしに見ていると、「あ、これ前に見たな。」ということがあります。
今回も、見覚えのあるものがいくつかありました。麦の穂のとか、孔雀の羽のとか、そのほかのティアラも色々。
そして、いいものは何度見てもやっぱりいい。本当、うっとりと満喫しました。

関係ないけど、今スカパーで「日曜日が待ち遠しい!」という、トリュフォーの遺作をやっています。
実はこれ、中学だか高校のときに父に連れられて見に行った映画なのです。
あまり覚えていないけど、見ていると「あ、この服。」とか、「この場面見覚えある。」というのが出てきて懐かしい。
父に言われなければ見ることもなかったであろうモノクロのおしゃれなフランス映画なのですが、東京で生まれ育った都会の方々は知らないかもしれないけど地方では映画っていうのは基本2本立てです。
で、これと一緒に上映されたのが、確か「ホテル・ニューハンプシャー」でした。
都会の方々には不思議かもしれないけど、こういう何の脈絡もない二本立てっていうのも普通です。
「ホテル・・」、見たことある人は分かると思いますが、これ親子で見るにはかなり微妙な映画。微妙すぎる。というか、いたたまれなくなる。特に多分父親の方が。

あの気まずい雰囲気も、懐かしい思い出です。

アフリカの風 アフリカ・リミックス展

2006-07-30 00:10:22 |  アート
先週見た美術展は、「アフリカ・リミックス 多様化するアフリカの現代美術」(8月31日まで六本木ヒルズの森美術館で開催中)です。

現代美術って、ものによっては一人よがりすぎたり、技術やデッサン力のなさを奇抜さでごまかしてる感がぬぐえなかったりして、今イチ食指が動かないことが多いのですが、アフリカとくれば話は別。行ってきました。

結果、「行ってよかった!」すっごく面白かったです。
独特の色彩感覚や鋭い感性、アフリカ独自の文化の一方で、奴隷制や植民地時代の暗い歴史につながるものも垣間見えたりして、一つ一つがすごく力がある感じ。
絵あり、写真あり、彫刻あり、映像美術も、映像と音とオブジェの融合もあり、部屋全体が一つの作品というのもけっこうありました。すごく多彩。どれも個性的。めくるめくという感じでまったく飽きません。
ちょっと、ニューヨークのソーホーでギャラリー巡りをしたときのことを思い出しました。
ときにアフリカ音楽のジュークボックスが置いてあって自由にかけられたり、アフリカ美術の本が置かれたコーナーがあったり、見せ方も面白かった。
連れとはぐれたのでメールをチェックしようと携帯を取り出しただけで係員が飛んできて怒られたのがちょっと不愉快だったけど、それを補ってあまりある楽しさでした。

でもって、やっぱりいつかアフリカに行きたい気持ちが強くなりました。
芸術とか色彩感覚って、その土地ならではのものがあると思うんですよね。
イギリスに行ったときは、イギリスの絵やツイードの服などのあのくすんだ色合いはこの湿度が高くてすっきりしないお天気の下での光線によって育まれたんだな、と感じたし、イタリアに行ったときは、イタリアの画家の絵やブランド品の鮮やかな色彩はこの明るい太陽の下でくっきり輝く色を写しとったものなんだと実感しました。あと、ボッティチェッリの絵に出てくる女の人たちの顔立ちって、あのあたり(トスカーナとか)によくある顔なんだとも分かった。

アフリカ人やアフリカ系の人たちのちょっと真似のできない色彩感覚を育んだアフリカの大地を、乾いた空気を、強い日差しと驟雨を、ぜひ五感で感じてみたいと思うのです。

張りつめた美 井上萬二展

2006-06-27 22:35:51 |  アート
有田の陶芸家で人間国宝の井上萬二白磁展に行ってきました(銀座和光ホールで7月1日まで開催中)。

今日はちょうどギャラリートークがあるとのことだったので、その時間に合わせて行きました。
とても味わい深く、またユーモアを交えた50分間のお話でしたが、その中でも特に印象に残った言葉。

「1年かけて一つの作品を作るのがいい作品ではないんです。毎日いくつも作って、その積み重ねの中から一つ選んで出すのがいい作品なんです。」

1977年から毎年和光で展覧会をやって、それが今回30回になるということでした。
会場には、美しい白磁を中心とした壷や皿などの作品が並んでいます。
青磁や絵付けのものもありますが、やはり白磁が一番よいように感じました。
形の完成度の高さ。見ているこちらの息がつまるほど、極限まで張りつめた美しさです。
そしてその形を引き立てる、透明感のあるどこまでも白い白さ。

