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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『子どもたちの遺言』谷川俊太郎:詩/田淵章三:写真

2011年02月13日 | 日記
昔誰もが子どもだったのですよね。
80歳に近い谷川さんが、子どもの気持ちを瑞々しく謳っています。さすがです。



「生まれたよ」
生まれたよ ぼく
やっとここにやってきた
まだ眼はあいてないけど
まだ耳も聞こえないけど
ぼくは知っている
ここがどんなすばらしいところか

だから邪魔しないでください
ぼくが笑うのを
ぼくが泣くのを
ぼくが誰かを好きになるのを
ぼくが幸せになるのを

いつかぼくが
ここから出ていくときのために
いまからぼくは遺言をする
山はいつまでも高くそびえていてほしい
海はいつまでも深くたたえていてほしい
空はいつまでも青く澄んでいてほしい

そして人はここにやってきた日のことを
忘れずにいてほしい
(「子どもたちの遺言」より)




谷川さんは、歳をとるにつれて、若者の身になって詩を書く方が書きやすくなってきたということです。この詩集は、最初、ご自身の遺言を書くという発想ではじめたらしいのですが、むしろ死からはるかに遠い子供が大人に向かって遺言をする方が、この時代ではずっと切実ではないか…と思って、発想を逆転させたそうです。

「生まれたばかりの赤ん坊に遺言されるような危うい時代に私たちは生きている」と谷川さん。



谷川さんは、鉄腕アトムの作詞者でもあります。

『鉄腕アトム』の作詞者がぼくだということを知らない人は、すごく多いんです。「詩人は忘れ去られているけれども、 歌は巷に流れている」っていう『詩人の魂』というシャンソンがあるんですけど、そういうのが本当は理想です。あるいは、万葉集の「詠み人知らず」とかね。
(「ほぼ日刊イトイ新聞」より)


私は、小さい頃読んだ『マザーグース』、谷川さんが訳していたのを知ったのもつい最近。

そして、さらに衝撃的事実!
「100万回生きたねこ」の著者で、昨年亡くなられた佐野洋子さんと結婚していたという事!

ご存知でした?!