日本にはいろいろと焼き物がありますが、個人的にはやはり自分の地元に近い有田や伊万里の焼き物が最高だと思ってしまうのです。

先日父が上京してきたとき、今年の有田陶器市の時期に窯元に行って買ってきたという井上萬二の湯呑をおみやげにもらいました。真っ白で、紋も彫りも何もないシンプルな形です。
とてもきれいだったので、今日見に行ってみたのですが、いいものをじっくり楽しむことができました。

プラド美術館展 + イサム・ノグチ展

2006-06-21 20:40:33 |  アート
最近行った美術展二つ。

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遅ればせながら行ってきました、プラド美術館展(東京都美術館で7月2日まで開催中)。
すごく見ごたえがありました。
ベラスケスやゴヤ、ルーベンスの傑作が圧倒的で、また、静物画などもすばらしかったです。

・・いろいろな展覧会のいろいろな絵で目にしているフェリペ4世、すっかり顔を覚えてしまいました。けっこう、1度見たら忘れない顔です。
今回は来てないけどベラスケスの有名な「王女マルガリータ」の絵がありますね、あのマルガリータ王女のもうちょっと成長したときの肖像画もあったのですが、お父さんのフェリペ4世に似てると思いました。口元とか。

予想通りものすごく混んでるけど、見ごたえ十分、いい時間を過ごせました。

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続いてイサム・ノグチ展(横浜美術館で6月25日まで開催中)。

って、確か去年見たような・・?
ええ、でも去年のとは違う作品構成でした(一部重複あり。)。
展示方法も、去年の近代美術館のは時代順だったけど、今回はテーマ別のようでした。

一番よかったのは、前回来ていなかった「死(リンチされた人体)」のブロンズ像が見られたことです。
ノグチが人種差別への抗議を表現した作品で、「外国人のくせに(って、お父さんはアメリカ人ですけどね)ひとの国の問題に口を出すな。」みたいな批判を受ける契機になった作品だったと思います。
見事に抽象化され完成されたた人体表現に、力強い感情がこめられているように感じました。とても迫力があって、何度も戻って見てしまいました。

私は、ノグチの作品ではどちらかというと金属などを使ったものより石を使った作品が好きなのですが、今回も素晴らしいものがいくつもありました。
特に「真夜中の太陽」と「幼年時代」が良かったです。

また、ロビーで1970年代に作成されたノグチのドキュメンタリーフィルムが流れていたのも良かったです。

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今私は「進路の決まった失業者」という、天国にしか存在しないと思われる職業なので(欠点はただ一つ、ケチケチ倹約生活だけ。)、残り少ない天上の時間中に、まだまだ見ておこうと思います。

エコール・ド・パリ展

2006-06-07 01:30:42 |  アート
どうも、失業者Aです。どこにも所属しない日々を満喫(?)中。求職活動&勉強の毎日ですが、時には気晴らしも必要ってことで、美術展に行ってきました。
白金の松岡美術館で9月まで開催中の、「エコール・ド・パリ展」です。
すべてこの美術館の所蔵品なのがスゴいです。

藤田嗣治やモディリアニ、ピカソなど、期待以上の秀作ぞろい。キスリングやシャガールがけっこうありました。
藤田と並んで、私が嬉しかったのは、キース・ヴァン・ドンゲンの大きな絵が3枚もあったこと。うーん、やっぱりいい。この人の特徴の、人肌にグリーンと朱色を使う大胆かつ洗練された色使いが好きなんですよね。色からいうと、梅原龍三郎とかも髣髴とさせる感じ。

常設展もけっこう良かったです。ヘンリー・ムーアとか、エジプトのミイラの棺なんかまであった。
特に面白かったのが、東洋仏教美術の部屋。ガンダーラ、中国、インドなどの仏教その他の像が集められていて、その土地土地で微妙に変遷していったのが改めてよく分かります。
ガンダーラ美術では、仏像もやっぱりイラン人の顔をしていて、菩薩像もかなりbling bling&マッチョな印象。これがもたらされた時中国人が感じたことが何となく分かる気がします。

「・・・・濃い。」多分ね。

インドに行くとヒンドゥー教と結びついて、神像もやっぱりインド人。豊満で、女性は砂時計体型ですね。三島由紀夫「豊穣の海」シリーズ「暁の寺」を思い出します。
それが東アジアに来るととたんにリビドーが抜き去られ、薄くなる。・・・

美術館じたいもきれいだし、ロケーションもいいし(プラチナ通り沿い)、興味のある方にはおすすめです。

上高地で絵を

2006-05-21 21:30:50 |  アート
コメントやメールをいただいた方々、ありがとうございました!
おかげさまで、大分気持ちがクリアになってきたと思います。
追ってご報告しようと思いますが、今日はこの週末の旅行について。

毎年、この時期は上高地に写生に行きます。
2日間で、6号の油絵を2枚仕上げるので、荷物も結構重い。

夜行バスで到着すると、いつも東京とはぜんぜん違う空気の冷たい澄み具合にまず「ああ、来てよかった!」と思います。
大雨の中出発しましたが、到着したときは雨は上がっていました。雨上がりは、空気がひときわ澄んで、山も緑もさらにくっきりと冴えわたっています。

宿で仮眠を取り、早速写生に出かけます。今日は焼岳(やきだけ)を描くことにしました。雪解け水と最近の大雨で、梓川もいつもの青緑色ではなく、ホワイトにイエローオーカーを混ぜた色になっています。



描いているとき雨がぱらつくことがありましたが、お昼ごろまでは順調に進みました。土砂降りでない限り、あと下塗りをきちんとしている限り、雨が降っても大丈夫なんです。なぜって、油絵具は水を弾くから。
でも、お昼を買いに行こうと河童橋に向かったところ、雨がだんだんひどくなり、見る見るうちに大降りになってしまいました。河童橋からの帰り道は、もはや道は川になっています。傘はほどんど意味なし。さらには雷。何しろ山ですから、すぐそばでものすごい音がします。命の危険を感じますが、絵がイーゼルごと梓川の濁流に呑まれてしまったのではと気が気ではなく、足を速めます。
でも戻ってみると、同じ絵画クラブの人たちが、絵も道具もホテルに避難させてくれていて助かりました。

この日は結局、絵はここでやめて、あとはホテルでくつろぎました。2時間後には雨も上がって、嘘のように晴れ渡ったので、露天風呂で雨に洗われこずえに雫の光る木々を見ながら1時間くらいのんびりしてしまいました。お食事もとてもおいしかった。

今日も早く起きて、今度は穂高連峰を描きます。すごくいいお天気!下描きが終わったところです。



お昼ごろには一通り完成したので、昨日の絵にもちょっと手を入れる時間がありました。一応の完成品です。



なお、帰りのバスからも、すばらしい新緑の連なりが楽しめます。こんな感じ!



ニューオータニで静かな時間 青騎士の画家たち展

2006-05-05 22:00:57 |  アート
今日は、青山のヘアサロンへ。ゴールデンウィーク中日に勝負をかける女子らで大混雑。イケメンスタイリストたちもフル稼働です。
ロイヤルミルクティが出てきたり、シャンプー時にはしっかりマッサージしてくれたり、顔以外のサービスも充実。そんなこんなで順調に進み、スタイリングの段階になると、アシスタントさんがまるでオペ中の外科医に対するように、横からサッ、サッと必要な道具やスタイリング剤を差し出します(でも時々間違う。)。そのアシスタントさん、同時に、スタイリストさんの技術を盗むため一生懸命身を乗り出して鏡を覗き込んでいる。そこでスタイリストさんが一言。

「覗き込みすぎですよね。Ekoさんが素敵だから。」

!!!!!!!!!!!!!!!!ス、スゴい。さすがの私もここまでの(リップ)サービス期待してなかった。参った。
いやがうえにもいい気持ちにさせてくれるイケメンヘアサロン、あなたもいかがですか。

さてさて、前置きが長くなりましたが、今日のメインは美術展。ホテルニューオータニの中にある、ニューオータニ美術館です。5月7日まで、カンディンスキー、クレー、マルク、ミュンターという「青騎士の画家たち」展をやっているとのことで、急いで行ってきました。

実はこの美術館、私にとっては都内で好きな美術館トップ3に入ります(あと二つは目黒の東京都庭園美術館と日暮里の朝倉彫塑館。)。小さな部屋が二つだけのとても小ぢんまりした美術館ですが、静かで落ち着いている上、常設展には私の好きなキース・ヴァン・ドンゲンの大作があったり、Foujitaや竹内栖鳳など、ピリリとしたラインナップで気が利いているのです。
ただ今日は常設展はなし。前記の4人の画家の作品が、全部でだいたい30点くらいでしょうか、小ぢんまりと並べられ、どこへ行っても混み混みのこの時期にかかわらず、じつに静かです。
作品はほとんどが版画なので、見ごたえという点では正直物足りなさも残りますが、静かに小さな秀作を愛でたい気分にはちょうどよいかも。ニューオータニというロケーションも抜群で、ホテルの日本庭園を楽しみたい方にもぴったりです。